第321話〜第340話
第321話〜第340話
### 第321話 第19節終了
山形ブリッツFC戦。
**2-0。**
エストレヤ千葉が勝ち点3を積み上げた翌日。
J2第19節。
全試合が終了した。
そして。
最新の順位表が確定する。
---
# J2リーグ 第19節終了時点
| 順位 | クラブ | 勝点 | 成績 | 第19節 |
| -----: | --------------- | -----: | ------- | ------ |
| **1** | **北海道フェニックスFC** | **46** | 14勝4分1敗 | 引き分け |
| **2** | **エストレヤ千葉** | **38** | 11勝5分3敗 | **勝ち** |
| **3** | **富山ベイウインズ** | **36** | 10勝6分3敗 | 勝ち |
| **4** | **岡山セルフィオFC** | **34** | 10勝4分5敗 | 勝ち |
| **5** | **福岡レガーロ** | **31** | 9勝4分6敗 | 勝ち |
| **6** | **仙台アステルFC** | **30** | 8勝6分5敗 | 勝ち |
| **7** | **相模原マンスリーFC** | **29** | 8勝5分6敗 | 負け |
| **8** | **愛媛サザンクロスFC** | **27** | 7勝6分6敗 | 引き分け |
| **9** | **青森ブランシェFC** | **27** | 7勝4分8敗 | 勝ち |
| **10** | **横浜マンゲールFC** | **26** | 7勝5分7敗 | 負け |
| **11** | **熊本アスフィーダ** | **24** | 6勝6分7敗 | 負け |
| **12** | **CS栃木** | **24** | 6勝6分7敗 | 負け |
| **13** | **山形ブリッツFC** | **24** | 7勝3分9敗 | 負け |
| **14** | **鹿児島レヴァンテFC** | **23** | 7勝2分10敗 | 勝ち |
| **15** | **伊勢シーガルズ** | **19** | 4勝8分7敗 | 勝ち |
| **16** | **駿河ユナイテッドFC** | **17** | 5勝2分11敗 | 負け |
| **17** | **秋田ノルディアFC** | **15** | 3勝6分10敗 | 負け |
| **18** | **信州アルプスFC** | **12** | 2勝6分11敗 | 負け |
---
クラブハウス。
八幡は。
更新された順位表を見ていた。
「……38。」
第18節終了時。
千葉は。
**勝ち点35。**
そこから山形を2-0で破り。
**38。**
---
そして。
首位。
北海道フェニックスFC。
**勝ち点46。**
その差。
**8。**
---
少し前まで。
北海道は。
独走状態だった。
だが。
第17節。
直接対決。
**北海道フェニックスFC 1-2 エストレヤ千葉。**
千葉が。
北海道に今季初黒星をつけた。
そして。
北海道は。
その後。
第18節。
**伊勢シーガルズと1-1。**
さらに。
第19節も。
**引き分け。**
---
八幡。
「二試合連続か。」
北海道は。
負けてはいない。
だが。
二節続けて。
勝ち点1。
千葉は。
その間。
二連勝。
---
第17節終了時点から考えれば。
確実に。
差は縮まっている。
それでも。
まだ。
**8ポイント。**
簡単にひっくり返る差ではない。
---
八幡は。
順位表の一番上を見る。
**北海道フェニックスFC 46。**
その下。
**エストレヤ千葉 38。**
「……まだ遠いな。」
---
しかも。
後ろも近い。
3位。
富山ベイウインズ。
**36。**
千葉との差。
僅か。
**2。**
4位。
岡山セルフィオFC。
**34。**
差は。
**4。**
---
北海道だけを見ていれば。
簡単に。
足元をすくわれる。
八幡。
「首位より。」
「まずこっちか。」
指先が。
3位富山を指す。
---
北海道との差。
8。
富山との差。
2。
追う立場でありながら。
同時に。
追われる立場。
---
マルコも。
順位表を見る。
「北海道。」
「少し止まったな。」
「はい。」
「だが。」
八幡が先に言う。
「うちも一回負けたら。」
「富山に抜かれる可能性があります。」
マルコが笑う。
「その通り。」
---
首位が。
二試合連続で引き分けた。
だからといって。
浮かれる理由にはならない。
---
さらに。
中位。
5位福岡。
**31。**
6位仙台。
**30。**
7位相模原。
**29。**
この辺りも。
まだ。
十分に順位が動く。
---
一方。
下位。
15位伊勢は。
勝利。
勝ち点19。
16位駿河。
17。
17位秋田。
15。
18位信州。
12。
こちらも。
残留争いが。
少しずつ形を見せ始めている。
---
19試合。
シーズンは。
まだ続く。
---
八幡は。
もう一度。
自分たちの数字を見る。
**11勝5分3敗。**
そして。
最後に負けたのは。
**第5節。**
そこから。
第19節まで。
千葉は。
一度も負けていない。
勝てなかった試合はある。
引き分けもある。
それでも。
最低限。
勝ち点1を持ち帰り続けてきた。
---
だからこそ。
今。
2位にいる。
---
マルコ。
「八幡。」
「はい。」
「北海道を追うぞ。」
八幡は。
少しだけ間を置く。
「追います。」
「ただ。」
「北海道だけ見ないようにしましょう。」
「もちろんだ。」
---
首位。
北海道。
**46。**
2位。
千葉。
**38。**
3位。
富山。
**36。**
---
上を見る。
だが。
後ろも見る。
そして。
一試合ずつ。
勝ち点を積む。
第19節終了。
エストレヤ千葉。
**2位。**
首位との差。
**8ポイント。**
そして。
3位との差。
僅か。
**2ポイント。**
北海道の独走だったリーグに。
少しずつ。
変化が生まれ始めていた。
### 第322話 二連敗
第19節終了時点。
エストレヤ千葉。
**11勝5分3敗。**
勝ち点38。
2位。
第5節を最後に。
リーグ戦では負けていなかった。
だが。
第20節。
第21節。
千葉は。
シーズン序盤に苦しめられた二つのクラブと。
再び対戦することになった。
---
## 第20節 鹿児島レヴァンテFC戦
鹿児島とは。
これが今季二度目の対戦。
前回は。
**第3節。**
結果は。
**鹿児島レヴァンテFC 4-0 エストレヤ千葉。**
完敗だった。
---
当時の千葉は。
まだチームとして噛み合っていなかった。
開幕から勝てず。
苦しい時期。
その中でも。
鹿児島戦の0-4は。
特に大きな敗戦だった。
---
しかし。
あれから。
状況は大きく変わった。
ダニエル・ロドリゲスが第6節前に加入。
夏には。
安原。
坂本。
塩川。
マティアス。
村上。
新戦力も加わった。
順位も。
2位まで上がっている。
第17節には。
それまで無敗だった首位。
北海道フェニックスFCまで。
**2-1で撃破。**
第19節。
山形にも。
**2-0。**
普通なら。
第3節の借りを返す。
そう考える試合だった。
---
だが。
試合前。
八幡は。
選手たちを見ながら。
嫌なものを感じていた。
「……重いな。」
マルコも。
同じだった。
---
数人の主力が。
明らかに。
本来の状態ではない。
怪我ではない。
試合に出られないほどでもない。
だが。
身体のキレ。
判断。
反応。
細かいところが。
普段より。
一段階落ちている。
---
さらに。
正GK。
郷田京は。
山形戦で負傷。
**左足首捻挫。**
復帰まで。
1、2か月。
---
試合開始。
そして。
八幡たちの不安は。
的中した。
---
鹿児島。
速い。
というより。
**千葉が遅い。**
普段なら。
戸塚が先に触れている。
普段なら。
CBが潰している。
普段なら。
サイドが戻っている。
その。
僅かな一歩。
僅かな判断。
それが。
遅れる。
---
失点。
**0-1。**
---
八幡。
「……。」
ベンチ前。
マルコが指示を飛ばす。
それでも。
流れが戻らない。
---
さらに。
ボールロスト。
鹿児島。
一気に前。
千葉の帰陣が。
間に合わない。
**0-2。**
---
スタンド。
ざわつく。
思い出す。
第3節。
**0-4。**
あの試合。
---
だが。
今回は。
そのままでは終わらない。
前線。
**マティアス・ベニテス。**
ゴール前。
僅かなスペース。
相手CBの前へ。
身体を入れる。
ボールが来る。
ワンタッチ。
シュート。
**ゴール。**
---
**1-2。**
マティアスが。
すぐにボールを拾う。
まだ。
終わっていない。
---
だが。
千葉は。
最後まで。
いつものテンポを取り戻せなかった。
終盤。
同点を狙い。
前へ出る。
その背後。
鹿児島。
カウンター。
決められる。
---
**1-3。**
そして。
試合終了。
---
### 第20節
**エストレヤ千葉 1-3 鹿児島レヴァンテFC**
**得点者:マティアス・ベニテス**
---
第3節。
**0-4。**
第20節。
**1-3。**
鹿児島相手。
今季。
**二戦二敗。**
---
そして。
千葉にとっては。
第5節以来。
実に。
**15試合ぶりの敗戦。**
長く続いた。
リーグ戦無敗が。
ここで止まった。
---
だが。
さらに。
次。
---
## 第21節 青森ブランシェFC戦
青森とも。
今季二度目。
前回。
**第4節。**
結果は。
**0-0。**
スコアレスドロー。
---
まだ。
千葉が勝てなかった。
シーズン序盤。
第3節。
鹿児島に。
0-4。
その次。
第4節。
青森相手に。
0-0。
勝てなかった。
---
そして。
第21節。
今度こそ。
勝つ。
鹿児島戦の敗戦を。
引きずらない。
そう考えていた。
---
だが。
コンディションは。
一週間で。
簡単に戻らない。
---
試合開始。
青森は。
前回とは違う。
積極的に前へ出る。
千葉も。
ボールは持てる。
だが。
いつものような。
連動性がない。
---
失点。
**0-1。**
---
ベンチ。
八幡。
「またか……。」
鹿児島戦と。
似ている。
ほんの僅かな。
守備のズレ。
---
それでも。
攻撃陣は。
反撃する。
マティアス。
ゴール前。
相手DFと競りながら。
ボールを収める。
反転。
シュート。
---
**ゴール。**
**1-1。**
---
マティアス。
**二試合連続ゴール。**
---
だが。
青森。
止まらない。
千葉の中盤。
寄せが遅れる。
そこを使われる。
**1-2。**
---
さらに。
後半。
千葉が。
追いつこうと前へ出たところ。
また。
スペースを使われる。
**1-3。**
---
八幡は。
ベンチから。
ピッチを見る。
「……やっぱり。」
悪い。
選手個人の能力ではない。
戦術が。
完全に崩壊したわけでもない。
ただ。
チーム全体の。
コンディションが。
明らかに良くない。
---
それでも。
千葉は諦めない。
終盤。
左。
**森川佑。**
ボールを持つ。
仕掛ける。
一人。
かわす。
中央へ。
切り込む。
右足。
振り抜く。
---
**ゴール!**
**2-3。**
---
森川は。
喜ばない。
すぐ。
ゴールの中へ。
ボールを拾う。
「まだある!」
走る。
---
残り時間。
千葉。
猛攻。
だが。
最後の精度が。
足りない。
一歩。
合わない。
クロス。
僅かにずれる。
シュート。
僅かに外れる。
そして。
---
**ピィィィィ――!!**
試合終了。
---
### 第21節
**エストレヤ千葉 2-3 青森ブランシェFC**
**得点者**
**マティアス・ベニテス**
**森川佑**
---
前回。
第4節。
**0-0。**
今回は。
二点を奪った。
それでも。
三点を失った。
---
千葉。
**二連敗。**
---
試合後。
ロッカールーム。
静かだった。
鹿児島。
1-3。
青森。
2-3。
二試合。
**3得点6失点。**
---
そして。
八幡は。
改めて。
序盤の結果を思い返す。
第3節。
鹿児島。
**0-4。**
第4節。
青森。
**0-0。**
第5節。
敗戦。
そこから。
千葉は。
長く負けなかった。
---
第17節には。
首位北海道まで破った。
だから。
自分たちは。
シーズン序盤とは違う。
それは。
間違いない。
しかし。
---
八幡。
「……強くなったからって。」
「毎試合。」
「最高の状態で戦えるわけじゃない。」
---
マルコが。
選手たちを見る。
主力の不調。
蓄積疲労。
コンディション不良。
郷田の離脱。
一つだけが。
原因ではない。
様々なものが。
同時に重なった。
---
マルコ。
「二試合。」
「内容も良くなかった。」
誰も。
否定しない。
「だが。」
「焦るな。」
「二連敗したからといって。」
「今まで積み上げたものまで。」
「消えるわけではない。」
---
八幡も。
頷く。
「状態悪い選手を。」
「無理に使い続ける必要もない。」
「一度。」
「チーム全体を整えましょう。」
---
その中でも。
マティアスは。
二試合連続ゴール。
夏加入のストライカーが。
結果を残している。
森川も。
青森戦。
一点。
攻撃陣に。
全く光がないわけではない。
---
だが。
チームは。
二試合続けて。
三失点。
---
第20節。
**1-3。**
第21節。
**2-3。**
そして。
今季の対戦成績。
鹿児島には。
**0-4、1-3。**
二戦二敗。
青森には。
**0-0、2-3。**
一分一敗。
---
シーズン序盤。
勝てなかった二クラブに。
二巡目でも。
勝てなかった。
---
八幡は。
静かに考える。
この二連敗を。
ただ。
**調子が悪かった。**
それだけで。
片付けるわけにはいかない。
だが。
焦って。
全部を壊す必要もない。
---
長いシーズン。
必ず。
波は来る。
そして。
本当に強いチームかどうかは。
勝っている時ではなく。
こういう時に。
試される。
エストレヤ千葉。
第20節。
鹿児島に。
**1-3。**
第21節。
青森に。
**2-3。**
第5節以来の敗北から。
そのまま。
**今季初の二連敗。**
快進撃を続けてきた千葉に。
久しぶりの。
明確な壁が立ちはだかっていた。
# 第323話 研究される側
第21節。
青森ブランシェFC戦。
**2-3。**
エストレヤ千葉は敗れた。
そして――。
その翌日。
エストレヤ千葉。
クラブハウス。
首脳陣会議。
---
会議室には。
監督。
**マルコ・ベッルーニ。**
ヘッドコーチ。
**中村敏三郎。**
GKコーチ。
**田島雍也。**
フィジカルコーチ。
**ルイス・マルティネス。**
セットプレーコーチ。
**山本恭三郎。**
チームドクター。
**鳥山右京。**
アスレティックトレーナー。
**本庄麻衣。**
そして。
国際スカウト兼分析官。
**比企谷八幡。**
計8人が集まっていた。
---
モニターに映されているのは。
直近二試合の結果。
第20節。
鹿児島レヴァンテFC戦。
**1-3。**
第21節。
青森ブランシェFC戦。
**2-3。**
二試合連続。
3失点。
そして。
二連敗。
長く続いていた好調が。
ここに来て。
明確に止まった。
---
最初に口を開いたのは。
フィジカルコーチのルイスだった。
「まず。」
「コンディションについて話したい。」
マルコが頷く。
「ああ。」
ルイスは手元の資料を広げた。
ここ数試合の。
走行距離。
高強度走。
出場時間。
トレーニング負荷。
そして。
試合後の回復状況。
一人一人。
細かく数字が並んでいる。
「何人か。」
ルイスが言う。
「明らかに落ちている。」
---
本庄も。
すぐに頷いた。
「私も同じ意見です。」
「試合に出られないほどではありません。」
「でも。」
資料をめくる。
「疲労が抜け切っていない選手がいます。」
鳥山も続く。
「怪我ではない。」
「だから出場はできる。」
「ただし。」
一度。
言葉を切った。
「出場できることと。」
「ベストコンディションでプレーできることは。」
「別の話だ。」
---
八幡は。
黙って聞いていた。
分かっていた。
鹿児島戦。
青森戦。
明らかに。
動きの重い選手がいた。
普段なら。
あと一歩。
届く。
普段なら。
もう少し早く。
戻れる。
普段なら。
相手より先に。
判断できる。
その小さな差が。
ここ二試合では。
何度も出ていた。
---
マルコが腕を組む。
「やはり。」
「コンディションの影響は大きいか。」
ルイス。
「大きい。」
本庄。
「はい。」
八幡も頷いた。
「俺もそう思います。」
ただ。
そこで。
言葉を切る。
「でも。」
全員の視線が。
八幡へ向いた。
「それだけじゃない。」
---
マルコが。
八幡を見る。
「言ってみろ。」
「はい。」
八幡はパソコンを操作した。
モニターが切り替わる。
鹿児島レヴァンテFC戦。
千葉が。
後方からボールを繋ぐ場面。
「ここです。」
戸塚が動く。
それに合わせて。
鹿児島の中盤も。
ほぼ同時に位置を変える。
パスコースを限定。
千葉が次に使いたい場所へ。
先回りする。
八幡は映像を止めた。
「次。」
今度は。
青森ブランシェFC戦。
似たような場面。
戸塚が動く。
青森も動く。
中村が。
すぐに気付いた。
「……待たれてるな。」
「はい。」
---
八幡は。
二つの場面を並べた。
「コンディション不良はあります。」
「主力の不調もある。」
「郷田さんの離脱も。」
「当然。」
「影響してます。」
田島が。
静かに頷く。
絶対的守護神。
そして。
キャプテン。
郷田京の不在。
影響がないはずがない。
「でも。」
八幡は。
画面を見る。
「今の千葉の基本戦術。」
「もう。」
「相当研究されてます。」
---
会議室が。
静かになる。
だが。
驚くような話ではなかった。
ここまで。
千葉は結果を出した。
第5節を最後に。
長く。
リーグ戦無敗。
そして。
第17節。
首位。
北海道フェニックスFC。
それまで無敗だった相手を。
敵地で。
**2-1。**
撃破した。
あの試合を境に。
周囲から見る千葉の立場は。
明らかに変わった。
---
八幡。
「北海道戦の影響も。」
「大きかったと思います。」
中村が。
苦笑する。
「首位を倒した。」
「そりゃ他も見る。」
「はい。」
それまで。
エストレヤ千葉を。
普通の一クラブとして分析していた相手も。
今は違う。
**どうやって千葉を止めるか。**
そこまで踏み込んで。
準備してくる。
---
八幡は。
複数の映像を。
順番に映していった。
「まず。」
「戸塚の位置。」
千葉がボールを持った時。
戸塚が。
どこへ入るのか。
誰からボールを受けるのか。
どこへパスを出すのか。
その動きに合わせ。
相手が。
先に守備位置を取る。
「次。」
「ダニエル。」
ダニエルが。
中央で受ける。
その瞬間。
一人が寄せる。
さらに。
二人目が。
次のパスコースを消す。
前を向かせない。
そして。
簡単に味方へ繋がせない。
「ここも。」
次は。
森川。
左でボールを受ける。
縦へ行くと見せ。
中へ入る。
だが。
その進路には。
すでに相手がいる。
待っていた。
「材木座も。」
前線。
身体を張って。
ボールを収める。
その瞬間。
背後から一人。
さらに。
近くへ二人目。
自由を与えない。
---
八幡が。
映像を止める。
「誰に。」
「どこで。」
「ボールを入れるか。」
「その次。」
「誰が動くか。」
「かなり把握されてる。」
マルコは。
何も言わない。
ただ。
映像を見続ける。
---
八幡は。
さらに映像を変えた。
「守備もです。」
鹿児島戦。
千葉がボールを失う。
即座に。
複数人が。
奪い返しへ向かう。
だが。
鹿児島は慌てない。
最初から。
それを分かっている。
短いパス。
もう一本。
千葉のプレスを外す。
そして。
一気に。
空いたスペースへ。
「次。」
青森戦。
同じだった。
ボールロスト。
千葉が寄せる。
青森は。
その逆を取る。
中村が呟く。
「プレスに来る選手を。」
「最初から分かってる。」
八幡が頷く。
「そうです。」
「誰が最初に出るのか。」
「その後ろを誰が埋めるのか。」
「そこまで見られてます。」
---
「セットプレーもだ。」
そう言ったのは。
山本恭三郎だった。
八幡が振り向く。
「最近。」
「相手の対応が細かくなってる。」
