第十三話 夏休みを振り返る −二学期が始まる前に−
第十三話 夏休みを振り返る −二学期が始まる前に−
流石に朝夕は少しだけ気温が下がっているような気がするし、夕方になるとリーンリーンと鈴虫の鳴き声が聞こえてくれるようになった。でも、日中はまだまだ暑い。それなのに夏休みは今日で終わり、明日から二学期が始まる。
あーあ、学校行きたくなーい、かったるいわ〜……なんて思うヒマなんて全くなく、毎日学校に登校してはコンクール関西大会への練習に明け暮れている。ここで、ちょっと夏休みを振り返ってみます。
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高校生になっての初めての夏休み、吹奏楽部員にとって夏はコンクールの季節。前半は府大会に向けての練習と本番、代表を勝ち取った翌日からは、月末の関西大会に向けての練習漬けの日々。毎日毎日、個人練、パート練、合奏練習とひたすら反復練習なのだけど、先月の私より、今日の私の方が上手くなっていると思う。手前味噌だけど。
ひたすら繰り返して練習をすることについては、中学校の時の顧問の先生、北宇治吹部顧問の丸尾先生、吹部部長の村上先輩、副部長でユーフォの小早川先輩、同じくユーフォの藤村先輩、そして、父も母も、みんな同じ事を言っていた。
”練習の量は裏切らない”
私はその言葉を信じて、日々頑張っている……と言うよりも、ただユーフォの音を聞いていたいだけなのかもしれない。温かくて丸みがあり、心に寄り添ってくれるような音がするユーフォ。私が生まれる前からずーっと聞いてきたような感じがするユーフォ……。
そうそう。時々、未来から、私はユーフォっぽいって言われるんだけど、「どういう意味?」と聞いても「なんとなく」としか答えてくれない。そのうち、わかる日が来るのかな……。
とまぁ、毎日練習漬けではあるけど、8月13日から17日までの5日間はお盆休みということもあり、ユーフォには全く触らなかった。
何をしてたかと言うと、13日はお墓参り。家族で父の運転するクルマに乗り、宇治から少し離れた里山にあるお墓に行ってきた。暑い日差しの中、お参りを済ませたその後は、家に戻ってきて祖父母の家に行き……上のフロアーなんですが……一緒に夕飯の食卓を囲んだりして過ごす。
14日は、吹部の一年生の中でもよく話をする仲間たちと一緒に、太陽公園のプールに行くことに。プールに誘われたのが、8日にコンクール府大会の結果発表を音楽室で待っていた時のこと。参加OKをしたものの水着が無い事を思い出し、じゃあ買い物に行こう、と12日の吹部の練習と音楽室の掃除も終えた午後、未来と一緒にアルプラへと向かった。そこで、ちょっとわちゃわちゃしたことがありまして……。
水着売り場のコーナーでは、私がラッシュガード付きでシンプルなワンピースを探していたところ、未来が色々注文をつけてくる……いや貴重なアドバイスをしてくれる。
「もっと露出あった方がええんやない?」
「嫌だ、恥ずかしい……」
「なんで?うちと似たような感じで、瑠美子っていいスタイルしてるやんか、自分で言うのもなんやけど。もっと……例えば、こんなのとかで可愛さをアピールしたらええやん」
未来が持ってきたのが、大人っぽくて黒色を主体としたビキニ。これはお姉さん達が着るようなやつだ。
「うち、これの白にして、ほら、一緒に色違いなんて面白そうやん?今でないと、そのうちこういうの着れへんようになるで」
「無理無理無理っ。そういうの着たら、恥ずかしくて人前に出れない」
「だったら、なんでプールに行くって返事したの?」
ふーっと呆れたように言われてしまった。
「だって暑いし……みんなで遊びたかったし……」
「ふむ、しょうがないなー。それなら競泳用の水着にする?その向こう側にあるSPEEDのやつとかミズノのとか」
「私、泳げないんだよ……?」
