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第七十一話 莫大な報酬が入ってくるようです

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第七十一話 莫大な報酬が入ってくるようです

今日は70話、71話を更新です。

71話の関連で2話の1か月4人家族に暮らしていける金額を金貨4枚に直しました。

街に戻り、冒険者ギルドに来ていた。

受付でギルドカードを見せると、すぐにギルドマスターの部屋に案内される。

「お疲れさん。メタルリザードの討伐なんて押し付けちまって本当にすまないな」

いえいえ、俺ほとんど何もやってないですし。

討伐したのフェルだしさ。

しかも魔法一発でだもんな。

ああ、それとメタルリザードじゃなかったんだった。

これはギルドマスターに言っておかないと。

「あの、討伐はしてきたんですけど、メタルリザードじゃなかったです」

「ん? メタルリザードじゃなかった?」

「ええ。ミスリルリザードでした」

「…………今、何て言った?」

「え? ですからミスリルリザードがいました」

「ミ、ミ、ミスリルリザードだとうッ!?」

ギルドマスターが椅子から立ち上がって叫んだ。

え、いや、ギルドマスター落ち着いて。

「お主の話が本当であれば、ミスリル鉱があるということだ。これはエライことになるな。とにかく、まずはそのミスリルリザードを確認させてくれ」

大きさが大きさだから、また倉庫でということになった。

ギルドマスターと一緒に倉庫に向かう。

「おう、ヨハン、邪魔するぜ」

「あ、ギルドマスター、と兄さんか」

「ヨハン、扉を閉めてくれ」

そう言われたヨハンのおっさんは慣れたものですぐに扉を閉めた。

「兄さん、今度は何を持ってきたんだ?」

いや、何って言われても、依頼された魔物を討伐してきただけなんだけどね。

「えっと、出してもいいですか?」

ギルドマスターが頷いたので、アイテムボックスからミスリルリザードを取り出した。

「「…………」」

ギルドマスターもヨハンのおっさんも無言だ。

「あ、あの……」

「本物、だな……」

「え、ええ。ミ、ミスリルリザードでしょうね。この皮からして、それしか考えられんですよ」

え?ミスリルリザードってそんなに珍しいもんなの?

「メタルリザードだとばかり思っていたが、まさかミスリルリザードだとはな……」

「最初に目撃されたときはメタルリザードだったんじゃないですかね。ギルドマスターんとこに話が行ったのは大分前ですよね? 元々あの辺りに一般人は寄り付きませんし、メタルリザードの話が出てからは冒険者だって高ランクじゃなきゃ近付かないでしょうしね。その行ってくれる高ランクがいなかったもんだから放置されてたわけですし」

「その間にミスリル鉱を見つけ出して、ミスリルリザードに変異したというわけか」

「おそらくは」

ギルドマスターとヨハンのおっさんがため息を吐いた。

そして二人して俺をジッと見てくる。

え、な、何よ?

「お主が持ち込んで来るもんは、桁外ればかりだな」

「本当だ。エライもんばかり持ちこみやがる」

え、え、え、持って来ちゃダメだったわけ?

「兄さん、ミスリルリザードっていうのはな、その個体自体がものすごく珍しいんだよ。実物が出たって記録は400年前の文献にちらっと載ってるくらいなんだぜ」

よ、400年……マ、マジですか、ヨハンのおっさん。

「ミスリル鉱石を食いミスリルリザードに変異するわけだが、そのミスリル鉱石が採れる鉱山が極端に少ないからな。現在はこの国に1か所、そしてマルベール王国とガイスラー帝国に1か所ずつある。その3か所でしかミスリルは採れないわけだから、ミスリル製品は当然希少価値も高く高値で取引されている。まぁ、ガイスラー帝国のミスリル鉱山は採り尽されたのではと噂されているがな。それはさておき、その少ないミスリル鉱山にAランクのメタルリザードが住み着いてミスリルリザードにまで変異するまでを考えれば、それがどれだけ貴重なもんか分かるだろう。しかも、ミスリルリザードがいるということは、ミスリルがそこにあるということに他ならないわけだ。ましてや、今回は、未発見だったミスリル鉱山が新たに発見されたということになる」

な、何かすごい大事になって来てるんだけど、大丈夫なのか?

「ここの領主のラングリッジ伯爵様にとっちゃ一大事、それこそ棚ボタな話が急に舞い込んだってことになる。まさか、あの山がミスリル鉱山だとは誰も思っていなかったからな。儂はこれからラングリッジ伯爵様のとこにミスリル鉱山のことやらいろいろと話をつけに行かなきゃならんわけだが……申し訳ないが、このミスリルリザードはギルドに卸してもらうことになるな」

これだけ珍しいものになると、ミスリルリザードの皮はミスリル鉱山が見つかったという報告とともに伯爵様から王様に献上されることになるだろうとのこと。

鎧の件も、フェルの結界があれば必要なしってことになったし、俺としては特に必要もないし持ってても何もできないから卸すのは全然かまわない。

「その代わり、ラングリッジ伯爵様には報酬の上乗せも含めて話してくる。なに、この先の利益を考えれば伯爵も嫌とは言わんだろう。ミスリルリザードの討伐、ミスリル鉱山の発見、ミスリルリザードの買取、諸々含めておそらくお主には金貨5000枚は下らぬ報酬が支払われることになるだろう」

金貨、5000枚…………。

5000枚……。

…………。

な、なんか大金が次から次へとポンポン入って来て、こ、怖いんですけど。

「兄ちゃん、景気いいな。この前の買取金額でも贅沢しなきゃ一生安泰だったのに、今回の含めりゃ一生遊んで暮らせるな。羨ましい限りだぜ」

ヨハンのおっさんはそう言うけど、小市民な俺としちゃ大金がポンポン入って来てガクブルなんですけど。

自分じゃ何にもしてないから尚更だぜ。

「まぁ何にしてもラングリッジ伯爵様と話し合いをせねばならんし、支払われる金額も大金だからな。伯爵様と言えどすぐには用意できまい。おそらくは1週間くらいはかかるだろう。ミスリルリザードは支払いが用意できたときに頼む」

ギルドマスターがミスリルリザードを返してくれたけど、これギルドで持っててくんないかな。

アイテムボックスに入れておくだけではあるんだけど、さすがに金額を聞いちゃうと持ってるの気が気じゃないよ。

「ああ、それからこのことはくれぐれも内密にな。ヨハンもだぞ」

俺とヨハンのおっさんは深く頷いた。

「あ、そう言えば、ブラッディホーンブルの群れの討伐はどうしますか?」

もう一つの依頼だ。

「そりゃ早めにこなしてもらえればこちらとしてもありがたいが、そんなに急がなくても大丈夫だぞ。ミスリルリザードを討伐したばかりだしな。少し休んでそれからでも十分だ」

『フンッ、そんなトカゲ1匹狩っただけで疲れるわけなかろう。明日、牛の群れを狩りに向かうぞ』

……相変わらずフェルは元気だね。

「討伐する本人がこう言ってますんで、明日行ってきます」

「だ、大丈夫なのか? ミスリルリザードを討伐したばかりなのだぞ」

ギルドマスターの心配は分かります。

でも、そのミスリルリザードも魔法一発で仕留めてますからね。

「あー、大丈夫だと思います。実を言うと、ミスリルリザードもフェルが雷魔法一発撃っただけで仕留めてますんで」

そう言うと、ギルドマスターもヨハンのおっさんも唖然としていた。

「雷魔法、一発…………」

「さすがは伝説の魔獣ですな……」

なんか、ごめん。

フェルが強すぎるんだよな。