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第七十六話 女神仲間(後編)

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第七十六話 女神仲間(後編)

お約束の後編です。

えーっと、えーっと、どうすればいいんだよ?

女神たちは無茶ぶり過ぎんだろ。

傍にいるアンタらで何とかしてほしいよ。

えーと、えーと、ホントどうしよ。

女神たちの話だと俺がルカ様から加護をもらってもあんまり効果がないんだよな?

なら、俺じゃない誰かに…………あっ!

「か、加護は、ルカ様の加護は、俺の従魔のスライムのスイに付けてくださいっ」

『お、おお、それはいい考えなのじゃ』

『い、いいわね~それ』

『う、うん、それはいいぞ』

俺では効果がないなら、それ以外となったらフェルかスイしかいない。

でも、フェルには既に 残念女神 ( 風の女神 ) の加護が付いてるからな。

そうなるとスイだよな。

『分かった。そのスライムは水の適性あるからちょうどいい。……付けた』

は~、何とかなったみたいだ。

『ちょ、ちょっとルカちゃん? スライムの加護が通常のものになってるわよ?』

『私はこれでいい。みんなと違って何の考えもなしに加護を次々に与えてないから』

『おいルカ、何の考えもなしに加護を次々に与えてるってのは言い過ぎだぜ』

『そうじゃぞ、ルカ』

『本当のこと。だってみんなは10年に1人は加護与えてる。創造神様からも怒られた。私は100年に1人いるかいないか。前に加護与えたのは130年前。だから私がこのスライムに通常の加護与えても何の問題もない』

