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14-42.飛竜の王国(9)後始末

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14-42.飛竜の王国(9)後始末

※2016/4/13 誤字修正しました。

※2016/4/9 一部修正しました。

サトゥーです。テロとは悲惨で暴力的なものです。軍ではなく、軍の背後にいる民衆を狙うテロが現代の社会で大きな問題となっています。そして、テロは異世界でも――。

◇

「ユニークスキルを含むスキルの使用を禁止する」

恨みがましそうな視線で見上げてくる偽使徒に、「 強制 ( ギアス ) 」スキルを使って厄介事の種に芽が出ないように抑制しておく。

貴族服の装飾用のマントでは小さすぎて身体を隠しきれないようで、さっきから もじもじ ( ・・・・ ) と落ち着きがない。

オレの「 強制 ( ギアス ) 」スキルを受けた事にも、注意が行っていないようだ。

『……えっち』

オレは格納鞄から大きなシャツを取り出して、抗議する偽使徒の頭に被せてやる。

「しばらく大人しくしていろ」

『見ないでよ、このすけべ』

なんだか、反抗期の頃の妹を思い出す。

肌が露出しないように苦労しながらシャツを着る偽使徒から視線を逸らし、微妙に笑顔が怖いセーラに後を託す。

気のせいか、日本語だと偽使徒の言葉遣いが幼い気がする。

男言葉を使っていたのは、何か理由があっての事だったのかな?

そんな事を考えていると、王子とマッチョ戦士がこちらにやってきた。

事態が収拾したのを敏感に察知したようだ。

「ペンドラゴン卿、人族が通年で発情可能なのは知っているが、時と場所を弁えてくれ」

「まったくだ。捕虜を裸に剥いて陵辱するなら、せめてそこら辺の草むらでやってくれよ」

どうやら、関所の方からはオレが偽使徒の服をはぎ取って裸に剥いたと思われていたらしい。

兵士達は気まずそうに顔を背け、流民の女子供達は怯えた様子を見せる。

流民の中にいた商売女風の女性だけは、胸元をちらりと広げてアピールしていた。なかなか抜け目ない。

「誤解ですよ。彼女の持つ道具が暴走して自身の服まで塩に変えてしまったようです。道具は破壊したので、もう害はありません」

オレは懐から取り出した壊れた道具を見せる。

もちろん、偽使徒とはなんの関係もない「それっぽい」廃品だ。

確かエチゴヤ商会のジャハド博士に委託した「魔力と電力を相互に産み出す魔法装置」の失敗作だったかな?

回転狂いの彼には興味深い題材だったようで、新型空力機関の次はその課題に没頭しているそうだ。

前にエチゴヤ商会に行ったときに、博士の助手をしている日本人のアオイ少年が自分の研究をするヒマがないとボヤいていた。

それはさておき――。

王子は廃品を一瞥して興味を失い、工作員達の方に視線を移した。

「戦場の虜囚は捕らえた者に優先権があるのは分かっているが、その男達は我が国に譲ってほしい」

「あちらの彼女の身柄を私の預かりにする事をお認めいただけるなら構いません」

工作員の後始末なんて面倒は、当事者の国家に任せるのが楽ちんで良い。

オレの交換条件を王子が快諾してくれたので、偽使徒ケイはオレの預かりになった。

危険なユニークスキルは封じてあるし、どこか安全で住みやすい都市のザイクーオン神殿か修道院に預けるとしよう。

人物鑑定スキル持ちの兵士と「断罪の瞳」スキル持ちのウリオン神官が、王子に駆け寄って耳打ちする。

工作員がただの暴徒ではないと報告していた。

「扇動に洗脳だと?」

「そりゃまた外道なスキルだな……仲間に精神魔法を使うヤツもいるんじゃないか?」

「バカを言うな。そんな外道魔法を使うヤツがいたら乗り込んでワイバーンに食い殺させてやる」

思ったよりも、精神魔法は嫌われているみたいだ。

ここに精神魔法の使い手がいる事は秘密にしておこう。

「扇動と洗脳スキル持ちはここで始末していくか?」

「どちらも目か口を塞いでおけば大丈夫なはずです。実際のスキル持ちに会うのは初めてですが、関所の責任者を任される時の研修で学びました」

――ほほう?