「やっぱりですか。」
「ああ。」
山本が。
別の映像を映す。
千葉のCK。
誰がニアへ走る。
誰が中央へ入る。
誰が囮になる。
そして。
誰が。
セカンドボールを拾う位置に残る。
次は。
FK。
こちらも。
相手の対応が早い。
「もちろん。」
山本が言う。
「毎回同じ形じゃない。」
「こっちも変えている。」
「ただ。」
画面を指差す。
「こっちの傾向は。」
「かなり調べられてる。」
八幡。
「ですよね。」
---
田島も。
別の視点から話す。
「後ろも同じだ。」
「郷田がいないことだけが問題じゃない。」
郷田京。
左足首捻挫。
復帰まで。
1、2か月。
絶対的守護神。
そして。
キャプテン。
その不在は。
当然。
大きい。
しかし。
「相手が。」
田島は続ける。
「千葉の後方からの繋ぎ方まで。」
「かなり狙ってきてる。」
八幡。
「俺もそう見えました。」
郷田が戻れば。
全部解決する。
そんな。
単純な問題ではなかった。
---
鳥山が。
資料を見る。
「つまり。」
「身体的な問題と。」
「戦術的な問題が。」
「同時に出ているということか。」
八幡。
「はい。」
コンディション不良。
主力の不調。
疲労。
郷田の離脱。
そして。
**対戦相手による徹底的な千葉対策。**
どれか一つではない。
複数の問題が。
同じ時期に。
重なった。
---
マルコ。
「だから。」
「二試合続けて。」
「同じように崩された。」
八幡。
「可能性は高いです。」
第20節。
鹿児島。
**1-3。**
第21節。
青森。
**2-3。**
相手は違う。
チームの特徴も違う。
それでも。
千葉が苦しんだ部分には。
明確な共通点があった。
---
八幡は。
椅子の背もたれに。
少しだけ身体を預ける。
「もう。」
「うちは研究するだけの側じゃない。」
自分で言って。
少し。
間を置いた。
「研究される側です。」
誰も。
否定しなかった。
---
「シーズン序盤とは違う。」
八幡は続ける。
「今は2位。」
「北海道にも勝った。」
「だったら。」
「相手が本気で対策してくるのは。」
「当たり前です。」
マルコ。
「そうだな。」
---
八幡は。
次の資料を開いた。
選手たちの。
出場時間。
先発回数。
走行距離。
高強度走。
コンディション。
ルイスが。
その画面を見て。
すぐに頷いた。
「それで。」
八幡が言う。
「もう一つ。」
画面には。
主力組の数字。
積み重なった。
出場時間。
「研究されてる。」
「その上。」
「研究されてる基本戦術を。」
「疲れてる主力で。」
「そのままやってる。」
中村。
「相手からしたら。」
「準備しやすいか。」
「はい。」
八幡は。
即答した。
「こっちが。」
「相手の分析通りに動いてる。」
---
マルコが。
ゆっくり。
腕を解いた。
「……変える必要があるな。」
八幡。
「全部は変えなくていいと思います。」
今まで。
積み上げてきた。
基本戦術。
それ自体を。
捨てる必要はない。
結果を出したから。
研究された。
なら。
次へ進めばいい。
---
「基本は残す。」
「でも。」
「入口を変える。」
「人を変える。」
「立ち位置を変える。」
八幡は。
一つずつ。
指を折る。
「試合によっては。」
「攻め方そのものも変える。」
山本。
「セットプレーも。」
「新しい形を増やす。」
八幡。
「お願いします。」
「ああ。」
---
ルイスが。
資料を指で叩く。
「同時に。」
「休ませる選手は休ませるべきだ。」
本庄も。
「賛成です。」
「今なら。」
「まだ調整で済みます。」
鳥山。
「無理を続けて。」
「本当の怪我人が増えたら。」
「さらに厳しくなる。」
八幡は。
モニターを見る。
「なら。」
「ターンオーバーも。」
「本格的に考えた方がいい。」
---
その言葉の後。
マルコは。
しばらく。
何も言わなかった。
試合映像。
選手の状態。
出場時間。
順位。
全てを見る。
今。
千葉が置かれている状況。
そして。
これから。
どうするべきなのか。
数秒後。
マルコが。
口を開いた。
「やろう。」
八幡が。
顔を上げる。
「基本戦術は。」
「捨てない。」
「だが。」
マルコは。
全員を見渡す。
「同じ十一人で。」
「同じことを続ける必要もない。」
中村。
「次節から。」
「少しずつ変えるか。」
「ああ。」
---
研究されたなら。
研究された上で。
勝つ。
相手が。
千葉の基本形を想定するなら。
その想定から。
外れる。
そして。
疲れている選手には。
休む時間を与える。
それは。
今までの戦い方を。
否定することではない。
今までの戦い方が。
通用したからこそ。
必要になった。
次の一手だった。
---
八幡は。
再び。
二連敗の映像を見る。
これは。
ただの不調ではない。
鹿児島と。
青森が。
教えてくれた。
エストレヤ千葉は。
もう。
ノーマークのチームではない。
リーグ2位。
首位北海道を破ったクラブ。
他の17クラブが。
本気で。
倒し方を考える相手になった。
---
「……面倒になってきたな。」
八幡が呟く。
隣で。
中村が。
呆れたように言った。
「嬉しそうに言うな。」
「嬉しくないですよ。」
即答。
「どう見ても嬉しそうだぞ。」
「気のせいです。」
そう返しながら八幡の目はすでに次の相手の映像へ向いていた。
研究されるならその研究をさらに研究する。
対策されるならその対策を逆に利用する。
勝ち続ければいつか必ず追う側から追われる側へ変わる。
エストレヤ千葉は今その場所に立った。
ならここを越えなければならない。
リーグ2位で満足するつもりなど最初からなかった。
エストレヤ千葉は次の段階へ進まなければならなかった。
### 第324話 次の相手
首脳陣会議。
第20節。
鹿児島レヴァンテFC。
**1-3。**
第21節。
青森ブランシェFC。
**2-3。**
エストレヤ千葉は。
現在。
**2連敗中。**
第5節を最後に続いていた無敗は。
第20節の鹿児島戦で。
すでに途切れている。
---
コンディション不良。
主力の不調。
蓄積疲労。
そして。
今の千葉の基本戦術そのものが。
他クラブから。
かなり研究されている。
そこまで確認したところで。
八幡は。
次の資料を開いた。
「……それで。」
「次です。」
モニターが。
切り替わる。
---
## 第22節
**相模原マンスリーFC**
---
中村敏三郎。
「相模原か。」
「はい。」
八幡が。
前回対戦の映像を出す。
---
**第5節。**
エストレヤスタジアム。
**エストレヤ千葉 0-1 相模原マンスリーFC。**
---
ホームで。
敗れた相手。
当時の千葉は。
開幕から5試合。
勝利なし。
2分3敗。
勝ち点2。
---
そして。
その第5節の敗戦を最後に。
千葉は。
第19節まで。
リーグ戦で負けなかった。
だが。
第20節。
鹿児島に敗北。
第21節。
青森にも敗北。
今は。
その無敗期間など。
すでに過去。
---
マルコ・ベッルーニ。
「今回はアウェイだ。」
「はい。」
第5節が。
千葉ホーム。
だから。
第22節は。
**相模原ホーム。**
---
八幡。
「しかも。」
「前回とは。」
「相模原の戦力も違います。」
---
山本恭三郎。
「夏の補強か。」
「はい。」
---
八幡が。
選手データを。
モニターへ表示する。
---
# 背番号22 柿山 渉
**28歳**
**11月12日生まれ**
**FW**
**右利き**
---
今夏。
J1クラブから。
相模原マンスリーFCへ。
**完全移籍。**
---
中村。
「柿山か。」
八幡。
「はい。」
---
異名。
**『悪童』。**
---
田島雍也が。
腕を組む。
「有名だな。」
「別の意味でも。」
---
八幡。
「問題児です。」
「ただ。」
「問題児だからって。」
「実力まで軽く見たら危ない。」
---
映像。
柿山が。
相手CBと競る。
身体を当てる。
腕を使う。
腰を入れる。
相手の体勢を。
僅かに崩す。
---
だが。
笛は。
鳴らない。
---
そのまま。
柿山が。
ボールを収める。
---
八幡。
「こういう。」
「ファウルすれすれのプレーは。」
「当たり前。」
---
次。
ロングボール。
柿山。
CBと激しく接触。
それでも。
倒れない。
むしろ。
相手だけが。
バランスを崩す。
---
ルイス・マルティネス。
「身体が強い。」
八幡。
「それもあります。」
「ただ。」
「それ以上に。」
「バランス感覚がいい。」
---
押される。
それでも。
軸が残る。
競り合う。
それでも。
次のプレーへ移れる。
体勢を崩しかけても。
足を出せる。
---
そして。
ゴール前。
---
シュートが。
DFに当たる。
ボールが。
予想外の方向へ。
転がる。
その瞬間。
柿山。
動く。
誰よりも。
早く。
---
右足。
**ゴール。**
---
八幡。
「一番面倒なのは。」
「こっちです。」
映像を止める。
「得点感覚。」
---
中村。
「こぼれる場所が分かってるような動きだな。」
「はい。」
---
綺麗なゴールだけではない。
泥臭い。
こぼれ球。
GKが弾いたボール。
DFに当たったボール。
クロスの処理ミス。
ゴール前。
僅かな隙。
---
そこに。
いる。
---
八幡。
「得点感覚。」
「バランス感覚。」
「そこに。」
「ファウルすれすれのプレーまで付いてくる。」
---
マルコ。
「DFにとって。」
「最も嫌なタイプの一つだ。」
「そうですね。」
---
さらに。
映像。
柿山。
相手CBへ。
何度も。
激しく身体を当てる。
一回。
二回。
三回。
---
相手CBの表情が。
少しずつ。
変わる。
---
そして。
次の競り合い。
苛立ったCBが。
強く。
柿山を押す。
---
**ピィッ!**
今度は。
DF側のファウル。
---
山本。
「これも嫌だな。」
「はい。」
---
八幡。
「自分は。」
「笛が鳴らないところを狙う。」
「相手を苛立たせる。」
「相手がやり返したところで。」
「ファウルを取らせる。」
---
セットプレーコーチ。
山本にとっても。
見逃せない。
ゴール前で。
それをやられれば。
相模原に。
FKを与える。
---
八幡。
「宇津木さんと長谷川さんには。」
「特に注意してもらいます。」
---
マルコ。
「挑発に乗るな。」
「だが。」
「接触を避けるな。」
「そうですね。」
---
柿山は。
接触プレーが。
好きなタイプ。
それを怖がって。
距離を空ければ。
今度は。
自由にプレーさせてしまう。
---
難しい。
非常に。
面倒。
---
本庄麻衣。
「怪我にも気をつけないとね。」
八幡。
「そこもですね。」
---
ファウルではない。
だが。
激しい。
そういうプレーを。
何度も。
仕掛けてくる。
---
鳥山右京も。
「二連敗中だからこそ。」
「選手が熱くなりすぎないことも重要だな。」
「はい。」
---
そこも。
八幡は。
気になっていた。
現在。
千葉は。
二連敗。
勝ちたい。
三連敗は。
絶対に避けたい。
選手たちも。
当然そう思う。
---
だからこそ。
柿山のような選手は。
嫌だった。
焦り。
苛立ち。
勝利への執着。
そこを。
利用してくる可能性がある。
---
八幡。
「今。」
「こっちは。」
「平常時より。」
「挑発に乗る危険がある。」
---
中村。
「二連敗してるからな。」
「はい。」
---
マルコ。
「試合前に。」
「全員へ伝える。」
---
八幡は。
もう一度。
柿山の映像を見る。
---
28歳。
J1から。
夏に完全移籍。
背番号22。
FW。
右利き。
異名。
**悪童。**
---
だが。
ただの問題児ではない。
それなら。
J1でプレーできない。
---
**得点感覚。**
**バランス感覚。**
そして。
ファウルすれすれの。
激しいプレー。
---
八幡。
「前回。」
「相模原には。」
「0-1で負けてます。」
---
第5節。
ホームで。
敗北。
そして。
今回は。
アウェイ。
しかも。
千葉は。
第20節。
鹿児島に敗れ。
第21節。
青森にも敗れた。
**二連敗中。**
---
マルコ。
「三つ目は。」
「いらないな。」
八幡。
「ですね。」
---
だが。
八幡は。
そこで。
次の資料を開く。
中村が。
それを見る。
「まだいるのか?」
八幡。
「います。」
「柿山は。」
「一人目です。」
---
相模原が。
夏に獲得した。
厄介な選手。
まだ。
終わりではない。
八幡は。
次の選手の映像を。
モニターへ映した。
### 第325話 二人目
首脳陣会議。
モニターには。
相模原マンスリーFC。
今夏加入。
一人目の要注意選手。
**背番号22 柿山渉。**
異名。
**「悪童」**
得点感覚。
バランス感覚。
ファウルすれすれのプレー。
非常に。
厄介なFW。
---
だが。
八幡。
「夏に入った。」
「厄介なのは。」
「柿山だけじゃないです。」
中村敏三郎。
「まだいるんだろ。」
「はい。」
八幡が。
次の映像を出す。
---
## 背番号33 岡崎・ウォージン・健太
**31歳**
**6月21日生まれ**
**FW(RWG)**
**左利き**
---
日本とブラジルのハーフ。
今夏。
**ブラジルから相模原マンスリーFCへ加入。**
当然。
第5節。
千葉が相模原に。
**0-1。**
で敗れた時には。
まだ所属していなかった。
---
マルコ・ベッルーニ。
「岡崎か。」
八幡。
「はい。」
「背番号33。」
---
映像。
右サイド。
岡崎が。
ボールを受ける。
対面する左SB。
一対一。
岡崎。
細かく。
ボールを動かす。
相手の重心を見る。
一瞬。
止まる。
そして。
一気に。
縦。
---
DFを。
抜く。
---
中村。
「ドリブルか。」
「かなり得意です。」
---
単純な。
スピード勝負ではない。
細かなタッチ。
緩急。
フェイント。
身体の向き。
そして。
相手の重心を見る能力。
それらを。
組み合わせている。
---
次。
また。
右サイド。
岡崎。
縦へ行くように見せる。
相手DFが。
外を警戒。
その瞬間。
岡崎。
内側へ。
---
左足。
---
カットイン。
---
八幡。
「左利きの右ウイング。」
「当然。」
「中に入ってきます。」
---
ペナルティーエリア手前。
岡崎。
左足を振り抜く。
---
ゴール。
---
田島雍也。
「ミドルもあるのか。」
八幡。
「むしろ。」
「かなり警戒した方がいいです。」
---
別の映像。
ゴールから。
距離がある。
DFは。
ドリブル突破を警戒。
少し。
間合いを空ける。
---
その瞬間。
岡崎。
左足。
振り抜く。
強烈な。
ミドルシュート。
GK。
横っ飛び。
辛うじて。
弾き出す。
---
八幡が。
映像を止める。
「これが。」
「面倒です。」
---
マルコ。
「距離を空ければ。」
「ミドルシュート。」
八幡。
「はい。」
中村。
「距離を詰めれば。」
「ドリブルで仕掛けてくる。」
「そうです。」
---
対面するDFに。
二択を。
迫ってくる。
---
だが。
岡崎の厄介さは。
それだけではない。
---
八幡。
「あと。」
「こっち。」
映像を切り替える。
---
右サイド。
岡崎。
ドリブル。
DFが。
足を出す。
岡崎。
その直前。
僅かに。
ボールを動かす。
接触。
倒れる。
---
**ピィッ!**
---
ファウル。
---
次。
岡崎。
カットイン。
DFが。
身体を寄せる。
岡崎。
接触した瞬間。
上手く。
身体を入れる。
倒れる。
---
また。
笛。
---
山本恭三郎。
「……柿山だけじゃないのか。」
「はい。」
八幡。
少し。
嫌そうな顔。
「こいつも。」
「ファウルをもらうのが上手い。」
---
柿山とは。
方法が違う。
柿山は。
自分から。
激しい接触を仕掛ける。
ファウルすれすれで。
相手を苛立たせる。
そして。
相手がやり返したところで。
ファウルを獲得する。
---
岡崎は。
ドリブル。
緩急。
ボールタッチ。
身体の入れ方。
それらを使い。
DFに。
足を出させる。
---
八幡。
「岡崎の場合。」
「ドリブルがあるから。」
「DFも。」
「放っておけない。」
---
本庄麻衣。
「飛び込めば。」
「ファウルを取られる可能性がある。」
「はい。」
---
鳥山右京。
「かといって。」
「接触を避ければ。」
「突破される。」
八幡。
「それか。」
「ミドルを撃たれます。」
---
田島。
「GKからすると。」
「かなり嫌だな。」
---
右サイド。
岡崎。
左足。
---
縦。
カットイン。
ミドル。
そして。
ファウル獲得。
---
選択肢が。
多い。
---
八幡は。
画面を。
二分割する。
---
左側。
**背番号22 柿山渉。**
右側。
**背番号33 岡崎・ウォージン・健太。**
---
中村。
「この二人が。」
「夏に加わった。」
「はい。」
---
第5節。
この二人が。
いなかった相模原に。
千葉は。
ホームで。
**0-1。**
敗れている。
そして。
今回は。
アウェイ。
---
さらに。
現在の千葉は。
第20節。
鹿児島に。
**1-3。**
第21節。
青森に。
**2-3。**
**二連敗中。**
---
八幡。
「前回より。」
「間違いなく。」
「厄介になってます。」
---
マルコ。
「柿山を中央で使い。」
「岡崎を右に置く。」
八幡。
「それが一番嫌ですね。」
---
中央。
柿山。
身体を張る。
競り合う。
ゴール前へ。
入り続ける。
---
右。
岡崎。
一対一を仕掛ける。
縦。
中。
どちらもある。
さらに。
左足のミドル。
---
そして。
二人に共通する。
もう一つの能力。
**ファウルをもらうのが上手い。**
---
山本。
「危険な位置でのファウルは。」
「本当に避けたいな。」
「はい。」
---
相模原に。
不用意なFKを。
何度も与える。
それだけは。
避けなければならない。
---
八幡。
「飛び込まない。」
「挑発に乗らない。」
「でも。」
「自由にもさせない。」
---
中村。
「難しい注文だ。」
「だから厄介なんですよ。」
---
八幡は。
岡崎の映像を。
もう一度。
再生する。
右サイド。
左足で。
ボールを持つ。
背番号。
**33。**
---
**岡崎・ウォージン・健太。**
31歳。
日本とブラジルのハーフ。
ブラジルから。
夏に加入した。
左利きのRWG。
---
第5節には。
いなかった。
新たな脅威。
相模原マンスリーFC。
夏の補強。
二人目。
**背番号33。**
八幡たちは。
その対策へ。
頭を切り替えていった。
### 第326話 三人目
首脳陣会議。
相模原マンスリーFC。
夏の補強。
一人目。
**背番号22 柿山渉。**
中央で身体を張り。
ゴールを狙う。
異名。
**「悪童」**
---
二人目。
**背番号33 岡崎・ウォージン・健太。**
右サイドから。
ドリブルで仕掛け。
左足のミドルシュートを狙う。
---
八幡は。
二人の映像を止める。
中村敏三郎が。
腕を組んだ。
「これで終わりなら。」
「まだいいんだが。」
八幡。
「残念ながら。」
「もう一人います。」
---
山本恭三郎。
「まだいるのか。」
「います。」
八幡が。
次の資料を開く。
---
画面に。
一人の外国人選手が映る。
---
## 背番号19 ヴァランタン・メルシエ
**33歳**
**3月9日生まれ**
**FW(LWG)**
**右利き**
---
そして。
経歴。
---
**前所属。**
**フランス・リーグアン。**
---
中村。
「……リーグアン?」
「はい。」
八幡。
「フランス一部から。」
「直接来てます。」
---
さらに。
代表歴。
---
**元フランス代表。**
**代表22キャップ。**
**ワールドカップ出場1回。**
---
一瞬。
会議室が。
静かになる。
---
田島雍也。
「22キャップ……。」
ルイス・マルティネス。
「それは。」
「また随分な選手を取ったな。」
---
八幡。
「33歳ですけど。」
「経歴だけなら。」
「相模原の夏補強では。」
「間違いなく一番です。」
---
マルコ・ベッルーニは。
黙って。
画面を見る。
---
「プレーを見よう。」
「はい。」
---
映像。
左サイド。
メルシエ。
ボールを受ける。
相手DFが。
すぐに寄せる。
身体を当てる。
---
だが。
ボールを。
奪えない。
---
もう一人。
来る。
二人がかり。
それでも。
メルシエ。
背中。
肩。
腰。
身体全体を使い。
ボールを隠す。
---
八幡。
「一番の特徴は。」
「これです。」
---
**キープ力。**
---
