173 呼び方
173 呼び方
皆様に二つほど、ご報告があります。
まず一つ目。本日の更新にて、本作が年間総合ランキング1位を獲得することができました。
これも全ては皆様の応援のおかげです。本当にありがとうございます!
そして二つ目……の前に。
ここまで本作を応援してくださった皆様、本当にありがとうございます!
そして、これからもどうぞよろしくお願いいたします!
【世界最速のレベルアップ】は、まだまだ躍進していきますよ!
ギルド加入後。
ひとまずの用件を終えた俺と華、そしてクレアはギルドマスター室を後にした。
そのままギルド内の廊下を歩いていると、休憩室の前を通るタイミングで見知った顔を見つけた。
「零、由衣、それに東雲さん」
呼び掛けると、休憩室の中にいた三人がこちらを向く。
セミロングが特徴的な、綺麗な少女―― 黒崎 ( くろさき ) 零 ( れい ) 。
明るい長髪に、ぱっちりとした瞳が特徴的な少女―― 葛西 ( かさい ) 由衣 ( ゆい )
お姉さんらしい、柔らかい雰囲気が特徴的な女性―― 東雲 ( しののめ ) 香織 ( かおり ) 。
どうやら三人はお茶を飲みながら何かを話し合っていたようだ。
俺たちに気付くと会話を止め、代表として東雲さんが返事をする。
「皆の話し合いは終わったのかしら? よかったらこちらをどうぞ」
ススッと、袋に入ったクッキーを差し出してくる。
俺たちは顔を見合わせた後、そのまま席に着いた。
「じゃあ、失礼して」
「お邪魔しまーす」
「クッキー、いただきます」
六人が座ったタイミングで、話は再開する。
由衣と零が、興味深そうに口を開いた。
「華ちゃんたちは、何の話をしていたの?」
「ギルドの加入についてですよ、由衣先輩」
「……それで結局、どうすることになったの?」
「俺と華も加入することになった。だから改めて、これからよろしくな」
その言葉を聞いた二人がパアッと顔を輝かせる。
「はい! よろしくお願いします!」
「うん、よろしく。気軽に先輩と呼んでくれていい」
「ほう、言うな」
「むぅ~」
得意げに告げる零の頬を掴んでぐにぐにしてやる。
反抗するような声を上げながらも、なんだか楽しそうな表情だった。
すると、そのタイミングで東雲さんが困ったように呟く。
「二人が加入したのは嬉しいけれど、これで天音が二人になるのよね。呼び方に困っちゃいそうだし、これからは凛くんと華ちゃんって呼んでもいいかしら?」
「はい」
「もちろんですっ!」
確かにそうすべきだと思ったため、俺と華は迷うことなく頷く。
それを見た東雲さんは、なぜかにっといたずらっぽい笑みを浮かべた。
「さて、私は二人をそう呼ぶからいいとして……ここにもう一人、凛くんのことを苗字で呼んでいる子がいるわよね?」
「………………」
ここにいる五人が、残る一人――クレアに視線を向ける。
すると彼女は困ったように顔を逸らした。
その反応を見て、なぜかこっちまで落ち着かない気分になってしまう。
この展開はまずい気がする……。
「あっ、皆の飲み物がなくなりそうですね。俺がお代わりを入れてきま――」
「こら、逃げちゃだめよ、凛くん」
その場から立ち去ろうとした俺の裾を、東雲さんはがっしりと掴む。
か、確信犯だこの人……!
場に妙な空気が流れ始める。
全員から見つめられ続けたクレアは、諦めたように息を吐く。
そして、その深い海のような蒼色の瞳を俺に向けた。
頬が僅かに紅潮しているためか、余計に瞳の深みが増しているように見えた。
「っ」
何かを言うべきだと思いつつも、うまく言葉が出てこない。
そんな中、クレアはとうとう そ ( ・ ) れ ( ・ ) を口にした。
「え、えっと……では、その……凛くんとお呼びしても、よろしいでしょうか?」
「……ああ」
「あ、ありがとうございます」
名前を呼んだあと、クレアは再び俺から視線を外す。
普段の彼女とはまた違った反応を新鮮に思いつつも、それを楽しむような余裕はなかった。
なぜなら――――
(心臓の音が……うるさい)
ただ名前を呼ばれただけなのに、驚くほど鼓動が早まる。
きっと俺の顔も赤くなってしまっていることだろう。
くそっ、中学生じゃないんだぞ!
そう自分に突っ込みたくなる。
「お兄ちゃん?」
「むぅ、凛先輩……」
「ラブコメ反対」
そして最後に、そんな三人の言葉が耳に飛び込んでくるのだった。
【重大発表】
この度【世界最速のレベルアップ】の書籍化が決定いたしました!
スニーカー文庫様より2021年4月1日頃に発売予定です!
皆様の応援のおかげです。誠にありがとうございます!
イラストレーターはfame先生で、本当に素晴らしいイラストを描いていただけました!
超絶クオリティによるイラストの数々に皆様は歓喜の声を上げることでしょう! 私はそうなりました!
ぜひこちらもよろしくお願いします!