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第二十四話 ジャイアントディア―実食

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第二十四話 ジャイアントディア―実食

23話の「この村から3日ほど行ったところにあるラウテルの街」とあるのを4日に変更しました。

「おーいフェル、日も落ちてきたし、今日はこの辺で野営にしよう」

フェルの背に揺られながら声をかけると、フェルが歩みを止めた。

『うむ、飯だ。腹が減ったぞ』

はいはい、今日は一日背中に乗せてもらってたからね。

フェルの大好きな肉をちゃんと出すよ。

そうなると、がっつり肉を食ってるって感じがいいかな。

それだと、これなんかいいかも。

俺はアイテムボックスからジャイアントディアーの肉を取り出した。

ジャイアントディアー、デカい鹿みたいな魔物だ。

実は前に一度だけ鹿を食ったことがある。

職場の先輩の親戚が猟友会に入っていて新鮮な鹿肉をもらったとかで、先輩宅でご馳走になったのだ。

その猟友会の親戚が言うには鹿肉の一番美味い食べ方はステーキだそうで、先輩が鹿肉のステーキを作ってくれたのだ。

鹿肉というと硬くてクセがあるイメージがあったけど、食ってみたら全然違った。

噛み応えはあるけど硬くはないし、変なクセもなくて美味かった。

このジャイアントディアーの肉も先輩の家で食った鹿肉に似て脂肪の少ない赤身肉だからいけそうだ。

先輩が作ってたのを真似てジャイアントディアーのステーキを作ろうと思う。

まずは、切り分けたジャイアントディアーの肉に軽く切り込みを入れたあと、包丁の背で叩いていく。

鹿肉は繊維が多いからそれを叩いて切っておくとやわらかくジューシィな肉になるんだそうだ。

そしたらジャイアントディアーの肉に塩胡椒を振り少し時間を置いて馴染ませる。

ジャイアントディアーの肉に塩胡椒を馴染ませたら、フライパンにバターを溶かして焼いていく。

両面に焼き色が付いたら出来上がりだ。

「フェル、出来たぞ」

ジャイアントディアーのステーキをフェルに出してやる。

それでは俺も実食だ。

モグモグ…………おおっ、うめぇ。

クセもなく程よい噛み応えがあって、噛むほどに肉汁があふれ出してくる。

クドくないからいくらでも食べられそう。

『おかわり』

フェルも美味かったようで、すぐにおかわりの催促だ。

追加のジャイアントディアーの肉を焼いていく。

次の味は……ジャーン、定番のステーキ醤油だ。

やっぱステーキにはこれだね。

フェルも気に入ってくれてるようだしさ。

まずはフェルが一番好きだと言っていたにんにく風味だ。

『はぐはぐ……うむ、うむ、美味いな』

その後は、おろし風味、玉ねぎ風味、バター風味と順に出していく。

俺も追加で玉ねぎ風味のステーキを食った。

クドくないから追加で食っちゃったよ。

『ジャイアントディアーもこうして食うと美味いな』

まぁ、いつもは生だったんだろうからな。

日本の食品会社は偉大だよ、ホント。

それにしても、ジャイアントディアーの肉は予想以上に美味かった。

ゲプッ…………美味かったからつい食い過ぎた。

フェルのものより大分小さいとはいえ、さすがにステーキ2枚は食い過ぎたぜ。

さてと、調理器具を片付けたら寝床の準備だな。

寝床の準備は、まずは段ボールを敷く。

ネットスーパーで買い物したときに出る段ボールだ。

俺は覚ったのさ、布団は地面に直に敷いちゃダメだってな。

最初は何も考えないで直に敷いちゃったからせっかく買った布団が湿気て大変だったぜ。

ベッドかすのこみたいなものがあればいいんだろうけど、さすがにネットスーパーには売ってないからなぁ。

それで、布団の下に何か敷くものって考えて、ああ段ボールあるじゃんって思ったわけだ。

ネットスーパーで買い物する度に段ボールは増えるんだけど、それまでは完全にゴミだった。

ネットスーパーで買った食材が入っていた袋とかと一緒にゴミとして、アイテムボックスの奥に放置してた。

だけどこうして段ボールを敷いて、その上に布団を敷けば湿気ないし汚れない。

段ボールの有効活用だな。

エコだよエコ。

『おい、我の寝床も用意してくれ』

へいへい。

俺が布団で寝てるのを見て、フェルも『それはいいな。我にも用意しろ』とか強請られて結局買わされました、はい。

自分だけ布団に寝てるのもあれだし、金を稼いでくれたのもフェルだからな。

だからまぁいいんだけど、フェルは体が大きいから布団3枚も買うことになったぜ。

段ボールを敷いた上にフェル用の布団を3枚敷いていく。

「フェルの寝床用意したぞ」

『うむ』

フェルが布団の上にゴロンと横になる。

満腹で大分おねむのようだ。

『クァ~ア』

伝説の魔獣が大あくびしてるよ。

「寝る前に結界だけは張ってくれよ」

『分かった……張ったぞ。もう寝る』

そう言ってフェルはすぐに寝息をたてはじめた。

「早っ、もう寝たのかよ。さてと、俺も寝るとするか」

フェルの結界のおかげで安心して眠れる。

マイ布団でぐっすりだ。

明日はいよいよラウテルの街だ。

フェルは昼前には着くようなことを言っていた。

すんなり入れればいいんだけどね……。