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第百十話 また従魔が増えました

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第百十話 また従魔が増えました

今日は109話と110話更新です。

な、何なん、これ?

見た目はドラゴン、だよな?

小さいけど。

小さいってことは、ドラゴンの子どもか?

このドラゴンは頭からしっぽの先まで50センチくらいしかない。

見た感じ攻撃してくるような素振りはないけども……。

これ、どうしたらいいんだろうね。

パタパタと翼をはためかせるちっさいドラゴンの視線を辿ると、俺が手に持つ割り箸の先の餃子に目が釘付けだった。

試しに箸を動かすと、ちっさいドラゴンの頭もそれについて動いていく。

これ、食いたいのかな?

『ほう、ピクシードラゴンとは随分と珍しいな』

フェルがそう言った。

フェルはこいつのことを知っているようだ。

「ん? こいつピクシードラゴンっていうのか?」

『ああ。小さいがドラゴンの一種だ。我も500年ぶりくらいに見たぞ』

「キュイッ、キュイッ」

なんか餃子が欲しいみたいだ。

試しに1個あげてみた。

「ほれ」

箸の先の餃子をピクシードラゴンに向けると、パクリと食った。

「キュイッ、キュイッ、キュイッ」

もっとって言ってるみたいだな。

しょうがないな。

「ほら、これ食っていいぞ」

俺は皿に載った残りの餃子をピクシードラゴンにあげた。

ピクシードラゴンは地面に降りて皿にある餃子をバクバク食い始める。

「なぁ、フェルが500年ぶりに見たってことは珍しい種類なのか?」

『うむ。生息数は少ないな』

「ドラゴンでもこのくらいの大きさならちっさくてかわいいな」

『何を言うか。小さいからといって侮ってはならん。ピクシードラゴンはなかなかに強いのだぞ』

え、そうなのか?

小さいし、強そうには全然見えないんだけど。

『ピクシードラゴンはな、とにかく動きが素早いのだ。それと魔力が豊富でな、火魔法・水魔法・風魔法・土魔法はもちろんのこと氷魔法・雷魔法・回復魔法まで使いこなす。そして此奴らの必殺技はな、その魔法を全身にまとい、火魔法か雷魔法が多いのだが、その素早さを活かして超高速で突っ込んでくるのだ。我もこの攻撃には一瞬肝を冷やしたぞ……。もちろん勝ったがな』

魔法をまとって超高速で突っ込むって、砲弾かよ。

なかなかエグい攻撃だな。

ってかフェルはピクシードラゴンとも戦ったんだな。

「キュイ、キュイ」

ビタンッ。

「うおっ、ちょ、ちょっと何だよっ?!」

ビタンッと顔に何かが張り付いた。

顔に手をやると、どうもピクシードラゴンが俺の頭に抱き着いているようだ。

「お、おい、ちょい離せって……」

ピクシードラゴンを頭からベリッと引っぺがした。

『なぁなぁ、これめちゃくちゃ美味いな。俺、腹減ってんだよ。これもっとくれよ』

「もっとくれってなぁ、また餃子焼けっていうのかよ…………って、あれ? これって、誰の声だ?」

『お主……。そのピクシードラゴン、お主の従魔になっておるぞ』

「は?」

『こんな美味いの食えるんなら、従魔にだってなるって』

『うむ。此奴の作る飯は美味いからな。我らのような長命種にとっては従魔契約を結んで数十年人間に仕えたところで損はない』

『だよなー。少なくとも従魔になってる間は美味い飯にありつけるしさ。分かってるじゃんそこのフェンリル』

おいおい、そこで勝手に話を進めるな。

ってかまた飯目当てかよ。

ここの世界の強い奴には食いしん坊キャラしかいないのか?