中村。
「強いな。」
「はい。」
「簡単には。」
「取れません。」
---
無理に。
突破しない。
焦らない。
ボールを。
失わない。
---
相手を。
自分のところへ。
引きつける。
一人。
二人。
---
その瞬間。
空いた場所へ。
パス。
---
味方が。
走り込む。
---
マルコ。
「時間を作るタイプか。」
八幡。
「そうです。」
---
自分で。
全部やるわけではない。
ボールを収める。
相手を引きつける。
味方が。
前へ出る時間を作る。
そして。
隙ができれば。
パスを通す。
---
**攻撃のタメを作る。**
---
次の映像。
メルシエ。
左サイド。
ボールをキープ。
相手SB。
寄せる。
中央から。
もう一人。
近づく。
---
メルシエ。
一瞬。
中央を見る。
---
パス。
---
二人の間。
僅かな隙。
そこを。
正確に通す。
---
中村。
「視野もある。」
八幡。
「元フランス代表ですからね。」
---
ただ。
パスだけではない。
---
別の映像。
メルシエ。
左から。
中央へ。
少しだけ。
持ち出す。
DFは。
パスコースを。
警戒。
---
その瞬間。
右足。
---
**ミドルシュート。**
---
鋭いボールが。
ゴール隅へ。
突き刺さる。
---
田島。
「撃てるのか。」
「はい。」
八幡。
「パスを警戒しすぎると。」
「これがあります。」
---
キープ。
パス。
ミドル。
---
相手からすれば。
判断しにくい。
---
奪いに行けば。
身体を使われる。
複数人で囲めば。
空いた場所へ。
パスを出される。
距離を取れば。
ミドルシュート。
---
ルイス。
「33歳でも。」
「技術は落ちないからな。」
八幡。
「そこですね。」
---
だが。
映像は。
まだ続く。
---
メルシエ。
ボールを。
キープ。
DFが。
背後から。
身体を寄せる。
---
メルシエ。
相手の腕。
足。
位置を。
感じ取る。
そして。
接触した瞬間。
身体を。
巧みに入れる。
---
倒れる。
---
**ピィッ!**
---
ファウル。
---
山本。
「……。」
嫌な顔。
---
次。
メルシエ。
サイドで。
一対一。
DFが。
腕を使う。
メルシエ。
その接触を。
逃さない。
---
笛。
---
八幡。
「で。」
「この人もです。」
中村。
「まさか。」
八幡。
「はい。」
---
**マリーシア。**
---
八幡。
「上手いです。」
---
会議室。
沈黙。
---
山本。
「三人ともか?」
「三人ともです。」
---
柿山。
ファウルすれすれの。
激しい接触。
相手を。
苛立たせる。
---
岡崎。
ドリブルで。
相手に足を出させ。
接触を利用する。
---
そして。
メルシエ。
長年の経験。
身体の使い方。
相手との距離。
審判への見せ方。
---
それぞれ。
方法は違う。
だが。
共通している。
---
**ファウルを獲得するのが上手い。**
---
山本。
頭を抱える。
「セットプレーコーチとしては。」
「聞きたくない情報ばかりだな。」
八幡。
「俺も。」
「調べてて嫌になりました。」
---
マルコが。
三人を。
画面へ並べさせる。
---
中央。
### 背番号22 柿山渉
28歳。
右利き。
FW。
得点感覚。
バランス感覚。
激しい駆け引き。
**悪童。**
---
右。
### 背番号33 岡崎・ウォージン・健太
31歳。
左利き。
RWG。
ドリブル突破。
カットイン。
高精度のミドル。
---
左。
### 背番号19 ヴァランタン・メルシエ
33歳。
右利き。
LWG。
元フランス代表。
22キャップ。
ワールドカップ出場1回。
高いキープ力。
パス。
ミドルシュート。
---
三人。
---
中村。
「……これ。」
「そのまま前線三枚にできるな。」
八幡。
「できます。」
---
左。
メルシエ。
中央。
柿山。
右。
岡崎。
---
八幡。
「俺が相模原なら。」
「この並び。」
「普通に考えます。」
---
メルシエが。
左で。
ボールを収める。
攻撃のタメを作る。
---
中央では。
柿山が。
CBと競り合う。
---
右では。
岡崎が。
一対一を仕掛ける。
---
そして。
どこで止めても。
ファウルになる危険がある。
---
山本。
「嫌がらせか。」
中村。
「相手なんだから。」
「そりゃ嫌がらせするだろ。」
「そうだが。」
---
八幡は。
三人の映像を。
順番に。
見ていく。
---
第5節。
この三人は。
まだ。
相模原にいなかった。
---
それでも。
千葉は。
**0-1で敗れた。**
---
今回は。
アウェイ。
そして。
千葉は。
現在。
**二連敗中。**
---
八幡。
「前回の相模原だと。」
「考えない方がいいです。」
---
マルコ。
「ああ。」
「別の攻撃陣だ。」
---
さらに。
千葉は。
主力に。
疲労がある。
基本戦術も。
研究されている。
---
そんな状況で。
新しい。
相模原の前線。
---
**メルシエ。**
**柿山。**
**岡崎。**
---
ルイス。
「全員を。」
「いつものメンバーで止めに行くのか?」
八幡。
「……そこです。」
---
八幡が。
今度は。
千葉側の。
選手データを開く。
---
二連敗。
蓄積疲労。
相手からの研究。
そして。
相模原の。
新しい前線。
---
ならば。
こちらも。
同じ形で。
戦う必要はない。
---
八幡。
「ターンオーバー。」
「本気で。」
「考えましょう。」
---
マルコが。
頷く。
次の議題。
**第22節。**
**相模原マンスリーFC戦。**
エストレヤ千葉。
先発メンバー。
そこへ。
話は移っていった。
### 第327話 元からいた厄介者
相模原マンスリーFC。
夏に加入した。
三人。
---
背番号22。
**柿山渉。**
---
背番号33。
**岡崎・ウォージン・健太。**
---
背番号19。
**ヴァランタン・メルシエ。**
---
中村敏三郎が。
三人の映像を見ながら。
息を吐く。
「夏だけで。」
「十分すぎるだろ。」
八幡。
「そうですね。」
「ただ。」
八幡は。
資料を閉じない。
「この三人は。」
「あくまで。」
「夏に増えた厄介な選手です。」
---
マルコ・ベッルーニ。
「元からいる選手もいる。」
「はい。」
---
第5節。
**エストレヤ千葉 0-1 相模原マンスリーFC。**
その試合で。
千葉は。
すでに。
嫌というほど。
味わっている。
---
八幡。
「元々いた。」
「厄介な選手。」
「二人います。」
---
モニター。
切り替わる。
---
## 背番号10 斎藤寛太
**27歳**
**8月23日生まれ**
**MF**
**OMF/CMF**
**右利き**
---
相模原マンスリーFC。
ユース出身。
そして。
---
**相模原ユース最高傑作。**
---
中村。
「斎藤か。」
八幡。
「はい。」
---
八幡が。
第5節の映像を出す。
---
相模原。
背番号10。
斎藤。
中央で。
ボールを受ける。
---
戸塚が。
距離を詰める。
---
斎藤。
ワンタッチ。
身体を入れ替える。
すぐに。
次の場所へ。
---
もう一度。
ボールを受ける。
---
八幡。
「第5節。」
「こいつに。」
「かなりやられました。」
---
映像。
斎藤。
ボールを持つ。
相手を。
引きつける。
パス。
すぐに。
移動。
---
千葉が。
マンマーク気味に。
捕まえようとする。
だが。
---
いない。
---
いつの間にか。
マークの。
視界から外れる。
---
別の場所で。
ボールを受ける。
---
中村。
「捕まらなかったな。」
「はい。」
---
高い。
テクニック。
だが。
それだけではない。
---
八幡。
「マンマークを付けても。」
「簡単に外してきます。」
---
相手の。
視線。
身体の向き。
味方の動き。
空いたスペース。
全部を。
利用する。
---
一度。
味方の背後へ。
消える。
---
次の瞬間。
別のスペースへ。
現れる。
---
ボールを受ける。
---
マルコ。
「第5節では。」
「試合そのものを。」
「斎藤に握られた。」
八幡。
「そうですね。」
---
**支配されていた。**
---
千葉が。
ボールを奪おうとしても。
斎藤が。
逃げる。
---
捕まえようとすれば。
スペースを。
利用される。
---
自由にすれば。
ボールを。
動かされる。
---
第5節。
相模原の攻撃は。
背番号10を。
中心に回っていた。
---
それでも。
スコアは。
**0-1。**
---
田島雍也。
「あの時は。」
「最後のところで。」
「何とか耐えていた。」
八幡。
「はい。」
---
八幡が。
映像を止める。
「理由は。」
「単純です。」
---
当時の。
相模原。
FW陣。
---
「前線が。」
「今ほど強くなかった。」
---
斎藤が。
試合を作る。
斎藤が。
スペースを見つける。
斎藤が。
ボールを運ぶ。
---
しかし。
最後。
---
決め切る。
FW陣の力が。
そこまで高くなかった。
---
だから。
千葉は。
支配されながらも。
**0-1。**
で。
抑えることができた。
---
だが。
今回は。
違う。
---
画面。
斎藤の前へ。
三人が表示される。
---
左。
**メルシエ。**
中央。
**柿山。**
右。
**岡崎。**
---
会議室。
少し。
重い空気。
---
中村。
「……斎藤の前に。」
「この三人か。」
八幡。
「そこなんですよね。」
---
第5節。
斎藤に。
試合を支配された。
だが。
前線の決定力に。
救われた。
---
今回は。
その前線が。
夏に。
大幅強化。
---
高いキープ力を持つ。
メルシエ。
---
得点感覚に優れた。
柿山。
---
一対一とミドルを持つ。
岡崎。
---
その三人へ。
ボールを供給する。
背番号10。
---
**斎藤寛太。**
---
山本恭三郎。
「第5節と。」
「同じように斎藤にやられたら。」
八幡。
「今回は。」
「0-1じゃ。」
「済まない可能性があります。」
---
マルコ。
「ああ。」
---
だから。
止める。
斎藤を。
自由にさせない。
---
だが。
簡単ではない。
---
マンマーク。
それも。
第5節で。
試している。
---
そして。
外された。
---
八幡。
「こいつ。」
「マークを外すの。」
「本当に上手いです。」
---
ボールを持った時だけ。
危険なのではない。
---
ボールが。
ない時。
---
そこが。
むしろ。
厄介。
---
相手の視界から。
消える。
味方を。
囮にする。
一瞬。
歩く。
そして。
マーカーが。
ボールを見る。
その瞬間。
---
動く。
---
次のスペースへ。
---
ボールが。
入る。
---
中村。
「マンマークだけじゃ。」
「また同じになる。」
「はい。」
---
そして。
八幡は。
少し。
表情を変える。
「あと。」
「斎藤は。」
「それだけじゃないです。」
---
別の映像。
ボールとは。
少し離れた場所。
---
斎藤。
千葉の選手と。
並んでいる。
---
ボール。
反対側。
審判の視線も。
そちらへ。
---
その瞬間。
斎藤。
身体を。
僅かに当てる。
---
派手ではない。
倒れるほどでもない。
---
次。
また。
ボールが離れる。
審判が。
見ていない。
---
小さな接触。
---
さらに。
次。
---
中村の表情が。
険しくなる。
「……これか。」
「はい。」
---
八幡。
「少しずつ。」
「削ってきます。」
---
露骨には。
やらない。
---
審判が。
見ているところでは。
普通。
---
見ていない。
その瞬間。
---
小さく。
身体を当てる。
足を。
僅かにぶつける。
進路へ。
身体を入れる。
---
一発一発は。
大したものではない。
---
だが。
積み重なる。
---
ルイス・マルティネス。
「疲れている選手には。」
「余計に嫌だな。」
「はい。」
---
今の千葉は。
主力に。
疲労がある。
だからこそ。
こういう。
小さな接触の積み重ねは。
無視できない。
---
鳥山右京。
「怪我をさせるような。」
「大きな一発ではない。」
八幡。
「だから。」
「余計に厄介なんです。」
---
一発なら。
審判も。
気づく。
---
だが。
斎藤は。
その境界を。
分かっている。
---
**マリーシア。**
---
八幡。
「相模原。」
「こういう選手。」
「多すぎるんですよ。」
---
山本。
「夏に来た三人だけでも。」
「十分だったんだがな。」
---
マルコは。
斎藤の映像を。
じっと見る。
---
相模原ユース。
最高傑作。
背番号10。
27歳。
右利き。
OMF。
CMF。
---
卓越した。
テクニック。
---
マンマークを。
簡単に外す。
オフザボール。
---
そして。
審判の死角を利用した。
小さな駆け引き。
---
何より。
第5節。
千葉は。
この男に。
**試合を支配されている。**
---
だが。
あの時とは。
違う。
---
斎藤の前には。
今。
---
メルシエ。
柿山。
岡崎。
---
強力な。
三人がいる。
---
八幡。
「第5節は。」
「斎藤に支配されても。」
「前線の力不足に。」
「助けられました。」
---
「今回は。」
「それを期待できません。」
---
マルコ。
「なら。」
「斎藤まで。」
「ボールを入れさせない方法も必要だ。」
八幡。
「はい。」
「斎藤本人を捕まえるだけじゃなく。」
「斎藤へ入る前から。」
「考えた方がいいです。」
---
画面には。
四人。
---
**19 メルシエ。**
**22 柿山。**
**33 岡崎。**
そして。
その後ろ。
**10 斎藤寛太。**
---
中村。
「これで。」
「四人目。」
八幡。
「はい。」
---
少し。
間を置く。
---
「元々いた。」
「厄介な選手は。」
「もう一人います。」
---
相模原マンスリーFC。
要注意人物。
**残り一人。**
### 第328話 イレイザー
相模原マンスリーFC。
要注意選手。
四人目。
**背番号10 斎藤寛太。**
第5節。
エストレヤ千葉を。
苦しめた。
相模原ユース最高傑作。
---
八幡は。
斎藤の映像を止める。
そして。
「最後です。」
中村敏三郎。
「やっとか。」
八幡。
「五人目です。」
---
モニターが。
切り替わる。
---
## 背番号6 ロマン・ペルティエ
**30歳**
**5月28日生まれ**
**MF(DMF)/CB**
**左利き**
---
フランス人。
---
マルコ・ベッルーニ。
「ペルティエ。」
「はい。」
---
八幡が。
経歴を表示する。
---
元々は。
**フランス・リーグアンでプレー。**
23歳の時。
日本へ。
---
加入先は。
**相模原マンスリーFC。**
---
それから。
移籍していない。
今年で。
**来日7年目。**
そして。
相模原在籍も。
7年目。
---
中村。
「もう。」
「助っ人って感じじゃないな。」
「そうですね。」
---
日本のサッカー。
J2。
そして。
相模原。
すべてを。
知っている。
---
八幡。
「こいつも。」
「第5節。」
「相当厄介でした。」
---
映像。
第5節。
エストレヤ千葉戦。
---
ペルティエ。
一人の選手の。
近くにいる。
---
ボールが。
反対側へ。
移動。
それでも。
離れない。
---
対象が。
動く。
ペルティエも。
動く。
---
中央へ。
外へ。
下がる。
---
ついてくる。
---
田島雍也。
「マンマーク。」
八幡。
「はい。」
---
ペルティエ最大の武器。
---
**マンマーク。**
---
八幡。
「ただ付いて回るだけじゃないです。」
---
ボールが。
入る。
その瞬間。
ペルティエ。
身体を寄せる。
---
前を向かせない。
---
ボールを。
後ろへ戻させる。
---
次。
マーク対象。
ペルティエから。
離れようとする。
---
しかし。
パスコース。
そこへ。
先に。
ペルティエ。
身体を入れる。
---
ボールが。
来ない。
---
さらに。
次。
---
味方との。
ポジション交換。
それでも。
受け渡さない。
---
ついていく。
---
八幡。
「この人。」
「マークした選手を。」
「試合から消す能力が。」
「かなり高いです。」
---
中村。
「だから。」
「あの異名か。」
「はい。」
---
画面。
---
## 『イレイザー』
---
**消しゴム。**
---
相手の。
キーマンを。
消す。
---
派手に。
ボールを奪い続けるわけではない。
---
激しい。
スライディングを。
連発するわけでもない。
---
ただ。
気づけば。
相手の中心選手が。
ボールに。
触れなくなっている。
---
マルコ。
「非常に。」
「フランスらしい守備者だな。」
---
八幡。
「DMFだけじゃなく。」
「CBでも。」
「同じことできます。」
---
中盤で。
相手の司令塔を。
消す。
---
最終ラインで。
相手FWを。
消す。
---
役割を与えれば。
その対象を。
徹底的に。
追う。
---
中村。
「今回。」
「誰に付けてくると思う?」
八幡。
少し。
考える。
---
「候補は。」
「何人かいます。」
---
だが。
それは。
先発によって。
変わる。
---
今回。
千葉は。
ターンオーバーも。
検討している。
---
だから。
今。
断定する必要はない。
---
八幡。
「誰に来るにしても。」
「ペルティエに捕まった時の。」
「逃がし方は。」
「用意します。」
マルコ。
「ああ。」
---
しかし。
八幡は。
次の映像を出す。
---
「あと。」
「この人。」
「マンマークだけ見てると。」
「危ないです。」
---
映像。
相模原が。
ボールを失う。
---
相手。
カウンター。
---
中盤。
スペース。
---
ペルティエ。
動く。
---
相手選手の。
進路へ。
身体を入れる。
---
接触。
---
倒れる。
---
**ピィッ!**
---
笛。
---
だが。
ファウルをしたのは。
相手側。
---
中村。
「……そっちか。」
八幡。
「はい。」
---
**ファウルを受ける。**
---
攻撃を。
止めるために。
---
山本恭三郎。
「わざとか?」
「かなり。」
「意図的にやってます。」
---
相模原。
ボールロスト。
相手が。
前を向く。
---
本来なら。
カウンター。
---
だが。
ペルティエ。
相手の進行方向へ。
入り込む。
---
相手から。
接触される。
---
ファウル。
---
試合が。
止まる。
---
相模原は。
その間に。
守備陣形を。
整える。
---
八幡。
「隠れてますけど。」
「これ。」
「かなり上手いです。」
---
中村。
「自分で。」
「ファウルするんじゃない。」
「はい。」
---
「相手から。」
「ファウルを受けて。」
「試合を止めます。」
---
相手の。
カウンターを。
潰したい。
---
普通なら。
守備側が。
戦術的ファウル。
---
だが。
それなら。
カードの危険がある。
---
ペルティエは。
逆。
---
**相手にファウルをさせる。**
---
マルコ。
「マリーシアだな。」
八幡。
「かなり。」
---
また。
相模原。
---
また。
こういう選手。
---
中村。
「本当に。」
「こういうのが多いな。」
「俺も。」
「そう思います。」
---
しかし。
最後。
---
八幡。
「で。」
「もう一個。」
---
山本。
嫌な予感。
---
「何だ。」
---
八幡が。
映像を流す。
---
相模原。
FK。
---
ゴールまで。
約25メートル。
---
ボールの前。
ペルティエ。
---
左足。
---
助走。
---
蹴る。
---
壁を越える。
---
曲がる。
---
GK。
飛ぶ。
---
だが。
届かない。
---
**ゴール。**
---
山本。
「……。」
---
中村。
「蹴れるのか。」
八幡。
「蹴れます。」
---
別の映像。
---
今度は。
少し。
右寄り。
---
左足。
---
鋭い。
FK。
---
クロスバー。
直撃。
---
田島。
「精度。」
「高いな。」
「はい。」
---
八幡。
「FKの精度だけなら。」
「かなり高いです。」
---
少し。
間。
---
「まあ。」
「戸部ほどじゃないですけど。」
---
全員。
そこだけは。
すぐに理解する。
---
**戸部翔。**
千葉の。
FKスペシャリスト。
---
山本。
「戸部基準で考えるな。」
八幡。
