167 とある少女の決断
167 とある少女の決断
閑話です。
36話を読み直してから今回の話を読むと、おもしろさが増すんじゃないかなと思います。
それではどうぞ!
ある日のこと。
その少女は、今後についてとある悩みを抱えていた。
少女は冒険者であり、周囲の間では優秀なタンクだと評価されていた。
だが、彼女にとってその評価は満足のいくものではなかった。
「才能があるからってタンクをすすめられて、これまで言われるがままやってきたけど……本当は剣で華麗に戦ったり、派手な魔法を使ったりしたいのよ!」
彼女は自分が剣や魔法の才能がないこと自体は理解していた。
それでも諦めることができず、なんとか願いを叶えられる方法はないか、情報収集を行っていた。
自分でも扱えるような優秀な剣だったり、魔法の威力が上がるような装備だったり。
現状を打破してくれる可能性がある情報を、しらみつぶしに探していく。
だが、
「これは私には無理だし、この情報は嘘っぽいわね……まったくいいのがないじゃない! しっかりしなさいよ!」
パソコンに向けて文句を言うが、当然返事は返ってこない。
少し寂しさを感じながら情報収集を続けるも、やはり都合のいい情報は見当たらない。
そろそろ諦めようかと思った次の瞬間だった。
一つのスレッドが、少女の目に留まる。
「剣崎ダンジョンで、最強な剣と称号を入手した件について……?」
そのスレッドには、格上相手にかなりの効果を発揮する【 無名の騎士 ( ネームレス・ナイト ) の 剣 ( つるぎ ) 】と、【無名の剣豪】という超強力な称号を獲得する方法が書かれていた。
「初挑戦、ソロ、剣術系のスキル無し、剣を使って討伐……これならいけるかもしれないわ!」
剣崎ダンジョンのボス、ハイオークをその条件で討伐すれば、無名の騎士という1000レベルのエクストラボスが現れるらしい。
これまで剣を武器として使用したことはないが、レベル差で押し切れば勝てるはずだと少女は判断した。
スレッド内では、この情報が嘘だと批判されているが、少女は直感的にこの情報が真実であると判断した。
昔から勘に優れていたため、かなりの自信がある。
すぐさま少女は剣崎ダンジョンについて調べる。
「あら、思ったより近いわね。一時間程度で行ける距離……これはさっそく行くしかないわね!」
少女はテンションが上がったまま、さっそく剣崎ダンジョンに向けて出発するのだった。
しかし、あまりにもテンションが上がりすぎていたため、少女は気付くことができなかった。
スクリーンの下の方には、『剣崎ダンジョンは迷宮崩壊に伴い消滅済』という文言が書かれていたことを。
「まさかあの話が伏線だったとは……!」と驚いていただけたでしょうか?
私は驚きました。
第四章開始は来週の2021/1/27(水)19:00予定です。
確定次第ツイッター(https://twitter.com/nagato_all)などで報告いたします。
まだプロットは仕上がっていませんが、なんとか間に合うように頑張ります!