第20話 前半終了
第20話 前半終了
前半十二分。
福岡レガーロが自陣でボールを奪う。
笹倉から高瀬へ。
高瀬はワンタッチで木下へ預ける。
木下は前を向き、右サイドの岩永へ展開した。
岩永はスピードを生かして仕掛ける。
クロス。
ゴール前へ高木が飛び込む。
しかし。
「クリア!」
郷田の声が響く。
センターバックが頭で大きく跳ね返した。
ボールはタッチラインを割る。
福岡のコーナーキック。
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前半十三分。
木下のキック。
ニアへ鋭いボールが送られる。
高木が競り合う。
だが。
郷田が一歩前へ飛び出した。
両拳で力強くパンチング。
ボールはペナルティーエリアの外まで弾き返される。
スタンドから拍手が起こった。
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前半二十一分。
エストレヤが反撃に出る。
エミリオが中盤でボールを受ける。
左へ展開。
川崎。
目の前には風間。
川崎は一度止まり、縦へ走る森川を使う。
森川はワンタッチでクロス。
中央では材木座がセンターバック二人を背負っていた。
落とす。
そのボールへダニエルが走り込む。
右足を振り抜く。
しかし。
シュートは笹倉が体を張ってブロック。
こぼれ球も福岡が回収した。
「切り替え!」
笹倉の声が響く。
福岡は素早く攻守を入れ替える。
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前半三十二分。
試合は依然として均衡していた。
エストレヤはボールを保持する。
福岡は中央を閉じる。
無理に飛び込まず、隙を与えない。
材木座は何度もセンターバックを背負い続ける。
ダニエルは空いたスペースを探し続ける。
エミリオはリズムを変えながら攻撃を組み立てる。
だが、あと一本が通らない。
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前半四十分。
福岡に決定機。
左サイドの風間が攻撃参加。
低いクロスが送られる。
高木が滑り込む。
その瞬間。
郷田が素早く前へ出た。
両手でボールを抱え込む。
「ナイスキーパー!」
守備陣から声が飛ぶ。
郷田はすぐに立ち上がり、味方へ指示を送る。
「集中!」
「あと少しだ!」
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前半四十五分。
アディショナルタイムは一分。
エストレヤ最後の攻撃。
エミリオから材木座。
材木座は体を張ってボールを収める。
ダニエルへ落とす。
ダニエルはミドルシュートを狙う。
しかし、わずかにゴール右へ外れた。
惜しい場面だった。
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ピーーーッ!
主審が前半終了のホイッスルを吹く。
スコアは**0―0**。
両チームとも決定機はあった。
しかし、最後までゴールネットは揺れなかった。
選手たちは汗を拭いながらロッカールームへ引き上げていく。
分析席では、八幡が静かに前半のデータを確認していた。
風間。
笹倉。
二人の運動量は、まだ大きく落ちていない。
だが、その変化は後半に現れるはずだった。
勝負の四十五分が、これから始まる。