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閑話 3人の勇者~レベルアップを開始する~

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閑話 3人の勇者~レベルアップを開始する~

今日は閑話を2話更新です。

俺と花音と莉緒、それから俺たちについてくれている騎士3人はダンジョンの前に来ていた。

あれから、1週間かけて剣やら槍やら魔法やらの基礎を習った。

その後に騎士団長が言ったとおり冒険者に登録した。

これからレベルアップを図っていくということだけど、それに一番適しているのがダンジョンなんだそうだ。

ダンジョンなんてゲームみたいでワクワクする。

「それでは潜っていきましょうか」

レナードがそう言い、俺たちは入り口前にズラリと並ぶ冒険者たちを通り越してダンジョンの入り口に向かう。

何でも3人は国の騎士団所属だし、俺たちも国賓扱いだから優先されるのは当然とのこと。

冒険者たちを気にする必要はないそうだ。

並んでるのを通り越して先に入るのは悪いかなと思いつつも、待たずにすぐに入れるというのならそれはそれでラッキーだ。

長い列に並んで待つのなんてダルいしさ。

早くダンジョン入ってみたいじゃん。

「ねぇ、これっていいのかな?」

莉緒がそんなことを言い出した。

「いいのよ。だって騎士さんたちがいいって言ってんだし」

「花音の言うとおりだぜ。俺たちだって無理矢理入ってるってわけじゃないんだし」

「そうかなぁ?」

「そんなことより、早く行こうよ。騎士さんたち待ってるよ」

「そうだぜ」

「うん、分かった」

莉緒だけちょっと渋ってたけど、最終的には付いてきてくれた。

「皆さん、よろしいですか?」

「「「はい」」」

「今日は初めてのダンジョンということで、肩慣らし目的ですから、とりあえず行けるところまで行きたいと思います。私が転移の魔石を所持していますので、帰りは心配ないので思いっきり戦ってください」

レナードさんがそう言った。

転移の魔石というのはその名のとおり転移できるアイテムみたいだ。

何でもダンジョンの10階ごとのボスを倒すと稀に出るアイテムなんだと言っていた。

とても貴重なものだが、今回俺たち勇者のために国が貸し出してくれたらしいぞ。

それだけ期待されてるってことなんだろう。

がんばんなきゃな。

1層目はスライムで、2層目がジャイアントラット、3層目がグレイウルフだった。

ここまでは難なく進んだ。

3層目のグレイウルフで、その動きの素早さに最初は手こずっていたけど、慣れてくると難なく倒すことができるようになった。

4層目はゴブリンで、人型のモンスターに花音も莉緒も引き気味だったし俺もちょっと何ていうか忌避感みたいのがあったんだけど、やらなければ襲ってくるし。

襲われた際に1匹目を倒したら、それもなくなった。

花音と莉緒もそんな感じでモンスターだって割り切ったみたいだ。

5層目はゴブリンとグレイウルフの混成だった。

数が多かったけど、特に問題なく撃破した。

ここの最後のボス部屋(ボスはゴブリンジェネラルだった)をクリアして、初めてドロップ品が出た。

何のことはない普通の剣だったけど、ゲームみたいで俺と花音と莉緒ははしゃいだ。

なんか、こういうのがあると俄然やる気が出てくる。

6層目にはポイズンスパイダーという毒があるクモのモンスターがいた。

「このモンスターには名前のとおり毒がある。この階にいる分については、まだ死ぬほどの毒ではないが、咬まれれば10分は動けなくなる。そうなれば命取りにもなりかねないからな。注意するように」

