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14-15.ボルエハルト(2)

デスマーチからはじまる異世界狂想曲( Web版 ) — ncode.syosetu.com · All chapters

14-15.ボルエハルト(2)

※2016/1/2 誤字修正しました。

サトゥーです。ミッシングリンクという言葉が流行った事がありました。当時はリンクを 指輪 ( リング ) と勘違いしており、友人と話したときに恥をかいた事がありました。

事象の連続性を欠く事を指すそうですが、普通に暮らしている限り、出会う事は無いと思うのです。

◇

「右~、もうちょい右~?」

ボルエハルト市の市庁舎横の広場で、タマが手旗信号でこちらに指示を出す。

さっきまで横にいたはずなのに、素早い事だ。

その指示に従って、飛行服のブラウニーが飛空艇を広場に着地させた。

市庁舎では、事務服のドワーフ達が窓という窓から物珍しそうに顔を出している。

小太り体型の人が多いからか、電線に連なる雀の群れを連想してしまった。

「お久しぶりです、ペンドラゴン卿」

「こちらこそ、ご無沙汰しております」

わざわざ出迎えに来てくれた市長のドリアル氏と握手を交わす。

ドリアル氏の秘書で彼の娘であるジョジョリさんも一緒だ。

「あら? ガロハルじゃない! どうしてあなたが?」

「やあ、ジョジョリ、君は驚いた顔も素敵だね。君と一緒に空のデートがしてみたいな」

「もう、ガロハルったら」

ナチュラルに色男なセリフを吐くガロハル氏に、ジョジョリさんも頬を染めて満更でも無い感じの反応をしている。

前に魔法屋で会った時は、ガロハル氏に姉のように接していたジョジョリさんだが、半年ほどの間に何か心境の変化でもあったみたいだ。

アリサに言わせると、ジョジョリさんは「ダメ男に惹かれる、しっかり者のキャリアウーマン」に分類されるらしい。

「ご主人様、お土産はどこに運び込めば良いでしょう?」

「マスター、指示を求めます」

土産の酒樽をカートに載せて運んできたリザとナナが聞いてきたので、ドリアル氏に運び込む場所を確認する。

アリサが酒樽の前で「た~る」と妙に可愛い声で言っては笑いを堪えていたのが謎だったが、アリサの奇行はいつもの事なのでスルーした。

「あ、ポチ! その箱は違うんだ」

「違うのです?」

酒瓶セットが入った木箱を運ぼうとしていたポチを止める。

「ガロハルさん、こちらの木箱はガロハルさんへのお土産なんですが、お店の方に運べばよろしいでしょうか?」

「これはありがたい! 前に戴いた酒のお礼もまだなのに悪いね」

「もう、ガロハルったら! 巻物工房のお礼も言っていないでしょ?」

はて、なんの事だろう?

「そうだ! 手紙を書こう書こうと思っているうちに日が経ってしまった。君がシーメン子爵に口をきいてくれたんだろう? お陰で人気の『花火』の巻物を定期的に仕入れる事ができるようになってね。閑古鳥が鳴いていたガロハル魔法店が、今や店員を雇えるほどの大盛況なのさ」

特別に口をきいた覚えはないのだが、公都の巻物工房でガロハル氏の事を話題に出した気はする。

たぶん、工場長のジャング氏あたりが気をきかせてくれたのだろう。

「本当にサトゥーさんのお陰だわ。ガロハルのお店がいつ潰れるか心配しなくて済むんだもの」

「酷いな、ジョジョリ。幸運の女神である君が見守ってくれているんだから、僕の店は潰れたりしないよ」

夫婦のような二人の会話を暖かい目で見守っていると、市長のドリアル氏が呼びに来た。

ドハル老への面会依頼が通ったようだ。

◇

「「「 神金 ( オリハルコン ) !」」」

ドハル老の部屋で、オリハルコンのインゴットを取り出した瞬間、入り口から覗いていたドワーフの鍛冶師達が一斉に驚きの声を上げた。

「何覗いてやがる、バカモン共が!」

「「「すんません、オヤッサン!」」」

一列に正座させられたドワーフ達の頭に、ドハル老の拳骨が順番に落ちる。

「騒がしくて済まねぇな」

「いえ、お気になさらず」

ドワーフ達を正座させたまま、ドハル老がテーブルに戻ってきて、インゴットを手に取る。

「これは 神金 ( オリハルコン ) ……それも、ただの神金じゃねぇ」

ドハル老が色々な角度からインゴットを眺めた。

初耳だけど、等級なんてあるのかな?

