出来れば二度と思い出したくない
出来れば二度と思い出したくない
懐かしい匂いだった
制服に染み付いて 最後まで褪せなかったあの匂いだ
あの時は 君が全てで あの人達が羨ましかった
でも もう流石に全部は覚えていないな
業火のように燃えて 疾風のように追い抜いていく
ただ 君たちが眩しくて羨ましかったんだよ
あの屋上で あの人達と煙を吸って 君の才能に触れた
出会って全てが始まって 緩やかに終わっていった
貴方達は 誰かに品評され続けて それに応えることにも慣れていたから
私の恨みを孕んだ瞳にさえ 笑いかけたんだろう
だから 勝手に諦めて いつかは何処か遠くへ行く人だと割り切っていた
ねえ 私はね 貴方達が見据える何処か遠い場所に 一緒に行きたかった
けどね 君が全然優しくない人であることも
貴方達が 君以外を見捨てていく人等であることも 知ってる
最後の日の言葉も 表情も 今でも忘れてない
ずっと隣にいるよと 貴方達が知らない誰かに言われる度に
あの場所に行けなかったことを思い出す
あれだけ呪ったのに 全ては 思い出せないな
「未練は何もない」