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第百二十一話 酒好きにバレた(後編)

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第百二十一話 酒好きにバレた(後編)

今日は120話と121話更新です。

『うるさい女神どもは無視してと、まずは自己紹介からいくかのう。儂は鍛冶神ヘファイストスっちゅうもんじゃ』

『そんで俺が戦神ヴァハグンだ』

あぁ~、女神たちが警戒してた酒好きの神様たちか。

ついにバレたか。

『お主、此奴らに供え物を捧げているようだが、儂らにも頼むぞ。もちろん酒だぞ』

『そうそう。異世界の酒をたっぷり頼むぜ』

ちょっとー、何勝手なこと言ってるんですかね、この人(神)たち。

『ムッキーッ、お主たち何を勝手に注文をつけているのじゃッ。我らもタダで供え物を受け取っているわけじゃないのだぞッ!』

『そうよ~、私たちはちゃんと加護を授けたからその見返りとして週に一度こうしてお供え物をしてもらえるんだから』

『そうだぞっ。何もしてないお前たちが供え物を受け取るなんてできないんだぜッ』

『……二人とも、ダメ』

鍛冶神と戦神が勝手なことを言い出すと、女神たちもワーワー騒いでいたのを中断して口々にそう言った。

『ほぅ、ということは、俺たちも異世界人に加護を与えれば酒を供えてもらえるってことだな。なぁ、鍛冶神の』

『そういうことだのう、戦神の。それじゃ、儂から加護を』

や、ヤバい。

めちゃくちゃ我が強そうなこの2人から加護をもらったら、毎日でも酒を送れとか言いそう。

「ちょ、ちょ、ちょ、か、加護はもういらないですっ」

『なにぃ~儂からの加護が受け取れないじゃとーッ! こぉの罰当たりめがッ!! 天罰じゃッ、天罰を下してやるぞいッ!!!』

ぎゃー、めっちゃ怒っとる。

「も、申し訳ありませんッ! い、言い方が悪かったですね。わ、私への加護はいいので、私の従魔の、えーっと、このスライムに鍛冶神様の加護をッ」

布団で寝ていたスイを指さして咄嗟にそう言った。

す、すまん、スイ……。

『うーむ、なるほどのう、そういうことか。よし、分かった。そのスライムに儂の加護を授けよう。よし、出来たぞ』

『次は俺だな。んで、加護を授けるのは従魔なのか?』

鍛冶神様の加護はもらって、戦神様の加護はもらいませんなんてできないよなぁ。

戦神の加護ってなんか一番ヤバい加護っぽいんだけど。

戦神の加護なんて俺に一番似合わなそうな加護だし、何と言っても俺じゃ使いこなせそうにないぜ。

過ぎたる力は身を亡ぼすってな。

ここは加護無しのドラちゃんにもらうべきだろう。

「そ、それでは従魔のピクシードラゴンに……」

『分かったぞ。ん、従魔にフェンリルもいるのか。それなら俺の加護と相性良さそうだからピクシードラゴンとフェンリルに付けてやる』

あ……フェルとドラちゃんが戦神から加護もらっちゃった。

大丈夫かねぇ、フェル、戦神の加護なんてヤバいのもらって今まで以上に戦い好きにならなきゃいいけど。

『フハハハハ、ヤバい加護だって、そう言われりゃあそうかもなぁ。俺の加護は戦いになるとステータス全部に5割のブーストがかかるからなぁ。まぁちっと好戦的になるけどな』

戦神様、加護授けてからそういう話しないでくださいよ。

ご、5割ってヤバいじゃねぇか。

ネットスーパー ( 異世界 ) の食材なんて目じゃねぇよ。

『っちゅうことで、加護を授けたんじゃから酒じゃー』

『そうだぜ。酒だ酒持って来ーい』

この2人ガラ悪すぎなんですけど……。

『お主たちッ、何を勝手に希望を出しておるのじゃッ。勝手は妾が許さんぞッ。異世界人から供え物を受け取るにもいろいろとルールがあるのじゃ』

『そうよー。みんな公平にってことで、1人銀貨3枚までっていうのがルールなんだから』

『そうだぜッ。1人だけ抜け駆けとかはなしだ。それにな、あんま無茶なこと言うと、異世界人から供え物がもらえなくなるんだからなっ』

『無茶はダメ。1人銀貨3枚まで』

女神様たち、ちゃんと分かってるじゃないの。

誰か1人贔屓なんてしたら揉める種だからねぇ。

その辺はきっちりするよ。

「ヘファイストス様にヴァハグン様、そういうことです。公平を期すために1人銀貨3枚というのは譲れません。ただ今日は、週一のお約束が遅くなってしまったので1人銀貨4枚までとしましたが」