アーロンから事前にそう注意された。

体長が50センチくらいあるデカいクモでさ、その見た目から花音と莉緒はキャーキャー言ってたぜ。

それにこのクモは、クモの糸を使って天井からも忍び寄ってくることもあって気が抜けなかった。

でも、ここで魔法が役に立った。

ルイーゼからこのクモは火が弱点だって聞いて、火魔法を使うようアドバイスされた。

「燃え盛る火の球よ、我が敵を焼き尽くしたまえ。ファイヤーボール!」

訓練で教わったファイヤーボールの詠唱をしファイヤーボールをクモに向けて撃つ。

キィキィと喚きながらクモが燃えていく。

「なかなか良いですよ」

ルイーゼに褒められて俄然やる気が出た俺は、どんどんファイヤーボールを撃っていった。

そんな感じで6階層も火魔法のおかげで難なくクリア。

7階層目は、またポイズンスパイダーだったけど、ここにはその上位種のジャイアントポイズンスパイダーがいるということだった。

このジャイアントポイズンスパイダーに咬まれると死ぬこともあるとのことで、花音と莉緒はビクビクだった。

俺も死ぬかもって言われてちょっとビビったけど、火魔法があれば大丈夫じゃんって思い直した。

7階層は6階層よりもクモの数が増えていて、そこかしこにうじゃうじゃいやがった。

俺はそれをファイヤーボールを駆使して始末していく。

クモが集中しているところにファイヤーボールを撃ってある程度数を減らして、そのあと生き残りをみんなで剣やら槍で切っていく。

最後のボス部屋にはジャイアントポイズンスパイダーがいた。

本当にデカい。

足の先まで入れると2メートルくらいはありそうだ。

ジャイアントポイズンスパイダーの回りにはポイズンスパイダーがうじゃうじゃいる。

「櫂斗ッ、あいつにファイヤーアローを撃ち込むのよッ」

ルイーゼに言われてハッとする。

花音と莉緒もレナードとアーロンから魔法を撃つように言われているみたいだ。

とにかく、俺があのデカぶつを倒すぜ。

「猛る炎の火矢よ、我が敵を穿ちたまえ。ファイヤーアローッ!」

俺の撃ったファイヤーアローがジャイアントポイズンスパイダーに命中してデカぶつが爆散した。

花音と莉緒の撃ったファイヤーボールも回りのクモを焼き尽くしている。

「やった!」

「「やったわ」」

俺たちが喜んでいると「まだ終わってないッ」と厳しい言葉が飛んだ。

見ると確かに生き残ったポイズンスパイダーがいる。

俺たちは気を引き締めて生き残りのクモを切り捨てていく。

クモたちが消えた後には糸の束が残っていた。

鑑定してみると【ジャイアントポイズンスパイダーの糸】と出た。

「これは、ジャイアントポイズンスパイダーを倒した櫂斗に」

そう言ってルイーゼがくれた。

「よし、7層目クリアだ。今日はこの辺で戻りましょう」

こうして、俺たちは地上に戻った。

王宮に戻ると、鑑定の魔道具でステータスを確認された。

【 名 前 】 カイト・サイトウ

【 年 齢 】 17

【 職 業 】 異世界からやって来た勇者

【 レベル 】 5

【 体 力 】 926

【 魔 力 】 882

【 攻撃力 】 891

【 防御力 】 867

【 俊敏性 】 860

【 スキル 】 鑑定  アイテムボックス  聖剣術  火魔法

水魔法  土魔法  風魔法  光魔法  雷魔法

氷魔法

レベル5にレベルアップしてた。

やったぜ!

花音と莉緒もレベル5になってた。

俺はこれからどんどん強くなっていくぜ。

そしたらルイーゼに……。

(騎士たちの会話)

「どう思う?」

「まぁ初めてのダンジョンだからな。それにしてはまずまずってところか」

「そうね。初めてのダンジョンにしては良かったと思うわ」

「櫂斗の火魔法はなかなか良かったが、花音と莉緒はもう少し訓練が必要かもしれないな」

「ああ。すぐに魔法が撃てないのはまずい」

「剣と槍も1週間にしては上出来だけれど、勇者の肩書とスキルがあるのだがらもう少し上達してほしいところね」

「それは言えてるな」

「やはり、ダンジョンは早過ぎたか?」

「早すぎるということはないだろうが、これより階下になると、今のままでは苦戦することも出てくるかもな」

「ええ。とりあえず、明日からは一時ダンジョンに潜るのを取りやめて、魔法と剣と槍の訓練に集中させた方がいいかもしれないわね」

「そうだな。上からは早くとせっつかれているが、やり過ぎて怪我でもされたら困るのは俺たちだからな」

「ああ。それでも今日ダンジョンに入っただけでレベル5になったのは、さすが勇者というところか」

櫂斗くんはまんまとハニートラップにはまったみたいです。

騎士さんたちは3人の勇者を値踏みしているようですね。