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第二百六十三話 またヘビ肉が手に入った

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第二百六十三話 またヘビ肉が手に入った

感想や活動報告、メールで皆さまから温かい言葉をいただき嬉しい限りです。

心から感謝いたします。

皆様本当にありがとうございます!

「そりゃっ」

パリンッ―――。

クリムゾンアスプの群れに向かって 闇玉 ( ダークボール ) を放り投げた。

黒いモヤが湧き出してクリムゾンアスプたちを包んだ。

10秒くらいすると、黒いモヤが晴れていく。

その後に残ったのは急激に動きの悪くなった多数のクリムゾンアスプだった。

クリムゾンアスプたちはズルズルとゆっくり石畳を這っている。

「この闇玉は本当にすごい効き目ですね~」

状態異常に陥ったクリムゾンアスプを見て、エルランドさんがしみじみとそう言った。

「本当ですね。私もここまで効き目があるものとは思いませんでしたよ」

これで俺でもクリムゾンアスプを倒すことができる。

俺たちは、ここ25階のクリムゾンアスプ相手に何度も闇玉を使っていた。

そして「黒いモヤが発生してそれに触れるとステータス値が半減する状態異常になる」というのが真実だと確信していた。

闇玉の黒いモヤに触れたクリムゾンアスプを鑑定してみると、状態異常とありその状態が10分ほど続くとあった。

そのことはエルランドさんにも伝えてある。

もちろん俺が鑑定スキル持ちだとは言ってないから、フェルが鑑定したことにしてだけど。

「ささ、状態異常の続いている今のうちに倒してしまいましょう」

「はい」

俺とエルランドさんは動きの悪くなったクリムゾンアスプに向かっていった。

通路でクリムゾンアスプを排除しているのは俺とエルランドさんの二人。

フェルとドラちゃんとスイは、すぐそこの部屋で戦闘中だ。

おそらくもう終わってるだろうけど。

闇玉の有効性が分かってからは、部屋が近くにあった場合はこうして二手に分かれて応戦するようにしていた。

フェルたちに俺が頼んだからだ。

闇玉があれば、俺でもAランクのクリムゾンアスプを倒すことが出来ることが分かったからね。

経験値を稼ぐためにも倒せるならなるべく倒した方がいいと思ってさ。

きっと覗いているだろう神様たちに、あとで手抜きだ何だ文句言われないようにするためにもさ。

何よりレベルアップは俺自身のためにもなるだろうし。

とは言っても相手は噛まれたらまず助からないだろうと言われる強毒持ちだ、いざという時のために以前スイに作ってもらっていたスイ特製エリクサーをすぐ出せるようこっそり革鞄の中へ入れてあるけど。

「せいっ」

闇玉でステータス値が半減しているとはいえ毒がなくなったわけではない。

慎重にクリムゾンアスプに近付きその頭をミスリルの槍で貫いた。

その繰り返しで次々とクリムゾンアスプを屠っていく。

エルランドさんも愛剣で次々とクリムゾンアスプの首を刎ねていった。

「ふぅ、片付きましたね」

「ええ。ドロップ品を拾ってしまいましょう」

俺たちはドロップ品を拾い始めた。

クリムゾンアスプのドロップ品は、皮と小瓶に入った毒と魔石そして肉だ。

そう肉なのだ。

またまたヘビ肉入手。

ブラックアナコンダにブラックサーペントとレッドサーペント、そしてクリムゾンアスプの肉。

ヘビ肉尽くしで食べ比べだな。

『あるじーいっぱい出たから拾って来たよー』

「お、ありがとなスイ」

部屋の中のドロップ品はスイが全部拾ってきてくれた。

スイの体内にあったものを出してもらって、アイテムボックスにしまっていく。

『先に進むぞ』

フェルを先頭にして、俺たちは25階をさらに進んで行った。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

『突き当りのあの部屋に階層主がいる』

いよいよボス部屋だ。

「ちょっと待ってください。次の階の26階はアンデッド階層です。時間的にこのまま進むとアンデッド層で一晩明かすことになりませんか? 私としてもアンデッド層で一晩明かすのはさすがに避けたいのですが……」

エルランドさんがそう言い出した。

俺もそれには同意だ。

アンデッド層で一晩明かすのはちょっと精神的にもよろしくない気がする。

まず気が休まらないよ。

『そうか? まぁ、腹が減ってきたからそう言うのなら我はそれでかまわないぞ』

『俺も腹減ったからいいぞ』

『スイもお腹減ったー』

フェルたちの鶴の一声でボス部屋近くのセーフエリアで一晩明かし、翌朝ボス部屋に突入することが決まった。

今日の夕飯はブラッディホーンブルの肉を使ったハヤシライスだ。

深めの木皿に大盛りにしたハヤシライスをフェルとドラちゃんとスイに出してやった。

そして、俺とエルランドさんにはそれより一回り小さい木皿に盛ったハヤシライスだ。

「エルランドさん、どうぞ」

「お、いい匂いですね~。これはなんていう料理なんですか?」

ハヤシライスの匂いを嗅いで笑顔になるエルランドさん。

「ハヤシライスっていうんですよ。この茶色いのと白い粒粒を一緒にすくって食べてみてください。美味しいですよ」

「なるほど。こう一緒にすくって…………ほほぅ、これは美味しい! コクがあって何とも言えない深い味わいですね」

エルランドさんがバクバク食っていく。

グルメなエルランドさんにも気に入ってもらえて良かったよ。

俺もハヤシライスを味わった。

ダンジョンで動き回ったことでみんな食が進むのか、大きな寸胴鍋で作ったハヤシライスがきれいに無くなったよ。

『まだ少し食い足りない気がするな。ヘビ肉があるだろう、から揚げを作れ』

フェルがそんなことを言い出した。

『から揚げか、いいなっ』

『から揚げ~』

から揚げと聞いてドラちゃんもスイも騒ぎ出す。

「いやいや、今からなんて作らないぞ。食い足りないっていうなら……あ、シーサーペントのから揚げならあるぞ」

『む、仕方ない。それでいい』

シーサーペントのから揚げを皿に盛ってフェルに出してやった。

『俺にもくれ』

『スイも食べるー』

ドラちゃんとスイにもシーサーペントのから揚げを出してやった。

「あの、今、シーサーペントと聞こえたのですが……」

「あ、エルランドさんも食いますか? これ、シーサーペントのから揚げです」

「食べます! シーサーペントを食べるのは数十年振りです」

エルランドさんも食うというので、シーサーペントのから揚げを出してやると早速パクついている。

細身なのによく食うね。

「このから揚げというのは美味しいですね~。肉が柔らかくて味もよく染みてます。いくらでも食べられそうですよ。シーサーペントは超高級食材で美味しいですが、ムコーダさんにかかるとさらに美味しくなるんですね」

『うむ、から揚げはいい』

『から揚げはウメェよな』

『から揚げ美味しーね』

うむ、やはりから揚げは正義だな。

いつでもどこでも人気メニューだ。

あ、ダンジョンから出た後のヘビ肉尽くしはから揚げメインでもいいかも。

スタンダードな醤油、塩は当然のことから揚げのアレンジメニューを作ってもいいかもしれない。

俺はダンジョンから出た後のことに思いをはせた。