「分かってます。」
「だから。」
「戸部には及ばないって。」
「言ってるんです。」
---
ただし。
それは。
ペルティエのFKが。
大したことない。
という意味ではない。
---
**かなり高い。**
---
J2で。
直接FKを。
警戒すべき。
十分な精度。
---
そして。
ここで。
話が。
つながる。
---
柿山。
ファウルを。
もらうのが上手い。
---
岡崎。
ファウルを。
もらうのが上手い。
---
メルシエ。
マリーシアに。
長けている。
---
斎藤。
審判の。
見えない場所で。
少しずつ。
相手を削る。
---
そして。
ペルティエ。
試合を止めるために。
相手から。
ファウルを受けることまで。
上手い。
---
さらに。
そのペルティエ自身が。
**高精度のFKを蹴れる。**
---
山本。
「……なるほど。」
八幡。
「嫌でしょう?」
「嫌だよ。」
即答。
---
危険な位置で。
ファウルを。
与える。
---
そこに。
ペルティエ。
---
左足。
---
直接。
狙える。
---
中村。
「第5節より。」
「面倒になってる理由が。」
「よく分かった。」
---
八幡は。
モニターに。
五人を。
並べる。
---
## 背番号19
**ヴァランタン・メルシエ**
LWG。
キープ。
タメ。
パス。
ミドル。
マリーシア。
---
## 背番号22
**柿山渉**
FW。
得点感覚。
バランス。
ファウルすれすれの。
激しい駆け引き。
---
## 背番号33
**岡崎・ウォージン・健太**
RWG。
ドリブル。
左足。
ミドル。
ファウル獲得。
---
## 背番号10
**斎藤寛太**
OMF/CMF。
相模原ユース最高傑作。
高いテクニック。
マンマークを外す能力。
そして。
審判の死角での。
小さな削り。
---
## 背番号6
**ロマン・ペルティエ**
DMF/CB。
来日7年目。
高いマンマーク能力。
異名。
**『イレイザー』**
試合を止める。
ファウルの受け方。
そして。
高精度のFK。
---
五人。
---
八幡。
「この五人が。」
「特に。」
「警戒対象です。」
---
第5節。
千葉は。
相模原に。
**0-1で敗れた。**
---
あの時。
すでに。
斎藤と。
ペルティエがいた。
---
そして。
夏。
---
メルシエ。
柿山。
岡崎。
---
三人が。
加わった。
---
第5節とは。
違う。
---
マルコが。
静かに。
モニターを見る。
「二連敗中。」
「アウェイ。」
「そして。」
「前回負けた相手。」
---
八幡。
「はい。」
---
「しかも。」
「前回より。」
「相手は強くなってます。」
---
だが。
千葉も。
第5節の頃とは。
違う。
---
あの頃は。
開幕から。
勝てなかった。
---
今は。
違う。
---
北海道フェニックスFCを。
敵地で。
破った。
---
長い無敗を。
積み上げた。
---
そして。
今。
二連敗した。
---
なら。
次に。
必要なのは。
---
**三つ目の敗北ではない。**
---
八幡。
「相手の分析は。」
「これで終わりです。」
---
マルコが。
頷く。
「では。」
「こちらを決めよう。」
---
ターンオーバー。
戦術変更。
相手に。
研究された。
基本戦術。
---
そして。
五人の。
厄介者。
---
第22節。
**相模原マンスリーFC戦。**
二連敗中の。
エストレヤ千葉。
ここから。
どう戦うか。
首脳陣は。
本格的な。
ゲームプラン作成へ。
入った。
### 第329話 誰を出す
相模原マンスリーFC。
警戒すべき。
五人の確認は。
終わった。
---
だが。
会議は。
終わらない。
---
むしろ。
ここからが。
本題だった。
---
**誰を出すのか。**
---
時計の針は。
すでに。
かなり進んでいる。
それでも。
首脳陣会議は。
続いていた。
---
八幡が。
相模原の。
後半戦の成績を表示する。
---
## 相模原マンスリーFC
**後半戦 3勝1敗**
そして。
現在。
**2連勝中。**
---
中村敏三郎。
「こっちは二連敗。」
「向こうは二連勝か。」
八幡。
「はい。」
---
対照的。
---
エストレヤ千葉。
第20節。
鹿児島レヴァンテFCに。
**1-3。**
第21節。
青森ブランシェFCに。
**2-3。**
二連敗。
---
相模原。
後半戦。
3勝1敗。
そして。
直近。
二連勝。
---
マルコ・ベッルーニ。
「夏の補強が。」
「結果に出ている。」
「そう見ていいと思います。」
---
八幡が。
相模原の。
直近数試合の映像を。
並べていく。
---
「フォーメーションは。」
「おそらく。」
---
画面。
---
### 4-2-1-3
---
八幡。
「これです。」
---
最前線。
中央。
---
### CF
**背番号22 柿山 渉**
---
右。
---
### RWG
**背番号33 岡崎・ウォージン・健太**
---
左。
---
### LWG
**背番号19 ヴァランタン・メルシエ**
---
その後ろ。
トップ下。
---
### OMF
**背番号10 斎藤寛太**
---
そして。
ダブルボランチの一角。
---
### DMF
**背番号6 ロマン・ペルティエ**
---
中村。
「綺麗に。」
「それぞれの場所に入るな。」
八幡。
「はい。」
---
五人とも。
本来の。
得意なポジション。
---
左。
メルシエ。
---
中央。
柿山。
---
右。
岡崎。
---
トップ下。
斎藤。
---
その後方。
ペルティエ。
---
八幡。
「怪我とか。」
「コンディションの問題がなければ。」
「この五人。」
「全員先発で来ると思ってます。」
---
マルコ。
「私もそう思う。」
---
画面上。
五人を。
配置する。
---
**柿山**
**メルシエ 岡崎**
**斎藤**
**?? ペルティエ**
---
その後ろ。
4バック。
---
八幡。
「4-2-1-3。」
「攻撃だけ見ても。」
「かなり面倒です。」
---
左。
メルシエ。
高いキープ力。
---
右。
岡崎。
ドリブル突破。
左足のミドル。
---
中央。
柿山。
得点感覚。
身体の強さ。
バランス感覚。
---
そして。
三人へ。
ボールを供給する。
斎藤。
---
さらに。
後ろには。
ペルティエ。
---
中村。
「斎藤を捕まえようとしたら。」
「前の三人への対応が薄くなる。」
八幡。
「そうなんですよね。」
---
第5節。
千葉は。
斎藤に。
試合を支配された。
---
あの時。
最大の救いだったのは。
相模原のFW陣が。
そこまで強くなかったこと。
---
だから。
斎藤に。
好きにやられながらも。
失点は。
一つで済んだ。
---
だが。
今は違う。
---
斎藤の前。
---
柿山。
岡崎。
メルシエ。
---
夏に。
一気に。
強化された。
---
八幡。
「第5節みたいに。」
「斎藤に試合を握られたら。」
「今回は。」
「かなり危ないです。」
---
マルコ。
「ああ。」
---
八幡。
「でも。」
「斎藤だけ見てればいいわけでもない。」
---
右。
岡崎。
---
一対一に。
強い。
---
左。
メルシエ。
---
ボールを。
失わない。
---
中央。
柿山。
---
ゴール前。
一瞬で。
仕事をする。
---
そして。
八幡は。
少し下。
背番号6を。
指す。
---
「こっちも。」
「忘れちゃいけない。」
---
**ロマン・ペルティエ。**
---
イレイザー。
---
マルコ。
「こちらの誰を。」
「消しに来るか。」
「そこです。」
---
ペルティエが。
誰を。
マンマークするか。
---
千葉の。
攻撃の中心。
---
誰を。
消せば。
最も。
千葉が困るか。
---
それを。
相模原側も。
当然。
研究してくる。
---
八幡。
「今まで通りの。」
「メンバー。」
「今まで通りの。」
「配置。」
---
「それで行けば。」
「相手も。」
「ペルティエを誰に付けるか。」
「決めやすいです。」
---
中村。
「だから。」
「変える。」
「はい。」
---
今の千葉は。
ただでさえ。
研究されている。
---
そこへ。
いつもの。
先発。
いつもの。
配置。
いつもの。
攻撃。
---
それでは。
相模原にとって。
準備しやすい。
---
さらに。
主力には。
疲労もある。
---
ルイス・マルティネス。
「休ませたい選手は。」
「何人かいる。」
---
本庄麻衣も。
資料を見る。
「無理に。」
「同じメンバーを続ける必要はないと思います。」
---
鳥山右京。
「怪我ではない。」
「ただ。」
「ベストコンディションでもない。」
---
マルコ。
「分かっている。」
---
だから。
悩む。
---
誰を。
休ませる。
---
誰を。
残す。
---
誰を。
先発へ。
入れる。
---
そして。
どこを。
変える。
---
中村。
「相手の。」
「マンマーク対策まで考えるなら。」
「単純なターンオーバーじゃ駄目だな。」
八幡。
「ですね。」
---
ただ。
疲れている選手を。
入れ替えるだけではない。
---
**相手の研究を外す。**
---
その意味でも。
先発を。
考える必要がある。
---
マルコ。
「第5節の映像。」
「もう一度。」
八幡。
「出します。」
---
再生。
---
第5節。
---
斎藤。
動く。
---
千葉。
捕まえられない。
---
ペルティエ。
千葉の選手を。
徹底的に。
追う。
---
そして。
相模原が。
試合を。
自分たちの流れへ。
持っていく。
---
八幡は。
何度も。
止める。
---
戻す。
---
別角度。
---
また。
止める。
---
時計。
さらに。
進む。
---
誰を。
斎藤へ。
当てるか。
---
誰が。
岡崎を見るか。
---
誰が。
メルシエへ。
対応するか。
---
柿山との。
接触を。
誰に任せるか。
---
ペルティエの。
マンマークを。
どう外すか。
---
そして。
こちらは。
誰を。
休ませるのか。
---
一つ決めれば。
別の場所に。
問題が出る。
---
そのたび。
また。
映像を見る。
---
中村。
「こっちなら?」
マルコ。
「いや。」
「それでは右が危ない。」
---
八幡。
「なら。」
「ここを変えて。」
---
ルイス。
「その選手は。」
「できれば長時間使いたくない。」
---
本庄。
「こっちなら。」
「問題ありません。」
---
また。
組み直す。
---
時計は。
進む。
---
八幡。
コーヒー。
何杯目か。
もう。
分からない。
---
中村も。
椅子へ。
深く座り込む。
「……相模原。」
「面倒だな。」
八幡。
「はい。」
---
マルコだけは。
まだ。
画面を。
見続けている。
---
4-2-1-3。
---
柿山。
岡崎。
メルシエ。
斎藤。
ペルティエ。
---
相模原。
後半戦。
**3勝1敗。**
現在。
**2連勝中。**
---
対する。
エストレヤ千葉。
現在。
**2連敗中。**
---
だが。
ここで。
ただ。
いつもの形へ。
戻す。
それでは。
意味がない。
---
八幡。
「相手は。」
「うちを。」
「かなり研究してくる。」
---
マルコ。
「ああ。」
---
「なら。」
「こちらも。」
「その研究を。」
「外す必要がある。」
---
誰を。
出す。
---
誰を。
休ませる。
---
誰を。
どこへ。
置く。
---
その答えを。
出すために。
---
エストレヤ千葉の。
首脳陣会議は。
**遅くまで続いた。**
### 第330話 相模原の研究
同じ頃。
相模原マンスリーFC。
クラブハウス。
---
こちらでも。
会議は。
続いていた。
---
議題は。
ただ一つ。
---
**第22節。**
**エストレヤ千葉戦。**
---
大型モニター。
そこに。
千葉の試合映像が。
映っている。
---
第17節。
北海道フェニックスFC戦。
---
当時。
無敗だった。
首位。
北海道。
---
その北海道を。
敵地で。
**2-1。**
千葉が。
破った試合。
---
映像を止める。
相模原の監督。
「ここ。」
---
千葉が。
ボールを奪う。
---
すぐに。
周囲が動く。
---
戸塚。
ダニエル。
森川。
材木座。
---
一気に。
攻撃へ。
---
「前半戦で。」
「我々が戦った千葉とは。」
「もう違う。」
---
第5節。
---
**エストレヤ千葉 0-1 相模原マンスリーFC。**
---
あの時。
相模原は。
敵地で。
千葉を破った。
---
だが。
だからといって。
今回も。
同じように勝てる。
そんな考えは。
誰にもなかった。
---
むしろ。
第5節以降。
千葉は。
大きく変わった。
---
長い。
無敗。
---
そして。
北海道の。
無敗まで。
止めた。
---
スタッフの一人が。
資料を見る。
「ただ。」
「今は二連敗です。」
---
第20節。
鹿児島レヴァンテFC。
**1-3。**
---
第21節。
青森ブランシェFC。
**2-3。**
---
相模原側。
そこも。
当然。
調べている。
---
監督。
「二連敗だから。」
「弱くなった。」
「そう考えるな。」
---
「むしろ。」
「この二試合には。」
「使える材料が多い。」
---
映像。
鹿児島戦。
---
千葉。
ボールを持つ。
---
相手。
守備位置を。
調整。
---
戸塚への。
コース。
---
消す。
---
ダニエルが。
受けたい場所。
そこへ。
先に。
人を置く。
---
森川。
ボールを受ける。
---
縦。
そして。
中。
---
そこへ。
カバー。
---
スタッフ。
「かなり。」
「千葉の攻撃を。」
「読んでますね。」
「ああ。」
---
次。
青森戦。
---
また。
似た場面。
---
千葉の。
ビルドアップ。
---
ボールが。
ある場所へ。
入った瞬間。
---
青森。
動く。
---
プレス。
---
千葉が。
窮屈になる。
---
監督。
「今の千葉は。」
「研究され始めている。」
---
それは。
相模原も。
分かっている。
---
千葉は。
もう。
追いかける側だけではない。
---
他クラブから。
徹底的に。
研究される側。
---
そして。
相模原も。
その一つ。
---
映像。
切り替わる。
---
**戸塚彩加。**
---
相模原スタッフ。
「まず。」
「ここ。」
---
千葉の。
中盤。
---
守備。
ボール奪取。
パス。
---
攻撃の。
入口。
---
「戸塚に。」
「自由に前を向かせない。」
---
だが。
別のスタッフ。
「マンマークですか?」
---
少し。
沈黙。
---
そして。
一人の男へ。
視線が向く。
---
**ロマン・ペルティエ。**
---
背番号6。
---
異名。
**イレイザー。**
---
ペルティエは。
腕を組んだまま。
映像を見る。
---
監督。
「まだ決めない。」
---
「千葉が。」
「誰を出すか分からない。」
---
そこ。
---
相模原側も。
警戒している。
---
千葉は。
二連敗。
---
さらに。
最近の試合では。
主力に。
疲労も見える。
---
当然。
相模原側も。
映像から。
気づいている。
---
スタッフ。
「ターンオーバー。」
「してくる可能性があります。」
「ああ。」
---
だから。
ペルティエを。
誰へ付けるか。
今。
決め打ちはしない。
---
千葉が。
いつものメンバーなら。
候補はいる。
---
だが。
メンバーを。
変えてきた場合。
話は。
変わる。
---
監督。
「比企谷が。」
「こちらを調べていないはずがない。」
---
スカウト兼分析官。
**比企谷八幡。**
---
相模原側も。
当然。
存在を知っている。
---
特に。
北海道戦。
---
無敗の首位を。
敵地で破った。
---
あの試合以降。
千葉の分析能力を。
軽視するクラブは。
減っている。
---
スタッフ。
「夏に加入した。」
「三人も。」
「確実に調べられてますね。」
---
監督。
「当たり前だ。」
---
モニター。
---
**柿山渉。**
---
**岡崎・ウォージン・健太。**
---
**ヴァランタン・メルシエ。**
---
そして。
元々いる。
---
**斎藤寛太。**
---
**ロマン・ペルティエ。**
---
監督。
「この五人。」
「全員。」
「対策されていると思え。」
---
斎藤が。
椅子に座ったまま。
画面を見る。
---
第5節。
---
千葉との。
前回対戦。
---
斎藤。
中央。
---
何度も。
ボールを受ける。
---
千葉が。
捕まえられない。
---
試合を。
動かす。
---
斎藤。
「前と同じようには。」
「いかないでしょうね。」
---
監督。
「ああ。」
---
第5節。
斎藤は。
千葉を。
苦しめた。
---
だが。
それを。
八幡たちが。
忘れているはずがない。
---
斎藤への。
対策。
---
必ず。
用意してくる。
---
今度は。
メルシエが。
口を開く。
「なら。」
「私たちを使えばいい。」
---
斎藤を見る。
---
第5節とは。
違う。
---
今は。
前に。
---
左。
メルシエ。
---
中央。
柿山。
---
右。
岡崎。
---
三人がいる。
---
斎藤を。
抑えるために。
千葉が。
中央へ。
人数を使えば。
---
外。
---
メルシエ。
岡崎。
---
そこが。
空く。
---
逆に。
サイドを。
警戒すれば。
---
斎藤。
---
そして。
中央の。
柿山。
---
監督。
「そうだ。」
---
ホワイトボード。
---
### 4-2-1-3
---
**柿山**
**メルシエ 岡崎**
**斎藤**
**―― ペルティエ**
---
相模原が。
第22節で。
使う可能性が高い。
基本配置。
---
監督。
「我々の強みを。」
「変える必要はない。」
---
「だが。」
---
「千葉は。」
「そこを。」
「知っている。」
---
だから。
一段。
その先。
---
相手が。
どう止めようとするか。
---
そこまで。
考える。
---
今度は。
千葉の。
攻撃映像。
---
**森川佑。**
---
左。
---
受ける。
---
中へ。
---
シュート。
---
別の映像。
---
**ダニエル・ロドリゲス。**
---
中央。
---
ボールを。
引き出す。
---
前を向く。
---
ラストパス。
---
さらに。
---
**材木座義輝。**
---
前線。
---
背負う。
---
収める。
---
味方が。
追い越す。
---
相模原スタッフ。
「この三人。」
「特に連動させたくないですね。」
---
監督。
「ああ。」
---
そして。
ペルティエ。
---
誰を。
消す。
---
それだけで。
千葉の攻撃が。
大きく。
変わる可能性がある。
---
だが。
監督は。
また。
言う。
「だから。」
「先発を見るまで。」
「決めない。」
---
ペルティエ。
小さく。
頷く。
---
「誰でもいい。」
---
静かに。
そう言った。
---
「指定された選手を。」
「消す。」
---
イレイザー。
---
その言葉に。
迷いはない。
---
一方。
別のスタッフが。
映像を。
切り替える。
---
千葉。
セットプレー。
---
第18節。
愛媛戦。
---
そして。
第19節。
山形戦。
---
例の。
四人。
---
戸部。
森川。
ダニエル。
中田。
---
転ぶ。
---
揉める。
---
そして。
突然。
始まる。
本当のFK。
---
ゴール。
---
相模原側。
無言。
---
しばらく。
誰も。
喋らない。
---
岡崎。
「……何だこれ。」
---
柿山。
「ふざけてんのか?」
スタッフ。
「全部。」
「作戦だったらしい。」
---
柿山。
「マジかよ。」
---
斎藤は。
映像を。
もう一度見る。
---
戸部が。
転ぶ。
---
四人が。
揉める。
---
ベンチまで。
騙されている。
---
そして。
一瞬。
守備側の。
集中が切れる。
---
そこを。
突く。
---
斎藤。
「……嫌だな。」
---
監督。
「何がだ。」
---
「何してくるか。」
「分からない。」
---
そこ。
---
普通なら。
映像を。
研究すれば。
傾向が。
見えてくる。
---
だが。
このFK。
---
その場で。
選手たちが。
考えた。
---
しかも。
八幡も。
マルコも。
知らなかった。
---
スタッフ。
「このFKは。」