オレもその研修を受けてみたいな。

王城に戻ったら、受けさせてもらえないかスィルガ国王に尋ねてみよう。

「言うまでもないと思うが、自殺や口封じに留意せよ」

「はい、洗脳スキル持ちなら、関所の兵士に影響を与えているかもしれません。関所に配属されたばかりの小隊を警備に就けます」

この国の士官はなかなか優秀なようだ。

下着以外の装備をはぎ取られた上に「魔封じの鎖」で拘束された工作員達が、兵士達によって関所へと運ばれていく。

流民達の中から「先生を救え!」とか言いながら駆け出す男達がいたが、すぐに兵士達に捕縛されて、工作員共々関所へと連行されていった。

お次は流民達の対処だね。

そう意識を切り替えたオレを、轟音と震動が引き留めた。

「何が起こった!」

「関所の門が崩れています!」

王子の叫びに兵士が叫び返す。

「その理由を聞いてるんだよ! ちょっと見てくる。お前はここでペンドラゴン卿と待っていろ」

マッチョ戦士がそう叫んで関所へと駆けていく。

付いてこいと言われても、従う気はない。

なぜなら――。

「自爆だと?」

「ああ、関所の門が崩れて、周囲の城壁や楼閣に肉片がこびり付いていた」

詳細な描写は夢に見そうだから止めてほしい。

王子とマッチョ戦士の会話を聞くまでもなく、構成員達が全員死亡したのはマップの光点が消えた事で判っていた。

構成員と一緒に連行されていたシンパの男達や兵士も即死だったらしい。

あれだけ念入りに身体検査されていたのに、どこに爆弾を持ち込んでいたのやら……。

まったく、異世界でまで自爆テロなんて止めてほしいね。

念の為、「爆弾」でマップ検索したら一人の妊婦さんにヒットした。

3D表示で見つけた場所は妊婦さんの胃の中だ。

オレは再び叢に入り、上級空間魔法の「 引き寄せ ( アポート・オブジェクト ) 」で妊婦から「爆弾」を取り寄せる。

外気に触れるのが自爆トリガーになっているのか、手元の爆弾がごぼりと膨らむ。

――させないよ。

オレは手元で破裂寸前になった爆弾をストレージへと収納して事なきを得た。

構成員の属する「共食い蛇」は、「自由の翼」や「自由の光」と同様に要注意団体に設定しておこう。

妊婦さんを爆破テロに使おうとするヤツに、情状酌量は必要ないよね。

◇

「…… ■■■■■■■■■ 広域全治癒 ( マス・ヒール・オール ) 」

長い長いセーラの神聖魔法の詠唱が終了し、1000人を超える流民達の全員を覆う光の柱が天へと伸びる。

キラキラと光る青白い蛍火が流民達の怪我を癒やし、蓄積した疲労を洗い流していく。

「――ああ、神よ」

「お兄ちゃん! お母ちゃんが目を覚ましたよ!」

「なんだかほかほかするね」

「足が、足が動くぞ」

「気持ちいい……なんだか幸せな気持ちだ。天へ召されるのかねぇ」

セーラの神聖魔法で癒やされた流民達に、明るい笑顔が戻る。

若干、危ない発言が混ざっているが、一時的な気の迷いだろうからスルーしよう。

オレは兵士達に合図して、食料や水の入った樽を流民達の間に運び込んでもらう。

王子と交渉して、関所に備蓄されていた食料や水を分けてもらったのだ。

もちろん、無償ではないので、オレが代金を支払った。

「あれはテニオン様の聖印だった――あの方はきっと名のある聖女様に違いないわ」

「聖女様とテニオン様に祈りましょう」

光柱の中に見えた聖印を見つけた宗教関係者が、周りの人々に宣伝して抜け目なく布教を行なっていた。

傷が癒えてお腹がくちくなった人達が、満ち足りた顔で感謝の祈りを捧げる。

その輪が連鎖的に広まって、流民全体に広がっていった。

一心に祈る人々の信仰心の影響か、セーラに「聖女」という称号が増えている。

『聖女? あたしがあれだけ頑張っても、誰も感謝の言葉なんてくれなかったのに……』

オレの後ろで、膝を抱えた偽使徒が暗い表情で愚痴を呟いていた。

日本語が分からない兵士が気味悪そうに彼女を見ている。

偽使徒は誰かに感謝されたくて、場当たり的な断罪人をやっていたのかな?

