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SS:クリスマス

デスマーチからはじまる異世界狂想曲( Web版 ) — ncode.syosetu.com · All chapters

SS:クリスマス

※12/24の活動報告に掲載したものと同じです。

12/25に追加投稿したのは、次の「幕間:パーティー」の方です

ふんふんふ~ふんふんふ~ふんふんふん、ふ、ふ~

「アリサが気持ち悪いのです」

「だいじょうび~?」

むむむ、失礼な!

「クリスマスの準備をしてるのよ」

「くいすあす?」

「楽しいのです?」

ぐぬぬぬ。過去の嫌な思い出が脳裏に……落ち着きなさいアリサ。今日は大好きな人と一緒のクリスマスじゃない。2人っきりじゃないけど、幸運の神様がこんなサービスをしてくれるなんてめったにないんだから楽しまないと!

「楽しいわよ。ごちそうを食べたり、みんなで遊んだりね」

「いつもといっしょ~?」

「毎日がクリスマスなのです!」

いや、そーだけどさー、違うのよ。

くそう箇条書きマジックがわたしの邪魔をする!

「クリスマスには赤い衣装を着たサンタさんって人が、プレゼントを配ってくれるの」

「ぷれぜんと~?」

「贈り物って事よ」

「肉なのです?!」

「クジラの唐揚げがいいのです!」

あ~、アレは美味しかったわよね~。

おっと、2人のペースに乗せられちゃった。

このままだとサンタコスの準備が間に合わないかな。

よし、ここは一石二鳥を狙おう。

「でもね、プレゼントは良い子しか貰えないのよ」

「タマいいこ~」

「ポチだって良い子なのです!」

「あら、そうかしら? 自分では良い子だと思っていても他の人はそう思っていないかもよ?」

「うにゅ~」

「そ、そんな事ないのです! アリサは意地悪なのです!」

「悪い子にはね」

そこでいったん言葉を切って2人の注目を集める。

「くろ~い衣装を着た黒いナマハゲが、やってくるの」

演出を狙って徐々に声を潜めていく。

2人が息をのむ瞬間を待つ。

「悪いごはいねが~!!」

「わるいこいない~!」

「ポチもタマも、いいこなのです~~」

両手を持ち上げて、大声で叫ぶと、2人は悲鳴を上げながら階下のご主人様達のいる部屋に走っていってしまった。

うん、からかい甲斐のあるイイ子達だ。

◇

昼間怖がらせたお詫びに、ポチとタマにも靴下をプレゼントした。

枕元に置いておくとサンタさんが、プレゼントを入れてくれるんだよって教えてあげたら、嬉しそうにつるしていた。

ミーアも普段はいているオーバーニーソを下げていたけど、細いからプレゼントを入れたら伸びちゃわないかな?

4人でベッドに横になって、幸せな眠りについた。

◇

「あら? アリサまで寝ちゃったみたいです」

「じゃあ、プレゼントを入れて下に戻ろう」

「はい」

クリスマス夜の部はアリサは不参加か。

せっかく、ムーディーな音楽を流す魔法道具や、大人っぽいしゃれた食器やオードブルを用意したのに、残念だ。

オレは、幸せそうに眠る4人に癒やされながら、静かに寝室の扉を閉めた。