「かなり上位の源泉の御力で精錬された物に違いない。触れるだけで精霊達の祝福を感じるようだ」

紅貨――賢者の石と錬成素材があれば割と簡単に作れるのだが、ドハル老やドワーフ達の感動に水を差す必要もないので黙っておく。

「だが、これほどの神金ともなると、いつものミスリルと同じ設備では力不足だ」

ドハル老が厳つい顔でインゴットを見つめる。

よし、今が「こんな事もあろうかと」とオリハルコンのハンマーと金床を出すタイミングだろう。

「ドハル様――」

「よし、サトゥー! ついてこい!」

――あれ?

ドハル老がズシャッと勢い良く立ち上がって、オレに声を掛けた。

あの、オリハルコンのハンマーと金床……。

「ジョジョリ! ドリアルを呼んでこい! 奉納打ちをすると伝えろ!」

「はい!」

――奉納打ち?

ドハル老の口から謎ワードが飛び出てきた。

「オヤッサン! ほ、奉納打ちって事は――」

「そうだ! ドリアルに代替わりする。ジョジョリの婿も決める必要があるな」

ドハル老の言葉に、鍛冶師筆頭のザジウル氏を始めとしたドワーフ達が、変なポーズで筋肉アピールを始める。

やっぱり、ジョジョリさんはドワーフ男性にモテモテらしい。

「サトゥー、前にも言ったが、おめぇジョジョリの婿にならんか?」

「申し訳ありませんが、種族が違いますので」

ハイエルフであるアーゼさんに求婚している事を棚に上げ、「種族の違い」を断わる理由に使う。

少々卑怯だが、大人には方便が必要な時もあるのだ。

「――そうか、おめぇはドワーフじゃなかったな」

ドハル老が豆鉄砲を喰らった鳩のような顔でポソリと呟く。

どうやら、素でオレの種族を忘れていたらしい。

「やむを得ん、跡継が生まれなければ技も伝えられん」

短い腕を組んだドハル老が、難しい顔で思案する。

そこにドタバタとドリアル氏とジョジョリさんが駆け込んできた。

「ドリアル! ジョジョリの婿を誰にする? すぐに決めろ!」

「む、婿ですか、父さん?」

「お、お祖父様!」

ドハル老の言葉にドリアル氏とジョジョリさんが驚きの声を上げた。

戸惑うジョジョリさんに、先にショックから立ち直ったドリアル氏が優しい声で問いかける。

「ジョジョリ、君は誰を婿に迎えたい」

「ガ――私は……」

答えようとしたジョジョリさんが、途中で口ごもる。

今、ガロハルさんの名前を言おうとした気がする。

ちょっと、助け船を出してみよう。

「ドハル様、ジョジョリさんの婿に求められるのは鍛冶師の才能ですか? それとも市長の器でしょうか?」

「どちらもいらん。ワシを殴り倒してでもジョジョリを奪える強さがあればいい」

じつにドワーフらしい価値観だ。

そういう点だと、伊達男っぽいガロハルさんは向いていない。

どちらかというと、直情的なザジウル氏の方が適任だ。

しばし、沈黙の時が、この場を支配する。

「――もう待てん。後で適当な若い衆と見合いさせてやれ」

答えの出せないジョジョリさんを後回しにして、せっかちなドハル老が話を進める。

「奉納打ちはワシとサトゥー、ドリアル、ジョジョリの4人と――後は鍛冶師が一人と魔法使いが一人だ。鍛冶師はザジウル、お前ぇが来い」

「へい! オヤッサン!」

ドハル老に名前を呼ばれたザジウル氏が腕を天に突き上げて喜びの叫びを上げる。

周りのドワーフ達が祝福ともやっかみとも取れる拳をザジウル氏に叩き込んでいた。

血みどろになりながらも、笑顔で殴り返すザジウル氏が怖い。ドワーフの祝福はなかなかバイオレンスだ。

「あとは魔法使いだが……ドン、ハーン兄弟のどっちかだな」