「比企谷が考えたものではありません。」
---
監督。
「ああ。」
---
だからこそ。
面倒。
---
ベンチが。
考えていないことまで。
選手が。
試合中に。
やる。
---
そして。
戸部翔。
---
FKそのものの。
精度も。
高い。
---
監督。
「ペルティエ。」
---
「分かっている。」
---
ペルティエ。
答える。
---
戸部と。
自分。
---
FK精度なら。
---
相手が。
上。
---
そこに。
変な意地はない。
---
だから。
余計なFKは。
与えない。
---
特に。
戸部が。
直接狙える位置。
---
相模原側も。
そこは。
徹底する。
---
監督。
「千葉は。」
「二連敗中だ。」
---
「だが。」
---
「追い詰められて。」
「同じことを。」
「繰り返すチームではない。」
---
八幡。
マルコ。
そして。
千葉の選手たち。
---
必ず。
何か。
変えてくる。
---
相模原。
現在。
**二連勝中。**
---
後半戦。
**3勝1敗。**
---
流れは。
相模原。
---
だが。
油断は。
ない。
---
第5節。
相模原は。
千葉を。
**1-0で破った。**
---
しかし。
あの時の千葉と。
今の千葉は。
違う。
---
そして。
今の相模原も。
あの時とは。
違う。
---
監督。
「前回勝ったことは。」
「忘れろ。」
---
「今回。」
「もう一度。」
「勝つために。」
「千葉を全部調べる。」
---
画面。
再び。
北海道戦。
---
首位を。
破った。
千葉。
---
そこから。
鹿児島。
青森。
---
二連敗。
---
成功した試合。
失敗した試合。
---
両方を。
材料にする。
---
相模原も。
千葉を。
研究する。
---
千葉も。
相模原を。
研究する。
---
互いに。
相手が。
何を知っているのか。
---
そこまで。
読み合う。
---
第22節。
**相模原マンスリーFC**
対。
**エストレヤ千葉。**
---
試合は。
まだ。
始まっていない。
---
だが。
ピッチの外では。
すでに。
**戦いが始まっていた。**
### 第331話 スタメン発表
**9月20日。**
第22節。
相模原マンスリーFC。
対。
エストレヤ千葉。
---
試合当日。
アウェイ。
---
スタジアムには。
両チームのサポーターが。
続々と集まっていた。
---
現在。
エストレヤ千葉は。
**二連敗中。**
対する。
相模原マンスリーFCは。
**二連勝中。**
---
そして。
試合前。
両チームの。
スターティングメンバーが。
発表される。
---
まず。
アウェイ。
**エストレヤ千葉。**
---
大型ビジョンに。
選手たちの名前が。
表示されていく。
---
## エストレヤ千葉 スターティングメンバー
### GK
**背番号21 玉縄幸三 24歳**
---
郷田京は。
左足首捻挫で離脱中。
そのため。
ゴールを任されたのは。
玉縄。
---
### RSB
**背番号6 毛利良一 21歳**
---
### CB
**背番号35 橋本翔 19歳**
---
### CB
**背番号4 鬼塚純一郎 36歳**
---
### LSB
**背番号24 高山俊樹 25歳**
---
ここで。
スタジアムが。
少しざわつく。
---
CB。
**橋本翔。**
そして。
**鬼塚純一郎。**
---
19歳。
そして。
36歳。
---
若手と。
大ベテラン。
---
宇津木健太。
長谷川智樹。
これまで。
多くの試合で組んできた。
二人ではない。
---
明確な。
変更。
---
そして。
中盤。
---
### DMF
**背番号3 笹森正義 20歳**
---
### DMF
**背番号7 エミリオ・アルバレス 28歳**
---
戸塚彩加。
いない。
---
守備の中心を。
担ってきた。
戸塚を。
スタメンから外した。
---
代わって。
笹森。
エミリオ。
---
バランス型。
笹森。
---
攻撃型。
エミリオ。
---
二人の。
ダブルボランチ。
---
さらに。
二列目。
---
### LSH
**背番号8 塩川康文 26歳**
---
### RSH
**背番号14 ダニエル・ロドリゲス 23歳**
---
### OMF
**背番号20 戸部翔 24歳**
---
ここにも。
変更。
---
森川佑は。
スタメンではない。
---
左。
塩川。
---
右。
ダニエル。
---
中央。
戸部。
---
そして。
最前線。
---
### CF
**背番号9 マティアス・ベニテス 23歳**
---
材木座義輝でもない。
---
マティアス。
---
第20節。
鹿児島戦。
---
第21節。
青森戦。
---
二試合連続。
ゴールを決めている。
---
二連敗の中でも。
結果を残している。
その男を。
先発へ。
---
スターティングメンバー。
十一人。
---
### GK
**21 玉縄幸三 24歳**
### DF
**6 毛利良一 21歳**
**35 橋本翔 19歳**
**4 鬼塚純一郎 36歳**
**24 高山俊樹 25歳**
### MF
**3 笹森正義 20歳**
**7 エミリオ・アルバレス 28歳**
**8 塩川康文 26歳**
**14 ダニエル・ロドリゲス 23歳**
**20 戸部翔 24歳**
### FW
**9 マティアス・ベニテス 23歳**
---
かなり。
変えた。
---
相模原側の。
分析スタッフも。
すぐに。
メンバー表へ。
目を落とす。
---
「……変えてきた。」
---
予想通り。
いや。
予想以上。
---
二連敗。
蓄積疲労。
そして。
相模原対策。
---
千葉は。
いつもの十一人を。
そのまま。
送り込んではこなかった。
---
そして。
ベンチ。
---
## エストレヤ千葉 ベンチメンバー
### GK
**背番号15 古賀悠斗 28歳**
---
### DF
**背番号2 坂本湊 22歳**
**背番号33 葉山隼人 25歳**
---
### MF
**背番号10 森川佑 29歳**
---
森川は。
**昨日。**
誕生日を迎えた。
---
28歳から。
**29歳。**
---
この日は。
ベンチスタート。
---
続いて。
### MF
**背番号19 川崎大志 22歳**
**背番号22 中田正和 34歳**
---
そして。
FW。
---
**背番号11 材木座義輝 24歳**
**背番号16 栗林宰三 26歳**
**背番号32 元原太陽 39歳**
---
ベンチにも。
経験。
個性。
そして。
攻撃のカードが。
揃っている。
---
森川。
川崎。
材木座。
栗林。
元原。
---
展開次第では。
攻撃陣を。
大きく。
変えられる。
---
相模原の。
分析スタッフ。
メンバー表を。
見つめる。
---
「戸塚がいない。」
---
「森川も。」
---
「材木座もベンチ。」
---
さらに。
最終ライン。
---
「宇津木と。」
「長谷川もいない。」
---
前回までの。
千葉の映像。
---
それを基準に。
組み立ててきた。
対策。
---
だが。
スタメン発表の時点で。
修正が。
必要になった。
---
そして。
もう一人。
相模原側が。
視線を止める。
---
**背番号20。**
---
戸部翔。
---
今日は。
OMF。
---
千葉の。
中央に。
入る。
---
そして。
相模原には。
いる。
---
背番号6。
**ロマン・ペルティエ。**
---
異名。
**イレイザー。**
---
誰を。
消すのか。
---
試合前まで。
決め打ちしなかった。
相模原。
---
千葉の。
スタメンが。
出た。
---
ここから。
決める。
---
一方。
千葉ベンチ。
八幡は。
ピッチを。
見ていた。
---
会議は。
遅くまで。
続いた。
---
誰を。
休ませる。
誰を。
出す。
誰を。
相模原の五人へ。
ぶつける。
---
何度も。
組み直した。
---
そして。
最終的に。
選ばれた。
十一人。
---
GK。
玉縄。
---
最終ライン。
毛利。
橋本。
鬼塚。
高山。
---
中盤。
笹森。
エミリオ。
---
左。
塩川。
---
右。
ダニエル。
---
中央。
戸部。
---
最前線。
マティアス。
---
マルコ・ベッルーニも。
ピッチを。
見つめる。
---
二連敗。
---
ここで。
いつもの形に。
しがみつくことは。
しなかった。
---
ターンオーバー。
そして。
相模原対策。
---
相手が。
千葉を。
研究しているなら。
---
その研究通りの千葉を。
出さなければいい。
---
ただし。
---
変えれば。
勝てる。
そんな。
単純な話でもない。
---
相模原は。
後半戦。
**3勝1敗。**
現在。
**二連勝中。**
---
さらに。
夏に。
強力な三人を。
前線へ。
加えている。
---
第5節。
千葉は。
ホームで。
この相模原に。
**0-1で敗れた。**
---
今日は。
アウェイ。
---
千葉。
二連敗。
---
相模原。
二連勝。
---
そして。
前回対戦とは。
両チームとも。
違う。
---
八幡。
「……さて。」
---
スタメン発表が。
終わる。
---
相模原側も。
千葉側も。
最後の。
確認へ。
入る。
---
**9月20日。**
**第22節。**
**相模原マンスリーFC**
対。
**エストレヤ千葉。**
---
二連敗を止めるための11人が決まった。
### 第332話 囮
時間は。
試合当日の。
**一昨日。**
9月18日。
エストレヤ千葉。
クラブハウス。
---
ミーティングルームには。
選手たちが。
集まっていた。
---
前方。
マルコ・ベッルーニ。
その横には。
八幡。
中村敏三郎。
---
大型モニターには。
次節。
相模原マンスリーFCの。
予想布陣。
---
**4-2-1-3。**
---
左。
メルシエ。
中央。
柿山。
右。
岡崎。
---
トップ下。
斎藤。
---
ダブルボランチの一角。
ペルティエ。
---
マルコ。
「今日。」
「伝えるのは。」
「相模原戦で。」
「我々がどう攻めるかだ。」
---
選手たち。
静かに。
聞く。
---
マルコが。
千葉の布陣へ。
画面を切り替える。
---
**マティアス**
**塩川 ダニエル**
**戸部**
**笹森 エミリオ**
**高山 鬼塚 橋本 毛利**
**玉縄**
---
マルコ。
「まず。」
「戸部。」
---
戸部翔。
顔を上げる。
「はい。」
---
マルコ。
「この試合。」
「君には。」
「囮になってもらう。」
---
戸部。
「俺が?」
「ああ。」
---
周囲も。
少し。
反応する。
---
OMF。
背番号20。
戸部翔。
---
高い技術。
パス。
そして。
何より。
FK。
---
相模原が。
警戒しないわけがない。
---
マルコ。
「相模原には。」
「ペルティエがいる。」
---
画面。
背番号6。
---
**ロマン・ペルティエ。**
---
異名。
**イレイザー。**
---
マルコ。
「彼が。」
「誰をマークするか。」
「確定はできない。」
---
「だが。」
「こちらの中央。」
「特に戸部を。」
「警戒する可能性は高い。」
---
八幡も。
口を開く。
「今までの映像も。」
「相当見られてると思う。」
---
「戸部が。」
「中央で自由にやったら。」
「面倒なのは。」
「向こうも分かってる。」
---
戸部。
「なるほど。」
---
マルコ。
「だから。」
「それを利用する。」
---
戸部を。
中心にしない。
---
むしろ。
相手に。
**中心だと思わせる。**
---
戸部が。
中央で。
動く。
---
ボールを。
要求する。
---
危険な場所へ。
顔を出す。
---
ペルティエ。
あるいは。
相模原の中央。
---
意識が。
戸部へ向く。
---
そこで。
本命。
---
マルコが。
左右を指す。
---
**塩川康文。**
そして。
**ダニエル・ロドリゲス。**
---
「この試合。」
「攻撃のメインは。」
「サイドだ。」
---
左。
塩川。
---
右。
ダニエル。
---
**サイドアタック。**
---
マルコ。
「相模原の前線は。」
「強力だ。」
---
「だからこそ。」
「その両翼にも。」
「守備をさせる。」
---
左。
メルシエ。
---
右。
岡崎。
---
攻撃能力。
高い。
---
なら。
その二人の。
背後。
---
そこを。
狙う。
---
八幡。
「特に。」
「ボールを奪った直後。」
---
「相手の両ウイングが。」
「戻り切る前に。」
「サイドへ出したい。」
---
塩川。
「左は。」
「俺が仕掛ける。」
八幡。
「お願いします。」
---
右。
ダニエル。
---
本来。
中央でも。
違いを作れる。
---
だが。
今回は。
RSH。
---
ダニエル。
「右から。」
「中にも入っていい?」
マルコ。
「もちろんだ。」
---
「ただ。」
「最初から。」
「中央に寄りすぎるな。」
---
まず。
幅を取る。
---
相模原の。
守備を。
横へ。
広げる。
---
その上で。
状況を見て。
中へ。
---
毛利の。
オーバーラップも。
使える。
---
左では。
高山。
塩川。
---
右では。
毛利。
ダニエル。
---
相模原の。
両サイドを。
押し込む。
---
マルコ。
「中央を。」
「無理に。」
「こじ開ける必要はない。」
---
そこには。
ペルティエ。
---
そして。
斎藤も。
守備へ。
戻ってくる。
---
だから。
最初から。
中央だけで。
勝負しない。
---
戸部。
「じゃあ。」
「俺は。」
「相手を中央に。」
「引っ張ればいいんだ。」
マルコ。
「それが。」
「最初の仕事だ。」
---
戸部。
少し笑う。
「囮ね。」
---
八幡。
「でも。」
「本当に。」
「囮だけじゃないから。」
---
戸部。
「ん?」
---
八幡が。
映像を。
切り替える。
---
相模原の。
守備。
---
サイドへ。
人数が動く。
---
中央。
一瞬。
スペース。
---
八幡。
「サイドが効けば。」
「今度は。」
「向こうが。」
「外を気にし始める。」
---
そうなれば。
戸部。
---
今度は。
本当に。
使う。
---
マルコ。
「戸部。」
「相手が。」
「君から離れた瞬間。」
---
「そこからは。」
「自由にやれ。」
---
戸部。
「了解。」
---
囮。
---
だが。
最後まで。
囮ではない。
---
相手が。
戸部を。
消しに来れば。
---
塩川。
ダニエル。
---
サイド。
---
相手が。
サイドを。
止めるために。
広がれば。
---
戸部。
---
中央。
---
どちらを。
選んでも。
別の場所が。
空く。
---
そして。
もう一人。
---
マルコ。
「エミリオ。」
---
エミリオ・アルバレス。
「はい。」
---
マルコ。
「君には。」
「隙を。」
「見逃してほしくない。」
---
エミリオ。
少し。
口角を上げる。
---
八幡が。
説明を続ける。
「サイド攻撃を。」
「続ければ。」
「相模原の守備は。」
「横に動く。」
---
「その時。」
「必ず。」
「最終ラインと。」
「中盤の間。」
---
「それか。」
「CBとSBの間に。」
---
「隙ができる。」
---
そこへ。
---
**エミリオのスルーパス。**
---
前。
マティアス。
---
右から。
ダニエル。
---
左から。
塩川。
---
そして。
戸部。
---
誰かが。
走る。
---
エミリオ。
「見えたら。」
「出していいんだな?」
マルコ。
「迷うな。」
---
「出せ。」
---
エミリオ。
「了解。」
---
笹森は。
その隣。
---
笹森正義。
20歳。
---
マルコ。
「笹森。」
「エミリオが。」
「前へ意識を向けた時。」
---
「君が。」
「バランスを取る。」
---
笹森。
「はい。」
---
エミリオが。
スルーパスを。
狙う。
---
その背後。
---
笹森。
---
相模原。
斎藤。
---
そして。
カウンター。
---
そこへの。
備え。
---
攻撃だけ。
考えるわけには。
いかない。
---
マルコ。
「そして。」
「もう一つ。」
---
再び。
戸部。
---
「戸部のパスも。」
「使う。」
---
戸部。
頷く。
---
囮として。
動く。
---
だが。
ボールが。
入った時。
---
無理に。
自分で。
仕掛ける必要はない。
---
ワンタッチ。
---
右。
---
ダニエル。
---
左。
---
塩川。
---
前。
---
マティアス。
---
逆サイド。
---
大きく。
展開。
---
マルコ。
「戸部。」
「君が。」
「ボールを受けられた時。」
---
「相手が。」
「寄ってきたなら。」
---
「そこで。」
「勝負しなくていい。」
---
「散らせ。」
---
戸部。
「サイドに?」
「ああ。」
---
戸部を。
止めるために。
中央へ。
人が寄る。
---
なら。
その瞬間。
外へ。
---
**戸部のパスから。**
**サイドを使う。**
---
そして。
また。
外へ。
相手が。
意識を向ける。
---
次は。
中央。
---
八幡。
「今回は。」
「一個の形を。」
「繰り返さない。」
---
「外。」
---
「中。」
---
「また外。」
---
「エミリオの縦。」
---
「戸部から。」
「逆サイド。」
---
「相手が。」
「何を消せばいいか。」
「迷う状態にしたい。」
---
マルコ。
「その通りだ。」
---
相模原は。
千葉を。
研究している。
---
なら。
研究された。
いつもの攻撃を。
そのまま。
見せない。
---
メインは。
---
**塩川。**
**ダニエル。**
---
両サイド。
---
そこへ。
---
**エミリオのスルーパス。**
---
そして。
---
**戸部の展開力。**
---
さらに。
戸部自身を。
囮として。
使う。
---
最前線。
マティアスは。
その動きに。
合わせる。
---
マルコ。
「マティアス。」
「中央に。」
「立っているだけでは。」
「駄目だ。」
---
マティアス。
「分かってる。」
---
柿山とは。
違う。
---
マティアスには。
マティアスの。
使い方がある。
---
左右へ。
流れる。
---
CBを。
動かす。
---
サイド攻撃へ。
絡む。
---
そして。
最後。
ゴール前へ。
入る。
---
マルコ。
「我々は。」
「相模原と。」
「正面から。」
「同じことを。」
「繰り返すつもりはない。」
---
第5節。
---
斎藤に。
試合を支配された。
---
ペルティエにも。
苦しめられた。
---
そして。
今は。
さらに。
前線が。
強くなった。
---
だからこそ。
---
こちらも。
変える。
---
戸部。
囮。
---
塩川。
左。
---
ダニエル。
右。
---
エミリオ。
隙を。
狙う。
---
そして。
相手が。
戸部への。
警戒を緩めれば。
---
その瞬間。
背番号20が。
本来の。
仕事を始める。
---
マルコ。
「いいか。」
---
選手たちを。
見る。
---
「最初から。」
「すべてを。」
「見せる必要はない。」
---
「相手が。」
「こちらへ。」
「対応したら。」
---
「その対応を。」
「利用する。」
---
八幡は。
黙って。
モニターを見る。
---
相模原は。
千葉を。
研究している。
---
千葉も。
それを。
知っている。
---
なら。
研究された。
その先へ。
---
マルコ。
「相模原に。」
「我々の攻撃を。」
「選ばせるな。」
---
「我々が。」
「相模原の守備を。」
「動かす。」
---
9月18日。
---
試合まで。
あと二日。
---
エストレヤ千葉の。
相模原対策が。
選手たちへ。
伝えられた。
### 第333話 休ませる決断
戦術説明が。
一段落した。
---
だが。
マルコには。
もう一つ。
選手たちへ。
伝えておくことがあった。
---
「そして。」
「今回のメンバーについて。」
---
室内が。
静かになる。
---
すでに。
選手たちには。
相模原戦の。
メンバーが伝えられている。
---
その中で。
特に。
目を引いたのが。
六人。
---
**戸塚彩加。**
**長谷川智樹。**
**宇津木健太。**
---
この三人は。
---
**ベンチ外。**
---
そして。
---
