第16話 能力
第16話 能力
ブーン──。 ふたりの 左手人差 ( ひだりてひとさ ) し 指 ( ゆび ) のリングから、ホログラムモニターが 映 ( うつ ) し 出 ( だ ) される。「えーっと……メインスキルってところ、 私 ( わたし ) は 五月 ( ごがつ ) 五日 ( いつか ) 生 ( う ) まれの 牡牛座 ( おうしざ ) だから 牛 ( うし ) 、 月 ( つき ) の 干支 ( えと ) が 馬 ( うま ) で、 牛 ( うし ) と 馬 ( うま ) のスキルなんだよね」「 星座 ( せいざ ) と 干支 ( えと ) か。 干支 ( えと ) って 僕 ( ぼく ) も 久愛 ( くう ) と 同 ( おな ) じはずだよね?」「そうなんだけど、 干支 ( えと ) は 月 ( つき ) ごとにも 振 ( ふ ) り 分 ( わ ) けられているのよね。 私 ( わたし ) 、なんかで 読 ( よ ) んだことあるけど」「そうなんだ。 久愛 ( くう ) は、そういうの 詳 ( くわ ) しいな。だから、 僕 ( ぼく ) は 八月 ( はちがつ ) 八日 ( ようか ) 生 ( う ) まれの 獅子座 ( ししざ ) で、 月 ( つき ) の 干支 ( えと ) でみたら 鳥 ( とり ) なんだ。ひとつ 解決 ( かいけつ ) した!」「 他 ( ほか ) にも、サブスキルが 属性 ( ぞくせい ) と 色 ( いろ ) と 体 ( からだ ) の 部位 ( ぶい ) で 決 ( き ) められてるね。 私 ( わたし ) は、 地天 ( ちてん ) 属性 ( ぞくせい ) で、あっ……」
久愛 ( くう ) がまた 顔 ( かお ) を 赤 ( あか ) らめて 少 ( すこ ) し 黙 ( だま ) り 込 ( こ ) む。 久愛 ( くう ) のモニターに 顔 ( かお ) を 近 ( ちか ) づける 洸 ( こう ) 。「なになに。あ、 久愛 ( くう ) のサブスキルは…… 色 ( いろ ) が 白 ( しろ ) で、 体 ( からだ ) が 目 ( め ) と……」「やだ。 読 ( よ ) まないでいいよ……」「 尻 ( しり ) って、あははは。 面 ( おも ) 白 ( しろ ) いな。 僕 ( ぼく ) は 紫 ( むらさき ) と 鼻 ( はな ) と 手 ( て ) のスキルだ!」 洸 ( こう ) が 茶化 ( ちゃか ) しながら 言 ( い ) う。
「やめてよ、 洸 ( こう ) ……でも、なんで 私 ( わたし ) はお 尻 ( しり ) なの……」 真 ( ま ) っ 赤 ( か ) な 顔 ( かお ) で 洸 ( こう ) のマニュアルに 目 ( め ) をやる 久愛 ( くう ) 。「 洸 ( こう ) は、 火炎 ( かえん ) 属性 ( ぞくせい ) なんだ。それより、 紫 ( むらさき ) って 洸 ( こう ) の 好 ( す ) きな 色 ( いろ ) だったよね?」 顔 ( かお ) の 赤 ( あか ) みが 少 ( すこ ) しひいてきた 久愛 ( くう ) が 洸 ( こう ) の 顔 ( かお ) をのぞく。 よく 遊 ( あそ ) んでいた 幼 ( おさな ) い 頃 ( ころ ) を 思 ( おも ) い 出 ( だ ) し、 洸 ( こう ) はそれが 当 ( あ ) たり 前 ( まえ ) のようでもあり、 懐 ( なつ ) かしいようでもあった。「まぁ、 好 ( す ) きな 色 ( いろ ) は 正確 ( せいかく ) には 青紫 ( あおむらさき ) なんだけど。そういえば、 久愛 ( くう ) が 一番 ( いちばん ) 好 ( す ) きな 色 ( いろ ) は 真珠 ( しんじゅ ) 色 ( いろ ) だったよね?」「そうだよ、 白 ( しろ ) も 好 ( す ) きだけどね。 偶然 ( ぐうぜん ) かな?」「 久愛 ( くう ) さん!」 突然 ( とつぜん ) AI ( エーアイ ) クウが 会話 ( かいわ ) に 割 ( わ ) って 入 ( はい ) ってきた。 アジョン 化 ( か ) していない 状態 ( じょうたい ) で 話 ( はな ) しかけられたから、ちょっぴり 焦 ( あせ ) る 久愛 ( くう ) 。
洸 ( こう ) はそれ 以上 ( いじょう ) に 驚 ( おどろ ) く。( 久愛 ( くう ) の AI ( エーアイ ) は、 女性 ( じょせい ) の 声 ( こえ ) なんだ) AI ( エーアイ ) クウは 話 ( はなし ) を 続 ( つづ ) ける。「 久愛 ( くう ) さん、 属性 ( ぞくせい ) やスキルにはリング 所持者 ( しょじしゃ ) の 個性 ( こせい ) が 反映 ( はんえい ) されます」「「 個性 ( こせい ) ?」」 ふたりとも 驚 ( おどろ ) いて 聞 ( き ) き 返 ( かえ ) す。「はい。 詳 ( くわ ) しく 説 ( せつ ) 明 ( めい ) しますと……」