「父さん、あの二人はどちらか片方だとすねますよ」

ドハル老の決定にドリアル氏がストップをかけた。

「ここは別の魔法使いが良いでしょう。奉納打ちでの魔法使いは役割が特殊なので、魔法だけでなく算術が得意だとなお良いですね」

「そ、それならガロハルさんにお願いしましょう。丁度、市庁舎の方に来られていますし」

ドリアル氏のアシストを、ジョジョリさんがねじ込んだ。

「そうだな。それでいい」

ドハル老は二人の不自然さに気付いているのか、いないのか、簡単に了承する。

ザジウル氏はライバルの再登場に顔を歪めていたが、ドハル老の決定に異を唱える事はなかった。

◇

「すっげぇ、熱気がガンガンくるぜ」

「こ、ここが最奥の間への道ですか?」

吊り橋の下方から赤い光と熱を放射するマグマを見下ろして、ザジウル氏とガロハル氏が呟く。

ここはボルエハルト市の地下深く、都市核のある別マップ区画だ。

あの後、冷水で禊ぎをした後、全員お揃いの白い鍛冶服に着替えた。

吊り橋を渡り、長い石の階段を下ると、マグマの川の真ん中にある中州へと続いていた。

そこには和風の 社 ( やしろ ) があり、その境内には結界が張られている。

『領主ドハル、代行者ドリアル以外の同行者に進入許可を与えてください』

「おう! サトゥー、ジョジョリ、ザジウル、ガロハルの4人に許可を与える」

『承知しました』

都市核の方から聞こえた声に、ドハル老が答える。

社を守っていた結界が解け、オレ達はドハル老の先導で中に入る。

見慣れてきた都市核の間だが、ここは少々他と違う。

若干和風テイストのある社の中には大きな窓があり、そこから気泡を上げるマグマが見えている。

「奉納打ちに来たぜ。準備をしろい!」

『承知しました。次代の領主を指名して下さい』

「ドリアルだ」

『登録予約完了、次代の代行者を指名してください』

「おい、ドリアル、指名だ」

「は、はい。代行者をジョジョリに指名します」

『登録予約完了、奉納打ちの道具を顕現します』

都市核の前に、青い水晶でできた金床といくつかの青いハンマーと金鋏が現れた。

どうやら、魔力を物質化させた物らしい。

今度、オレが支配中のパリオン神国にある街で色々と実験してみよう。

「いいか! ドリアルとガロハルはそっちの操作板を任せる。ミスリルより硬い神金を加工するのはその操作板の操作で決まる。ドリアル、ガロハルに教えろ」

「はい! ガロハル君、我々の責任は重大だが、君ならやれる。算術に不可能はないと父さんに見せてやろう!」

「はい、先生!」

どうやら、ドリアル氏はガロハル氏と気が合うようだ。

「サトゥー、妖精剣以降に打った剣はあるか?」

「はい、ございます」

「見せてみろ」

聖剣や魔剣を出すわけにもいかないので、ダマスカス鋼で打った刀を格納鞄から取り出して見せた。

迷宮下層のバンに教えてもらった刀鍛冶の極意には届いていないが、なかなかの秀作だと自負している。

「なかなか、やるようになったな――」

色々な角度で刀を眺めていた、ドハル老がしばし黙考する。

「ザジウル、お前には相鎚を任せる」

「へいっ! オヤッサン!」

ザジウル氏が満面の笑みで、自分の胸をズドンと叩いた。

「サトゥー、こっちの巻物を読め。ドワーフ語は読めるか?」

ぱらりと捲った限りではエルフ語や妖精語とほとんど変わらない。

術理魔法の「 翻訳 ( トランスレート ) 」をこっそり使ったら、一部ニュアンスの違いを補正できた。

「大丈夫です」

「なら、任せる」

読み進めて、オレは愕然とした。

――ドワーフの秘伝じゃないか!

