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あなたの為のオーケストラ 其の二十二

シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜 — ncode.syosetu.com · All chapters

あなたの為のオーケストラ 其の二十二

二周年? 読者、今は平成何年だ?

令和元年?

アアアアアア年号がァ! 年号が変わっているぅぅぅ!!!

それはそれとして二年です二年、塵も積もれば山となると言いますが設定厨が積もると五百話ちょいになるんですね……

今後とも拙作をよろしくお願い致します

「おいポンコツ、この際インテリジェンスに振る舞えとは言わん、せめてインテリジェンスに説明しろ」

「インテリジェンス……」

「そうだ、インテリジェンス。分かるか? インテリジェンスは口ごもらない、インテリジェンスは情報を渋らない、インテリジェンスは癌にも効く」

知性が医学を発展させて昔と比べたら癌の対処法が増えたそうだし間違いではないだろう。

「………存在意義、自意識だけではどうしようもない承認欲求、オルケストラによる裁定は、やはり……」

「うーん、曖昧!!」

だが見えてきたものがある、つーか台詞だけで六割くらいボヤけているが見えた感じがする。

「曖昧な理解の中でそれでも言えることが一つだけあるぞ」

「それは………」

Q.思わせぶりな悩みを持ってる相手に知ったかぶりで好感度高めのアンサーを返すためにはどうすればいいですか?

「お前が求める答えは、ここには無いぜ」

「……!」

A.こっちも思わせぶりな事を言いましょう、 曇りガラス ( モザイク ) だからこそ見える風情もあります。じゃなきゃ修正済みAVが売れる訳ないよねぇ!?

「シャラップ! ディプスロミーム!!」

おのれディプスロ、ミームだけになっても下ネタを吐くとはな……悪霊退散! 悪霊退散っ!

「……チッ、もう出てきたか。いいかサイナ……「懊悩は暗闇が如く、されど長き夜が永き試しなし」だ!!」

「一体、どういう……」

「挫折し悩む英雄の背を押して瓦礫と土砂に消えたある男の言葉だ、語ると長い!!」

そもそも別ゲーの話だしな! 開けた夜の先に流し目ゴリラとか目が覚めても悪夢じゃねーか!! くたばれオラーッ!!

「クリティカル・レイズ!!」

それは俺が使ったスキルの名であり、同時に「俺」が使ったスキルの名でもある。

互いに手応えの薄い刃がぶつかり合い、その度に剣を包む光が輝きを増していく。

「十六倍!!」

鏡写しの如き 掛け金 ( ダメージ ) の上乗せ、どちらもフォールドしないならあとは手札の力でガチンコ対決しかない。

俺の手から勇魚兎月が消え、「俺」の手からも似た形の対刃剣が消える。はい、だっさなっきゃ負けよっ、じゃーんけーん……

「何っ!?」

てっきり同じ武器種で来るかと思ったが、俺が 紅蓮海の拳帯 ( レガレクス・セスタス ) を装備したのに対し、向こうが出したのは巨大な特大剣……なんだ? まぁいいやるぞ幕末流!

「応用編「錆光殺し」!!」

対レイドボスさん用テクニック、なお成功率は五割で達人級!!

左腕で弾くように、しかし確実に特大剣の刃が触れるように腕を叩きつける事で意図的にクリティカルをズラす。向こうのAIは拳による攻撃を警戒したのかガードの素振りを見せて………おや、メタの張り合いでも勝ててしまったな。

「急ガバ回れってなぁ!!」

狙うのはてめーじゃねぇよ、武器の方だ!!

どうせ俺が使えるテクニックは向こうも使える、本体を狙って俺がしたように無効化される可能性を捨てきれないダメージを稼ぐよりも、剣限定のスキルであるクリティカル・レイズを捨ててでも怯ませる方が次に繋げられる。

「歯を食いしばれ蓮コラ野郎!」

百秀の神腕 ( サウィルダーナハ ) 起動。特大剣の腹を殴って弾き飛ばし、さらに前へ奥へと踏み込んでいく。

俺が「俺」をメタるなら、俺が俺をメタれば「俺」をメタる事になる!! 俺とは一体……くっ、気を強く持て! プレイアブルだから俺が俺!! 俺とは……これは、無限ループ!?

「完成度20%!!」

見様見真似 ( なんちゃって ) ボクシング、動画サイトでちらっと見かけただけなので名前は覚えてないが俺が生まれる前のボクサー!

