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閑話 見ぃーちゃった、見ぃーちゃった

とんでもスキルで異世界放浪メシ — ncode.syosetu.com · All chapters

閑話 見ぃーちゃった、見ぃーちゃった

今日は閑話を2話更新です。

はぁ、美味しいからと言って食べ過ぎたのじゃ。

異世界人の供えた菓子を3日で食べきってしまうとは、妾の一生の不覚じゃ。

異世界人め、早く妾に供えと祈りをささげんかのう。

これ以上遅いなら神託を下すことも考えねばならんな。

水鏡を覗きながら思うのはそんなことばかりじゃ。

むむっ、ようやくか。

異世界人が妾に供えと祈りをささげるようじゃ。

「風の女神ニンリル様、お供え物ですお納めください。神の加護をお与えくださり感謝します。これからもよろしくお願いいたします」

「おぉっ、待っておったぞ!これ以上遅くなるようだったら神託を下そうと思っておったとこじゃ」

な、なぬ?異世界人め、甘味ばっかり食ってると太るだと?

「わ、わわわ妾のような神が太るわけなかろう。い、いつでも妾は美しいのじゃ」

そうなのじゃ。

か、神が太るわけなかろう。

わ、わわ妾はいつでも美しいに決まっておろう。

と、当然じゃな。

“何ドモってるんですかね”じゃと?

「う、ううううるさいのじゃ。あのけーきとかぷりんとか言う甘味が美味しすぎて3日で食べつくしたとかはないのじゃっ」

あれは妾が悪いのではない。

けーきやぷりんが美味しすぎただけなのじゃ。

異世界人め“太るわけないとか美しいのじゃとか言ってるけど絶対怪しい”じゃと?

“3日であの量食ったら確実に太るな”じゃと?

「ぐぬぬぬぬ、その話は終わりなのじゃ。そんなことよりもっ、今回はどのような甘味なのじゃ?」

そうなのじゃ。

今回はどのような甘味か、それが一番大事なのじゃ。

むむむむむっ、異世界人め、言うに事欠いてたかが甘味じゃと?

「たかが甘味じゃと? このたわけ者がッ! 甘味こそ至高なのじゃ」

甘味こそ至高、これは不変なのじゃっ。

異世界人が妾が思考をよんでいることに気付いたようじゃのう。

思考を読んでることがぷらいばしーとやらの侵害じゃと?

「フンッ、何がぷらいばしーの侵害じゃ。妾は神じゃ。神に対してぷらいばしーなどある訳なかろう。見ようと思えばお主の生活の一部始終を見ることもできるし、お主の考えていることも手に取るように分かるのじゃ。何せ妾は神じゃからな。すごいじゃろう。だから妾を敬うのじゃっ」

ふふんっ、妾は神じゃからのう。

偉いんじゃぞ。

ぬ?ざ、残念な女神様じゃと?妾がか?

「ぬぅぅぅぅっ、妾は残念なんかではないのじゃっ」

異世界人めがーーーーーッ。

「えーと、今回は和菓子にしてみました。私がいた国のお菓子です。ニンリル様がご所望された、あんぱんやどら焼きの中に入っていた黒くて甘い“あんこ”がたくさん使われているお菓子ですよ」

はっ?!な、何と、“あんこ”がたくさん使われているお菓子じゃと?

あれは良い、“あんこ”は美味しいっ。

「あの“あんこ”の菓子かっ。あれはクドくないやさしい甘さがたまらんのじゃ」

“あんこ”のことを思い出すと涎が……。

はっ、いかんいかん。

風の女神とあろう者が。

「見ていただいたとおり、どら焼きもまた用意させていただきました」

何と、どら焼きもあるのか?!

異世界人、でかしたではないかっ。

それでは早速神界に転送なのじゃー。

「むほーっ、今回もたくさんあるのじゃ。お主、よくやったのじゃ」

おうおう、今回もたくさん……良いではないか、良いではないか。

「早速どら焼きをいただくのじゃ。もぐもぐ……むっはー相変わらずどら焼き美味しいのじゃーっ!」

久方ぶりの甘味じゃ。

美味しいのう、美味しいのう。

今回は食べ過ぎ注意じゃな。

妾も心得ておる。

だが、あと1つだけ……。

うん、これにするのじゃ。

“かすてら”とかいう四角くて上と下が黒くて中間は薄い黄色の菓子じゃな。

どれ一口、パクリ。

むはーッ、ふんわりしっとりでやさしい甘さがたまらんのじゃー。

これは良い、良いぞっ。

パクパクパクパク。

はっ、もうないのじゃ。

ちょっと食べ足りない気がするから……っていかん、ダメじゃ。

これでは前回の二の舞なのじゃ。

うううぅぅぅ、こ、ここは我慢、我慢なのじゃーーーーー。

甘味を我慢してうんうん唸っている風の女神ニンリル様をジーっと影から覗く女性の姿が……。

見ぃーちゃった、見ぃーちゃった。

あの子、最近こそこそしてると思ったら1人でこんなことしてたのねぇ。

1人だけ美味しいもの食べるなんてズルイわ~。

早速女神仲間に教えてあげましょーっと。

つ、ついに見つかりました。