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第五十九話 死屍累々

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第五十九話 死屍累々

今日は58話、59話更新です。

ゴブリンたちに気付かれないように集落を覗くと、当然だがゴブリンがウヨウヨいた。

「どうする?」

『どうするとは何がだ?』

「いやだから、これからゴブリンの集落をどう攻めるかだよ」

『そんなの前と同じに決まっておろう』

前と同じって、ただ突っ込むってことか?

いやいやいや、何か作戦とかさ。

『ボヤっとしてるな。行くぞ』

そう言うや否や、フェルが『ワォ―――ン』と雄叫びを上げた。

やっぱそうなるのかーっ。

フェルの雄叫びにゴブリンが一斉にこっちを向いた。

こん棒とか剣とか斧を持った大量のゴブリンがこっちに向かってくる。

『いつものようにお主たちの周りには結界が張ってある。我は上位のゴブリンを狩ってくるから、雑魚共はお主とスイで始末しろ』

そう言ってフェルは颯爽と駆けていった。

またこうなるのかぁーーーーーッ。

『うわぁ、緑のがいっぱいいるよ! あるじー、ビュッビュッって撃っていい?』

スイが鞄から這い出してきた。

そうだ、前と違ってスイがいるんだった。

「いいぞっ。いっぱいビュッビュッってやって、ここにいる緑のを俺とスイで全部やっつけるんだ」

『スイとあるじでやっつけるのー?』

「そうだ。俺とスイでここにいる全部やっつけるんだぞ。できるか?」

『うん、できるー。スイ、がんばるよー』

「じゃ、行くぞっ」

『うんっ』

それからは必死だったぜ。

とにかく俺の使える魔法のファイヤーボールとストーンバレットを撃ちまくった。

スイも縦横無尽に酸弾を撃ちまくってたね。

しかも、命中率がすごくて、狙った獲物には百発百中。

実を言うと、必死にファイヤーボールとストーンバレットを撃ちまくりながらも俺に当たりやしないかビクビクだった。

何せあの威力だからさ。

だけどそんな心配はまったく必要なかった。

俺に当たることなく、スイは酸弾を敵だけに命中させてた。

器用なもんだよ。

どんどんゴブリンに酸弾を当てて倒していく。

俺もスイに負けじとファイヤーボールとストーンバレットを撃ちまくったぜ。

そんな感じで戦闘は1時間足らずで終わりを告げた。

「ふー、疲れた。ようやく終わったか」

『やったー! あるじ、全部やっつけたよー』

スイがポンポン飛び跳ねて喜んでいる。

俺は今回こそ気は失わなかったけど、かなり疲れたってのにスイは元気いっぱいだ。

スイの戦力は相当なもので、ここにいるゴブリンの8割はスイが狩ったようなもんだ。

改めて思うけど、スイ強いよなぁ。

周りに目を向けると………… 死屍累々 ( ししるいるい ) 。

その言葉がぴったりだ。

辺り一面ゴブリンの死体で埋め尽くされていた。

『ようやく終わったか』

フェルがのそりと姿を現した。

「フェルの方は大丈夫なのか?」

『我の方はとっくに終わってるわ。ゴブリンキングとゴブリンジェネラル、ゴブリンメイジにゴブリンソルジャーがいたな』

ああ、そうですか。

ゴブリンキングいたんだ。

まぁ、これだけの集落ならいるのか。

目の前にあるのは200以上になるだろうゴブリンの死体。

「はぁ、耳切り取る方が時間かかりそうだな」

『耳の切り取りはお主にしか出来ぬのだから早くやってしまえ』

はいはい、分かりました。

それからは黙々とゴブリンの右耳を切り取っていったよ。

スイの酸弾でゾンビ映画のゾンビも真っ青な姿になってるゴブリンもいたけど、そこは見ないようにしつつ右耳の切り取りに集中した。

心を無にするってこういうことなんだなって悟ったね。

3時間近くかけてようやく右耳の切り取りがすべて終わった。

数えたら227あったよ。

恐ろしい数字だね。

そういえば……。

「なぁフェル、ゴブリンキングとかの上位種って魔石持ってないのか?」

前の時は最後気を失っちまってたからそこまで思い至らなかったけど、キングあたりならありそうな感じなんだよな。

『ゴブリンキングか?小さいがあるぞ』

魔石、あるんだね。

よし、ゴブリンキングはもったいないから持ち帰ろう。

他のはよくわからないけど、とりあえず持ち帰ってみるか。

俺はフェルが倒したゴブリンキング×1、ゴブリンジェネラル×3、ゴブリンメイジ×2、ゴブリンソルジャー×7をアイテムボックスに収納した。

帰ろうと思ったが、辺りを見てふと思った。

「フェル、このゴブリンの死体そのままにしていっても大丈夫なのか?」

『大丈夫なのかとは?』

「いや、こんだけあると衛生的にも悪そうだし、魔物も寄ってこないかなと思って」

『ゴブリンの死体を食いに魔物は来るだろうな。それが自然の摂理というものだ』

「それはそうなんだろうけど、これだけあると、その魔物もたくさん寄ってくるだろう。中に強い魔物がいたら厄介だろうが。ここは街にも近いんだし」

『確かに言われてみればそうかもしれんが、それなら燃やせばよかろう』

燃やすっつってもなぁ、これだけいるとね……。

それに、森の中だから森林火災なんてなったら大変なことんなるしな。

……あっ、スイがいるじゃんか。

スイの酸でなんとかなりそうな気がする。

「スイ、この緑の奴等ビュッビュッていつも出してるので溶かすことできるか?」

『うん、できるよー。この緑の全部溶かしちゃっていいの?』

「全部やっちゃっていいよ。お願いできるかな?」

『わかった。でも、ちょっと待っててー』

そう言うとスイがブルブル震えだした。

…………は?

ス、スイッ?!