その辺の事情を尋ねてみたかったが、流民達の間から、比較的身なりの良い老人がこちらに歩いてくるのが見えたので、そちらに注意を向けた。

「――なんとお礼を言って良いやら」

元マキワ王国ケルダンの街の守護代理と名乗る老人が、オレとセーラの前で平伏している。

彼は工作員やそのシンパが実権を握る前まで、流民達の指導者をしていた者らしい。

彼が礼を言っているのは、衰弱していた流民達に食料や水を提供した事についてだ。

「礼を言うなら、私ではなく関所の糧食や水を分け与える許可をくださった殿下に」

隣国ならではの確執でもあるのか、元守護代理の老人は少し躊躇っていたものの、最終的には王子やマッチョ戦士の前で平伏して礼を述べていた。

『私の塩を喜んでくれた人もいたけど、「密売だ!」って決めつけて牢屋に入れようとしたり、転売で儲けようとする人の方が多かった』

偽使徒が病んだように、ブツブツと恨み言を呟いている。

塩は国や領主が利権を持っている事が多いから、へたに換金しようとすると捕まりそうだ。

「それで、マキワ王国は鼬共に敗北したのか?」

「わかりません。最東端のダザレス侯爵領に帝国軍が攻め入ったと早馬が来た翌々日には、私共の暮らしていた北西の街にも帝国軍の魔物使い部隊が襲ってきたのです」

老人と王子の会話を聞きながら、マップを確認する。

既にマキワ王国の主権があるエリアは王都と二つの街を除けば、南のムザリス伯爵領の領都だけになってしまっている。

スィルガ王国にほど近い都市も鼬帝国軍に占拠されており、合計三千人強の難民がスィルガ王国に向けて移動中だ。

奴隷狩りも行われているらしく、鼬帝国軍に属する傭兵部隊が精力的に動いている。

……戦争に参加する気はない。

人が死ぬところを見るのはイヤだし、死体を見るのは今でも嫌いだ。

グロ耐性はないし、他者を圧倒的な武力で蹂躙する趣味も無い。

だけど、こういうのはもっとイヤだね。

オレは少し思案したあと、決断する。

『ティファリーザ、例の飛空艇の 艤装 ( ぎそう ) はいつくらいに終わりそうだい?』

『二番艦が三日後、三番艦が一〇日後です』

シガ王国王都のエチゴヤ商会にいるティファリーザに「 遠話 ( テレフォン ) 」で話しかける。

唐突な呼び出しなのに、彼女の返答に驚きや淀みはない。

『急がせるのであれば、エルテリーナ総支配人に任せればよろしいでしょう。彼女なら二番艦が明日、三番艦も明後日には王都を出発可能にしてくれるはずです』

さらに、オレの意図を汲んでそんな提案までしてくれた。

『分かった、支配人にそう伝えてくれ』

『――僭越ながら、クロ様が直接ご命令なさった方が良い結果が得られると思われます。耳元で囁くように「君だけが頼りなんだ」と呟いて差し上げれば、確実に先ほどの納期が実現できるでしょう』

