皐月3 影使い
皐月3 影使い
何とか威儀を正した私はチラッと横の皐月を見て
それで大学に戻ってから陽司さんのお世話になっているの
どうして パパは…
まだ蟠りの残る口調で皐月は誰にともなく呟いた
ああ それはひいお祖父様に焚き付けられたせいかも知れませんね
と ご主人様は言った
どう言う事でしょう
私も訳が聞きたい
結婚前の私たちの関係を少し誇張して黒川さんに吹き込んだんでしょう おそらく
…何故?
黒川さんを試す為 かな
私を褒める事で対抗心を燃やさせ嫉妬で自滅するか 諦めるか
と言うか美香さんを託していい相手かを見極める為に
まあ、結果 黒川さんは得難い旦那さまだったんだよね?
勿論!
少し怒った私の声に皐月の顔が綻んだ
柳さんはママ…母の事 ずっと好きだったんですか?
そうだよ って言うのが大人なんだろうけど 連絡貰うまでは思い出の人だったよ
独身時代の忘れがたい恋人の1人としてね
…沢山 居たんですね?
いや?4人だけ
他には居ない
その中の方と結婚 されたんですか?
いや 皆んな理由があって別れたんだ
…振られたようなもんだな
振られたんですか?
皐月は揶揄うような顔をして言った
ご主人様は肩を竦めて
いい女は皆んな持って行かれちゃってね
でも今の奥様と結婚されたんですよね?
捨てる神あれば拾う神 だよ
結果 美香さんとまた 縁があった訳だし
あの!
と思い出したように皐月が強い口調で言った
あの母の事 奥様はどう思っているんですか?
妻が美香さんをどう思っているかって?
昔の恋人の事は全部 妻には告白して居たしね
戸惑うほどの事は無かったと思うよ?
妻と美香さんは良い関係だと思うけど?
と ご主人様は私に話を振った
ええ 何度もご一緒しているし 本妻と愛人 みたいなドロドロした関係はないわよ
と 不意にプレイの事を思い出して顔が赤くなる
ホントにそんな事があるんですか?
じゃあ 会ってみる?
ホスピスの方に居るから車で小一時間くらいだけど?
宿泊施設もあるよ 温泉も
皐月はご主人様と私の顔を見比べてから 頷いた