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第百五話 旅の初日はしゃぶしゃぶで

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第百五話 旅の初日はしゃぶしゃぶで

今日は104話と105話更新です。

フェルが街道を突っ走っていく。

もっとゆっくりって言ったけど、気が急いているのかスピードは緩まない。

何度もフェルに乗って少しは慣れてきてたから、何とか大丈夫だったけどさ。

時々すれ違った冒険者や商人たちもびっくりした顔してたよ。

ようやく日も落ちてきたところで、フェルが止まった。

『今日はこのくらいにしておこう』

俺はフェルの背中から降りて、よろよろと地べたに座った。

「お前、早過ぎなんだよぉ」

『ぬ、そんなに早くなかっただろう。お主も振り落とされんかったではないか』

「振り落とされなかったって、そうなってたら大ケガしてただろ。そんなことになったらたまったもんじゃないから何とか振り落とされないようにがんばったんだよ。明日はもう少しゆっくり行ってくれよ」

『分かった。どのみち明日にはクレールという街に着くからな』

「え、そうなのか?」

『ああ、この先にたくさんの人間の気配が集中している場所があるからな。そこがクレールの街なのだろう』

へ~、まだ大分距離がありそうなのにそういうこと分かるのか。

「って、もう着いちゃうのか。もうちょっとかかると思ってたんだけど……」

『早く着く分にはいいだろう。それよりも腹が減ったぞ』

何か誤魔化された感はあるが、まぁいいか。

「じゃ、飯の支度するからちょっと待ってて」

今日の飯はしゃぶしゃぶだ。

せっせと薄切りにしたワイバーンの肉を早速食うぜ。

昨日寝る前に土鍋に水と昆布を入れて仕込んであるしね。

よし、まずはネットスーパーで野菜類とたれを買わないと。

野菜類は白菜に水菜、それからニンジンはあったから、ネギとそれからエノキとシメジでいいか。

しゃぶしゃぶのタレといえば、これでしょ。

当然ポン酢とゴマダレ。

まずは野菜を切っておかないとな。

白菜はざく切りにして、水菜は根元を切って5センチくらいの長さに切るだろ、ニンジンは薄い短冊切りにして、ネギも薄い斜め切りにして、エノキとシメジは石づきを切ったら食べやすい大きさにほぐしてと。

あとは昨日仕込んだ土鍋を火にかけて沸騰する直前に昆布を取り出す。

よしと、あとはワイバーンの肉をしゃぶしゃぶしていく。

肉をしゃぶしゃぶ、時々野菜も。

しゃぶしゃぶした肉と野菜を皿に盛って、最初はポン酢をかけて。

「フェル、スイ起こしてくれるか」

『もう起きているぞ』

『ご飯、ご飯』

あー飯時だからねぇ。

「どうぞ」

2人の前にしゃぶしゃぶが山盛りに載った皿を出してやる。

『む、これもワイバーンの肉なのか? 少し酸味のあるたれがかかってるからいくらでも食えそうだな』

『うんうん、ちょっと酸っぱくてさっぱりしてるからお肉いくらでも食べられそうだねー』

いや、これ以上食われても大変だよ。

ポン酢はさっぱりしてするする食えるからダメだな。

ふむ、次はゴマダレだ。

俺も食うか。

しゃぶしゃぶ、野菜と一緒にまずはポン酢で。

おお、美味いな。

ワイバーンの肉とポン酢合うね。

さっぱりといただけるよ。

野菜と一緒に食うと、ほんといくらでもいけそうだ。

『おかわりだ』

『おかわり~』

は、早いな。

しゃぶしゃぶ、しゃぶしゃぶ。

「はい」

当然ゴマダレをかけてやった。

『あ、違う味だ~。こっちも美味しいね』

『うむ、美味い』

あれ、ゴマダレもどんどんいっちゃうね。

またおかわり言われる前に俺も食わないと。

ワイバーンの肉とエノキを一緒にゴマダレにつけて……うん、美味い。

このコクのある香ばしいゴマダレが肉と合う。

結局のところポン酢もゴマダレも美味いってことなんだけど。

ここはどっちがって決めらんないよなぁ。

やっぱしゃぶしゃぶのときはこの2つはあったほうがいいね。

『『おかわりっ』』

だから早いってば。

あーもう、2人の飯は大変だぜ。

結局2人が満足するまで何度も何度もしゃぶしゃぶしたよ。

飯の後に土魔法で箱型の家を作った。

今夜の寝床だ。

中に俺とフェルの布団を敷いていく。

「フェル、俺は風呂に入るから、先に寝てていいぞ」

『分かった。では先に寝ているぞ』

そう言ってフェルは家の中に入っていった。

さてと、俺は風呂だ。

『あるじー、お風呂って温かいお水?』

「ああ、そうだよ。スイも入るか?」

『入るー』

ストーンウォールで囲いを作り風呂をアイテムボックスから取り出した。

「スイ、ここにお水入れてくれるか」

『はーい』

スイに水を入れてもらって、ファイヤーボールで温めた。

温度もいいな。

前回の失敗をふまえ、買い足した風呂グッズを取り出した。

ジャーン、バスマットだ。

これを敷けば足がドロドロにならなくて済むぜ。

「あ、スイは先に入ってていいぞ」

『分かったー』

チャポン。

『温かーい』

スイはすっかり風呂が気に入ったみたいだな。

服を脱いで、頭と体を洗っていく。

こうやって泡付けてゴシゴシ洗うとやっぱりさっぱりするねぇ。

泡を洗い流していざ湯の中へ。

ああ、入浴剤入れ忘れてた。

柚子の香りの入浴剤を入れると、ホワンと柚子の香りが立ち上る。

「いい香りだなぁ」

『きもちーね』

「ああ」

スイと一緒に風呂を楽しんだ後、すぐに寝ようと思ったんだけど、思い出しちゃったんだよね、あれのことを。

やらないとまたうるさそうだし。

仕方がないお勤めしますか。