ティファリーザが冗談を言うなんて珍しい。

オレは通話を切り替え、支配人に出港の前倒しを頼む。

『頼んだよ、エルテリーナ。君が頼りなんだ――』

そして最後に、そんなティファリーザの冗談を伝えようとしたのだが、途中で喰い気味の支配人のセリフが遮った。

『お任せ下さい! 明日と言わず、今日中に両艦とも出港させてみせます。残りの艤装作業は飛行中に行わせれば良いのです』

――おお、効果は抜群だ。

よし、これで難民輸送の アリバイ ( ・・・・ ) はバッチリだ。

◇

『あたしがいた村は貧しい貧しいところだった――』

スィルガ王城へと帰還したオレは、王への謁見が叶うまでの間、偽使徒ケイと少し話をしていた。

少し迷ったがアリサやヒカルは呼んでいない。

物理的な危険はないが、ケイの暗い嗤いが少し気になったので、先に二人だけで話をする事にしたのだ。

『――酷い貧乏生活をしていた前世が天国に思えるくらいの場所。正直、転生させた神様を恨んだくらい』

地面を見つめながら、ケイが生まれ育ちを語る。

予想以上に暗い話になりそうだ。

『それでもね、あたしの今度の両親はイイヒトだった。前世の両親みたいに殴ったり寒空に外に放置したりしないし、他の家みたいにマビキもしなかったから、役立たずのあたしも大きくなれた』

今生の両親の事は好きだったみたいだ。

彼らの事を話すときだけは、ケイの顔に僅かな笑みが浮かんだ。

『都会育ちの中学生だったあたしは、何もできなかったよ。便利な道具は知っていても、作り方も知らないし、作ってもらうようなお金もなかったしね。それでも、できる限り両親と頑張ったけど――』

――村を盗賊が襲った、そうだ。

『木の実を拾って戻ったら、みんな死んでた。その後の事はよく覚えてない。真っ白に染まった村と盗賊か村人かも判らない塩の柱だけが残っていた』

ユニークスキルを暴走させたのだろう。

よく魔王化しなかったものだ。

『あの時、巡礼神官のお爺ちゃんが通りかからなかったら、あたしも死んでたかも……それも良かったかな? 両親と一緒に天国に行けたもんね』

辺境ではよくある話なのかも知れないが、当事者にとっては同意も慰めも煩わしいものだろう。

オレはただ静かに彼女の話に耳を傾けた。

『お爺ちゃんはザイクーオン神殿の神官様だったんだよ』

――繋がった。

『神様が弱っていて神聖魔法が使えないから、お爺ちゃんは薬師の技を覚えて魔法の代わりにしているって言っていた』

なるほど、ザイクーオン神が死んで魔法が使えないから代替手段を学んだ訳か。

『ザイクーオン神殿の神官が良い事をして回ったら、感謝した人達が神様に祈りを捧げて弱っている神様が元気になるんだって言って頑張ってた』

ケイは老神官と一緒に国々を巡り、方々のザイクーオン神殿で神官達に自分の考えや技術を伝えて回っていたらしい。

『でも、空回りだったんだ……どこの街か忘れたけど、お爺ちゃんが薬を配るのが気にくわなかった神官達が悪い人達にお爺ちゃんを殺させたの』

そして、その悪人や神官達を塩に変えて殺したあと、彼女は一人で老神官の代わりに巡礼神官のまねごとを始めたそうだ。

彼女のスキルは転生者達の基本セットに続いて、「飢餓耐性」「腐敗耐性」「毒耐性」「病気耐性」「麻痺耐性」と耐性系が並び、「健脚」「調合」、そして最後に「神聖魔法:ザイクーオン教」があった。

難民を癒やしていなかったし、スキルがあっても魔法が発動しないのだろう。

『この世界はクソゲーだよ。だから、あたしは神様を復活させて、この世界を正してもらうんだ……いい人が嫌な目に遭わずに済む世界、悪人が必ず罰を受ける世界……だから、あたしは――』