**森川佑。**
**川崎大志。**
**材木座義輝。**
---
この三人は。
---
**ベンチスタート。**
---
今までの。
千葉を考えれば。
かなり。
大きな変更。
---
選手たちにも。
多少の驚きは。
あった。
---
戸塚。
宇津木。
長谷川。
---
守備の。
中心。
---
森川。
川崎。
材木座。
---
攻撃で。
長く使われてきた。
選手たち。
---
その六人が。
一斉に。
先発から。
外れる。
---
マルコ。
「驚いた者も。」
「いると思う。」
---
誰も。
否定しない。
---
実際。
かなり。
変えている。
---
マルコ。
「だが。」
「これは。」
「二連敗したから。」
「責任を取らせるためではない。」
---
そこは。
はっきり。
言った。
---
「パフォーマンスだけを見て。」
「外したわけでもない。」
---
そして。
マルコが。
横を見る。
---
チームドクター。
**鳥山右京。**
---
鳥山が。
前へ出る。
---
「私から。」
「説明しておく。」
---
六人を見る。
---
「戸塚。」
「長谷川。」
「宇津木。」
「森川。」
「川崎。」
「材木座。」
---
「この六人は。」
「現在。」
---
一度。
言葉を切る。
---
「かなり。」
「疲労が溜まっている。」
---
室内。
静か。
---
鳥山。
「怪我をしている。」
「という意味ではない。」
---
「試合に出ようと思えば。」
「出られる。」
---
だが。
---
「出られることと。」
「良い状態で。」
「プレーできることは。」
「別だ。」
---
以前。
首脳陣会議でも。
話していたこと。
---
**プレー可能。**
---
それは。
---
**ベストコンディション。**
---
という意味ではない。
---
鳥山。
「リーグ戦が。」
「ここまで進んでいる。」
---
「試合だけではない。」
---
「移動。」
「練習。」
「身体への負担。」
---
「小さな疲労が。」
「積み重なっている。」
---
特に。
六人。
---
出場時間。
運動量。
身体への。
接触。
---
それぞれ。
理由は違う。
---
だが。
共通しているのは。
---
**回復が追いついていない。**
---
本庄麻衣も。
資料を持って。
補足する。
---
「筋肉の状態。」
「身体の張り。」
「回復速度。」
---
「いくつかの項目を。」
「総合して見ています。」
---
「今。」
「無理に使い続けるより。」
---
「一度。」
「負荷を落とした方がいい。」
---
だから。
---
戸塚。
長谷川。
宇津木。
---
三人は。
完全に。
メンバーから。
外した。
---
試合になれば。
使いたくなる。
---
ベンチに。
入れてしまえば。
---
展開次第で。
出場させる可能性がある。
---
だから。
最初から。
---
**ベンチ外。**
---
休ませる。
---
一方。
---
森川。
川崎。
材木座。
---
この三人も。
疲労は。
かなり。
溜まっている。
---
だが。
---
マルコ。
「三人は。」
「ベンチに入れる。」
---
「ただし。」
「最初から。」
「長い時間。」
「使うつもりはない。」
---
森川。
「了解。」
---
昨日ではなく。
この日の時点では。
まだ。
28歳。
---
明日。
9月19日。
---
森川は。
29歳になる。
---
川崎も。
頷く。
---
材木座。
「分かりました。」
---
不満。
ではない。
---
むしろ。
自分たち自身が。
身体の重さを。
感じていた。
---
二連敗。
---
鹿児島戦。
青森戦。
---
コンディションの。
問題だけで。
負けたわけではない。
---
相手に。
研究された。
---
戦術的にも。
苦しめられた。
---
だが。
その中で。
---
いつもなら。
追いつける。
---
いつもなら。
もう一歩。
寄せられる。
---
いつもなら。
動き直せる。
---
そんな場面で。
身体が。
ついてこない。
---
それも。
事実だった。
---
戸塚が。
腕を組む。
「じゃあ。」
「今回は。」
「完全休養ですか。」
---
鳥山。
「そう思ってくれていい。」
---
戸塚。
「……分かりました。」
---
少し。
悔しそうではある。
---
だが。
医療スタッフの。
判断。
---
そして。
シーズンは。
相模原戦で。
終わるわけではない。
---
長谷川。
「俺も。」
「休めってことですね。」
---
本庄。
「はい。」
---
「特に。」
「長谷川選手は。」
「ここで無理する必要はありません。」
---
長谷川。
苦笑。
「分かりました。」
---
宇津木も。
「了解です。」
---
マルコ。
「三人には。」
「しっかり。」
「休んでもらう。」
---
そして。
ベンチ組。
---
森川。
川崎。
材木座。
---
「君たちは。」
「必要になれば。」
「使う。」
---
「だが。」
「こちらも。」
「無理はさせない。」
---
鳥山。
「そこは。」
「私からも。」
「監督へ伝えてある。」
---
マルコ。
「ああ。」
---
勝つために。
主力を。
使い続ける。
---
それだけが。
正解ではない。
---
二連敗。
---
だからこそ。
焦って。
いつもの選手を。
並べる。
---
その選択も。
できた。
---
だが。
千葉は。
しなかった。
---
戦術的な。
ターンオーバー。
---
そして。
医学的な。
コンディション管理。
---
両方を。
考えた。
---
結果。
---
戸塚。
長谷川。
宇津木。
---
**ベンチ外。**
---
森川。
川崎。
材木座。
---
**ベンチスタート。**
---
六人を。
一気に。
先発から外す。
---
代わって。
---
橋本。
鬼塚。
---
笹森。
エミリオ。
---
塩川。
ダニエル。
戸部。
---
そして。
マティアス。
---
普段とは。
かなり。
違う。
エストレヤ千葉。
---
マルコ。
「勘違いしてほしくない。」
---
「休むことも。」
「シーズンを戦うために。」
「必要な仕事だ。」
---
六人を見る。
---
「まだ。」
「先は長い。」
---
そして。
今度は。
今回。
先発する選手たちへ。
---
「だから。」
---
「今回は。」
「君たちの番だ。」
---
橋本翔。
19歳。
---
鬼塚純一郎。
36歳。
---
笹森正義。
20歳。
---
塩川康文。
26歳。
---
マティアス・ベニテス。
23歳。
---
そして。
その他の。
先発組。
---
マルコ。
「主力が。」
「いないから。」
「戦力が落ちる。」
---
「そんな試合に。」
「するつもりはない。」
---
「違う選手が出れば。」
「違うサッカーができる。」
---
それこそが。
今回。
相模原の研究を。
外すための。
一つの狙いでもある。
---
八幡は。
後ろから。
選手たちを見る。
---
相模原は。
千葉を。
研究している。
---
なら。
その研究材料に。
多く出ていた。
選手たちを。
一気に変える。
---
ただし。
それは。
奇策のためだけではない。
---
疲労。
---
シーズンを。
最後まで。
戦うための。
判断。
---
戦術と。
コンディション。
---
その二つが。
重なった。
今回の。
大幅な変更。
---
マルコ。
「相模原が。」
「我々のメンバー表を見れば。」
「多少は驚くだろう。」
---
少し。
笑う。
---
「だが。」
---
「驚かせることが。」
「目的ではない。」
---
「勝つために。」
「必要だから。」
「こうする。」
---
誰も。
異論は。
なかった。
---
9月18日。
---
試合まであと二日。
---
エストレヤ千葉はいつもの主力に頼らない。
---
大きく姿を変えて相模原へ挑む。
### 第334話 イレイザーの標的
9月20日。
---
時間は。
再び。
試合当日へ。
---
相模原マンスリーFC。
ロッカールーム。
---
キックオフまで。
残りわずか。
---
千葉の。
スターティングメンバーは。
すでに。
発表されている。
---
相模原のスタッフは。
そのメンバーを見て。
最後の修正を。
行っていた。
---
予想以上に。
変えてきた。
---
戸塚。
ベンチ外。
---
長谷川。
ベンチ外。
---
宇津木。
ベンチ外。
---
森川。
ベンチ。
---
川崎。
ベンチ。
---
材木座。
ベンチ。
---
前回までの。
千葉の映像で。
何度も。
中心になっていた選手たち。
---
その多くが。
先発から。
消えている。
---
相模原監督。
「やはり。」
「変えてきたな。」
---
だが。
想定していなかった。
わけではない。
---
千葉は。
二連敗。
---
主力には。
疲労も。
見えていた。
---
そして。
何より。
自分たちが。
研究されていることを。
千葉側も。
理解している。
---
なら。
変えてくる可能性は。
十分。
考えていた。
---
監督は。
ホワイトボードへ。
千葉の布陣を書く。
---
**マティアス**
**塩川 ダニエル**
**戸部**
**笹森 エミリオ**
**高山 鬼塚 橋本 毛利**
**玉縄**
---
そして。
一つの名前を。
丸で囲んだ。
---
**戸部翔。**
---
相模原の選手たちが。
その名前を見る。
---
監督。
「ロマン。」
---
ロマン・ペルティエが。
顔を上げる。
---
「今日。」
「君が消すのは。」
---
指。
---
背番号20。
---
**戸部翔。**
---
ペルティエ。
「分かった。」
---
短い。
返事。
---
迷いは。
ない。
---
監督。
「基本的には。」
「戸部についてくれ。」
---
「簡単に。」
「前を向かせるな。」
---
「中央で。」
「自由に。」
「ボールを触らせるな。」
---
ペルティエ。
静かに。
頷く。
---
イレイザー。
---
その仕事が。
決まった。
---
標的。
---
**エストレヤ千葉。**
**背番号20。**
**戸部翔。**
---
相模原スタッフ。
「ダニエルではなく。」
「戸部ですか。」
---
監督。
「ああ。」
---
もちろん。
ダニエルも。
危険。
---
右サイドから。
中へ。
入れる。
---
技術も。
パスも。
ある。
---
だが。
今日の配置を見る限り。
中央にいるのは。
戸部。
---
そして。
相模原が。
事前に研究した。
千葉の攻撃。
---
中央。
OMF。
---
そこを。
消す。
---
監督。
「戸部を。」
「中央で。」
「自由にさせれば。」
---
「左右へ。」
「ボールを。」
「散らされる。」
---
左。
塩川。
---
右。
ダニエル。
---
前。
マティアス。
---
さらに。
後ろから。
エミリオ。
---
戸部を。
経由して。
それらが。
繋がる。
---
そう。
相模原は。
考えた。
---
監督。
「特に。」
「戸部が。」
「前を向いた時だ。」
---
そこから。
一気に。
選択肢が。
増える。
---
右。
---
左。
---
中央。
---
そして。
自分でも。
運べる。
---
だから。
その前に。
---
消す。
---
ペルティエ。
「受ける前から。」
「付く。」
---
監督。
「そうしてくれ。」
---
「ただし。」
「追いすぎて。」
「中央を。」
「完全に空けるな。」
---
ペルティエ。
「ああ。」
---
マンマーク。
---
ただ。
人だけを。
見るわけではない。
---
相手。
味方。
ボール。
スペース。
---
全部を。
見ながら。
標的を。
消す。
---
それが。
ペルティエ。
---
斎藤寛太が。
ホワイトボードを見る。
---
「戸部を。」
「囮にしてくる可能性は?」
---
その一言。
---
監督。
斎藤を見る。
---
「ある。」
---
即答。
---
相模原も。
そこまで。
考えている。
---
千葉側も。
ペルティエの。
マンマーク能力を。
調べている。
---
なら。
戸部へ。
食いつかせる。
---
そういう。
使い方も。
当然。
考えられる。
---
監督。
「だから。」
「他の選手も。」
「戸部だけを見るな。」
---
「今日の千葉は。」
「いつもと。」
「違う可能性が高い。」
---
特に。
---
**塩川康文。**
---
そして。
---
**ダニエル・ロドリゲス。**
---
両サイド。
---
監督。
「ここも。」
「警戒しろ。」
---
岡崎。
少し。
表情を変える。
---
自分の。
後ろ。
---
毛利。
ダニエル。
---
そこを。
使われる可能性。
---
反対。
---
メルシエ側。
---
高山。
塩川。
---
相模原も。
分かっている。
---
だが。
それでも。
中央の。
戸部を。
放置することは。
できない。
---
ペルティエ。
「もし。」
「戸部が。」
「下がったら?」
---
監督。
「基本は。」
「ついていい。」
---
「ただし。」
「明らかに。」
「こちらを。」
「引き出すだけなら。」
---
「途中で。」
「受け渡せ。」
---
ペルティエ。
「了解。」
---
完全な。
盲目的マンマークではない。
---
だが。
戸部が。
危険な場所へ。
入れば。
---
そこには。
ペルティエ。
---
ボールを。
受けようとすれば。
---
ペルティエ。
---
前を。
向こうとすれば。
---
ペルティエ。
---
背番号20を。
試合から。
消す。
---
それが。
今日。
背番号6へ。
与えられた。
仕事。
---
そして。
監督。
「もう一つ。」
---
全員を見る。
---
「戸部の近くで。」
「余計なファウルをするな。」
---
全員。
分かっている。
---
戸部翔。
---
直接FK。
---
そこだけは。
絶対に。
軽視できない。
---
ペルティエも。
分かっている。
---
自分も。
FKを。
得意としている。
---
だからこそ。
戸部の。
危険性も。
理解できる。
---
監督。
「ペナルティーエリア。」
「少し外でも。」
「簡単に。」
「足を出すな。」
---
「特に。」
「正面。」
---
一発。
---
それだけで。
試合が。
変わる。
---
柿山。
「こっちが。」
「先に取ればいい。」
---
監督。
「そのために。」
「お前たちがいる。」
---
前線。
---
メルシエ。
柿山。
岡崎。
---
その後ろ。
斎藤。
---
そして。
ペルティエ。
---
相模原。
現在。
二連勝中。
---
後半戦。
3勝1敗。
---
流れは。
悪くない。
---
だが。
相手は。
千葉。
---
前回。
第5節では。
**1-0。**
---
勝っている。
---
それでも。
油断は。
ない。
---
監督が。
最後に。
ホワイトボードを。
叩く。
---
「ロマン。」
---
もう一度。
確認。
---
ペルティエ。
立ち上がる。
---
「分かっている。」
---
視線の先。
---
千葉。
背番号20。
---
「戸部翔。」
---
「俺が。」
---
「消す。」
---
**イレイザー。**
ロマン・ペルティエ。
---
その標的が。
試合直前。
ついに。
決まった。
---
だが。
相模原は。
まだ。
知らない。
---
戸部を。
中央から。
消そうとする。
その判断こそ。
---
エストレヤ千葉が。
待っていたものだった。
### 第335話 キックオフ
9月20日。
---
第22節。
**相模原マンスリーFC**
対。
**エストレヤ千葉。**
---
両チームの選手が。
ピッチへ。
姿を現す。
---
ホーム。
相模原。
---
そして。
アウェイ。
千葉。
---
千葉のゴール前。
背番号21。
**玉縄幸三。**
---
郷田京の。
負傷離脱。
---
その中で。
今日。
ゴールを守るのは。
玉縄。
---
最終ライン。
右から。
毛利。
橋本。
鬼塚。
高山。
---
19歳。
橋本翔。
---
その隣には。
36歳。
鬼塚純一郎。
---
大ベテラン。
---
ダブルボランチ。
笹森。
エミリオ。
---
二列目。
右。
ダニエル。
---
中央。
戸部。
---
左。
塩川。
---
最前線。
マティアス。
---
いつもの。
千葉とは。
かなり違う。
---
一方。
相模原。
---
予想通り。
---
**4-2-1-3。**
---
最前線。
---
中央。
**背番号22 柿山渉。**
---
左。
**背番号19 ヴァランタン・メルシエ。**
---
右。
**背番号33 岡崎・ウォージン・健太。**
---
その後ろ。
---
**背番号10 斎藤寛太。**
---
ダブルボランチの一角。
---
**背番号6 ロマン・ペルティエ。**
---
八幡たちが。
警戒していた。
五人。
---
全員。
先発。
---
千葉ベンチ。
八幡。
「予想通り。」
---
マルコ。
「ああ。」
---
八幡の視線。
ペルティエへ。
---
そして。
戸部へ。
---
試合前。
相模原が。
誰を。
ペルティエへ。
任せるのか。
---
それは。
まだ。
千葉側には。
分からない。
---
だが。
数分もすれば。
分かる。
---
戸部。
軽く。
身体を動かす。
---
その表情は。
いつも通り。
---
一昨日。
マルコから。
言われた。
---
**今回は囮になってもらう。**
---
ペルティエが。
自分へ来るなら。
それでいい。
---
来なければ。
普通に。
ゲームを作る。
---
どちらでも。
構わない。
---
審判が。
両チームを。
確認する。
---
そして。
---
ピーーーーーッ!!
---
**キックオフ。**
---
試合が。
始まった。
---
千葉。
後方で。
ボールを動かす。
---
鬼塚。
---
橋本。
---
橋本から。
笹森。
---
笹森。
前を見る。
---
すぐ。
戸部が。
中央から。
顔を出す。
---
「笹森!」
---
パスを。
要求。
---
その瞬間。
---
スッ。
---
一人。
動いた。
---
背番号6。
---
**ロマン・ペルティエ。**
---
戸部の。
すぐ近く。
---
笹森。
一瞬見る。
---
だが。
出さない。
---
横。
エミリオへ。
---
戸部。
少し。
右へ動く。
---
ペルティエ。
---
ついていく。
---
戸部。
今度は。
下がる。
---
ペルティエ。
距離を。
保ちながら。
動く。
---
八幡。
「……戸部だ。」
---
中村。
「ああ。」
---
マルコも。
すぐに。
理解した。
---
相模原。
ペルティエの。
標的。
---
**戸部翔。**
---
予想の。
一つ。
---
そして。
千葉にとっては。
歓迎できる。
選択でもあった。
---
戸部。
ボールを。
受けようと。
中央へ。
移動。
---
ペルティエ。
身体を。
寄せる。
---
パスコース。
消す。
---
戸部。
また。
動く。
---
ペルティエも。
動く。
---
完全に。
意識されている。
---
戸部。
ちらり。
後ろを見る。
---
ペルティエ。
---
「……やっぱ俺か。」
---
小さく。
呟く。
---
そして。
少し。
笑った。
---
今日。
戸部の。
最初の仕事。
---
それは。
---
**囮。**
---
戸部が。
中央で。
ペルティエを。
引きつける。
---
その間。
---
左。
---
塩川康文。
---
右。
---
ダニエル・ロドリゲス。
---
二人が。
高い位置へ。
上がっていく。
---
エミリオ。
顔を上げる。
---
戸部。
見ない。
---
右。
---
ダニエルへ。
---
パス。
---
ダニエル。
受ける。
---
相模原の。
左サイドが。
寄せる。
---
ダニエル。
無理をしない。
---
後ろ。
毛利。
---
毛利から。
もう一度。
ダニエル。
---
右サイド。
二人で。
動かす。
---
ペルティエ。
一瞬。
そちらを見る。
---
だが。
戸部から。
離れない。
---
戸部。
中央を。
横切る。
---
ペルティエ。
ついていく。
---
ダニエル。
それを見る。
---
そして。
中ではなく。
---
縦。
---
右サイドを。
仕掛けた。
---
「行った!」
---
千葉ベンチ。
中村が。
立ち上がる。
---
ダニエル。
一人。
かわす。
---
そのまま。
深い位置へ。
---
相模原。
CBが。
中央を見る。
---
マティアス。
ゴール前へ。
走る。
---
ダニエル。
クロス。
---
マティアス!
