番外 <<幕間>> 大陸南部の情勢
番外 <<幕間>> 大陸南部の情勢
シオ・フェン公主の輿入れ船団が、ジョンジョンを出航した翌日、スー・クー邸。
ミーファが公主と共に出立したため、モゴック局長がミファソシに戻る挨拶に来たのだ。
もっとも、スー・クーもミファソシの代官であるため、しばらくしたらミファソシに戻るのだが……。
「とにかく、無事に送り出せてよかったな」
「ええ。あとは、無事に帝都についてくれることを祈るのみです」
スー・クーもモゴック局長も、この先は祈る事しかできない……。
そんな話をしているところに、急報が届いた。
「すまんな、局長」
「いえいえ、どうぞお気になさらずに」
スー・クーは、届いた封を切って、手紙を一読した。
「予想以上に早かったか」
そう呟くと、手紙をモゴック局長に渡した。
「読んでよろしいので?」
「すぐに、局長の下にも届く情報だ」
スー・クーのその言葉を受けて、モゴック局長も手紙を読んだ。
「ゲギッシュ・ルー連邦の内戦が終結した? 国主についたのは東部 藩主 ( はんしゅ ) ……。東部藩主は、アティンジョ大公国が支援していましたよね」
「うむ。つまり、連邦も大公国に飲み込まれるということだ」
「結果は予想していたとはいえ……半年から一年先だと思っておりました」
「それは、西部統括局長としての意見か?」
「はい。我が国の諜報活動、情報収集はともかく、分析能力をもう少し上げねばなりませんな」
予測が大きく外れたことに、モゴック局長は何度も首を振った。
大公国とボスンター国の間には、『迷わずの森』が横たわっている。
森の奥に入っていけない『迷わずの森』は、通り抜けることは不可能だ。
そのため、大公国の影響は、海からになる。
大公国は、先だって自由都市クベバサを保護下に置き、自治都市クベバサとした。
しかも、未だにクベバサには、大公弟ヘルブ公がいる。
保護下に置いた際の混乱は、完全に終息し、極めて穏やかな状況になっているのにだ。
「ヘルブ公が、自治都市クベバサに居座ったままというのは、やはり気になるな」
「はい。クベバサそのものに、どうしても離れられない問題があるとの報告は来ておりません。ですので、他の……海を通しての何か別の国か、他の何か無視できないものがあるのでしょう……」
「そこは、ぜひ知っておきたい。我ら東方諸国は、海とは切っても切れぬ関係にあるからな」
東方諸国の東には、広い大海がある。
どこまで続くのかは誰も知らない、広大な海。
その海は、南にも広がり、いわゆる多島海地域に繋がる。
西では、中央諸国南部の海に繋がるという言い伝えはあるが……生きて、それを確認した者はいない。
ほとんど、伝承の類だ。
「そういえば、クラーケンが暴れまわっていたという報告が、以前あったな」
「はい、ございました。ここ一カ月は、我が国の船が沈められたという報告は聞いておりませんが……今までと違うことが起きると、やはり気になります」
「まったくだ……」
21時に、本編を投稿します。
いよいよ、「第四章 超大国」……東方諸国の中心です!