「てかさ、何か声が思ってたのと違うな」

『違うってどんなの想像してたんだよ?』

「どんなのって、スイみたいに子供っぽい声かな」

『お主、そのピクシードラゴンは子供ではないぞ。若いが成竜だ』

『そうだぜっ。俺らの種は小さいだけであって、これでちゃんと成竜体なんだよ』

「そ、そうなんだ」

ピクシードラゴンこれで子供じゃないんだね。

『そんなことよりさぁ従魔になったんだから、俺に名前つけてくれよ』

「いきなり名前って言ってもなぁ。うーん、もうドラゴンだからドラちゃんでいいよ」

『えーっ、もっと俺に相応しいカッコイイ名前つけてくれよーっ』

「え、相応しいってドラちゃんってお似合いの名前じゃないか」

『ふざけんなー! ドラちゃんじゃねぇよ!』

とりあえずプリプリ怒っているドラちゃんは放置して鑑定してみる。

【 名 前 】 ドラちゃん

【 年 齢 】  116

【 種 族 】 ピクシードラゴン

【 レベル 】  126

【 体 力 】  895

【 魔 力 】 2879

【 攻撃力 】 2652

【 防御力 】  865

【 俊敏性 】 3269

【 スキル 】 火魔法 水魔法 風魔法 土魔法

氷魔法 雷魔法 回復魔法 砲撃

あ、名前“ドラちゃん”で認定されちゃってるわ。

どうしても見た目がドラっていうより、ドラ“ちゃん”なんだよね。

こりゃドラちゃんで決定だね。

ステータス値を見ると、スイよりも上だし小さくてもやっぱりドラゴンなんだな。

フェルの言ってたとおり魔力と俊敏性が高いな。

魔法スキルもたくさんあるな。

「ドラちゃんって116歳だったんだな。そんな風に見えないけど」

『だからドラちゃんじゃねぇってば』

『諦めろ。名前にドラと載っている。従魔でいる限り、これはもう変わらんぞ』

『何だとーっ?!』

ドラちゃんがガックリ地面に手を付いた。

『もっとカッコイイ名前が良かったのにぃ……』

「ドラゴンのドラなんだからカッコイイだろうが。何が不満なんだよ?」

『此奴に名前のことで期待するな。我だってフェンリルだからフェルという名を付けられたのだぞ。ドラゴンだからドラというのもそれと同じ発想だろう。だがな、それでもまだマシな方だぞ。我など最初はポチとかコロとか、何故か聞くだけでムカっとする名前を付けられそうになったのだからな』

『ポチ、コロ……何か馬鹿にされてるような響きだな』

『だろう。それに比べればドラも良い方だ』

『そうかもしれねぇな。ポチとかコロとか付けられなくて良かったってことか』

『ちなみにスライムも従魔にいるのだが、それはスライムだからスイという名前だ』

『……この主人にカッコイイ名前を付けろという俺の方が間違ってたみたいだな』

……なんだろうね、何か馬鹿にされている気がするんだけど。

まぁいいや。

とりあえず自分のステータスも確認しとくか。

ドラちゃんが従魔に入ってるはずなんだ。

【 名 前 】 ムコーダ(ツヨシ・ムコウダ)

【 年 齢 】 27

【 職 業 】 巻き込まれた異世界人

【 レベル 】 13

【 体 力 】 229

【 魔 力 】 223

【 攻撃力 】 206

【 防御力 】 205

【 俊敏性 】 200

【 スキル 】 鑑定 アイテムボックス 火魔法 土魔法

従魔

《契約魔獣》 フェンリル ビッグスライム ピクシードラゴン

【固有スキル】 ネットスーパー

【 加 護 】 風の女神ニンリルの加護(小) 火の女神アグニの加護(小)

土の女神キシャールの加護(小)

おっ、レベルもちょっとだけ上がってるな。

よっしゃ。

つっても俺が1番弱いんだけども。

まぁ、みんなが強いから仕方ないんだけどさ。

従魔にピクシードラゴンあるな。

フェルにスイにドラちゃん、最強の布陣だな。

『おい、主人腹減ったってば』

「あーはいはい」

そう言えばドラちゃんがもっと餃子食いたいって言ってたんだった。

しかたがないからドラちゃんに餃子焼いてやったよ。

それでも助かったのはドラちゃんがフェルやスイほど大食いではないところ。

1回焼いただけで済んだよ。

「それじゃ、街に戻るか」

『うむ』

「ドラちゃんは飛んでいけるんだろ」

『俺を誰だと思ってやがる、素早く飛ぶことにかけちゃ天下一品のピクシードラゴンだぞ。1日だって飛んでいられるぜ』

「あっそ。とにかく街に帰るからな。帰ったらスイ、スライムの従魔ね、今はこの鞄の中で寝てるんだけど、そのスイにも紹介するから」

『おう、分かったぞ』

『それじゃ行くぞ』

俺を乗せたフェルが街に向けて走り出した。