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第九十八話 大量受注

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第九十八話 大量受注

今日の話は無駄に長くなってしまいました……(汗)

「こんにちは」

「おお、ムコーダさん、いらっしゃい」

今日は、ランベルトさんの店へ様子見に来てみた。

石鹸やらシャンプーやらの売れ行きも気になったしな。

「それで、石鹸やシャンプーの売れ行きはどうですか?」

「そのことなんですがね、ちょうど店の者を使いに出そうかと思っていたところなんです」

話を聞いてみると、マリーさんの宣伝が功を奏したのか、そこからまた口コミで広がって石鹸やシャンプーを買いに来るご婦人方が後をたたないそうだ。

「ご覧のとおり、マリーも張り切って商品の説明をしておりますよ。それが更に売上に貢献してくれていましてねぇ」

石鹸やシャンプーが置いてある一角で、マリーさんが自分の髪を触らせながらご婦人方に商品の説明をしている。

客のご婦人方もマリーさんの髪を触って驚いている様子で、商品に興味津々のようだ。

「マリーのおかげで売上も絶好調ですよ。もちろんムコーダさんから仕入れた商品が素晴らしいからなのですが」

売れ筋は安い方の石鹸とリンスインシャンプーだとかで、あと少しで売り切れになりそうだとのこと。

やはり価格的にはこちらの方が手を出しやすいということもあるようだ。

ローズの香りの石鹸とシャンプーとトリートメントのセットも懐に余裕のあるご婦人方に人気のようで、3分の2近く売れているそうだ。

ヘアマスクも高額ではあるが3分の1近く売れているそうで、これには俺も驚いた。

「私もこの売れ行きには驚いていますよ。いやぁ、ご婦人方の美への追求の度合いを舐めていましたな。香りがとても気に入ったと言われて、高級石鹸を5個もまとめ買いしていかれたお客様もいましたよ」

ランベルトさんもこの売れ行きには驚いているとのこと。

世界は違えど、美容に対する女性の執念はどこも一緒なんだな。(遠い目)

俺の姉貴が美容オタクでさ、実家にいたころは“今は男も美容に気を使わないとダメよ”なんて言って、自分で使わなくなったシャンプーやらコンディショナー、化粧水やら乳液をよく押し付けられたもんだ。

次から次へと新商品に乗り換えて、古くなっていらなくなったもんが俺に回ってきただけなんだけどな。

昔のことはさておき、商品の売れ行きが好調で良かった。

「あとですね、嬉しいことに本業の革製品の売れ行きもいいんですよ」

何でも、ここに石鹸やらシャンプーを買いに来たご婦人方がついでに革製品を見ていかれて、気に入ったものがあると懐に余裕がある方は購入されていくそうだ。

あと男性と一緒に来店したご婦人は男性におねだりして(おねだりされた男の方は見栄もあって買っちゃうよなぁ)購入されていくケースもあったりで、とにかく相乗効果で革製品の特に婦人用バッグの売れ行きも好調なんだそう。

「まさかバッグの売れ行きにまで影響するとは思っていませんでしたよ。嬉しい誤算ですね」

ランベルトさんはずっとニコニコ顔だ。

本業の革製品の売上までアップしたなら笑顔にもなるか。

「そこでご相談なんですが……」

ランベルトさんの相談とは追加注文の話だった。

試験的に販売してみて、ランベルトさんもマリーさんの言うとおり売れると確信したそうだ。

追加注文は、安い方の石鹸×600個、ローズの香りの石鹸×200個、リンスインシャンプー×500本、シャンプーとトリートメント×200本、ヘアマスク×60個だった。

数が多過ぎてびっくりした。

特に安い方の石鹸は600個も大丈夫か?と思ったんだけど、試験的に販売したのを見る限り、これくらいの数でも問題ないとのことだった。

マリーさんの意見で石鹸をあえて麻袋に入れずに並べて売るようにしたら、その香りに釣られて一般の女性も来店するようになったそうだ。

もちろん貴族でも商人でもない一般人にとっては一番安い石鹸でも高い買い物だけど、比較的稼ぎのあるギルドの職員や女性冒険者が奮発して買っていく姿も見られるようになったと言っていた。

ちょっとがんばれば手が届く贅沢品ということで、更に人気が出そうだとランベルトさんは予想しているようだ。

「ちょっと数が多いので、瓶への詰め替えはランベルトさんのとこでお願いできますか? ヘアマスクは瓶込みの値段ですのでこれだけはこちらでやりますので」

「ええ、それは大丈夫ですよ。それに、既にうちで購入している方には、その瓶をお持ちいただければ、中身だけ購入できるようにと考えていましたので」

そう言えば前にそんなようなこと言ってたな。

何にしろ、詰め替えしなくて済んだから安心した。

もしやらなきゃいけないとなってたら大変だったぜ。

「それじゃ、明日には用意して持って来ますんで」

売れるんじゃないかなぁとは思っていたけど、いきなりこんなに大量の注文があるとは思わなかったぜ。

宿に帰ったら早速準備しないとな。

ネットスーパーで買った詰め替えパウチのままは出せないから、大きな容器には詰め替えしないといけないからな。

雑貨屋で木箱やら壺やらはチラッと見かけたからそれを買って帰ろう。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

