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岡 伽奈34 影使い

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岡 伽奈34 影使い

目から鱗を落とした正義さんはようやくわたしから離れた

詩織は…大丈夫なんでしょうか

ペットとして?大丈夫さ

いえ その…

命じればいい 君が

…まあ 酒を飲むな って言うのは無理だろうけど 表面上 君が望む行動の理由付けとしての命令さ

僕と寝ろ と言うのも寝るな と言うのも同じ事なんだ

今の詩織さんにとっては ね

…重いかい?まあ 重いよね

僕はユキひとりで精一杯

まあ 弱音は聞きませんよ

ああ 君には女2人分の価値があるからね

と 修太さんが笑う

まあ そんな事さ

先の事は先の事 また相談に乗るよ

いずれにせよ 本年はお世話になりました

明ける年も宜しくお願いします

お願いします

…お願いします

元旦の朝は遅く起きた

本館の宴会場に設けられた朝食のバイキングには何品かおせち料理が加えられていた

振袖の職員の挨拶や誘導も華やかだった

わあ 一気にお正月の雰囲気ですね

と 毛足の長い薄いブルーのセーターに青いミニスカートを着た詩織さんが感嘆した

昨日は本館職員は模様替えで徹夜だろうね

と 修太さん

別館にも生け花が正月っぽい雰囲気になってましたね

と 至って普通の受け答えをする詩織さんから正義さんは目を離さなかった

"真面目な人なんだろうな"と わたしは思った

バイキング形式でわたしは取り敢えずおせち料理っぽく 料理を揃えていく

見ると 正義さんもそのようだった

修太さんは いつもと変わらず同じ品目と珈琲

詩織さんは興味のある料理をひと通りトレイが一杯になるまでがルーチンのようだ

さて じゃあ改めて 明けましておめでとう御座います

おめでとう御座います

本年も宜しく で 良いよね?

本年も宜しくお願いします

と 皆で笑って頭を下げた

こうして見るとトレイのお皿は皆 好みが分かれるね?

と 修太さんが言う

わたしは笑って

あなたはこの3日間ほとんど同じよ?

あまり変わったものに手が出ないんだ

と 苦笑いした

詩織さんはわたしと正義さんのを見比べて

2人は似た感じですね?

と言うので

おせち料理を集めただけよ?

縁起物ね

と言った

ああ〜 そうなんだ

正義さんも?

う うん 色々 年賀で寿ぐような由来があるからね

へ〜 後で味見させてね

美味しければ取りに行こう

目を白黒させる正義さんに詩織さんが

何?正義さん?

また 変な事 考えてる?

と 聞いた

いえ そうじゃないのよ

詩織さんに覚悟を置いて行かれて 途方に暮れているだけよ

まあ 僕も責任があるからちゃんと育てて返すよ ご主人様として

お願いします!

じゃ無かったら 三村さんの方で責任とって下さいね?

おお!分かった

詩織さんほどのペットは僕ひとりでは勿体無いから責任を持って正義くんを育てるよ

悪戯っぽく詩織さんは修太さんを睨んだ