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第三百七十四話 お宝発見!

とんでもスキルで異世界放浪メシ — ncode.syosetu.com · All chapters

第三百七十四話 お宝発見!

活動報告でもお知らせしましたが、ドラマCD化します!

メインキャストは、ムコーダ:細谷佳正さん、フェル:杉田智和さん、スイ:久野美咲さんと超豪華声優陣です。

2018年4月25日ドラマCD付き特装版原作5巻発売です!

是非是非よろしくお願いいたします。

ちなみに「とんでもスキルで異世界放浪メシ」特設サイトにて只今限定ボイスドラマ公開中ですので是非とも豪華声優陣さまの美声をお聞きください。

そして、5巻の前に4巻&コミック1巻が12月25日に発売となりますのでこちらも是非ともよろしくお願いします!

4巻についてですが、お馴染みとなりつつありますが、今回もゲーマーズさんにて書き下ろし小冊子付限定版が発売されますのでよろしかったらどうぞ。今回はけっこうがんばりました。

それから、ゲーマーズさんでは抽選WEBサイン会も行いますのでご興味のある方はゲーマーズさんのサイトにてチェックしてみてください。

なお、この抽選WEBサイン会は通常版のみ対象となりますので詳しくはゲーマーズさんのサイトにてご確認ください。

腹ごしらえも終わっていよいよ洞窟に突入だ。

岩肌がむき出したこれぞ洞窟という感じの横穴にフェルを先頭にして入っていく。

だんだんと暗くなっていく洞窟。

「ちょっと待って」

『何だ?』

「いや、ダンジョンと違って真っ暗だから電気つけるよ」

俺はアイテムボックスから、以前ネットスーパーで買った懐中電灯を取り出してスイッチを入れた。

「うおっ」

懐中電灯で照らされた先に骸骨が横たわっていた。

「びっくりしたー。ドラちゃんが言ってた骸骨か」

『ああ』

ボロボロの革鎧やローブを纏った3体の骸骨。

その傍には、同じく時を経て柄がボロボロの錆びた槍が散乱していた。

「槍でグッサリか。地味に嫌な罠だな」

多数の槍が飛び出してくる罠なんて、よっぽど反射神経が良くなきゃまず避け切れないだろう。

『槍など防げばいいだけではないか』

『そうだよな。それか避ければいいだけだ』

「フェルもドラちゃんも簡単に言うけど、みんながみんなフェルやドラちゃんみたいじゃないんだぞ」

骸骨を見て、次は我が身かもとブルリと震える。

「そうだ、ここからは罠があるってことだろ。大丈夫かな?」

罠にかかって死んだなんてことになったらシャレにならないぞ。

『お主には完全防御のスキルがあるだろう』

「いやそうなんだけどさ、フェルが言ってたじゃん。これは、敵意ある者からの攻撃を完全に防御するスキルだって。だからダンジョンは大丈夫だって言ってたけど……、ここダンジョンじゃないよな」

『まぁそうだが、人が仕掛けた罠とて同じようなものではあるのだから大丈夫だとは思うが……』

「思うって、俺の命がかかってるんだけど。それで死んだら絶対に化けて出るからなっ」

『むぅ、それならば我の結界をかけておく。ついでにドラとスイにもだ』

『お、ありがとよ』

『フェルおじちゃん、ありがとー』

「助かった、これなら安心だ。フェル、ありがとな」

『うむ。人が作った罠であれば壊れるようなことはないだろうから安心しろ。しかし、お主ももう少し強気ならいいのだがなぁ』

大きなお世話だよ。

俺は慎重派だってだけなの。

『先に進むぞ』

「ああ」

フェルを先頭にして、俺たち一行は洞窟の奥へと進んでいった。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