宿屋の部屋に戻ると、早速ランベルトさんから受けた注文品の準備を始めた。

まずはネットスーパーで大量買いだ。

安い方の石鹸が600個の注文だから、3個入×200個だな。

む、注文できる数量は1商品につき99個までのようだ。

とりあえず99個カートに入れた。

ローズの香りの石鹸は200個の注文で、3個入×67個。

99個以内だからこれは1回の注文で済んだ。

石鹸1個余るが、それは自分用に使おう。

リンスインシャンプーは500本の注文だから、詰め替えパウチ(瓶3本分)×167個だ。

これはとりあえず99個カートへ。

これも余りがでるけど、液体を分けるのは面倒だから全部ランベルトさんへ渡そう。

シャンプーとトリートメントは200本ずつの注文だな、それぞれ詰め替えパウチ(瓶3本分)×67個。

これもと67個ずつカートへ入れる。

この2つも余りが出るけど、液体だからランベルトさんへ。

最後はヘアマスクだな。

これは60個の注文だから、ヘアマスク1本で瓶2個分になるから30本をカートへ。

それからヘアマスク用の瓶を60個も購入。

とりあえずこれで精算した。

その後、足りない分を買い足していった。

よし、全部揃ったな。

あとは雑貨屋で買ってきた木箱と壺に入れていくだけだ。

石鹸の包みをせっせと外して木箱に詰めていく。

安い石鹸を木箱に詰め終わったら次はローズの香りの石鹸だ。

これも包みをせっせと外して木箱に詰めていく。

「ふ~、疲れた。でも、まだ詰め替え残ってんだよねぇ」

次はリンスインシャンプーだ。

詰め替えの壺は蓋つきで、果実酒をつけるときの大瓶(あれ確か8リットルくらい入るヤツだと思うんだけど)くらいの大きさだ。

その壺の中に詰め替えパウチの中身をどんどん出していく。

「はぁ、終わった……」

リンスインシャンプーが入った壺は13個にもなった。

壺を多めに買っておいて良かったよ。

シャンプーとトリートメントも壺に入れるつもりだから、その分の壺はありそうだ。

シャンプーとトリートメントをせっせと壺に入れていく。

その作業もなんとかこなして、最後のヘアマスク。

ネットスーパーで買った瓶に詰め替えていく。

「よっしゃ、ようやく終わったぜ~」

すべての作業を終えるころには、日も大分沈み始めていた。

「ヤッベ、フェルが腹空かして待ってる」

俺はスイを連れて急いで獣舎に向かった。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

獣舎に向かうと、ムスッとした感じのフェルがいた。

『お主、遅いぞ』

「ごめん、ごめん。美味いのご馳走するから許してくれよ」

俺はアイテムボックスからビーフシチューの鍋を取り出した。

昨日の夜、時間があったから煮込んでたんだ。

だいぶいい感じに煮込まれて肉もトロトロだ。

ビーフシチューを皿に盛って出してやる。

「はい。熱いから気を付けろよ」

スイを起こしてスイにもビーフシチューを出してやった。

『これは初めての料理だな。どれ……』

フェルが飲むようにビーフシチューを食っていく。

『おおっ、肉がとろけるように柔らかいな』

『本当だ。それに味が染みてて美味しいね~』

良かった、ビーフシチューもなかなか好評なようだ。

『『おかわり』』

2人にたっぷりとおかわりをよそってやる。

ネットスーパーでフランスパンを買って、俺もビーフシチューを食い始めた。

肉もイイ感じに柔らかくなってるし、味もコクがあって美味い。

これ、マッシュルームを入れても良かったかもなぁ。

今度作るときには入れてみよう。

パンもビーフシチューには硬めのパンの方が合うと思ってフランスパンを買ったけど、スーパーで買うフランスパンは柔らかいのなんのって。

やっぱ外側がパリッとしたフランスパンはパン屋でないと無理だね。

硬めのパンをビーフシチューにつけて食うと美味そうなんだけどなぁ。

……あ、硬めのパンならこの世界にあるじゃないか。

あの硬い黒パンが。

ただ食う分には硬くてあんまり美味しいとは言えないけど、ビーフシチューにつけて食うとなれば合いそうだ。

硬いパンだからビーフシチューを含んでも食べ応えがありそうだし美味そうだ。

うん、今度黒パン買ってこよう。

『『おかわり』』

はいはい。

『ぬ、それをこれにつけて食うと美味いのか?』

俺がフランスパンをビーフシチューにつけて食ってるのを目ざとく見つけたフェルがそう聞いてくる。

「ああ。このパンをこうしてビーフシチューにつけて食うと美味いぞ」

『それならそれもくれ』

『スイも食べるー』

2人にフランスパンを買い、切り分けておかわりのビーフシチューに浸してやる。

「これで食ってみて。美味かったらもっと切ってやるから」

『うむ』

フェルとスイがパンとビーフシチューを食っていく。

『ほー、これは美味いな。このパンというやつが味を吸って美味くなっている』

『ホントだねー。パンと一緒に食べると美味しい』

フェルとスイはパンと一緒に食うビーフシチューが気に入ったみたいで何度もおかわりした。

『うむ、腹いっぱいだ』

『ふぅ、スイもお腹いっぱい』

「2人ともよく食ったなー」

『ちと食い過ぎた』

そうかそうか、でもそれだけビーフシチューが気に入ったってことだよな。

多めに作ったつもりだけど、鍋の中はすっからかんだよ。

煮込み時間は必要だけど、また時間のある時にでも作ってみるか。