LNCrawler

新居と女騎士

【Web版】Lv2からチートだった元勇者候補のまったり異世界ライフ — novelup.plus · All chapters

新居と女騎士

北の民家に到着したアープショーとリース、ペットのサベアは、まず家の中の片づけを行った。 昨夜は、寝室のみを片づけて使用した2人だったが、今後はここを拠点とするため、生活出来るように家全体の片づけに着手した。 元の住人らは、 狂乱熊 ( サイコベア ) の急襲に、慌てて逃げ出したらしく、家の中は相当荒れていたのだが、魔法を駆使しつつ作業を行ったため、1刻もしないうちに、家の中は、綺麗に片付いた。 あえて、リビングを大きくし、サベアが常時居ることが出来るように改築する。リビングの一角に、小屋風の、中に藁を敷き詰めた寝床をしつらえてみたところ、サベアは非常に気にいったらしく、何度も出たり入ったりを繰り返していたのだった。 寝室は昨夜も使用した2階のものをそのまま使用することにし、その横にある3部屋を2人の私室と物置にすることにした。 最初は私室を個別にしようかと思っていたのだが、リースが一緒の部屋を希望したので、そのようにし、2部屋をとりあえず物置にすることにしたのだが、「家族が増えたら、この物置を部屋にしてあげればいいしね」「サベアの他にもペットを増やすのですか?」「ペットは増やすかもしれないけど、それとは別に……」 そう言いながら、アープショーは、リースのお腹を軽く触った。「僕らに子供が出来たら……ね」 その言葉に、瞬時に真っ赤になるリースであった。 その夜も、家の周囲に罠魔法を展開して就寝した2人だったが、翌朝、罠にかかった 狂乱熊 ( サイコベア ) は1匹もいなかった。 昨夜、仲間が大量に罠にかかって死んだのを、他の 狂乱熊 ( サイコベア ) が察知し、この周囲は危険と認識したためと思われた。 朝になると、2人は朝食を済ませ、早速狩りへと出かけた。 昨日、2人で相当数の 狂乱熊 ( サイコベア ) を狩ったものの、やはり北の森には危険な獣が多かった。 狂乱熊 ( サイコベア ) の他にも、 巨大毒蛇 ( サラマンダ ) や 一角巨人 ( サイクロプス ) などと頻繁に遭遇した。 とはいえ、2人にとっては、この程度の相手は敵ではなく、いとも簡単に倒し、回収していく。「この程度の獣相手ですと、準備運動にもなりませんね」 一角巨人 ( サイクロプス ) の喉笛を、瞬時に切り裂いたリースは、不満そうな表情を浮かべていた。  半日ほどの狩猟で、荷馬車が一杯になったため、そのままサベアに荷馬車をひかせて街の組合へと向かう。「ふあぁ!?今日もすごい討伐数ですねぇ!」 受付の女性は、荷馬車を眺めながら目を見張っていた。 その周囲には、すぐに人だかりが出来「あの2人、昨日も 狂乱熊 ( サイコベア ) を狩りまくってたよな?」「マジですげぇ……」「あれ、 巨大毒蛇 ( サラマンダ ) か?去年国軍を撤退させた奴じゃないか?」 にぎやかに会話をしながら、アープショーらを羨望の眼差しで見ていた。「では、これが今回の討伐代金になります。今回の討伐獣の中に、国から懸賞金のついていた物が含まれていましたので、その分上乗せしています」 おそらく、先の冒険者らの会話の中にあった、 巨大毒蛇 ( サラマンダ ) のことだろうと推測しながら、アープショーは金貨の入った袋を受け取った。「あの程度の怪物に懸賞金がついているとは……驚きですね」 リースの言葉に、苦笑するアープショー。 ちなみに、 巨大毒蛇 ( サラマンダ ) は、彼がお試しで使用してみた 風刃 ( ウインドカッター ) で瞬殺されたものであった。◇◇1週間後 2人は、この調子で、毎日昼まで狩りを行い、 獲物をサベアと一緒に組合へ持ち込み、換金 その後、街で昼食をとってから家に戻るという生活を送っていた。 最近では、愛嬌のあるサベアがやってくると、子供たちが群がり、無邪気に戯れるようになっており、サベアも嬉しそうに、背に子供らを乗せてやっていた。「やれやれ、今日も帰りが遅くなりそうですね」 その光景を見ながら、リースが溜息をつくものの、その表情には笑顔が浮かんでいたのだった。 この日も、いつものように街で昼食を済ませると、2人は買い物を済ませ家路へとついた。 だが、その帰路の途中で不意に戦闘の気配がした。 2人はそっと気配の方へと向かっていった。 そこで戦っていたのは、 狂乱熊 ( サイコベア ) 2匹と数人の騎士らしき者たち4人なのだが、騎士達が圧倒的に劣勢だった。 騎士ら4人は、剣士2・弓士1・魔法使い1の編成なのだが、後衛である弓士と魔法士の実戦経験不足が顕著であり、まったく後方支援の役目を担えていない。 それを感じ取った 狂乱熊 ( サイコベア ) が、隙あらば後衛の2人に襲い掛かろうとするため、前衛の2人は、それを阻止するのに精いっぱいで、まったく攻めに転じることが出来ずにいる。 と、 その騎士らの様子を魔法でサーチしたアープショーは、 その一行が、以前、リースと出会った際に、一緒にいた、あの女騎士一行であることに気が付いた。 そのことに、同時に気が付いたらしいリースは、露骨に嫌そうな顔をする。 リースは、以前あの女騎士がアープショーに色目を使ったことがいまだに許せないのであった。 とはいえ、一応面識のある人を見過ごすわけにもいかない、と考えたアープショーは、今いる場所から 電撃 ( ライトニング ) の魔法を使い、 狂乱熊 ( サイコベア ) を一瞬で黒こげにしたのだった。 女騎士らは、何が起きたのか全く分かっていなかったものの、とりあえず自分達が助かったことに安堵し、その場に座り込んでいったのだった。 女騎士らの無事を離れた場所から確認したアープショーらはそのまま家へと戻っていった。 ちなみに、家の周りには、常に獣用の罠が発動しており、この日も2匹の 狂乱熊 ( サイコベア ) がかかっていたのだった。 アープショーは、サベアと一緒に獲物を罠からはずして、荷馬車へと運び込んでいく。 その間に、リースは街で買って来た品物を室内へと運び込み、ついでに晩御飯の準備に取り掛かっていった。 その時…… アープショーの感知魔法が、何者かが家に近づいてくるのを察知した。 それは、先ほどアープショーが助けたばかりの女騎士一行であり、それを察知した彼は、 ……こんなところまで一体何の用なのだろう? そんな事を考えながら首を捻った。