カンッ、カンッ、カンッ、カンッ、カンッ―――。

無数のビー玉大の石がフェルの施した結界にぶつかって騒々しい音を立てた。

『またかよー。盗賊王とやらはよっぽど宝を渡したくなかったんだろうなぁ。ダンジョンでもこんな数の罠はないぜ』

ドラちゃんが呆れたようにそう声を上げた。

洞窟に入ってからは、罠に次ぐ罠の連続。

壁から槍が飛んできたり、業火の炎が噴き出してきたり、ギロチンみたいに鋭い刃が天井部分から落ちてきたり……。

とにかく様々な罠が数多く仕掛けられていた。

しかも、そのどれもがかかったら即死な罠ばかり。

「これフェルの結界がなかったらマジでヤバかった……」

確かに俺には完全防御があるけど、フェル曰く『大丈夫だとは思う』だからな。

『思う』だぞ『思う』。

効くかどうか試してダメだった場合は即死決定。

そんな怖いことできないって、これ。

それくらい凶悪だぞ、ここの罠。

『確かになぁ。俺やフェルやスイなら気張っていけばなんとかなりそうだけど、お前は死んでたかもな』

俺のつぶやきを聞いていたドラちゃんがそんなことを言った。

しかし……。

「ドラちゃん、死んでたかもなんて簡単に言わないでくれよなぁ」

『ハハハ、悪ぃ悪ぃ』

『我としても結界をかけておいたのは良かった。避けられないわけではないが、これだけの数があるとさすがに面倒だ』

あまりの罠の多さにフェルもうんざりした顔だ。

『楽しんでんのはスイだけだな』

「うん」

『スイは実に肝の据わったスライムだ』

上からドラちゃん、俺、フェル。

みんなして最後尾からついてくるスイを見やる。

スイはポンポン飛び跳ねて楽しそうにしている。

『みんな、どうしたのー? 早く行こー。次はどんなのかなぁ』

スイの感覚としては、この凶悪な罠の数々も遊園地のアトラクションのようなものなのかもしれない。

楽しそうに自分から罠に突っ込んで行ったりもしてるし。

さすがにスイが天井部分から酸のような液体が降り注いでいるところに突っ込んで行ったときは肝が冷えた。

スイ自身は、その酸性の液体を全部自分の身に取り込んでケロッとしていたけどな。

驚く俺たちを見て『ここ面白いねー!』とか言ってさ。

スイが規格外というか特殊個体だというのは重々分かっていたけども、実にたくましく育ってくれている。

「まぁ、スイだからな……」

『ああ』

『うむ』

それでもスイだからで何となく納得してしまう俺たちだった。

「それにしても、まだその盗賊王とやらが宝を隠した場所に着かないのか?」

洞窟の中を大分進んできたと思うんだけど。

『少し先に部屋のようなものがある。そこがそうだろう』

『やっと盗賊王の宝が見れんのか』

コツッ―――。

何かを踏んだような音のあとに……。

ガラガラと音を立てて足元が崩れていった。

「え? うわぁぁぁぁっ」

『む』

俺が落ちる寸前にフェルが襟元を咥えて引っ張りあげてくれた。

床にへたり込む俺。

「あ、危なかった……」

『罠は罠でも落とし穴では我の結界でもどうしようもないからな』

攻撃を防ぐことはできても落ちることは防げないということらしい。

『おいおい、気を付けろよな』

「ドラちゃんは飛べるからそういうことが言えるんだよ。気を付けろったって、こんなの気を付けようがないんだからなっ。……って、あれ? スイは?」

『あっ、もしかして落ちたか?』

『うむ。穴の底にスイの気配があるな』

「エエッ?! スイが落ちた? スイーーーッ!」

ギョッとして穴の中を覗き込んで、スイを呼んだ。

「暗くてよくみえない。スイは大丈夫なのかっ?!」

『騒々しいな。しっかりとした気配もある。大丈夫だ』

『スイがこんなんで死ぬわけねぇじゃん。ったくよー』

「そうは言うけどさ」

『あるじー』

「スイ?!」

心配していると、穴の底からポンポンポンと壁と壁をゴムボールのように飛び跳ねながらスイが上がってきた。

