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SS:ポチの生徒達

デスマーチからはじまる異世界狂想曲( Web版 ) — ncode.syosetu.com · All chapters

SS:ポチの生徒達

※活動報告にアップしていたSSの再掲載です。

「ポチの姐さん、この通りだ」

ウササ達「ぺんどら」の男の子達が、とっても美味しそうな熱々のカエルの肉串が載ったお皿を突き出して懇願してきたのです。

皆の真剣な顔を見たら何が望みかなんて、お見通しなのです。

尚も言葉を重ねようとするウササの前に手を突き出して無言で止めて、コクリと頷いてあげたのです。

「みなまで言わなくても分かっているのです。少し時間が掛かるからここで待つのです!」

「はい!」

「さっすが姐さん!」

「話が早いぜ!」

「砂嵐が来たってここで待つガウ!」

――ガウ?

まあ、いいのです。後でかじょーなキャラ付けのコウザイを、ガウ君と話し合わなくては!

ポチは二階の「すいーとるーむ」にとびっきりの品を取りに戻ったのです。

油紙に包まれたソレを妖精鞄から取り出して、ちびっとだけ隙間を空けて匂いを楽しんだ後、皆の待つ中庭に駆け戻ったのです。

「みんな一切れずつあげるのです! よく噛んで食べるですよ?」

とっておきの「バジリスクの燻製」を皆に振舞う。

ちょっと惜しいけど、皆の笑顔が見れてポチも幸せなのです。

「あ、あの姐さん?」

あれれ? おかしいのです。

ウササの顔色がすぐれないのです。

「もしかして燻製は嫌いなのです?」

「い、いえ、大好きです、けど」

大好きなら食べるべきなのです。

「ウササ、あ~んなのです」

ウササの口に燻製を一切れ入れてあげる。

耳を真っ赤にして「美味しいです」と呟いてモグモグと食べ始めた。

そう、これでいいのです。

満足一杯に、報酬のカエルの肉串を齧りながら幸せに仲間入りしたのです。

◇

「――魔刃なのです?」

「はい! オレ達も覚えたいんです! お願いします!」

ポチの勘違いだったのです。

カエルの肉串も食べちゃったし、ちゃんと教えてあげるのです。

「こう、魔剣にズギャンと魔力を篭めて――」

「姐さん、魔剣なんて持ってません」

ありゃ?

ご主人様に言えばいっぱいくれるかも、なのです。

中庭の木陰で昼寝をしていたご主人様にお願いにするのです。

「ダメだよ」

「ダメなのです?」

「うん、ダメ」

残念なのです。

ご主人様が意地悪なのです。

「ダメだったのです」

ウササ達が口々に嘆きの声を上げて地面に崩れ落ちてしまったのです。

ああ、困ったのです。

丁度、リザが買い食いから帰ってきたので相談してみたのです。

「どうしたのです、ポチ」

「リザ! 魔剣が欲しいのです!」

「持っているでしょう?」

「持っているけど、違うのです」

リザにちゃんと説明して、「ないすあいであ」を教えてもらったのです。

「この木剣に魔力を篭めるんですか?」

「そうなのです。ポチも最初は木剣で練習したのです。忘れていたのです!」

とっても懐かしいのです。

ポチは、あの頃みたいに毎日ご主人様とベッタリ一緒に居たい、のです。

「姐さんできません!」

「これは秘奥の技なのです! ちょっと練習したくらいじゃできないのです」

ポチだって半月も掛かったのです。

ご主人様やタマみたいに直ぐできるのは天才だけなのです!

「地道に訓練するのです! ズギャンと魔力を篭めてズドンと叩き込むのです!」

ポチの激励を受けて、ウササ達は気合の篭った掛け声を上げて練習を始めたのです。

それを見守りながら、ご主人様のお腹の上でお昼寝したのです。

今日はタマが忍者の日なので、独り占めだったのです。

明日もこんな風にご主人様と一緒がいいのです。

「幕間:上肉串とペンドラゴン」より少し後のお話です。