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第二百九十一話 たまにはこんな日もいいもんだ

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第二百九十一話 たまにはこんな日もいいもんだ

書籍、2回目の重版決定です!

これも皆さまのおかげです。本当にありがとうございます!

これからもどうぞよろしくお願いいたします!

今回は短めのまったりほのぼの回です。

冒険者ギルドから戻ってくると……。

「よし、フェル、今のうちに風呂で体洗っちゃおう」

『ぬぅぅ、今か?』

「時間あるしさ」

『うぬぬ、しょうがない』

フェルには体を洗うからなと宣言していたから、フェルも諦め気味だ。

『お、風呂はいるのか? なら俺も入りたいぞ』

『スイもお風呂はいるー』

風呂と聞いて、ドラちゃんとスイも入りたいと言い出した。

ドラちゃんもスイも風呂好きだからな。

じゃ、みんなには先に入ってもらって、俺はあとでゆっくり1人で入るとしますか。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

『ふぅ~、やっぱり風呂はいいなぁ』

『きもちーね~』

ドラちゃんとスイが気持ち良さそうに広い浴槽にプカプカ浮いている。

俺はというと、ズボンの裾を捲り上げシャツの袖を捲り上げてフェルをワッシャワッシャと洗浄中だ。

フェルはとりあえず大人しく泡まみれになっている。

もちろんシャンプーは、いつもの獣医おすすめのやつを使っている。

『おい、首の付け根をもう少し強く擦れ』

「ここか?」

『うむ。そこだ』

ガシガシ、ガシガシ。

少し力を入れて洗っていく。

『よし、今度は右脇腹だ。もう少し力を入れて擦れ』

へいへい。

注文が多いね。

ガシガシ、ガシガシ、ガシガシ。

今度はさっきよりも力を入れて洗っていく。

『うむ、うむ。なかなかいいぞ』

そんなやり取りをしながら、フェルを隅々まで洗っていった。

「ふぅ、こんなもんか。スイ、お願い」

『はーい』

スイの触手シャワーでフェルの泡を洗い流していく。

最後にはもちろんフェルの顔も洗ったぞ。

『よし、終わったな』

「広い風呂なんだし湯船に『入らんぞ』……」

『我は絶対に入らんからな』

フェルさんや、何もそんな全拒否しなくてもいいと思うんだ。

『お風呂きもちーのにねー』

『ホントだぜ』

ドラちゃんとスイは風呂にプカプカ浮きながら、フェルにそう言った。

温かい湯に入るのは気持ちいいもんなのにな。

『フンッ。我はもう上がるぞ』

「あっ、ちょっと待った!」

今にもブルブルブルッと体を揺すろうとするフェルを急いで止める。

そして、急いで濡れない場所に避難した。

「いいぞー」

俺がそう言うと、フェルがブルブルブルッと豪快に体を揺すった。

『うぉッ! ペッ、ペッ、ペッ。おーいっ、毛が口ん中入ったじゃねぇか!』

『うわーいっ! お水がいっぱい飛んできたー! おもしろーい! フェルおじちゃん、もっとやってー』

『我はもう上がるぞ』

フェルはブルブルっと水を切った後はもう用はないという感じですぐ出て行こうとするし、ドラちゃんは口の中にフェルの毛が入ったってご立腹だし、スイは喜んで湯船の中でブルブル振動してるしで…………カオスだな。

「あ、横になるなら体乾かしてからにしてくれよ」

『フン、分かってる』

フェルが出て行った後は、ドラちゃんとスイをバスタオルで拭いてやってお風呂終了。

ドラちゃんとスイを伴って広々としたリビングへ行くと、フェルが中央で横になっていた。

『やっと来たか。のどが渇いたぞ。いつものだ』

『おっ、いいな。あの甘い乳は風呂のあとに飲むと美味いんだよなぁ』

『スイも飲むー』

へいへい。

いつものやつね。

みんなの風呂のあとの定番、フルーツ牛乳をネットスーパーで購入した。

俺には缶コーヒーだ。

フルーツ牛乳をそれぞれの専用の陶器の皿に注いで出してやる。

『うむ、美味いな』

『やっぱ風呂のあとのこれは美味いな!』

『甘くておいしー!』

みんなが美味そうにフルーツ牛乳を飲んでるのを見ながら、俺も缶コーヒーで一服した。

エイヴリングで作った旅の間の飯がまだ半分くらい残ってたから、それで昼飯に。

ちなみにメニューは、魚介のフライとバター醤油風味のホイル焼きだ。

肉好きが多いから、俺たちの飯はどうしても肉が多くなりがち。

久々の魚料理は実に美味かった。

それをみんなでいただいたあとは、まったり過ごした。

フェルとドラちゃんとスイは、各々自分の居心地のいいところで昼寝してた。

昼寝というには長すぎだけどね。

夕飯直前まで、ぐっすり寝てたよ。

俺もそれにつられて豪華なソファーで昼寝した。

夕飯は、これまた残った旅の間の飯で餃子尽くし。

焼き餃子と揚げ餃子、それから野菜たっぷりの餃子スープだ。

やっぱり餃子は美味いねぇ。

餃子とビールの組み合わせは最高。

そして夕飯のあとには、俺1人でゆっくりと風呂に入った。

「ふぅ、たまにはこんな日もいいもんだなぁ」

そんなことをつぶやきながら、俺が両足を伸ばしてもまだ余裕のある広々とした風呂を思いっきり堪能した。