詩織11 影使い
詩織11 影使い
気がつくと辺りが薄暗い
店内は消灯して 外のアーケード街には照明が灯されている
…修太さん?
部屋に人の気配はなくまだ作動しているバイブがモーター音を立てて振動している
修太さん 修太さん!
カシャ と裏口のロックが外れる音がして修太さんが入って来た
ウゥッ 修太さん…
ああ 済まない
…正義くん? あ〜バッテリーが上がったか
酷いです…
わたしは 動かない身体を揺すり ギシ とコートハンガーが音を立てた
修太さんは腰のバンテージテープを剥がしバイブを抜き 足元から順にテープを巻き取って行った
手首の戒めを外されてわたしは修太さんにだきついて泣いた
別に怖かった訳ではない
直ぐに修太さんは戻って来た
何か 感情が解けて止まらなくなっただけで ただ泣くのが心地良かった
さあ そろそろ泣き止んで
申請時間が過ぎると開け閉め毎に警備会社からチェックが入るんだ
あ 着替えを…
済まない 時間ホントに無いんだ
コレに
と 気がつくと修太さんはスーツケースを持ち込んでいて開いて見せる
こっちをお尻で背中はこっち
体育座りの格好で寝てくれる?
あの 裸のまま?
いや 後で着て貰うけど今は裸で外に出す訳に いかないから
…これ 前に言ってた?
うん 伽奈のだから君なら大丈夫だと
伽奈は161だし ウタさんは150…
1 です
分かりました…コレでいいんでしょうか?
一度 このまま閉めるね
…どうかな?
閉めらてから開けられて聞かれた
…大丈夫みたいです
狭いけど身体に当たる所は無いし…
そう?ホントはBluetoothでスマホと遣り取り出来る送受信機が内蔵されてるらしいんだけど バッテリーなのか繋がらなくてね
え〜っと じゃあ ロックするからまず スーツケースを起こします
それからウタさんの背中側に少し倒す感じで タイヤ移動
分かった?
はい あの…どれくらい?
まず 着替えだから駅まで移動して 多目的トイレだな
分かりました
スーツケースの中に寝てバクっとケースが閉められて2箇所ロックが掛けられてスーツの剛性が高まったのが分かる
ケースごと身体を起こされて ゆっくり背中側に斜めになりゴロゴロと言う振動と共に動き始める
裸なのにうっすら汗ばむ
裏口だろう ドアを乗り越えて外に出る
何処からか冷たい空気が入って来て 空気孔があるのが分かる
ドアにロックを掛ける音
再び動き出して
今 路地だ
今 アーケード街に出た
賑やかな声が直ぐ横でする
音が広がった
交差点だろう
タイヤはスムーズだ
あ…時間が無いなんて のせられたのかも?
わたしが考える時間が無いように押し込まれた?
ぐずぐず躊躇っていたらホントに時間切れになったかも だし
それに前にコレ 強請ったのわたしだしなぁ
案外 平気かも…
ゴン と乗り上げるショックがあり 明らかに野外では無い音響に変わった
暫く 止まっていたがスッとスーツケースが回るように方向を変えて横倒しになりロックが外されケースが開いた
横倒しにされて頭がふわっとして眩しさに目が眩んだ
平気か?
…あ はい大丈夫です
着替えはコレに入れてある
と ショッピングバックを差し出される
あ 先にトイレを…
…どうぞ
ヒトイヌ調教依頼 裸でオシッコをしているのに平気になってしまった
逆に自分でペーパーを使って始末をするのが恥ずかしい
見られながら服を着ていく
あの コートは…
そうだな 預かる
あの これで終わりですか?
いや 正義くんに頼まれたから まだ続くよ
疲れたなら 終了するけど?
…お任せします