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第二百七十二話 再会

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第二百七十二話 再会

更新が遅くなってすみません(汗)

書籍化の関係で今月も更新がまちまちになるかもしれません。

更新は遅くとも1週間以内にできるよう頑張ります。

ご理解のほどよろしくお願いいたします。

「それじゃ悪いけど、また3日後にね」

「はい、分かりました」

冒険者ギルドの2階にあるギルドマスターの部屋で、ナディヤさんとの話し合いを終えて1階の受付の前まで来ていた。

今日はナディヤさんにドロップ品の報告をしに来ただけだから、フェルとドラちゃんとスイは宿の部屋で留守番だ。

「それにしても、エルランドさんの言ってたことがよくと分かったよ。あの量は半端じゃないね」

ナディヤさんがしみじみそんなことを口にした。

ドロップ品のリストを見せたら、ナディヤさん目を見開いて驚いていたもんね。

「そうでしょう。ドランでもこうでしたからね。というか、お話ししたとおり、今回は特殊個体が多く出る時期に当たってしまったので、純粋な数だけでしたらドランのダンジョンのときよりも多いかもしれませんね」

エルランドさんがそう言うと、ナディヤさんが額に手を当てて困ったように「そうなのかい」とつぶやいた。

いや、すんませんねぇ。

俺もここまであるとは思ってなかったもんで。

「予算に限りもあるし、こりゃ副ギルドマスターとよくよく相談しないとならないね」

「ナディヤさん、ご相談したとおり、 闇玉 ( ダークボール ) と武器・防具の素材になる蟲系の魔物の素材は、少しドランにも回してくださいね」

「分かってるよ、エルランドさん。さすがにあの数をすべてうちで買取することはできないからね。おのずとドランにも回るだろうさ」

「そう言っていただけると、うちとしてもありがたいです」

エルランドさんとナディヤさんの話し合いも上手くいったからよかった。

「それじゃ3日後にまた来ますね」

そう言ってナディヤさんと別れた。

「さて、用件も終わったし宿に戻りましょうか」

「そうですね」

俺とエルランドさんが宿に戻ろうとすると、後ろから声をかけられた。

「ムコーダさんじゃねぇか」

振り返ると見知った顔の強面で男臭い濃い面々がいた。

「アロンツォさん、クレメントさん、マチアスさん、アーネストさん。この街に来ていたんですね」

俺に声をかけてきたのは、ネイホフの街でオークの集落殲滅の依頼を一緒に受けた 影の戦士 ( シャドウウォーリア ) の面々だった。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

「いや~、まさかエイヴリングのダンジョンも踏破しちまうとはなぁ」

「しかもいつの間にかSランクになっちまってるし」

「俺たち、実はスゲェ人と知り合いになったんだな。あの依頼受けて正解だったぜ」

「ああ。しかも、ムコーダさんのおかげで大金が手に入ったしな」

影の戦士 ( シャドウウォーリア ) の面々と再会した俺たちは、冒険者ギルドに併設されている飲み屋兼食事処に場所を移して語り合っていた。

影の戦士の面々から話を聞くと、俺と別れた後は懐も温かくなったということで、少し休養をとったそう。

それから、予定通りこの街へとやって来たそうだ。

10日前にこの街に着いて、少し情報収集をしてからダンジョンに潜り始めたということだった。

「だけどよ、ダンジョンに潜って3日目辺りに、なーんか嫌な感じがしてな……」

マチアスさんがそう言った。

何でもアロンツォさんとマチアスさんが前のパーティーにいたときに、このダンジョンに潜ったことがあって、そのときよりも魔物数がかなり多いのが気になったそう。

「マチアスは勘がいいからな。それで俺たちも何度も助かったしよ」

クレメントさんがそう言うと、アロンツォさんもアーネストさんも頷いていた。

「ムコーダさんのおかげで俺たちの懐具合も切羽詰まったもんじゃなかったからな。マチアスの勘を信じて撤退したんだよ」

リーダーのアロンツォさんがそう言った。

「でも、それで正解だった。その後すぐにギルドから特殊個体が多く出る周期に入ってるって発表があったからな」

後からナディヤさんに聞いた話だけど、ダンジョンに潜った冒険者たちからの報告が相次いで、特殊個体が多く出る周期に入ったと判断して発表したそうだ。

ダンジョンから戻ってきた影の戦士の面々は、ダンジョンが通常の状態に戻ったら再び潜るつもりで、情報収集のために冒険者ギルドには毎日のように顔を出していたそうだ。

「ムコーダさんたちは、俺たちとちょうど入れ替わりでダンジョンに潜ったみたいだな」

アーネストさんの言葉に俺は頷いた。

話を聞いていると、時期的にちょうどそんな感じだもんな。

「で、実際問題、中はどうだったんだ? 俺たちが潜ってるときもかなり魔物が多いと感じたんだが……」

アロンツォさんが神妙な顔をしてそう聞いてきた。

「いやー、びっくりするほど多かったですよ。特殊個体も多かったですしね」

そう答えたのはエルランドさんだ。

エルランドさんのことも影の戦士の面々に紹介済みだ。

ドランのギルドマスターだと教えるとみんな驚いていたけどね。

それで、エルランドさんと一緒にここエイヴリングのダンジョンを攻略したんだって言うと、影の戦士の面々からは「なんでドランのギルマスと?」って聞かれたけど、成り行きでそうなったって言っておいた。

だってさ、さすがにドラちゃん目当てで付いてきましたとは言えないだろ。

王都に行ったはずが、ドラちゃんに会いたいがために押しかけてきたんだよね、この人。

「しかしですね、フェル様もドラちゃんもスイちゃんも強いですから、まったく問題ありませんでしたよ」

エルランドさんがそう言うと、影の戦士の面々は「あー」と言ってうんうん頷いていた。

「そりゃそうか。フェンリルがいて、ムコーダさんたちがどうにかなるなんてあり得ないもんな」

「フェンリルだけじゃねぇぞ。あのちっさいドラゴンもスライムもめちゃくちゃ強かったぜ」

「そうだな。俺たちと行ったオークの集落殲滅の依頼のときも、ほぼ従魔だけで殲滅したようなもんだしな」

「ああ。ムコーダさんの従魔はみんな強過ぎだぜ」

影の戦士の面々が口々にそう言った。

「私はほぼ戦わずに済みましたよ。ムコーダさんたちと潜るダンジョンは快適そのもの、何よりムコーダさんのご飯が美味しいのなんのって……」

そう言ってエルランドさんは目を瞑りダンジョンで食った飯を思い出しているようだ。

「ムコーダさんの飯、美味かったな……」

アロンツォさんがそう呟くと、影の戦士の他のメンバーも深く頷いている。

「あなたたちもムコーダさんの作ったご飯をいただいたことがあるのですか。絶品ですよね~」

その後は何故か俺そっちのけで、エルランドさんと影の戦士の面々が俺の作った飯の話で盛り上がっていた。

そんなエルランドさんと影の戦士の面々を少々呆れ気味に見ている俺の肩を叩く者がいた。

「よっ、ムコーダさん」

振り返ったその先にいたのは、またも見知った顔だった。

「ダンジョンを踏破して戻って来たって聞いてな。落ち着くまではとも思ったんだが、ちょうど今ギルドにいるって耳に挟んだんで来てみたんだ」

ダンジョンの中で出会った アーク ( 箱舟 ) の面々だった。