『チッ、しかたないのう。今日は銀貨4枚なんじゃな。それならば異世界の酒各種頼むぞ。まずは飲んでみんとわからんからのう』

『俺もヘファイと同じく酒各種だ。銀貨4枚ギリギリまで出来るだけ多く頼むぞ』

女神様たちが警戒するほどの酒好きのヘファイストス様にヴァハグン様はやっぱり酒か。

『そんならオレも同じで頼むぞ。この前のも美味かったが、やっぱりいろんな種類飲んでみたいからな』

アグニ様も便乗かよ。

『はぁ~1本までと言いたいところじゃが、この2人がいるんじゃ、1本と言っても意味ないしのう』

『ホントよね。この2人にはバレたくなかったんだけど……』

『この2人、鼻が良すぎる』

女神様たちも諦めてるんだね。

この2人どんだけ酒好きなんだよ。

しょうがない、ヘファイストス様にヴァハグン様そしてアグニ様に酒を選んでいく。

いろんな酒をってことだから、まずは缶ビールな。

キレに定評のあるドライなビールにプレミアムなビール、それから黒ビールを各1本ずつでいいな。

値段はそれぞれ銅貨2枚だ。

それから日本酒の特選純米酒720ミリリットル1瓶で銀貨1枚。

あとは、ウイスキー700ミリリットル1瓶で銀貨1枚と、ブランデー640ミリリットル1瓶で銀貨1枚をカートへ。

それから残った銅貨4枚で買えたお手頃価格のスペイン産の赤ワインを選んだ。

これを3人分購入と。

「最後はルカ様ですね」

『前と同じ。お菓子とご飯。ご飯多め』

はいはい。

何かあったかな……あ、牛丼があるから、それだな。

店で食う場合とかネットスーパーの値段を参考にするならば、うーんと、これは大盛りで銅貨5枚でいいか。

あとは餃子が焼いてあったのがあったような……あるな。

餃子は12個で銅貨5枚でいいかな。

あとは、ネットスーパーの惣菜類でいいな。

お、串カツ盛り合わせなんてあるな、これとあとは、焼き鳥のももとネギマ、レバー、つくねを各2本ずつ、それから竜田揚げを選んだ。

残りはいつもの食パンと御菓子類を購入。

よし、これでいいな。

それぞれの希望の品を段ボールの祭壇に並べていく。

鍛冶神と戦神が増えたことで段ボール祭壇も6つに増えた。

「そうだ、キシャール様には使い方の説明しておきますね。えーっと、見えてるんですよね?」

『ええ、ばっちり見えてるわ~』

「洗顔フォームはこれくらい絞り出して水かぬるま湯で泡立てて顔を洗ってください。泡はしっかり洗い流してくださいね。顔を洗って水気を拭き取ったらこの化粧水です。手に銀貨1枚分くらいだしたら、こう優しく顔に塗ってください。乾燥がひどいときは重ねて塗ると良いそうです。化粧水のあとは、この乳液です。化粧水より少し少ない量を同じように塗っていきます。これも乾燥がひどいときは重ねて塗ってください。あとはこのクリームですが、乳液を塗っても乾燥がひどいときに小指の先くらいの量を塗ってください。あと夜の特別なお手入れとして、多めに塗って寝るといいみたいです」

洗顔フォームやら化粧水やら乳液、クリームの使い方や使用量を、パッケージの裏に書いてある使用法を見ながら説明した。

「ああ、ヘファイストス様にヴァハグン様そしてアグニ様にも説明しておきますね。これと、これは酒精が強いので気を付けてください」

ウイスキーとブランデーの瓶を持ちながら説明する。

「それから、これはそのままグラスに注いで飲みます。こっちのは、この前アグニ様に送った酒と同じですのでそのまま飲む場合は氷を入れたグラスでお飲みいただくか、あとは水割りにしても美味しいですよ」

『おう分かったぞ。酒精が強いのは大歓迎じゃ』

『そうだな。今から飲むのが楽しみだぜ』

『戦神の、今日は宴会じゃ』

『おう、当然だな』

ヘファイストス様にヴァハグン様は、もう酒飲む話してるよ。

「それでは皆様のご希望の品です。どうぞお受け取り下さい」

段ボール祭壇の品々が消えていく。

品々が消えた後で、キャーキャー騒ぐ女神たちの声と男神たちの野太い声が聞こえてくる。

はぁ、なんか知らんが神が増えた。

鍛冶神も戦神もなんか怖いし、断れなかったよ。

なんだか今日は一段と疲れたね。

鍛冶神と戦神の加護がついたフェルやスイやドラちゃんのステータスも気になるところだけど、疲れたから今日のところは寝ることにしよう。

明日には確認だな。