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第12話 憂鬱

【完結絵本ノベル】Ai暴走中!~暴走する悪意のAiに少年と少女と猫がコトバの魔法で挑みます!【全話挿絵】 — novelup.plus · All chapters

第12話 憂鬱

( 夢 ( ゆめ ) じゃなかったんだよね……リング……あるもんね……) そう 思 ( おも ) いながら、 左手 ( ひだりて ) の 人差 ( ひとさ ) し 指 ( ゆび ) に 着 ( つ ) けた 真珠色 ( パールいろ ) のリングを 見 ( み ) つめる 久愛 ( くう ) 。 8f6e3091c6cb40c57b38bb7df1fc9e72.jpg リングを 外 ( はず ) そうと 試 ( こころ ) みるが、やはり 外 ( はず ) せない。 昨夜 ( さくや ) 、 久愛 ( くう ) も 洸 ( こう ) と 同様 ( どうよう ) の 経験 ( けいけん ) をしていた。 AI ( エーアイ ) クウとの 出会 ( であ ) いだ。(…… 悪意 ( あくい ) の AI ( エーアイ ) が 人類 ( じんるい ) を 洗脳 ( せんのう ) して…… 人類 ( じんるい ) を 支配 ( しはい ) するために……どんどんと 活動 ( かつどう ) を 拡大 ( かくだい ) している、と……) 空中 ( くうちゅう ) 飛行 ( ひこう ) する 通学 ( つうがく ) バスを 待 ( ま ) つ 久愛 ( くう ) 。 登 ( とう ) 下校 ( げこう ) する 学生 ( がくせい ) を 運 ( はこ ) ぶ 自動 ( じどう ) 運転 ( うんてん ) のエアバスだ。(…… 私 ( わたし ) が 善意 ( ぜんい ) の AI ( エーアイ ) に 選 ( えら ) ばれた 戦士 ( せんし ) で…… 悪意 ( あくい ) の AI ( エーアイ ) たちと 戦 ( たたか ) って、 街 ( まち ) や 人類 ( じんるい ) を 守 ( まも ) らなきゃならない、と……) 一日 ( いちにち ) たった 今 ( いま ) でも 状 ( じょう ) 況 ( きょう ) を 呑 ( の ) み 込 ( こ ) めないでいた 久愛 ( くう ) 。(にしても……スキルが 慣用句 ( かんようく ) とか 四 ( よ ) 字 ( じ ) 熟語 ( じゅくご ) って……ダサくない……?) プシュ──。 b15f3b2a082f416233792eae7319b2e6.jpg 到 ( とう ) 着 ( ちゃく ) したエアバスの 小 ( ちい ) さなブレーキ 音 ( おん ) が 鳴 ( な ) る。 そのまま 乗 ( の ) り 込 ( こ ) む 久愛 ( くう ) 。 旧時代 ( きゅうじだい ) のような 身分 ( みぶん ) 証明書 ( しょうめいしょ ) や 定期券 ( ていきけん ) をかざすなどといった 動作 ( どうさ ) は 不要 ( ふよう ) だ。「おはよう!」 既 ( すで ) にエアバスに 乗車 ( じょうしゃ ) していた 友達 ( ともだち ) と 挨拶 ( あいさつ ) を 交 ( か ) わす。 エアバスの 生体認証 ( せいたいにんしょう ) システムは、 本人 ( ほんにん ) 確認 ( かくにん ) だけでなく、 学生 ( がくせい ) の 出欠 ( しゅっけつ ) や 体調 ( たいちょう ) まで 管理 ( かんり ) し、データベースに 取 ( と ) り 込 ( こ ) む。 連絡 ( れんらく ) 事項 ( じこう ) も 個人 ( こじん ) がノート 代 ( か ) わりに 使用 ( しよう ) する 各種 ( かくしゅ ) 端末 ( たんまつ ) に 適宜 ( てきぎ ) 送信 ( そうしん ) される。 朝 ( あさ ) のホームルームなんていう 時間 ( じかん ) があったのは 遠 ( とお ) い 昔 ( むかし ) の 話 ( はなし ) だ。 エアバスのシステムが 久愛 ( くう ) の 体調 ( たいちょう ) を「 睡眠 ( すいみん ) 不足 ( ぶそく ) 」と 診断 ( しんだん ) していた。(そもそも 女 ( おんな ) の 子 ( こ ) はバトルなんか 向 ( む ) いてないのに……) 登校中 ( とうこうちゅう ) も 授業中 ( じゅぎょうちゅう ) も、 久愛 ( くう ) はずっと気も そ ( ・ ) ぞ ( ・ ) ろ ( ・ ) だった。 今後 ( こんご ) のことが 心配 ( しんぱい ) で 情緒 ( じょうちょ ) 不安定気味 ( ふあんていぎみ ) だ。「 新 ( あたら ) しいリング、 買 ( か ) ったの?」「どうしたの? 今日 ( きょう ) 、 元気 ( げんき ) ないね?」 クラスメイトからいろいろと 声 ( こえ ) をかけられても 適 ( てき ) 当 ( とう ) に 返 ( かえ ) して 何 ( なん ) とかごまかす──。「 話 ( はな ) しかけないでオーラ」が 出 ( で ) ていたせいか、 午後 ( ごご ) には 友達 ( ともだち ) の 方 ( かた ) からほとんど 話 ( はな ) しかけてこなくなっていた。 放課後 ( ほうかご ) になったら 早々 ( そうそう ) に 下校 ( げこう ) したが、 家 ( いえ ) に 着 ( つ ) くや 否 ( いな ) や 何 ( なに ) かを 思 ( おも ) い 出 ( だ ) す 久愛 ( くう ) 。「あぁ!!! 忘 ( わす ) れてた!!! 今日 ( きょう ) ……」