LNCrawler

第七十七話 スイの水魔法

とんでもスキルで異世界放浪メシ — ncode.syosetu.com · All chapters

第七十七話 スイの水魔法

今日は77話、78話を更新です。

街を出て、フェルにお願いして少し離れた森まで来ていた。

『お主の言うとおり、火の女神アグニ様の加護と土の女神キシャール様の加護が付いておるな』

「そうなんだよ。昨日部屋に戻ってニンリル様に供え物してたらさ、なんかいろいろあってアグニ様とキシャール様の加護をもらったんだよ。これもいろんな理由から加護(小)なんだけどな。その代わりニンリル様同様に供え物しないといけないけど」

『そうか。でも、良かったではないか。お主は弱いのだから、(小)だろうが加護が多ければそれだけ効果もあるというものだ』

よ、弱いのだからってな……お前、はっきり言い過ぎ。

本当のことでもさ、そういうところはちょっとボカそうぜ。

「お主は弱いのだからって、はっきりいうなぁ、お前」

『ぬ、事実ではないか』

「いやまぁ、そうなんだけどさ。って、それはいいんだよ。ここに来たのはその加護の効果を試すためなんだ。加護(小)でも、適性がある火魔法と土魔法については消費魔力も減るみたいだし、威力も多少あがるらしい。それに使える魔法の種類も増えるらしいんだ」

『なるほどのう。それで試しに来たという訳か』

「そういうこと。あ、それとな、スイに水の女神ルサールカ様の加護が付いた。これもいろいろ理由があるんだけど、フェルと同じ通常のやつが付いてる」

『なぬ? どれ……お主の言うとおり、スイにルサールカ様の加護があるな。加護が付いたとなれば、スイは更に強くなるな。手合わせしてみるか』

は?手合わせなんてしなくっていいから。

いくらスイが強くなったからって言っても、フェルみたいなカンスト近いレベルのヤツに敵うわけないだろ。

「ちょ、止めてくれよな。いくらスイが強くなったからって言っても、まだまだお前に敵うはずないだろ」

『ぬぅ、力試しの良き相手ができたと思ったのだが……』

「いやいやいや、良き相手なんかじゃないからね。スイが強くなったって言っても、まだまだフェルには及ばないんだから。ホント止めてくれよな」

まったく戦闘狂かよ。

って、そんなこと言ってる場合じゃない。

ここに来た最大の目的の魔法の実験をしないと。

「スイ、起きてー」

鞄の中で眠っていたスイを起こす。

『んー? あるじ、なぁに?』

まだちょっと眠そうなスイを抱き上げて説明してやる。

「あのな、スイに水の女神様が加護をくれたんだ。だから水の魔法ができるようになったんだぞ」

『え? スイお水の魔法ができるようになったの?』

「そうなんだ」

『わーい、やったー!』

「それでな、どんな水の魔法ができるかいろいろ試してもらいたいんだよ」

『わかった。お水の魔法、お水の魔法…………あ、出来そうだよ』

スイの前方に直径1メートルくらいの水球が現れた。

『我の経験から言えば、加護があれば大抵の魔法は使えるぞ。その水の球もただの水ではない。加護持ちが作ったものならば、人が飲んでも問題なかろう』

なんでも水魔法の使い手が作った水でも余程の使い手でないと不純物が入り混じって飲料水にはできないのだそうだ。

『我らは加護持ちだから、たとえ泥水を飲んだところで何ともないがな』

何ともなくても泥水なんて飲みたくないぜ。

「じゃあ、スイがいるなら水の心配はしなくて済むな。スイ、水が必要なときは頼むな」

『うんっ。お水が必要なときはいつでも言ってね』

「スイ、あとはどんなのができそうだ?」

『うーんとねぇ』

「あ、その水の球を遠くにバンって勢いよくぶつけることはできる?」

水の球を見て、水の球を勢いよくぶつけて小説なんかにあるウォーターボールの魔法みたいなことは出来ないかと思った。

『うん、やってみるよ』

スイがそう言うと同時に水の球がものすごいスピードで飛んで行く。

ドシンッ。

水の球が太い木にぶち当たると、水が飛び散って水の球が消えた。

ミシ……ミシミシミシィィィ、ドスンッ。

…………水の球、ウォーターボールが当たった木が折れた。

は?な、なに、この威力……。

けっこう太い木だったよ。

え?え?え?

『うわぁ、木が折れたーっ。すごい、すごい!』

興奮したスイが俺の腕から飛び降りて、ポンポン飛び跳ねる。

いやね、すごいって言うか、怖いぞスイ。

こんなのに当たりたくねぇー。

『あっ、あるじー、こんなのどうかなぁ?』

そう言って触手の先から水をビューっと勢いよく出した。

ドスンッ。

え?木が倒れたんだけど。

倒れた木に近づいてみると、チェーンソーで切ったみたいな綺麗な断面があらわになっていた。

……ウォーターカッターってやつか?

ス、スイが激強になっていく。

酸弾もウォーターボールもウォーターカッターも一発当たれば終わりな強力な攻撃だな。

って、今更だけど、スイにはよく言って聞かせておかないとな。

スイに限って変なことするはずないけど、どれもが強力な攻撃だけにね。

「スイ、スイの酸弾もさっきの水の魔法もすごいんだけどね、それはね魔物に向かってだけ撃ってね。絶対に人に向けて撃っちゃダメだよ。人に撃つ場合は、俺が撃ってもいいよって言った悪い人だけ。それ以外は絶対に撃っちゃダメだからね」

『うんっ、分かったー。スイ、魔物さんに向かって撃つよ。あとは、ちゃーんとあるじの言うこと聞くよ』

「スイはいい子だなぁ」

うんうん、うちのスイは素直でいい子なんだよねぇ。