第40話 待望の追加点
第40話 待望の追加点
後半24分。
スコアは依然として――
**横浜マンゲールFC 0-1 エストレヤ千葉**
ホームの横浜は前掛かりになっていた。
「行け!」
「同点だ!」
横浜故九条スタジアムの大歓声が後押しする。
しかし、その焦りがわずかな隙を生んだ。
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後半26分。
横浜のCK。
キッカーは谷口修吾。
鋭いボールがゴール前へ送られる。
「クリア!」
宇津木健太が力強く頭で跳ね返す。
ボールはペナルティーエリアの外へ。
エミリオ・アルバレスが素早く反応した。
胸で収める。
すぐに右足で前へ送る。
「森川!」
森川佑が左サイドで加速した。
目の前には広大なスペース。
横浜の右サイドバックは、CKで高い位置まで上がっている。
森川は一気にドリブルを開始した。
「速い!」
実況が声を張り上げる。
一人かわす。
さらに中央へ切れ込む。
横浜のセンターバックが飛び出した。
その瞬間だった。
「そこだ!」
森川は右足アウトサイドで、絶妙なスルーパスを送る。
ボールはセンターバックとサイドバックの間を抜ける。
そのコースへ走り込んだのは――
**材木座義輝。**
「行けぇ!」
アウェーゴール裏から大歓声が上がる。
材木座は飛び出したGKを見た。
(慌てるな。)
右足で一度だけボールを前へ運ぶ。
GKとの一対一。
次の瞬間。
右足を振り抜いた。
低く、ゴール左隅へ。
**ズバァァァッ!!**
ゴールネットが大きく揺れた。
「決まったぁぁぁーーー!!」
実況が絶叫する。
「材木座義輝! 追加点!」
「エストレヤ千葉、後半26分! 貴重な2点目を奪いました!」
スコアボードが書き換えられる。
**横浜マンゲールFC 0-2 エストレヤ千葉**
**後半26分**
**得点 材木座義輝**
**アシスト 森川佑**
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材木座は両拳を強く握り締めた。
「よっしゃあああぁ!!」
大きく吠える。
今季、なかなか結果が出なかったストライカー。
待ち続けたゴールだった。
真っ先に駆け寄ったのは森川。
「ナイス!」
「決めたな!」
材木座は森川の肩を抱く。
「最高のパスだ!」
「ありがとう!」
続いてダニエル、戸塚、エミリオ、川崎、毛利、高山も集まり、喜びを分かち合う。
最後に郷田が材木座の頭を軽く叩いた。
「ストライカー。」
「これがお前の仕事だ。」
材木座は照れくさそうに笑う。
「はい!」
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ベンチ前。
控え選手たちが総立ちになる。
「よっしゃ!」
葉山隼人も思わず立ち上がり、何度も拍手を送った。
「決めたな、材木座!」
マルコ・ベッルーニは静かに拳を握る。
「大きい。」
隣の比企谷八幡も、珍しく小さく息を吐いた。
「森川さんの判断が完璧でした。」
マルコが頷く。
「自分で打たなかった。」
「はい。」
「相手センターバックを引き付けてから最後まで見ていました。」
比企谷はピッチを見つめたまま続ける。
「材木座さんも落ち着いていました。」
「GKとの駆け引きを最後まで我慢しています。」
マルコは小さく笑う。
「ストライカーらしいゴールだ。」
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一方、横浜マンゲールFCの選手たちは肩を落としていた。
谷口修吾は両手を腰に当て、静かにスコアボードを見上げる。
**0-2。**
敵地に乗り込んできたエストレヤ千葉が、試合の主導権を完全に握りつつあった。