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青と空と君と。 — fujossy.jp · All chapters

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高校生になってから、八雲と俺は毎日屋上でお昼を食べていた。しかし、その日常に数週間前からある人物が加わっていた。その人物とは、榊乃来である。数週間前に転入してきて、八雲に一目惚れをし、振られても振られても何度もアタックする強者だ。小柄でとても可愛らしい容姿の彼女は、転入して数日で告白されたりするほどで、彼女はあっという間に人気者となっていた。可愛らしい見た目とは裏腹に何度八雲に振られても彼女はめげなかった。そんな彼女がアタックの一貫として、お昼に加わったのだ。目の前で八雲に直接アプローチする彼女を見て、俺はなんでもないという顔をしながら、内心とても羨ましく思っていた。自分には到底無理な行為だったからだ。俺にはそんな勇気もなく、真正面から八雲にぶつかる乃来ちゃんを羨ましく思うしかできなかった。そんなある日のことだった、その日は天気もよく、晴天。綺麗な青空の下でいつも通り3人でお昼を食べていた。だけど八雲も乃来ちゃんもいつもより少しソワソワした様子でお昼を食べていた。何を理由にソワソワしているのかわからなかったが、俺の心は何故だか嫌な予感を察知してざわついていた。当たって欲しくない予感ほど当たってしまうのだけど。お昼を食べ終え、少し休憩をしていると八雲が少し照れくさそうに切り出した。「えーっと、この度俺と乃来は付き合うことになりました」「ですです!」照れてそっぽを向きながら言う八雲とは反対に、乃来ちゃんは嬉しそうに笑顔で俺の顔を真っ直ぐと見ながらそう言った。照れつつも八雲は嬉しそうで、俺の頭は真っ白になっていた。八雲を好きになってから、こういう日が来ることはわかっていたが、こんなにも早く来るとは思っていなかったのだ。これまで八雲は一度たりとも特定の子を作ったことはなかったし、ましてや好きな子すら存在していなかった。それどころか姉の影響で、異性に対して苦手意識すらあったのに。それなのに、こんなポッと出の女の子に、たかが数週間程度で。などと思考を巡らせてしまい、返事に一瞬の間が出来てしまった。「拓矢、どうかしたか?」「あ!いや!なんでもない!お、おめでとう!いつかそうなるかもなぁって思ってたけど、まさか本当に乃来ちゃんと八雲が付き合うことになるなんてなぁ!」慌てておめでとうと返したけど、俺の心の中はぐちゃぐちゃで、その後のことは全然覚えてない。どんな会話をしたのか覚えてないし、気が付いたら教室に戻っていた。変なことを言ってなければいいや、と思いながら。そんな状態だったので午後の授業はもう最悪だった。寝てたら怒られたし(当たり前だけど)、どの授業でも当てられるし、部活でも散々でエラーしまくった俺は最終的にグラウンドを走らされた。はっきりと覚えているのは、帰ってからアホみたいに泣いたってことくらいだ。泣いても泣いても涙は止まらなくて、人にはこんなに出ていく水分があるのだな、とぼんやりと思った。翌朝には当たり前に目がパンパンに腫れ上がってしまった。あれだけ泣いてしまったんだから当たり前か、と思いながら家を出るギリギリまでどうにか誤魔化そうと濡れタオルで目を冷やし続けた。ギリギリまで粘って登校したが、そんな努力虚しく八雲には一瞬で見抜かれてしまう。「拓矢、なんかすげー目が腫れてるけど大丈夫か?昨日から調子悪そうじゃなかったか?」「や、大丈夫!昨日うっかり徹夜でゲームしちゃったらこんななっちまってさ!」「無理すんなよ?無理そうなら保健室とか連れてくから言えよ?」「ありがと!でも大丈夫だから気にすんな!」八雲に会ったらまた涙が出そうになったけど、グッと堪えた。ここで泣いたらきっと全部が誤魔化し切れなくなっちまうから。家から教室までの道のりがこんなに長いなんて思ってもみなかった。いつも二人で過ごしてた道だったはずなのに、昨日までと何もかもが違うように感じてしまった。お昼になって二人が並んでいるのを見たら、今度こそ耐えきれなくなってしまう気がしたというか、確実に泣いてしまうので、お昼は野球部のミーティングがあると二人に嘘をついて、俺は一人誰もいない空き教室でお昼を食べた。一人で食べるのは寂しくて味気なくて、飲み込むのが億劫にすら感じた。でも母親に作ってもらったお弁当を残すのは忍びないので、無理やりに飲み込んで、なんとか完食した。