――ザイクーオンの使徒を名乗り、悪を懲らしめ彼女の正義を行なっていたのだろう。

引きつったような嗤いを始めたケイを精神魔法で眠らせ、悪夢に苦しむケイを隣室から呼んだセーラの神聖魔法で心安らかな眠りにしてもらった。

こういったジャンルは神聖魔法の方が得意なようだ。

最後の方に危ない考え方になっていたけど、彼女は自分のやりたい事を成すための知識や経験が欠けている。

オレとしてはザイクーオン神が復活してもしなくても、どちらでも構わないので、ケイに教師を付けて学ばす方向で調整しよう。

それと、彼女が「 無限塩製 ( ソルト・メーカー ) 」で手に掛けた者の中には悪人以外もいたはずだし、ある程度教育が済んだら、償いや墓参りなんかもさせないと。

そのついでに、色々な国の色々な階層の人達と交流を持たせて、見識を広められたらいいね。

◇

「――流民を受け入れるかは決まったか?」

「その件なのですが……思ったよりも規模が大きいので、私の一存で受け入れを決めることはできません」

オレは国王と対面し、流民達の処遇について話をしていた。

あの後、例の元守護代理の老人と話したのだが、マキワ王国の人種差別はダザレス侯爵領で侯爵の家族とマキワ国王が白虎人に惨殺された事件に端を発しているようだ。

その事件以後に、 不自然なほど ( ・・・・・・ ) 白虎人の排斥運動が盛り上がり、亜人全体へと発展していったらしい。

あの工作員のようなヤツらが、亜人排斥運動の背後にいた可能性が高い。

そういった経緯なら、人種差別の根は浅そうだ。

「そこで、祖国が受け入れを決めるまでの間は、国境をマキワ王国側に戻った谷に魔物避けの結界を張って、一時的な居留地にしようと考えています」

最終的には奴隷狩りに遭っている難民達とセットで、故郷へ帰れるようにしてやりたい。

それに国境の関所前に大集団がいたら、スィルガ王国の貴族階級から文句が出そうだしね。

「息子から聞かなかったのか? あそこは 砦豹 ( フォート・パンサー ) の狩り場だぞ? 魔物避けの結界など砦豹の前にはなんの意味もない」

「そちらは私の手の者に排除させますのでご安心ください」

既に獣娘達を派遣してあるので、谷周辺の砦豹達は解体されているはずだ。

ついでに、ミーアの上級水魔法で泉を作ってもらってある。

「ペンドラゴン卿は『共食い蛇』という組織をしっているか?」

「確か、関所を破壊した間者達の属する組織でしたね。申し訳ありませんが、それ以上の事は存じません」

スィルガ国王の質問に首を横に振る。

「では『暴食狸』や『悪食狐』は?」

「いえ、あいにく存じません。先ほどの『共食い蛇』と何か関係があるのですか?」

「それは判らん。今挙げた二つは大昔に洗脳や扇動スキルを持つ工作員を使っていたフルー帝国の組織の名前だ。狂王ガルタフトの時代に、その組織の名を受け継いだ連中がシガ王国を荒らしていた話を思い出してな。シガ王国の貴族である子爵なら知っているかと思ったのだ」

ふむ、大昔の帝国にあった組織か……。

少なくとも、オレの既知の範囲に「暴食狸」や「悪食狐」といった組織は存在しないようだった。

扇動スキルは持っている者が多いので、広範囲検索は向かない。

洗脳の方は一国に数人程度いるようだ。

思ったよりも多い。

マップ情報を精査してみたが、似たような名前の組織に属する者はいなかった。

居留地を作るにあたって、幾つかの条件がスィルガ国王から出たが、金で解決できるような内容だったので、素直に承諾しておいた。

今は時間の方が惜しいのである。

◇

オレ達の乗る飛空艇はシガ王国に向けて出発する。

偽使徒ケイの相手をするヒマがないので、継続型の精神魔法で眠らせてから飛空艇に乗せておいた。三日ほどで目が覚めるけど、それまでにはオレの用事も終わっているだろう。

「皆、準備はいいかい?」

「もっちのロンよ! 装備のチェックなら10回くらいやったわ」

オレの問い掛けに、アリサを筆頭に皆が頷く。

その動きにあわせて、 ウサ耳 ( ・・・ ) やカラフルな 羽根 ( ・・ ) が揺れた。

「よし、行こう!」

オレ達、チーム・ペンドラゴンは戦乱のマキワ王国へと出発した。

さあ、奴隷狩り集団から難民を守ろう。

※新刊発売前の記念更新中。

4/9(土)12時  発売当日、 「14-43.戦乱の王国(1)都前の激戦」

4/10(日)はいつも通りに更新予定です。

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書籍版「デスマーチからはじまる異世界狂想曲」7巻は、4/9(土)発売予定です。

もしかしたら、既に発売しているお店があるかもしれません。

電子書籍は現在発売中です!

※鼬人の商人や偽使徒は、次の「戦乱の王国」の最後の方にまた登場します。

※2016/4/9 偽使徒ケイの前世の話が矛盾していたので修正しました。