第22話 待望の初勝利
第22話 待望の初勝利
後半9分。
エストレヤ千葉が自陣からボールをつなぐ。
センターバックからエミリオへ。
エミリオは顔を上げる。
左サイド。
川崎が走り出す。
その前には風間。
前半から何度も繰り返した一対一。
川崎は無理に抜きにいかない。
一度止まり、もう一度動かす。
風間も対応する。
その瞬間だった。
森川が外側を一気に駆け上がる。
「森川!」
川崎は迷わずスルーパスを送った。
森川が左サイドを突破する。
ペナルティーエリアへ侵入。
低いクロスと見せかける。
福岡の守備陣が中央へ寄る。
森川は左足を振り抜いた。
鋭いシュートがゴール右隅へ突き刺さる。
ゴール。
スタジアムが揺れた。
「よっしゃあ!!」
森川は拳を握りしめる。
真っ先に駆け寄ってきた川崎と抱き合う。
エミリオ。
材木座。
ダニエル。
仲間たちも次々と集まり、森川を祝福した。
スコアは**1-0**。
エストレヤが均衡を破った。
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失点した福岡レガーロは前へ出る。
笹倉を中心に攻撃のテンポを上げる。
高木へ縦パス。
落とし。
木下がミドルシュート。
しかし。
「ナイス!」
郷田が横へ大きく飛び、右手一本で弾き出す。
スタンドから割れんばかりの拍手が送られた。
郷田は立ち上がり、大きく拳を握る。
「まだ終わってない!」
守備陣も大きく頷いた。
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後半31分。
八幡は分析席からピッチを見つめる。
視線の先には風間。
前半より戻りが遅い。
スプリントの回数も減っていた。
八幡は静かに呟く。
「来た。」
ソフィアが頷く。
「昨日話してたとおり。」
「ああ。」
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後半37分。
エストレヤの速攻。
エミリオが中盤でボールを奪う。
ワンタッチで川崎へ。
川崎は前を向く。
風間との間合いは十分。
川崎は縦へ持ち出した。
風間も追う。
だが、一歩届かない。
川崎は左足で鋭いクロスを送る。
中央。
材木座がセンターバック二人を引きつける。
ボールには触れない。
その背後。
ぽっかり空いたスペースへダニエルが飛び込む。
右足を振り抜く。
シュートはゴール左隅へ吸い込まれた。
ゴール。
「よし!」
ダニエルは両拳を握り締める。
ホームデビュー戦。
待望の初ゴールだった。
材木座が真っ先に抱きつく。
「決めたな!」
「ありがとう!」
「お前が引きつけてくれたからだ。」
ダニエルは笑顔で答えた。
その言葉に材木座も笑う。
昨日のミーティング。
八幡が示した理想の形。
そのままのゴールだった。
スコアは**2-0**。
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後半アディショナルタイム。
福岡は最後まで諦めない。
しかし、エストレヤ守備陣は集中を切らさない。
郷田を中心に最後までゴールを守り抜く。
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ピーーーーーッ!!
試合終了。
スコアは**2-0**。
エストレヤ千葉、今季初勝利。
ホームスタジアムは歓喜に包まれた。
選手たちは互いに抱き合い、勝利を喜ぶ。
郷田は両拳を高く掲げる。
森川はサポーターへ向かって手を振る。
ダニエルはスタンドへ一礼した。
ホームデビュー戦での初ゴール。
忘れられない一日となった。
分析席では、八幡が静かにピッチを見つめていた。
ソフィアが微笑みながら声を掛ける。
「勝ったね。」
八幡は小さく頷く。
「ああ。」
「選手たちが、最後までプランをやり切ってくれた。」
ピッチでは、エストレヤ千葉の選手たちがサポーターへ勝利の挨拶に向かう。
待ち続けた歓喜。
その一勝は、チームにとって大きな、大きな第一歩となった。