だが動画タイトルにあったからそいつの異名は知ってる。円を描く独特のステップと、荒々しいラッシュが持ち味だったそのボクサーは「ハリケーン」に例えられていた。

役割の模倣まではいかないが、部分的な動きは真似できる。その為には硬く強いが 嵩張る ( ・・・ ) 煌蠍の籠手じゃ駄目だ、グローブは持ってないのでセスタス使った原始的ルールで勘弁な!!

「っ!!」

スキル起動、動画で見た通りに動きつつも左拳によるジャブを次々に命中させていく。

だが奴はトレースAI、俺が出来ることは奴もできる、つまり俺がすることも読まれていると考えていい。だがこのスキルはクリティカル・レイズとは異なり制限時間タイプだ、距離を離させない立ち回りが……おいちょっと待て。

何故そこで左胸を右拳で叩こうとしている? いや分かる、やろうとしていることは分かる。だが、お前……

そのワンアクションをこの距離でやるのは完璧にディスアドだろう。

「吹き飛べ」

二連結同調「 降誕拳圧 《 カウントダウンバースト 》 」、左拳で当てたクリティカルの回数だけパワーと追加効果が右拳に累積する。

当てた回数は十一回、このスキルは十コンボを超えると人間大サイズのオブジェクトなら軽々と吹き飛ばす強力な 気流 ( バースト ) を発生させる。横向きだけどダウンバーストって言っていいのか?

風が拳を起点に渦を巻き、ひやりとした風が頬を撫でたと思った瞬間、爆発的な風圧が拳の前で炸裂。悪手を取ったとはいえやはり上位互換、咄嗟のガードを間に合わせていたものの流石に風圧までは防ぎきれなかったらしい。

勢いよく仰け反って吹き飛んでいった「俺」の姿を見逃す程耄碌しちゃいない。恐ろしい程順調だ、だが理由は後で考えればいい!!

「千載一遇のチャンス、ファーストクリアは貰ったァ!!」

リヴァイアサン製大口径「アグアカーテ」を発砲、飛翔する弾頭は未だ宙を舞う「俺」へと殺到。だが今度こそ 過剰伝達 ( オーバーフロー ) の条件である動作を達成した「俺」が空を踏んで飛び跳ねる。

「そんなもん、百も承知なんだよ!!」

こちらがスキルを整理すればあちらも同様の変化が起きる、臨海速を解体して廉価版で揃えた事で小回りが利くようになったのは俺だけではないし…… 俺も同様だ ( ・・・・・ ) 。

「忘れたのか? 俺は既に乱数の壁を乗り越えている……!」

百秀の神腕 ( サウィルダーナハ ) の効果。このスキルによる攻撃が命中した時、ランダムにステータスの一つへ強化効果が付与される。そして俺が引いた強化ステータスは……… AGI ( 敏捷 ) !!

いいぞ、想定外の優勢だ。原因究明は後でいい、エンジンを掛けろ、作ったアドレナリンを端からニトロに変えてぶち込んで行け!!

パラベラム・ルーティーン込みの纏雷状態、風火二輪、二連結同調「天国への 階段 《 ステアウェイ・ヘヴン 》 」、二連結同調「旅終わるまで《ネヴァーエンド》」の連続起動! メタ行動? ふふふははは、ステータスこそが全て! 小手先の技に頼ったところで……AGIはこちらが上! つまり俺の方が速い! 強い!!

そしてさらに駄目押しの三連結同調「 爆心奔流 《 ニトロ・フロー 》 」 ! ここで畳んでやるよオラァ!!

「HPだけ増やしてるなんてコスい真似してるんじゃねぇだろーな!?」

俺が紙装甲だというなら奴もまた紙装甲、俺が死にやすいというなら奴もまた同様のハンデを背負っているという事!!

今この瞬間、立場は逆転した……行ける! 行けるぞ!!

立ち回ることに特化したスキル構成の殆どを起動した今の俺にとって、自分が今壁に立っているとか、天井に立っているとか……その全ては瑣末な問題でしかない。

虚空の全てが足場であり、空間の全てが道と化した俺と「俺」が互いに銃を乱射する。まぐれ当たりは双方ともに無く、互いに相手に捕捉されないよう跳ね回りながらもその距離は段々と縮まっていく。

分かる、分かるぞ……あと二手、二手で互いの近接射程距離に入る。俺が右にステップを入れた、向こうがバックステップを入れた……そして、互いに前へと踏み込んだ!!

「ここだっ!!!」

唸れ俺の左手! ここでUI操作ミスったら末代まで祟るぜ!!

いないから悩むのだ

認められないから認めたくないのだ

そして、違うからこそブレるのだ

答案用紙は、未だ白紙のまま……

そのうち活動報告でまた何かやるかも