『クッ……』

『ググッ……』

『ぐぬぬ……』

みんなルカ様に反論できないんだね。

加護連発して創造神様に怒られたんだ。

女神様たち、何してんのさ。

「ま、まあ、皆さん、落ち着いて。と、とりあえず皆さんに均等にお供えしますから」

『ぬぅぅぅ、こうなるから内緒にしておったのにっ。お主、妾が一番初めに加護を与えたのじゃから、妾の分は多めに要求するのじゃ。間違っても減るようなことは許さぬぞっ』

『ニンリルちゃんったら何言ってるのよ、異世界人クンも均等にって言ってるでしょ。1人だけ多くもらおうっていうのはダメよぅ』

『そうだぞ、1番にって早い方が偉いってもんじゃねぇだろ』

『ニンリル、ダメ』

ハハハ、残念女神のヤツみんなからダメ出しくらってやんの。

『ぐぬぬぬぬぬ』

『まぁまぁ、いいじゃない。その分異世界人クンにがんばってもらえば。私たちが満足するように多めにお供えしてね~』

『……(コクコク激しく頷く)』

『あ、オレは甘いもんもいいけど、酒もあったらいいな』

『アグニ、それは絶対にダメよっ』

『そうなのじゃっ。酒のことは口にしてはならんっ』

『お酒、ダメ』

『ん? 何でだ?』

『何でだって、異世界のお酒なんて珍しいものがあったら来ちゃうじゃないの』

『そうなのじゃ。面倒なヤツらが絶対に来るのじゃ』

『戦神や鍛冶神、他の酒好きの神たちも押しかけて来る』

『あーっ、そうかぁ。アイツ等が酒の匂いを嗅ぎつけない訳がないか』

『そうよぉ、あの人たちはお酒のこととなると目の色が変わるんだから』

『うんうん。しかも世にも珍しい異世界の酒となれば見逃すはずがないのじゃ』

『だからお酒は絶対ダメ』

なんかすごい言われようだな。

そんなに酒好きなのか?その戦神や鍛冶神やらは。

『そ、そうだな。残念だが酒はあきらめるか。アイツ等、酒があるだけでどっからともなく湧いてきやがるからな』

ア、アグニ様、湧いてくるって。

えらい言われようだね。

『そういうことじゃ。早く甘味を供えるのじゃ』

何が「そういうことじゃ」なのかわからんけど、とりあえず購入した分をいつもの段ボールの祭壇に並べて目を瞑って祈る。

「女神様方、お納めください。皆様の加護をお与えくださり感謝しております。これからもよろしくお願いいたします」

目を開けると段ボール祭壇にあった菓子類は消えていた。

『これじゃ足りぬぞ。4人分なのじゃから追加するのじゃ』

『そうよー。ニンリルちゃんは先にいっぱい食べたんだからいいとして、私たちにはニンリルちゃんが食べたものを頂戴。そうじゃないと不公平よ』

『そうだそうだー。オレたちにもニンリルと同じもんよこせー』

『……(コクコク高速で頷く)』

『ぐぬぬぬぬぬ、お主ら~』

ああもう、しょうがないなぁ。

一応この世界の神たちだから、 無下 ( むげ ) にもできない。

俺はネットスーパーを開いて菓子パンやら洋菓子やら和菓子やらを買い漁った。

「ご希望の追加の菓子です。お納めください。一応ニンリル様の分もありますんで、皆さんケンカせず分けてください」

段ボール祭壇の菓子類が消えると、女神たちの歓声が頭に響く。

『お主、ぐっじょぶじゃーーーっ』

『異世界人クンったら甘いんだからぁ』

『異世界の菓子、うんまっ』

『ムグムグ(どら焼きを食べながらコクコク頷く)』

『あーっ、お主ら何で食べているのだっ! 妾の分にまで手を出したら許さないのじゃーーーっ』

『そうよっ、アグニもルカも勝手に食べないで欲しいわっ』

『ルカっ、何でどら焼きを全部手元に置いておるのだ。それはお前のだけではないのだぞっ。というか、そのどら焼きは妾の大好物なのじゃ、独り占めにはさせんぞーっ』

わいのわいのとやっていたが、途中でプツンと女神たちの神託が途切れた。

神界がどうなってるのかはわからんが、あとは自分たちで何とかしてください。

あ~やっと解放されたぜ。

まったく女神連合はうるさくてかなわんね。

とりあえず加護が2つ追加された俺のステータスを確認しておくか。

【 名 前 】 ムコーダ(ツヨシ・ムコウダ)

【 年 齢 】 27

【 職 業 】 巻き込まれた異世界人

【 レベル 】 11

【 体 力 】 194

【 魔 力 】 189

【 攻撃力 】 175

【 防御力 】 174

【 俊敏性 】 170

【 スキル 】 鑑定 アイテムボックス 火魔法 土魔法

従魔

《契約魔獣》 フェンリル ビッグスライム

【固有スキル】 ネットスーパー

【 加 護 】 風の女神ニンリルの加護(小) 火の女神アグニの加護(小)

土の女神キシャールの加護(小)

アグニ様とキシャール様の加護が新たに付いてるね。

明日にでもちょっと効果を試してみよう。

あ、レベルも上がってる。

レベル11か。

ステータス値も最初の頃より上がってはいるもののもうスイにも超されてるしね。

ははは……はぁ。

そういうスイのステータスはルカ様の加護が付いてどうなってるかな?

【 名 前 】 スイ

【 年 齢 】 1か月

【 種 族 】 ビッグスライム

【 レベル 】 6

【 体 力 】 855

【 魔 力 】 848

【 攻撃力 】 834

【 防御力 】 842

【 俊敏性 】 852

【 スキル 】 酸弾 回復薬生成 増殖 水魔法

【 加 護 】 水の女神ルサールカの加護

年齢が1か月になってるけど、端数の細かいところは表示されないんだな。

俺のだって27歳何か月何日なんて表示されないんだから当然か。

まぁそこはおいといて、あれ、もうレベル6になってんだな。

ステータス値もUPしてるね。

はは、もう俺の遥か上だよ。

スキルに水魔法が増えてるな。

あとはルカ様の加護も増えてる。

加護がなくても十分強かったのに、加護が付いて水魔法のスキルが増えたからより強くなるだろう。

なんかスイは瞬く間に強くなっていくね。

まだ年齢1か月なのにさ。

何にしても明日自分の魔法を確認するつもりだけど、そのときにスイの水魔法も試してみないとな。

明日は街の外でいろいろと魔法の実験だ。

バレてましたね。

ルカ様の加護はスイたんに付きました。