---
だが。
相模原CB。
先に。
頭。
---
クリア。
---
こぼれ球。
---
笹森が。
拾う。
---
千葉。
もう一度。
作り直す。
---
八幡。
黙って。
見る。
---
最初の。
サイドアタック。
---
まだ。
決定機ではない。
---
だが。
狙いは。
出た。
---
そして。
相模原側も。
気づく。
---
斎藤。
「……右か。」
---
千葉。
いつものように。
戸部へ。
ボールを集めない。
---
ペルティエが。
戸部を。
消しているから。
ではない。
---
最初から。
---
**戸部を使うつもりがないかのように。**
---
今度は。
左。
---
高山。
前へ。
---
塩川。
開く。
---
高山から。
塩川。
---
塩川。
トラップ。
---
前を向く。
---
メルシエが。
戻る。
---
相模原SBも。
対応。
---
塩川。
一度。
止まる。
---
高山。
外を。
追い越す。
---
二人。
動く。
---
相模原の。
守備が。
左へ。
寄る。
---
その瞬間。
---
塩川。
中央。
---
エミリオへ。
戻す。
---
エミリオ。
ワンタッチで。
前を見る。
---
相模原。
中盤と。
最終ライン。
---
その間。
---
マティアスが。
一歩。
動いた。
---
エミリオの。
左足。
---
スッ。
---
縦へ。
鋭い。
スルーパス。
---
「マティアス!」
---
相模原CB。
反応。
---
マティアス。
走る。
---
だが。
わずかに。
CBが先。
---
足を伸ばし。
カット。
---
ボールは。
タッチラインへ。
---
エミリオ。
「惜しい。」
---
マティアス。
親指を。
立てる。
---
開始直後。
---
右。
ダニエル。
---
左。
塩川。
---
そして。
隙を見て。
エミリオ。
---
一昨日。
マルコが。
伝えた形。
---
それが。
すでに。
出始めている。
---
一方。
---
戸部。
まだ。
ほとんど。
ボールに。
触っていない。
---
その横。
---
ペルティエ。
---
離れない。
---
相模原ベンチ。
監督は。
腕を組む。
---
予定通り。
---
イレイザーが。
戸部を。
消している。
---
だが。
---
その割には。
千葉が。
困っていない。
---
むしろ。
戸部を。
経由せず。
---
左右から。
攻撃してくる。
---
監督。
「……。」
---
違和感。
---
そして。
ピッチ上。
ペルティエも。
少しずつ。
感じ始める。
---
戸部。
自分を。
外そうと。
必死にならない。
---
むしろ。
時折。
わざと。
危険そうな位置へ。
入ってくる。
---
当然。
ペルティエは。
ついていく。
---
すると。
---
その反対側。
---
塩川。
ダニエル。
---
スペースが。
生まれる。
---
ペルティエ。
戸部を見る。
---
戸部も。
見る。
---
目が。
合った。
---
戸部。
ニッ。
---
笑った。
---
ペルティエ。
眉が。
わずかに。
動く。
---
まだ。
開始直後。
---
スコア。
**0-0。**
---
だが。
相模原が。
戸部を。
消すために。
用意した。
イレイザー。
---
その存在を。
逆に。
利用する。
---
エストレヤ千葉の。
狙いは。
すでに。
動き始めていた。
### 第336話 主導権
前半。
**20分。**
---
スコアは。
まだ。
動いていない。
---
**相模原マンスリーFC 0-0 エストレヤ千葉。**
---
だが。
---
試合を。
支配しているのは。
明らかに。
---
**エストレヤ千葉だった。**
---
相模原。
ボールを奪う。
---
斎藤。
受けようと。
動く。
---
だが。
笹森。
すぐに。
距離を詰める。
---
斎藤。
一度。
下がる。
---
そこへ。
パス。
---
受ける。
---
笹森。
無理に。
飛び込まない。
---
斎藤。
前を見る。
---
メルシエ。
左。
---
岡崎。
右。
---
柿山。
中央。
---
だが。
---
パスコース。
ない。
---
千葉。
最終ライン。
---
高山。
鬼塚。
橋本。
毛利。
---
大きく。
崩れない。
---
斎藤。
横へ。
---
相模原。
ダブルボランチへ。
戻す。
---
八幡。
ベンチから。
見る。
---
第5節。
---
あの時は。
違った。
---
斎藤が。
受ける。
---
前を向く。
---
運ぶ。
---
パスを。
散らす。
---
千葉は。
捕まえられない。
---
試合そのものを。
斎藤に。
動かされた。
---
だが。
今日は。
---
笹森が。
斎藤を。
簡単には。
自由にさせない。
---
そして。
その後ろ。
---
鬼塚。
---
橋本。
---
柿山を。
警戒。
---
特に。
鬼塚。
---
柿山が。
身体を。
ぶつける。
---
鬼塚。
動かない。
---
柿山。
「……。」
---
もう一度。
身体を。
入れる。
---
鬼塚。
簡単には。
崩れない。
---
36歳。
---
経験。
---
柿山が。
何を。
狙っているのか。
---
分かっている。
---
余計な。
接触。
---
余計な。
挑発。
---
乗らない。
---
柿山。
舌打ち。
---
一方。
右。
---
岡崎。
---
ボールを。
受ける。
---
高山。
対応。
---
岡崎。
細かく。
触る。
---
右。
左。
---
高山の。
重心を見る。
---
そして。
中。
---
左足へ。
持っていこうとする。
---
高山。
ついていく。
---
だが。
足を。
出さない。
---
岡崎。
「……。」
---
ミドルを。
打ちたい。
---
だが。
コース。
狭い。
---
仕方なく。
後ろへ。
戻す。
---
千葉。
守備でも。
焦らない。
---
そして。
ボールを。
奪えば。
---
すぐ。
変わる。
---
エミリオ。
受ける。
---
前を見る。
---
戸部。
中央。
---
当然。
ペルティエ。
近い。
---
だが。
---
エミリオは。
戸部へ。
出さない。
---
左。
---
塩川。
---
パス。
---
塩川。
受ける。
---
高山。
後ろから。
上がる。
---
相模原。
右サイド。
二人が。
対応。
---
塩川。
縦。
---
止める。
---
中。
---
また。
縦。
---
相手を。
揺さぶる。
---
そして。
後ろ。
笹森へ。
---
笹森。
逆を見る。
---
大きく。
右。
---
ダニエル。
---
展開。
---
相模原の。
守備。
一気に。
横へ。
走らされる。
---
ダニエル。
胸で。
落とす。
---
毛利。
追い越す。
---
ダニエル。
縦へ。
行くと。
見せる。
---
中。
---
エミリオ。
---
エミリオ。
ワンタッチ。
---
前。
---
マティアス。
動く。
---
スルーパス!
---
相模原CB。
ギリギリ。
カット。
---
また。
千葉。
---
相模原ベンチ。
監督。
腕を組んだまま。
表情が。
変わる。
---
想定していた。
千葉ではない。
---
戸部を。
消せば。
中央での。
展開力が。
落ちる。
---
そう。
考えていた。
---
実際。
---
戸部は。
消えている。
---
前半20分。
---
ボールへ。
絡む回数は。
明らかに。
少ない。
---
ペルティエ。
仕事を。
している。
---
だが。
---
**千葉の攻撃は消えていない。**
---
むしろ。
---
戸部が。
ペルティエを。
中央で。
引きつける。
---
その外。
---
塩川。
---
ダニエル。
---
二人が。
何度も。
ボールを受ける。
---
そして。
中央後方。
---
エミリオ。
---
隙があれば。
一発。
---
スルーパス。
---
さらに。
笹森。
---
無理をしない。
---
エミリオが。
前へ出れば。
残る。
---
サイドバックが。
上がれば。
スペースを。
埋める。
---
攻守の。
バランス。
---
崩れない。
---
相模原。
ようやく。
ボールを。
前へ。
---
ペルティエ。
受ける。
---
斎藤へ。
---
斎藤。
ターン。
---
笹森。
寄せる。
---
斎藤。
一瞬で。
身体を。
ずらす。
---
笹森を。
外した。
---
「来た!」
---
八幡。
見る。
---
斎藤。
前。
---
柿山。
---
右。
岡崎。
---
左。
メルシエ。
---
三つ。
選択肢。
---
斎藤。
右。
---
岡崎へ。
---
岡崎。
高山と。
一対一。
---
切り返す。
---
左足。
---
シュートを。
狙う。
---
高山。
コースを。
切る。
---
岡崎。
さらに。
一歩。
---
高山。
まだ。
足を出さない。
---
岡崎。
打てない。
---
後ろから。
笹森も。
戻る。
---
二対一。
---
岡崎。
仕方なく。
中央へ。
戻す。
---
だが。
そこには。
鬼塚。
---
カット。
---
鬼塚。
すぐ。
エミリオへ。
---
攻守。
切り替わる。
---
相模原。
戻る。
---
エミリオ。
顔を上げる。
---
右。
ダニエル。
---
左。
塩川。
---
中央。
マティアス。
---
そして。
---
戸部。
---
ペルティエと。
一緒に。
いる。
---
エミリオ。
一瞬。
戸部を見る。
---
ペルティエの。
意識も。
戸部へ。
---
その瞬間。
---
エミリオ。
左足。
---
戸部ではない。
---
右サイド。
---
ダニエルの。
前方へ。
---
スルーパス。
---
ダニエル。
走る!
---
相模原。
左SB。
慌てて。
戻る。
---
ダニエル。
追いつく。
---
そのまま。
ペナルティーエリア。
右。
---
顔を上げる。
---
中央。
マティアス。
---
逆。
塩川。
---
ダニエル。
低い。
クロス!
---
マティアス!
---
足を。
伸ばす!
---
ガッ!!
---
相模原CB。
身体を。
投げ出した。
---
ボール。
弾かれる。
---
ゴールライン。
外。
---
千葉。
コーナーキック。
---
アウェイ側。
サポーター。
大きな。
拍手。
---
マティアス。
悔しそうに。
手を叩く。
---
ダニエル。
親指を。
立てる。
---
そして。
戸部。
---
まだ。
ペルティエの。
近く。
---
戸部。
「ちゃんと。」
「俺のこと見てるねぇ。」
---
ペルティエ。
反応しない。
---
戸部。
笑う。
---
仕事は。
している。
---
ボールに。
触らなくても。
---
ペルティエを。
一人。
引き受ける。
---
それだけで。
価値がある。
---
だが。
---
相模原側も。
馬鹿ではない。
---
斎藤。
状況を。
見ていた。
---
戸部。
ほとんど。
ボールを。
触らない。
---
それなのに。
千葉は。
困っていない。
---
右。
ダニエル。
---
左。
塩川。
---
中央後方。
エミリオ。
---
そこから。
攻撃が。
作られている。
---
斎藤。
ペルティエを見る。
---
そして。
千葉ベンチ。
---
マルコ。
---
八幡。
---
斎藤。
「……最初からか。」
---
気づき始める。
---
戸部を。
消している。
---
違う。
---
**戸部に。**
**ペルティエを消させられている。**
---
前半。
20分。
---
スコア。
**0-0。**
---
しかし。
シュートへ。
繋がる回数。
---
ボールを。
前進させる回数。
---
相手陣内で。
プレーする時間。
---
試合の。
流れ。
---
すべて。
千葉が。
上回っている。
---
相模原は。
二連勝中。
---
千葉は。
二連敗中。
---
だが。
ピッチの上では。
そんな流れを。
感じさせない。
---
大幅に。
メンバーを変えた。
エストレヤ千葉。
---
その千葉が。
前半20分。
---
完全に。
**試合の主導権を握っていた。**
### 第337話 高さと経験
前半。
20分。
---
エストレヤ千葉。
右からの。
コーナーキック。
---
その準備を。
見ながら。
相模原の監督は。
千葉の選手たちを。
改めて見た。
---
今日。
千葉は。
最終ラインを。
大きく変えている。
---
右SB。
**毛利良一。**
---
CB。
**橋本翔。**
---
CB。
**鬼塚純一郎。**
---
左SB。
**高山俊樹。**
---
宇津木。
いない。
---
長谷川。
いない。
---
二人とも。
ベンチ外。
---
疲労。
---
そこまでは。
相模原側も。
ある程度。
予測していた。
---
だが。
---
相模原監督。
「……そういうことか。」
---
ただ。
休ませるためだけではない。
---
ようやく。
意味が。
見えた。
---
相模原の。
最前線。
---
**柿山渉。**
---
荒い。
---
強い。
---
身体を。
ぶつける。
---
腕を。
使う。
---
相手を。
苛立たせる。
---
ファウルぎりぎりの。
接触を。
繰り返す。
---
そこへ。
千葉が。
ぶつけたのは。
---
**鬼塚純一郎。**
---
36歳。
---
大ベテラン。
---
多少。
身体を。
ぶつけられても。
動じない。
---
挑発にも。
簡単には。
乗らない。
---
柿山の。
駆け引きを。
経験で。
受け止める。
---
そして。
もう一人。
---
**橋本翔。**
---
19歳。
---
だが。
---
**198センチ。**
---
圧倒的な。
高さ。
---
身体能力。
---
若さ。
---
空中戦。
---
相模原監督。
「鬼塚で。」
「柿山の駆け引きを。」
「受け止める。」
---
「橋本で。」
「高さを。」
「潰す。」
---
しかも。
橋本は。
U-19日本代表にも。
選ばれる。
若手CB。
---
粗さは。
ある。
---
だが。
今日。
隣にいるのは。
鬼塚。
---
36歳。
---
経験を。
補える。
---
さらに。
左。
---
高山。
---
岡崎への。
対応。
---
先ほどから。
簡単には。
足を出さない。
---
左足へ。
持たせない。
---
ドリブルで。
ファウルを。
取りに来ても。
焦らない。
---
右。
毛利。
---
メルシエ側への。
対応。
---
若さ。
運動量。
---
そして。
必要なら。
鬼塚や。
笹森が。
カバー。
---
相模原監督。
「攻撃だけじゃない。」
---
千葉は。
今日。
守備も。
相模原に。
合わせている。
---
前線。
中盤。
最終ライン。
---
全部。
---
その時。
---
スタジアム。
大きな。
歓声。
---
相模原監督。
顔を上げる。
---
コーナーキック。
---
千葉。
キッカー。
---
**戸部翔。**
---
ペルティエも。
当然。
近くにいる。
---
だが。
セットプレー。
---
マンマークの。
状況は。
変わる。
---
戸部。
ボールを。
セットする。
---
相模原。
守備陣。
警戒。
---
例の。
山形戦。
---
奇策。
---
あれも。
当然。
見ている。
---
何か。
やるのか。
---
普通に。
蹴るのか。
---
相模原守備陣。
集中。
---
戸部。
後ろへ。
下がる。
---
今回は。
誰も。
転ばない。
---
誰も。
揉めない。
---
戸部。
走る。
---
右足。
---
バシッ!!
---
普通に。
蹴った。
---
だが。
---
ボールの。
質が。
高い。
---
鋭く。
曲がる。
---
ゴール前。
---
相模原GK。
出るか。
迷う。
---
ニア。
---
マティアス。
動く。
---
相模原CB。
ついていく。
---
中央。
---
鬼塚。
---
その奥。
---
橋本。
---
「橋本!!」
---
198センチ。
---
橋本翔。
---
跳んだ。
---
高い。
---
相模原DFも。
跳ぶ。
---
届かない。
---
橋本。
頭。
---
ドンッ!!
---
強烈な。
ヘディング。
---
ボール。
ゴールへ。
---
相模原GK。
反応。
---
手を。
伸ばす。
---
だが。
---
届かない。
---
ネット。
---
バサッ!!
---
一瞬。
---
そして。
アウェイ側。
---
爆発。
---
「うおおおおおおおおおおおおおお!!」
---
橋本。
着地。
---
ゴールを見る。
---
入った。
---
「っしゃあああああ!!」
---
拳を。
握る。
---
19歳。
---
背番号35。
---
**橋本翔。**
---
セットプレーから。
先制。
---
スコア。
---
**相模原マンスリーFC 0-1 エストレヤ千葉。**
---
千葉の選手たち。
橋本へ。
集まる。
---
鬼塚。
橋本の。
頭を。
叩く。
---
「ナイスだ!」
---
橋本。
「痛いっす!」
---
鬼塚。
「これくらいで痛がるな!」
---
戸部も。
走ってくる。
---
「俺のボールも。」
「良かったでしょ?」
---
橋本。
「最高でした!」
---
戸部。
「よし。」
---
ペルティエ。
ゴール前。
---
静かに。
橋本を見る。
---
自分より。
遥かに。
高い位置。
---
そこから。
叩き込まれた。
---
相模原監督。
腕を組む。
---
そして。
また。
思う。
---
今日の。
千葉の。
DF選択。
---
橋本。
---
鬼塚。
---
高山。
---
毛利。
---
相模原対策として。
組まれている。
---
しかも。
守るだけではない。
---
橋本の。
**198センチ。**
---
セットプレーでは。
そのまま。
武器になる。
---
相模原監督。
「……なるほどな。」
---
休養。
---
ターンオーバー。
---
研究外し。
---
相模原対策。
---
そして。
選手それぞれの。
特徴。
---
全部。
重なっている。
---
単純に。
主力を。
休ませただけではない。
---
千葉ベンチ。
---
マルコ。
拳を。
握る。
---
中村。
「よし!」
---
八幡も。
立ち上がる。
---
「橋本!」
---
橋本。
遠く。
ベンチへ。
拳を。
向ける。
---
前半。
20分過ぎ。
---
二連敗中の。
エストレヤ千葉。
---
試合を。
支配し。
---
そして。
セットプレー。
---
戸部翔の。
右足。
---
橋本翔の。
高さ。
---
二つの。
武器が。
噛み合った。
---
**相模原 0-1 千葉。**
---
試合の主導権だけではない。
---
ついに。
スコアまで。
---
エストレヤ千葉が。
先に。
動かした。
### 第338話 何もさせない
橋本翔の。
先制ゴール。
---
**相模原マンスリーFC 0-1 エストレヤ千葉。**
---
ホーム。
相模原。
---
当然。
このままでは。
終われない。
---
キックオフ。
再開。
---
相模原。
少し。
前への圧力を。
強める。
---
斎藤。
下がって。
ボールを。
受ける。
---
笹森。
ついていく。
---
斎藤。
ワンタッチ。
---
ペルティエ。
---
そこから。
左。
---
メルシエ。
---
ようやく。
前を向く。
---
毛利。
構える。
---
メルシエ。
ボールを。
身体の内側へ。
隠す。
---
一歩。
---
二歩。
---
簡単には。
奪えない。
---
これが。
メルシエ。
---
高い。
ボールキープ能力。
---
毛利。
無理に。
奪いに行かない。
---
時間を。
使わせる。
---
そこへ。
エミリオ。
戻る。
---
二人。
---
メルシエ。
「……。」
---
仕掛ける。
---
右足。
---
中央へ。
持ち出す。
---
だが。
---
笹森も。
戻っている。
---
前。
塞がれる。
---
メルシエ。
後ろへ。
戻す。
---
相模原。
やり直し。
---
ホームサポーター。
声を。
上げる。
---
だが。
攻撃が。
加速しない。
---
今度は。
右。
---
岡崎。
---
高山と。
一対一。
---
細かい。
タッチ。
---
縦。
---
止まる。
---
中。
---
高山。
ついていく。
---
左足を。
警戒。
---
岡崎。
一瞬。
身体を。
ぶつける。
---
高山。
倒れない。
---
足も。
出さない。
---
岡崎。
ファウルを。
取れない。
---
さらに。
笹森。
カバー。
---
岡崎。
戻す。
---
また。
相模原。
やり直し。
---
斎藤。
中央で。
動く。
---
右。
---
左。
---
笹森の。
視界から。
消えようとする。
---
だが。
笹森だけではない。
---
エミリオ。
---
鬼塚。
---
橋本。
---
周囲も。
斎藤の位置を。
確認している。
---
第5節。
---
一人で。
試合を。
動かした。
斎藤。
---
今日は。
違う。
---
受けても。
前を。
向かせない。
---
前を向いても。
次を。
自由に選ばせない。
---
斎藤。
「……面倒だな。」
---
ようやく。
柿山へ。
縦パス。
---
柿山。
背中。
---
鬼塚。
---
ドンッ。
---
身体が。
ぶつかる。
---
柿山。
ボールを。
収める。
---
鬼塚。
押し切ろうとは。
しない。
---
柿山が。
腕を使う。
---
鬼塚。
付き合わない。
---
橋本。
すぐ近く。
---
柿山。
ターンできない。
---
落とす。
---
斎藤。
走り込む。
---
しかし。
---
笹森。
先。
---
ボールを。
奪う。
---
「よし!」
---
千葉。
切り替え。
---
笹森。
エミリオ。
---
エミリオ。
顔を上げる。
---
戸部。
---
ペルティエ。
---
また。
一緒。
---
エミリオ。
笑う。
---
出さない。
---
左。
塩川。
---
塩川。
受ける。
---
前へ。
---
相模原。
戻る。
---
ホームなのに。
---
相模原が。
追いかける。
---
千葉が。
動かす。
---
そんな時間が。
続く。
---
前半。
30分。
---
**0-1。**
---
相模原。
まだ。
決定機らしい。
決定機を。
作れない。
---
相模原ベンチ。
監督。
立っている。
---
「もっと。」
「斎藤を使え!」
---
だが。
使いたくても。
---
中央。
閉じられる。
---
なら。
サイド。
---
メルシエ。
---
岡崎。
---
しかし。
そこも。
千葉が。
対応。
---
特に。
岡崎。
---
高山が。
徹底して。
左足の。
シュートコースを。
消している。
---
ドリブルへ。
安易に。
足を出さない。
---
ファウルも。
与えない。
---
岡崎の。
二つの武器。
---
ドリブル。
---
ファウル獲得。
---
どちらも。
思うように。
使わせない。
---
そして。
柿山。
---
鬼塚。
---
36歳。
---
経験で。
対応。
---
柿山。
少し。
苛立ち始める。
---
「もっと寄越せ!」
---
斎藤へ。
声。
---
だが。
斎藤も。
簡単ではない。
---
千葉。
今日。
守備の距離が。
いい。
---
一人。
抜かれても。
次。
---
その次。
---
必ず。
いる。
---
前半。
35分。
---
相模原。
FK。
---
少し。
距離がある。
---
ペルティエ。
左足。
---
千葉。
警戒。
---
玉縄。
壁を。
調整。
---
ペルティエ。
直接。
---
蹴る。
---
曲がる。
---
だが。
---
ゴール。
右。
---
外。
---
玉縄。
見送る。
---
ペルティエ。
小さく。
息を吐く。
---
これも。
決まらない。
---
そして。
千葉。
ゴールキック。
---
急がない。
---
玉縄。
橋本へ。
---
橋本。
鬼塚。
---
鬼塚。
笹森。
---
相模原。
前から。
来る。
---
笹森。
エミリオ。
---
エミリオ。
ワンタッチ。
---
右。
毛利。
---
毛利。
ダニエルへ。
---
また。
サイド。
---
相模原の。
プレスを。
外す。
---
ダニエル。
縦。
---
一人。
かわす。
---
中央。
マティアス。
---
戸部も。
上がる。
---
ペルティエ。
戸部へ。
---
その瞬間。
---
ダニエル。
逆。
---
塩川へ。
大きく。
展開。
---
塩川。
フリー。
---
相模原。
慌てて。
戻る。
---
千葉ベンチ。
八幡。
「いい。」
---
相手が。
戸部を見る。
---
その間に。
外。
---
外を。
警戒する。
---
今度は。
エミリオ。
---
そして。
戸部。
---
まだ。
大きくは。
使わない。
---
相模原に。
選択を。
迷わせる。
---
前半。
40分。
---
相模原サポーター。
さらに。
声を。
大きくする。
---
ホーム。
---
一点。
ビハインド。
---
何とか。
前半のうちに。
追いつきたい。
---
相模原。
前へ。
人数を。
増やす。
---
斎藤。
ようやく。
少し。
前を向いた。
---
左。
メルシエ。
---
パス。
---
メルシエ。
キープ。
---
毛利。
対応。
---
柿山。
中央。
---
橋本と。
鬼塚の間へ。
動く。
---
クロス。
---
高い。
---
柿山。
跳ぶ!
