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フィーネ

リリカルポエム — novelba.com · All chapters

フィーネ

私はあなたにとっての何かに成りたかった

そして あなたと違って 平凡な人生が夢だった

けれど あなたは私を指差して 同じ舞台に上がらせた

燃えるような あなたの才能に触れた時には遅かった

その迷いのない指先が 私とあなたの運命を定めているようだった

スポットライトを浴びて 私は舞い上がったんだ

その隣に立とうだなんて その炎を一番近くで見ていたいだなんて

大それたことを思った

だから 沢山のものを捨てたし 色んなものを犠牲にした

私の世界の真ん中はあなただけで 美しいあなたに全てを捧げてしまった

それでも あなたのことを分かってあげることは出来なかった

アンコールが煩くて あなたの声が聞こえなかったから

スポットライトが眩しすぎて あなたの表情が見えなかったから

だけど 終わりだけは分かっていた

この舞台は幕が降りる きっとあなたは灰になる

何処にもいけないまま 何者にも成れなかった

強くて孤独で美しい あなたに惹かれていただけの人生だった

世界が終わる前の四小節 あなたの声が初めて聞こえた

ずっと隣で流れいたのは こんなに悲しい音だったんだ

「こんな曲じゃ、あんまりだろう」