「注文が多いねー。じゃあ、このセパレートやけどバブルスカートがついているのなんかどう?黄色を基調としたところなんか、似合うと思うよ」
「ま、まぁ、それなら……」
「はいはい、試着してみて。一度合わせて鏡見てみなさい、可愛いんやけん。もっと自信持ちや」
「うーん……」
……結局、未来の言う通りの水着を買って、未来は青ベースの色違いのものを購入し、14日の太陽公園のプールに挑んだんだけど、パーカスの椹木さん、クラの細野さん、ホルンの山城さんやサックスの山下さん、計6人でプールで大いにはしゃいで、その夜は疲れてぐっすりと寝てしまったのでした。
15日は、中学校を卒業してから5か月ぶりに、中学時代の吹部の友達と遊ぶため京都市内に出かけたり。久しぶりに会った友人達はなんだか大人っぽく見えて、眩しさを覚えるぐらい。たった5か月されど5ヶ月。高校に入って吹部を続けたのが私だけと言うのもあって、話が会わないことも所々あり、ほんの少し寂しく感じた。
跳んで17日は、大手予備校の全国統一模試があったので、強制参加。で、16日はその模試の問題範囲の確認と残っていた宿題をしていて……あとは昼寝してたなぁ。
5日間のお盆休みが明けると、翌18日からは二泊三日での吹部の夏季合宿。学校から高速道路を使って三十分ほどの場所にある合宿所に行き、3日間関西大会へ向けてみっちり練習。しかも、初日の午後はオーディションも行われたものだから、その日の予定が終わった時の気疲れは結構なものだった。でも、合宿所のご飯は美味しかったな……。
私はオーディションの結果無事合格をいただき、関西大会でもユーフォのサードとしてステージに立てることに。
低音パートに人員の変動はないが、それ以外のパートはどこも人の入れ替えが発生。その為、異議を唱えるパーリーの先輩達は、顧問の丸尾先生の所に行き選考理由を聞き、「結局、納得したんやって」という話を藤村先輩が教えてくれた。
その後は、ひたすら合奏練習を繰り返し、最終日は噂に聞いていた10回通しを経験し、疲労困憊のまま帰宅。
疲労困憊といえば、いつも元気いっぱいの未来も、帰りのバスは流石にずっと寝ていたな。そりゃあね、特別講師が麗奈さんだもん、そりゃあ疲れますわ。
後で母に聞いた話だと、麗奈さんご自分で丸尾先生に連絡して、特別講師としてボランティアで来てくれたらしい。先月麗奈さんが順菜さんと一緒に我が家に遊びに来た時、親友の未来の話が出た際とても興味を持ち、今回の参加になったとか。
合宿では麗奈さんは当然ながらトランペットパートに力を入れてらして、オーディションで入れ替わった先輩と未来をじっくりと指導していたようだ。
……これは麗奈さんがこっそり教えてくれたんだけど、
「田中さんだっけ?瑠美ちゃんが仲良くしているトランペットの子って。あの子、合格よ。私は努力の積み重ねで今この仕事してるけど、あの子は最初から花が咲いているみたい。努力を積み重ねるともっと大きな花になるわよ」
……だって。すごいね、未来。
21日は母の誕生日だった。私が母に送ったプレゼントは、瑛斗とお小遣い出し合って、三室戸駅前で購入したコンパクトフラワーアレンジメントを。後は、母の日の時は夕食を準備したのだけど、この日は夕方まで吹部の練習なのでそれは断念することに。バースデーケーキは父に準備してもらって、その夜は家族でお祝いした。
お母さん、喜んでくれたようでホッとした。
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とまぁ、以上が私の夏休みだったんです。結構忙しかったなぁ。
明日から二学期ということで夏休み前のペースに戻るのだけど、今はともかく31日の関西大会を目指して、集中し続けなけらばならないし、まだまだ暑いから、お水飲んで体調管理にだけは気をつけないといけないですよね。
さぁ、がんばりましょう!