部外者に見せてどうする。

「ドハル様、私などが見てはならない書物ではないでしょうか?」

「構わん。最高の鍛冶師――いや、最強を想像できる鍛冶師でなくてはならん。ワシやザジウルでは聖剣を超える剣を想像できん。貴様の打った先ほどの剣から、ワシはそれを感じたのだ」

なるほど、それなら確かにオレは適任だ。

何しろ、聖剣を超える剣を 知っている ( ・・・・・ ) のだから――。

「準備は良いか!」

「「「応!」」」

ドハル老の言葉に皆が答える。

「融解操作開始」

「半流体化を確認、作業開始まで5、4、3、2、1」

操作盤を操るドリアル氏、ガロハル氏。

金床の上のインゴットが赤熱しグニャリと変形を始めた。

「奉納打ち、始め!」

ジョジョリさんの合図でドハル老とザジウル氏が剣を打ち始める。

オレはサークレット状の道具を被って、神座という場所から最強の武具をイメージする役目だ。

ただし、ゲームやアニメであるような、ただの想像ではないらしい。

先ほどの書物にはイメージを補助するための魔剣の回路理論が書かれていた。

そこから考えて、オレのポジションは剣に付与する魔法回路を全て脳裏で設計する役割なのだろう。

そして、それをドリアル氏達魔術師がサポートするのだと思われる。

さて、イメージしよう――。

脳裏に浮かぶのは神さえ屠る神剣。

その暗黒の刃。

「ハイ!」

「ホー!」

ドハル老とザジウル氏の熱いかけ声とオリハルコンを打つ鎚の音が木霊する。

オレはイメージを具現化する魔法回路を組み上げていく。

だが、求める理想が高すぎて、剣一本には収まらないほどの馬鹿げた容量になりそうだ。

同時に疑問が浮かぶ。

代々のドワーフはこんな無茶な作業をしていたのだろうか?

――なんだ?

脳裏にオレの知らない魔法回路が浮かぶ。

都市核あるいはその先の竜脈に蓄積された 知識 ( ライブラリ ) なのだろうか?

