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【Web版】Lv2からチートだった元勇者候補のまったり異世界ライフ — novelup.plus · All chapters

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冒険者組合は、割と大きな2階建ての建物となっており、 1階は冒険者の受付と食堂、および武具の売店 2階は宿泊施設となっていた とりあえず、冒険者としての登録が必要なのでは、と思い、受付へと向かったアープショーは、「こんにちは。冒険者の登録ですか? それともお仕事の斡旋希望ですか?」 赤い髪のエルフに挨拶をされた。「仕事を斡旋してもらいたいんだけど、それには冒険者の登録が必要なのですか?」「ランク未指定の仕事のみをご希望でしたら登録は不要ですが、そんな命知らずではありませんよね?」 そう言ってニッコリほほ笑む赤髪のエルフ。 彼女の説明によると…… 基本的な仕事の流れとしては、やはりまず冒険者の登録を行い、 その実績に応じて冒険者のランクが上昇していく仕組みになっており、 このランクに応じた仕事を受けることが可能になるのだという。 彼女が冗談めかしていった『ランク未指定の仕事』というのは 達成が非常に困難と予想されるため、途中放棄でもペナルティは発生しないものの、仮に遂行中に死亡したとしても保険などが一切適用されず、また準備金なども一切支給されない劣悪な条件仕事がほとんどなのだという。 その代わり、達成できた場合には、莫大な報酬が約束されているのだとか。 当然、このランク未指定の仕事をこなしていれば冒険者としてのレベルも一気に跳ね上がっていくのは当然ではあるものの、そんな仕事ばかり請け負っていれば、確かに命がいくつあっても足りないのは間違いないといえた。 冒険者としての登録を済ませると、アープショーはネックレス状になっている銀のプレートを受け取った。「このプレートにあなたの個人情報が記憶されています。 個人情報は魔法で読み取ることが可能となっています。 仕事を受ける際、完了した際には、必ずこれをお持ちくださいね。この札に実績を記録していきますので」 簡単に説明を受けると、アープショーは、その札を首にかけ「では、登録料として銀貨1枚をお支払いください」 指定された代金を手渡していった。 赤髪のエルフに教えてもらった仕事掲示板を見に行こうとしたところで、アープショーは、その足を止めた。 掲示板の手前には、1人の少女が立っており、行きかっている冒険者たちに何事かをお願いしてまわっていたのである。 その話を横耳で聞いてみると なんでも、彼女は、デラベザの森まで護衛として連れて行ってくれる冒険者を探しているのだという。 このデラベザの森は、魔王の側近が住んでいると噂の森のため、どの冒険者もこの申し出を断っているのだった。 合わせて、彼女が提示している報酬も、銅貨5枚と非常に安いらしく、それもあって余計に誰も聞く耳をもっていないようであった。 デラベザの森といえば、さっきまで彼がいた場所でもあるし、転移魔法を使えばすぐに行けるわけだし……と考えたアープショーは、「お嬢さん、僕でよければお連れしますよ?」 そう、その少女に声をかけた すると、まさか声をかけてくる人がいるとは思っていなかったらしく、その少女は飛び上がらんばかりにびっくりしながら、アープショーの方を振り返った。「あ……あの……報酬少ないですけど……いいのですか?」「まぁ、行くだけならすぐですしね」 アープショーの言葉に、周囲にいた冒険者たちがざわつく「お兄さん、嘘はいけないよ。あの森までは馬車でも20日はかかる。何かよからぬ意図をもってこのお嬢さんに近づいているのではないか? たとえば体目的とか?」 冒険者の1人らしい、甲冑に身を包んだ女騎士が、露骨に嫌悪の表情を浮かべながらアープショーへ近寄っていった。 その後方には、彼女のパーティのメンバーと思われる数人の女性がいる。 確かに、女性と男性の2人で、となると、そう思われても仕方がないか、と思い直したアープショーは「では、もしよかったら皆さんもご一緒しませんか?報酬はすべてそちらへお渡ししてもかまいませんから」 その言葉に、しばし仲間と相談していた女騎士は道中の食事や宿の手配もしてもらえるのなら、との条件を出してきたが、その言葉に少女の顔が曇った。 手持ちの金が乏しいのは一目瞭然であった。 「必要なら、それは僕が負担しますから……まぁ、不要なのは間違いないのですが」 アープショーの言葉に、更に警戒の色を強くした女騎士一行なのだったが、アープショーが財布袋の中に金貨があるのを見せたところで、どうにか了承したのであった。 受付で、札に依頼の登録をしてもらうと、「じゃ、行きますので、皆さん僕の周囲に集まってください」 アープショーの言葉に半信半疑になりながらも、言われたとおりに、その周囲に集まる一同 次の瞬間、皆の姿は「では」 アープショーの言葉と同時に組合の建物の中からかき消えていったのだった。「……これは驚いた……」 目の前に広がっているのが、間違いなくデラベザの森であることを確認した女騎士は、信じられないといった表情を浮かべながらも、「アープショー殿と言われたか、先ほどは疑ってしまい大変失礼なことをした。心より謝罪いたす」 そう言って深々と頭を下げた。「こんな長距離を移動できる転移魔法を使えるなんて……アープショーさんは、城おかかえの魔導士ですか?」 女騎士のパーティの魔道士が、冷や汗を流しながら訪ねてくる。 アープショー自身は、自分が使用した魔法がそんな大層な物という自覚がまったくないため、魔道士の言葉に、逆に困惑してしまう。 また、彼女のパーティらは、普段無口な魔道士が雄弁にしゃべったことの方に逆にびっくりしていたりする。  とりあえず、森の奥で魔法の研究に没頭していた世間知らずの魔道士ということにしたところ、皆どうにか納得してくれたので、安堵するアープショーであった。 このやり取りの中 依頼主である少女は、しきりに森を見回しながら、困惑の表情を浮かべていた。「……どうかなさったんです?」 アープショーの言葉に、更にオロオロする少女「も……森の、魔素が……その……全部なくなっているんです……どうして……」 それなら、先ほど自分が浄化魔法を行ったから、と伝えようとしたところで、アープショーの眼前に、赤く点滅するウインドウが表示された。『注意:浄化魔法の使用を魔族に伝えるのは危険です』 魔族?そんな人いないじゃないか? そうアープショーが思ったところで、新しいウインドウが開く『依頼主の少女:魔族「牙狼族」が人種に変化しています』 その表示に、アープショーは、自分の鼓動が早くなるのを感じていた。