そして、俺の目の前へと着地。

『面白かったー!』

「え?」

スイ曰く『んとね、ピューって下に落っこちてくのが面白いのー』だそうだ。

下に落ちるってことはかなりの衝撃を受けたはずなんだけど、スイに大丈夫なのかって聞いたら『何ともないよー』という答えが返ってきた。

『だから大丈夫だと言ったろう』

『だよな。スイがこんなことでどうにかなるはずねぇのによ』

ぐっ、フェルとドラちゃんはそう言うけど、スイはまだ生まれて1年も経ってないんだぞ。

生まれてからそんなに経たないうちから一緒にいる身としちゃ心配するよ。

『先を急ぐぞ』

あまりの罠の多さに辟易してるフェルは、さっさと宝を見つけて終わりにしたいようだ。

そこからいくつかの罠を掻い潜って進んでいったところでようやく宝がある場所の手前へとたどり着いた。

『この壁の先に広い空間がある。そこに宝があるのだろう』

「この奥が宝がある部屋ってことか。でも、この壁はどうすんだ?」

『フン、壊せばいいことよ』

フェルが自信満々なその言葉とともに歩を進めると。

ガコンッ―――。

「え? この音って、また罠っ?!」

ただの岩だと思っていた右側面がゴゴゴーっという音と共に開くと、大きな石の玉がゴロゴロと俺たちに向かって転がってきた。

「最後の最後でこれかよっ!」

盗賊王って奴はどんだけ執念深いんだってんだよ!

『フンッ、小賢しいっ』

ザンッ―――。

フェルの 爪斬撃 ( そうざんげき ) が直撃した石の玉は易々と粉砕された。

「ふ~、焦ったぁ。フェル、助かったよ」

『これくらい当然だ』

あ、さいですか。

「宝部屋だな」

繰り出された爪斬撃によって石の玉と一緒に宝がある部屋へと続く壁も壊されていた。

みんなで宝部屋へと入っていった。

『おお~、金ピカなのがいっぱいだ!』

『ピカピカー』

あふれるほどの金貨と指輪にネックレス、王冠やティアラなど宝石のついた宝飾品の数々。

それが山となって積まれていた。

その宝の山に囲まれたように王様が座るような豪華なイスに座した骸骨が。

「あれが盗賊王か……。死んであの世に宝を持っていけるわけでもないのに、こんなに宝に囲まれても虚しいだけだと思うんだけどねぇ」

『それだけ欲にまみれていたということだろう』

「じゃ、お宝回収しちゃおう。みんなも手伝ってくれ」

フェルにマジックバッグを渡してみんなに手伝ってもらってお宝を回収していく。

『ヒャッホー』

金貨の山に突っ込んでいくドラちゃん。

『わーい』

ドラちゃんを真似してスイも金貨の山に突っ込んでいる。

「コラコラ、ドラちゃんもスイも遊んでないで回収しろって」

『ドラもドラゴンだからな。光り物が好きなのだろう』

「あ、やっぱそういうのあるんだ」

『デカいドラゴンみたいに収集癖があるわけじゃないけど、こういう光り物は嫌いじゃないな』

「へー、じゃ、こん中から気に入ったのあったら持っていっていいぞ。この辺のネックレスとかならドラちゃんでも身につけられるんじゃないか?」

俺が差し出したのはミスリルのチェーンに大粒のダイヤモンドがついたネックレスだ。

これならドラちゃんでも首に下げられるんじゃないかな。

『うーん、嫌いじゃないけど結局邪魔になるだけだからいいや』

「そうか。んじゃま、みんなとりあえず回収作業よろしくな。俺はあっちの方から回収してくから」

俺は、フェルとドラちゃんとスイの回収場所の反対側からお宝の回収を始めた。

「何やらわからんものもあるけど、この辺は魔道具の類か?」

魔法陣の描かれた板やら、怪しげな箱、マジックバッグのようなものもある。

数が多いので、とりあえず片っ端からアイテムボックスにしまっていく。

「はっ? 何でこの字が使われてんのっ?!」

アイテムボックスにしまおうと手に取った石板。

そこにはこの世界ではありえない文字が書かれていた。