オレは蓄積された知識の中から、イメージに合致する回路を選出する。

人の手によるモノとは思えない緻密な回路だ。

1ビットの無駄も無い、Z80時代の芸術的なプログラムを彷彿とさせる。

「すごい、すごいよ、ジョジョリ」

「ええ、なんて美しい数式かしら」

「二人とも、自分の仕事に集中しろ! 僅かな計算の狂いが、剣の完成度を下げるぞ!」

「「はい!」」

演算補助班の三人の声が微かに聞こえる。

このまま行けば、神剣に匹敵する剣ができるだろう。

――違う。

脳裏にオレの考えを否定する言葉が浮かんだ。

何が違うというのだろう。

――違う。

これから完成するのは最強の剣。

――違う違う違う。

頭の中でアラートのような声が響き渡る。

目の前に浮かぶ青い輝き、ドハル老の手元で剣の形を成していく金色のオリハルコン、部屋を取り巻くマグマの熱い赤……。

――そうか。

一つの答えが言葉にならない心の奥深くで結実した。

◇

『奉納打ちシークエンスを終了します。命名に移ってください』

静謐な空気を都市核の声が切り開く。

「こ、これは――」

「なんて綺麗」

「す、すごいよ。昔見た勇者の聖剣よりも力を感じる」

ザジウル氏、ジョジョリさん、ガロハル氏が完成した剣を見つめて声を漏らす。

「父さん、おめでとうございます」

「ああ、お前達やサトゥーのお陰だ」

ドリアル氏が力を使い果たしたドハル老の身体を支える。

「サトゥー、その剣に魔力を流してみろ」

「はい」

オレは細身の華奢な剣を受け取る。

外見は神剣そっくりな形の金色の剣だ。

ゆっくりと魔力を流す。

ぽわっと光が点る。

「青い光? 聖剣なの?」

「違う! 赤い光も出ている」

「魔剣なのか? それとも聖剣なのか?」

周りの動揺した言葉もオレの耳には届かない。

流す魔力の量を増やす。

かなりの勢いだが、魔刃も聖刃も発生しない。

赤と青の光が絡み合い、一つの色を紡ぐ。

「紫色の光だと?!」

ドリアル氏の叫びが社に響く。

あの時、オレの脳裏に浮かんだのは、「ドワーフ達の燃えさかるような熱気」と「凍てつくような破滅と消滅をイメージする神剣」との違和感だった。

だから、オレは「神剣」ではなく「神剣を打ち破るほどの剣」をイメージしてみた。

そうして完成したのが、この紫色の光を発する謎の剣だったのだ。

「命名する。聖魔剣――」

聖魔剣か、なかなか言い得て妙な名前だ。

順当な所だと都市名かドハル老の名前を冠する感じだろう。

「――ペンドラゴン」

ほわい?

どうして、そうなる?

オレの手から剣を取ったドハル老が、剣を都市核に差し込む。

正確には都市核に開いた穴にだ。

『聖魔剣ペンドラゴン、奉納完了しました』

都市核の声が社に響く。

そういえば「奉納」打ちだって言っていたっけ。

手元に残らないなら、別にどんな名前でも良いわけか。

儀式を終了し、オレ以外の面々が歩けるようになるまで休憩してから地上へと戻る。

その途中で、ドハル老が命名の理由を教えてくれた。

「お前の家名は竜すら打ち破る勇者の名だろう? あの最強の剣に相応しいとは思わんか?」

なるほど、そういえば酒の席でそんな話をした記憶が微かにある。

◇

その後、ドリアル氏の新領主就任、ドハル老の引退、ジョジョリさんの婚約者候補の発表が同時に行なわれ、ボルエハルト市全体を巻き込んだお祭りとなった。

発表されたジョジョリさんの婚約者候補は、奉納打ちに参加したガロハル氏とザジウル氏の二人だ。

迷宮都市で大人気だった小型飛空艇による観覧飛行は、ここでも凄まじい人気を博し、一部で順番待ちのいざこざで殴り合いが起こるほどの大騒ぎとなってしまった。

なお、小型飛空艇内のゲートは閉じてあるので問題ない。

七日七晩の酒盛りの間、オレはドハル老達の横で、人々が持ち寄る様々な銘酒をご相伴した。

舌が痺れるような強い酒が多かったが、軽い酩酊感しか覚えない便利な身体なので、たっぷりと味わって楽しめる。

潰れるドワーフが多い中で、オレは変な意味でドワーフ達から一目置かれるようになってしまった。

なお、その間の仲間達だが――。

家庭的なメンバーは、ドワーフの女性達からお祭りにしか作らないというブルートヴルストみたいな、家畜の血で作ったソーセージの作り方を教えてもらったり、色々なソーセージ料理のレシピを教えてもらっていた。

アリサが魔改造したソーセージが、ナゼかボルエハルトの子供達に受けていたようだ。

肉食的なメンバーは、ボルエハルト周辺の魔物を刈り尽くす勢いで肉を供給し、祭りに参加していた人達から神のごとく崇められていた。

ボルエハルトを発つ頃にはポチ作詞ミーア作曲の「にくっ、にくっ、にく~」で始まる「肉の歌」がブームになっていたらしい。

また、タマ画伯の描いた「木漏れ日のハンバーグ」はボルエハルト美術館で展示されるそうだ。

◇

祭りが終わり、ムーノ伯爵領へ出発する日、ある事に気がついたオレはドハル老に一つの質問をした。

「ドハル様、奉納された剣はどこに行くのですか?」

「言い伝えでは天界へと奉じられるのではないかと言われておる」

なるほど、神に奉納すると伝えられているらしい。

ドハル老の言い方だと、都市核は答えを教えてくれなかったようだ。

オレは交流欄のポストに表示される文字列を眺める。

そこには――。

「聖魔剣ペンドラゴン」という文字が表示されていた。

※次回更新は 12/6(日) 予定です。

そろそろ次巻の発売が迫ってきました。来週末くらいには新刊の情報を活動報告にアップできると思います(今回は書籍6巻とマンガ2巻が同時発売です)。

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