LNCrawler

第四十六話 ヤべッ、忘れてた

とんでもスキルで異世界放浪メシ — ncode.syosetu.com · All chapters

第四十六話 ヤべッ、忘れてた

今日は46話、47話更新です。

夕食後、フェルに言われて思い出した。

『ところでお主、ニンリル様に供え祈りをささげておるのか?』

「あ、ヤべ、すっかり忘れてたぜ」

『この罰当たりめがッ! 急いでやれっ』

「へいへい」

とは言っても、神託(おねだり)があってから1週間だから週一の約束を破ったわけじゃないんだぜ。

でも、あの残念女神からは文句言われそうだけど。

まぁ少し多めに お供え ( 貢物 ) しとけばいいか。

ネットスーパーを見ながら何にしようかと考える。

あの女神は甘味ならなんでもOKなんだろうけどな。

えーと何にすっかな……。

ん、この辺なら女神のご機嫌取りにもってこいかもしれないな。

俺はスイーツコーナーを物色し始めた。

けっこういろんな種類があるな。

とりあえず目に付いたのを買っていくか。

まずはカスタードプリンに、チーズケーキだな。

チーズケーキはベイクドチーズケーキとレアチーズケーキの両方買っとくか。

あとは、シュークリームにロールケーキだろ、チョコレートケーキにモンブラン、ストロベリーショートケーキっと。

それからっと、プリンアラモードとティラミスでいいか。

これで全部で10個か。

全部洋菓子になっちゃったけど、まぁいいか。

あの女神なら全然OKだろう。

それにしても、スイーツコーナーってじっくり見たことなかったけど随分充実してるんだなぁ。

俺も甘い物が食いたくなったら物色してみよう。

さて、これを清算してと。

いつものとおりすぐに段ボールが現れる。

購入したスイーツを取り出して、即席段ボール祭壇に並べていく。

「風の女神ニンリル様、少し遅くなりましたがお納めください。神の加護をお与えくださり感謝しております。これからもよろしくお願いいたします」

ニンリル様 ( 残念女神 ) に お供え ( 貢物 ) して祈りをささげる。

『おおっ、ようやくかっ。まったくいつまで待たせるのじゃ』

「申し訳ありません。こちらもいろいろと立て込んでおりまして……」

『嘘を申すなっ。妾は神界からお主たちを見ているから知っておるのじゃぞ。ただ忘れておっただけではないかっ』

げっ、バレてら。

「も、申し訳ありません。これからは気をつけますので、お許しください」

『ふんっ、今回だけは許すが二度とこのようなことがないようにするのじゃ。あまりに遅いから何度神託を下そうと思うたかわからんのじゃ。しかしながら、妾の方も諸事情があってそれができんかったのじゃ……』

神託 ( おねだり ) もなかったからすっかり忘れてたんだけど、何やら女神の方も事情がありそうだな。

『こういうときだけあの女神たちも妙に勘が鋭くなるから困るのじゃ。下手に神託など下せば感付かれる恐れもあるからのう。妾も細心の注意を払わねばならんのじゃ。まだまだ他の神に知られるわけにはいかんからのう』

なんかブツブツ小声で呟いてるけど、女神もいろいろとあるんだろう。

「ニンリル様、お詫びと言っては何ですが、今日はいろいろと取り揃えてみましたのでどうぞ」

そう言って頭を下げる。

顔を上げると、段ボール祭壇の上にあったスイーツはきれいさっぱり消えていた。

『むほーッ!こ、これはッ!!』

むほーって何だよ、むほーって。

本当に残念女神だな。

『全て違う種類の甘味ではないかっ?!それもこんなにたくさんっ!』

女神様、興奮し過ぎだって。

「はい。さっきも言ったとおり、お詫びも込めてです。少し多過ぎかと思ったのですが……」

『な、何を言うかッ。多過ぎなどではないぞ。これでいいのじゃ。次回もコレくらい供えるのじゃ。命令なのじゃ』

へいへい。

やっぱこの数でも全然OKだったな。

「あ、ニンリル様、これらの甘味はすべて生菓子ですので冷蔵保存していただくのと、遅くても明日中にはお召し上がりください」

『分かったのじゃ。でも、妾は神じゃから冷蔵保存も時間経過なしの保存も問題ない。毎日1個ずつ楽しむのじゃ、むふふ~』

むふふ~って女神様……。

何か女神様が小躍りしてる姿が目に浮かぶよ。

『それでは次回もこれくらいの量で頼むのじゃ。くれぐれも忘れるでないぞ』

「仰せのままに」

はぁー疲れた。

残念女神の相手は疲れるぜ。

さっさと寝ようと思ったら、フェルとスイが俺の方をジーっと見ている。

「な、何だ?二人とも」

『スイも食べたいな……』

あ、スイちゃん、そんな切なそうに言わないで。

『そうだぞ。我等にも少し分けてくれてもいいではないか』

「あれはニンリル様への供物だろうが。それに寝る前だからダメだ」

『うー、あるじぃ』

スイがブルブルブルブル震えている。

食べたいけど俺がダメって言ったから我慢しているようだ。

ぐっ……スイたんかわい過ぎ。

俺、陥落。

「3個ずつだけだからな」

フェルとスイにとっては3個でも少ないくらいだろう。

『あるじ、本当?』

「ああ。だけどさっきも言ったとおり、3個だけだからな」

『わーい、やったー!』

スイが嬉しそうにピョンピョン飛び跳ねた。

『おい、我には?』

「フェルにもあげるから、心配するな」

『うむ』

ネットスーパーを見ているとき、ちゃっかりこれがいいと言ってきたスイの希望どおり、チョコレートケーキとストロベリーショートケーキとプリンアラモードをそれぞれに1個ずつ購入。

二人にしたら3個でも少ないだろうけど、美味しいって喜んでたよ。

はぁ~うちの従魔は食いしん坊過ぎだねぇ。