---
だが。
---
その横。
---
橋本翔。
---
さらに。
高い。
---
ドンッ!!
---
頭。
---
完璧に。
弾き返す。
---
柿山。
着地。
---
橋本を見る。
---
「……高ぇな。」
---
橋本。
何も。
返さない。
---
クリアボール。
---
エミリオ。
拾う。
---
すぐ。
前。
---
マティアス。
---
千葉。
また。
カウンター。
---
相模原。
慌てて。
戻る。
---
ホームチームが。
攻め切れない。
---
攻めれば。
逆に。
千葉が。
前へ出る。
---
相模原に。
流れが。
来ない。
---
前半。
45分。
---
アディショナルタイム。
---
相模原。
最後。
もう一度。
攻撃。
---
岡崎。
右。
---
高山。
---
岡崎。
縦。
---
切り返し。
---
中。
---
左足。
---
シュート!
---
その前。
---
笹森。
身体を。
入れる。
---
ブロック。
---
ボール。
跳ねる。
---
鬼塚。
大きく。
クリア。
---
その直後。
---
ピッ。
ピッ。
ピーーーーーッ!!
---
前半終了。
---
スコア。
---
## 相模原マンスリーFC 0-1 エストレヤ千葉
---
得点。
**橋本翔。**
---
選手たちが。
ロッカールームへ。
戻っていく。
---
ホーム。
相模原。
---
メルシエ。
---
柿山。
---
岡崎。
---
斎藤。
---
ペルティエ。
---
警戒された。
五人。
---
全員。
ピッチに。
いる。
---
だが。
前半。
---
ほとんど。
いいところを。
出せなかった。
---
斎藤には。
試合を。
支配させない。
---
岡崎には。
得意な形で。
仕掛けさせない。
---
メルシエには。
自由に。
タメを。
作らせない。
---
柿山には。
ゴール前で。
仕事を。
させない。
---
ペルティエは。
戸部を。
消している。
---
しかし。
---
その戸部自身が。
最初から。
囮。
---
結果。
ペルティエまで。
千葉の狙いに。
組み込まれている。
---
相模原監督。
無言で。
ロッカールームへ。
向かう。
---
前回。
第5節。
---
自分たちは。
千葉を。
**1-0で破った。**
---
だが。
今日。
前半45分。
---
まるで。
違う。
---
千葉が。
相模原を。
研究してきた。
---
それは。
分かっていた。
---
だが。
想像以上。
---
相模原が。
千葉を。
研究した。
その対策まで。
---
**千葉に利用されている。**
---
一方。
千葉。
---
二連敗中。
---
主力を。
大幅に。
入れ替えた。
---
それでも。
崩れない。
---
むしろ。
---
前半。
試合を。
完全に。
支配。
---
そして。
一点。
リード。
---
**0-1。**
---
ホームの。
相模原に。
ほとんど。
いいところを。
出させないまま。
---
前半45分が。
終了した。
### 第339話 ハーフタイム
前半終了。
---
**相模原マンスリーFC 0-1 エストレヤ千葉。**
---
両チーム。
それぞれの。
ロッカールームへ。
戻る。
---
まず。
ホーム。
---
## 相模原マンスリーFC
---
扉が。
閉まる。
---
重い。
空気。
---
一点差。
---
まだ。
0-1。
---
だが。
問題は。
点差ではない。
---
前半。
ほとんど。
自分たちの。
良さを。
出せていない。
---
柿山。
椅子へ。
座る。
「……やりづれぇ。」
---
鬼塚。
---
何度。
身体を。
ぶつけても。
乗ってこない。
---
挑発しても。
反応しない。
---
さらに。
クロスが入れば。
198センチの。
橋本。
---
柿山。
思うように。
勝負できない。
---
岡崎。
タオルで。
汗を拭く。
---
高山。
---
足を。
簡単に。
出してこない。
---
左足の。
シュート。
---
そこも。
徹底的に。
警戒されている。
---
ドリブルで。
ファウルを。
誘おうとしても。
引っかからない。
---
岡崎。
「かなり。」
「俺のこと。」
「調べてるな。」
---
メルシエ。
水を。
飲む。
---
自分も。
同じ。
---
ボールを。
持てば。
毛利。
---
さらに。
周囲。
---
一人で。
無理に。
奪おうとしてこない。
---
キープは。
できる。
---
だが。
---
その次。
---
斎藤。
柿山。
岡崎。
---
そこへ。
繋げる前に。
千葉が。
場所を。
埋める。
---
斎藤。
黙って。
座っている。
---
第5節。
---
あの時とは。
全く違う。
---
自分が。
動けば。
笹森。
---
笹森を。
外しても。
エミリオ。
---
さらに。
後ろ。
---
鬼塚。
橋本。
---
一人を。
外しただけでは。
自由になれない。
---
そして。
ペルティエ。
---
壁に。
背を預ける。
---
前半。
自分の仕事。
---
戸部翔。
---
かなり。
抑えた。
---
自由には。
させていない。
---
ボールに。
触らせる回数も。
減らした。
---
だが。
---
それが。
相模原の。
優位に。
繋がっていない。
---
むしろ。
---
ペルティエ。
「……使われたな。」
---
斎藤が。
見る。
「気づいた?」
「ああ。」
---
ペルティエ。
戸部を。
マーク。
---
戸部。
それを。
嫌がらない。
---
むしろ。
自分を。
連れて歩いている。
---
その間。
---
塩川。
---
ダニエル。
---
エミリオ。
---
そこから。
千葉が。
攻撃を作る。
---
相模原監督が。
前へ。
立つ。
---
「まず。」
---
全員。
顔を上げる。
---
「落ち着け。」
---
「一点だ。」
---
まだ。
45分。
ある。
---
一点。
返せば。
同点。
---
二点なら。
逆転。
---
だが。
---
「前半と。」
「同じことを。」
「後半もやれば。」
---
「負ける。」
---
はっきり。
言った。
---
ホワイトボード。
---
千葉。
---
中央。
戸部。
---
左右。
塩川。
ダニエル。
---
後ろ。
エミリオ。
---
監督。
「戸部を。」
「消すこと自体は。」
「できている。」
---
ペルティエを見る。
---
「ロマン。」
「君の仕事が。」
「悪いわけではない。」
---
「問題は。」
「千葉が。」
「最初から。」
「それを想定していたことだ。」
---
ペルティエ。
頷く。
---
監督。
「後半。」
「戸部だけに。」
「引っ張られるな。」
---
「状況によって。」
「受け渡せ。」
---
完全に。
離すわけではない。
---
戸部を。
自由にすれば。
危険。
---
だが。
前半のように。
戸部だけへ。
意識を。
集中しすぎるのも。
危険。
---
監督。
「特に。」
「両サイド。」
---
塩川。
---
ダニエル。
---
「ここへ。」
「簡単に。」
「ボールを入れさせるな。」
---
さらに。
---
「エミリオ。」
---
千葉。
背番号7。
---
「こいつの。」
「縦パス。」
「もっと警戒しろ。」
---
前半。
何度も。
狙われた。
---
一瞬。
ライン間。
---
CBとSBの間。
---
そこへ。
鋭い。
スルーパス。
---
監督。
「前半は。」
「千葉に。」
「こちらの守備を。」
「動かされた。」
---
「後半は。」
「逆だ。」
---
そして。
攻撃。
---
監督。
斎藤を見る。
---
「寛太。」
---
「もっと。」
「位置を変えろ。」
---
斎藤。
「分かりました。」
---
笹森に。
捕まるなら。
---
さらに。
下がる。
---
サイドへ。
流れる。
---
ペルティエの。
横まで。
降りる。
---
そこから。
ボールを。
引き出す。
---
「前の三人も。」
「待つな。」
---
メルシエ。
---
柿山。
---
岡崎。
---
「動け。」
---
「千葉のDFを。」
「動かせ。」
---
鬼塚。
橋本。
高山。
毛利。
---
前半。
整った状態では。
崩せなかった。
---
なら。
---
位置を。
変えさせる。
---
柿山が。
流れる。
---
メルシエが。
中へ。
---
岡崎が。
中央へ。
---
斎藤が。
外へ。
---
形を。
崩す。
---
監督。
「ホームだ。」
---
「このまま。」
「何もできずに。」
「終わるな。」
---
空気が。
変わる。
---
柿山。
立ち上がる。
---
「一点だろ。」
---
岡崎。
「ああ。」
---
メルシエも。
静かに。
頷く。
---
相模原。
まだ。
死んでいない。
---
二連勝中。
---
後半戦。
3勝1敗。
---
ここから。
反撃。
---
一方。
---
アウェイ。
---
## エストレヤ千葉
---
こちらは。
相模原とは。
空気が違う。
---
だが。
---
浮かれても。
いない。
---
橋本。
座る。
---
前半。
先制ゴール。
---
それでも。
表情は。
真剣。
---
鬼塚。
「前半は。」
「良かったな。」
---
橋本。
「はい。」
---
鬼塚。
「でも。」
「後半。」
「絶対変えてくるぞ。」
---
橋本。
「分かってます。」
---
その前。
マルコ。
---
「鬼塚の。」
「言う通りだ。」
---
全員。
監督を見る。
---
マルコ。
「前半。」
「我々の狙いは。」
「機能した。」
---
戸部。
囮。
---
塩川。
ダニエル。
---
サイドアタック。
---
エミリオ。
縦。
---
さらに。
戸部が。
ペルティエを。
引きつける。
---
そして。
守備。
---
柿山。
岡崎。
メルシエ。
斎藤。
---
ほとんど。
自由を。
与えなかった。
---
マルコ。
「だが。」
---
「相模原も。」
「当然。」
「修正する。」
---
八幡が。
前半の。
いくつかの場面を。
モニターへ。
映す。
---
「特に。」
「ここ。」
---
斎藤。
---
前半終盤。
少しずつ。
下がって。
ボールを。
受け始めている。
---
八幡。
「斎藤は。」
「笹森から。」
「逃げる位置を。」
「探し始めてる。」
---
笹森。
頷く。
---
「後半。」
「もっと。」
「動いてくると思う。」
---
「無理に。」
「一人で。」
「全部ついていかなくていい。」
---
笹森。
「受け渡す?」
「そう。」
---
斎藤の。
得意技。
---
マークを。
外す。
---
それに。
付き合いすぎれば。
笹森自身が。
本来いるべき。
場所から。
消される。
---
八幡。
「斎藤を。」
「捕まえることより。」
「斎藤が。」
「何をしたいか。」
「そこを見よう。」
---
笹森。
「分かりました。」
---
次。
---
柿山。
---
鬼塚。
---
橋本。
---
八幡。
「柿山も。」
「後半は。」
「中央に。」
「居続けないと思う。」
---
鬼塚。
「だろうな。」
---
前半。
中央では。
鬼塚。
橋本。
---
二人に。
抑えられた。
---
なら。
サイドへ。
流れる。
---
橋本を。
外へ。
連れ出す。
---
鬼塚を。
動かす。
---
そういう。
変化。
---
マルコ。
「橋本。」
「追いすぎるな。」
---
橋本。
「はい。」
---
「鬼塚。」
「ああ。」
---
「声を。」
「掛け続けてくれ。」
---
鬼塚。
「任せろ。」
---
36歳。
---
19歳。
---
年齢差。
17。
---
だからこそ。
鬼塚の。
経験。
---
橋本の。
身体能力。
---
互いを。
補う。
---
そして。
高山。
---
マルコ。
「岡崎は。」
「後半。」
「さらに。」
「仕掛けてくる。」
---
高山。
「はい。」
---
「今まで通り。」
「簡単に。」
「足を出すな。」
---
岡崎。
---
左足。
---
ミドル。
---
ドリブル。
---
ファウル獲得。
---
全部。
警戒。
---
高山。
「分かってます。」
---
毛利。
---
メルシエ。
---
こちらも。
同じ。
---
一人で。
無理に。
奪わない。
---
キープされても。
慌てない。
---
危険な。
次のプレーを。
させない。
---
そして。
攻撃。
---
マルコが。
戸部を見る。
---
「戸部。」
---
「後半。」
---
戸部。
顔を上げる。
---
「そろそろ。」
「君も。」
「使う。」
---
戸部。
ニヤッ。
---
「やっと?」
---
周囲。
少し。
笑う。
---
前半。
戸部は。
徹底して。
囮。
---
ペルティエを。
引きつけた。
---
だが。
---
相模原は。
ハーフタイム。
必ず。
修正する。
---
ペルティエが。
戸部から。
少し。
離れる。
---
サイドへの。
カバーを。
意識する。
---
その瞬間。
---
戸部が。
空く。
---
マルコ。
「相手が。」
「君への。」
「警戒を。」
「一段落としたら。」
---
「そこから。」
「ゲームを作れ。」
---
戸部。
「了解。」
---
八幡。
「でも。」
「いきなり。」
「戸部ばっかりに。」
「しないでください。」
---
エミリオ。
「分かってる。」
---
塩川。
---
ダニエル。
---
前半。
効いている。
---
そこは。
捨てない。
---
サイド。
---
エミリオの。
スルーパス。
---
そして。
戸部。
---
攻撃の。
選択肢を。
一つ。
増やす。
---
マルコ。
「前半。」
「相模原は。」
「我々に。」
「対応できなかった。」
---
「だから。」
「後半。」
「対応してくる。」
---
一度。
間。
---
「なら。」
---
「その対応を。」
「また。」
「利用する。」
---
戸部。
笑う。
---
ダニエルも。
頷く。
---
マティアス。
静かに。
立ち上がる。
---
スコア。
---
**0-1。**
---
一点。
リード。
---
だが。
守り切るために。
引くつもりは。
ない。
---
相模原は。
ホーム。
---
必ず。
出てくる。
---
なら、その前へ出てくる力を逆に使う。
---
マルコ。
「後半。」
「二点目を。」
「取りに行く。」
---
選手たち。
「はい!」
---
相模原。
---
前半の千葉対策を修正する。
---
千葉。
---
その修正まで読んで次を用意する。
---
ハーフタイム十五分。
---
両チームの戦術は再び書き換えられた。
---
そしてまもなく後半が始まる。
### 第340話 後半開始
両チームの選手が。
再び。
ピッチへ。
戻ってくる。
---
スコア。
**相模原マンスリーFC 0-1 エストレヤ千葉。**
---
ホーム。
相模原。
---
一点を。
追う。
---
アウェイ。
千葉。
---
一点を。
守る。
---
いや。
---
**二点目を取りに行く。**
---
両チーム。
それぞれ。
ハーフタイムで。
修正を入れた。
---
ピーーーーーッ!!
---
**後半開始。**
---
相模原。
キックオフ。
---
いきなり。
前半とは。
違う。
---
斎藤。
下がる。
---
かなり。
下がる。
---
ダブルボランチの。
近くまで。
---
笹森。
見る。
---
だが。
追わない。
---
一昨日。
そして。
ハーフタイム。
---
言われている。
---
**追いすぎるな。**
---
斎藤。
ボールを。
受ける。
---
笹森。
一定の距離。
---
斎藤。
前を見る。
---
柿山。
---
中央ではない。
---
右へ。
流れる。
---
橋本。
一瞬。
ついていこうとする。
---
「翔!」
---
鬼塚。
声。
---
橋本。
止まる。
---
柿山を。
追いすぎない。
---
右へ。
流れた柿山には。
高山。
---
受け渡す。
---
斎藤。
左。
---
メルシエ。
---
だが。
メルシエも。
いつもの。
左サイドではない。
---
中央へ。
入ってくる。
---
毛利。
追う。
---
今度は。
鬼塚。
「毛利!」
---
毛利。
止まる。
---
中央。
笹森。
エミリオ。
---
そこへ。
受け渡す。
---
八幡。
ベンチ。
「やっぱり。」
---
中村。
「ああ。」
---
相模原。
前線を。
動かしてきた。
---
千葉の。
マークを。
崩すため。
---
ポジションを。
入れ替える。
---
斎藤。
パス。
---
中央へ。
入った。
メルシエ。
---
エミリオ。
寄せる。
---
メルシエ。
身体を。
入れる。
---
キープ。
---
やはり。
強い。
---
エミリオ。
簡単には。
奪えない。
---
メルシエ。
右足。
---
前。
---
柿山!
---
だが。
---
鬼塚。
先。
---
足を。
伸ばす。
---
カット。
---
「よし!」
---
鬼塚。
すぐ。
笹森。
---
笹森。
前。
---
エミリオ。
---
相模原。
攻撃から。
守備へ。
---
切り替える。
---
そして。
---
ペルティエ。
---
戸部。
---
前半ほど。
近くない。
---
戸部。
気づく。
---
「……お。」
---
ペルティエ。
戸部を。
見る。
---
だが。
完全には。
ついてこない。
---
サイド。
---
ダニエル。
---
そちらも。
警戒。
---
戸部。
少し。
笑う。
---
**来た。**
---
ハーフタイム。
マルコが。
言っていた。
---
相手が。
戸部への。
警戒を。
一段。
落とした時。
---
そこから。
戸部も。
使う。
---
エミリオ。
ボールを。
持つ。
---
戸部。
中央。
---
今度は。
---
パス。
---
戸部。
受けた。
---
ペルティエ。
すぐ。
寄せる。
---
だが。
前半とは。
違う。
---
最初から。
密着していない。
---
その。
わずかな。
時間。
---
戸部。
ワンタッチ。
---
左。
---
塩川。
---
速い。
展開。
---
塩川。
受ける。
---
高山。
上がる。
---
相模原。
右サイド。
二人。
寄る。
---
塩川。
高山へ。
---
高山。
縦。
---
クロス。
---
中央。
マティアス!
---
相模原CB。
ヘディング。
---
クリア。
---
だが。
---
こぼれ球。
---
エミリオ。
---
拾う。
---
ペルティエ。
今度は。
エミリオへ。
寄せる。
---
戸部。
空く。
---
エミリオ。
すぐ。
戸部。
---
戸部。
受ける。
---
前を。
向く。
---
相模原監督。
「寄せろ!」
---
斎藤。
戻る。
---
ペルティエも。
戸部へ。
---
二人。
---
戸部。
待つ。
---
引きつける。
---
そして。
---
右。
---
ダニエル。
---
パス。
---
ダニエル。
フリー。
---
相模原。
左SB。
慌てて。
出る。
---
毛利。
外。
---
ダニエル。
中。
---
二人。
別方向。
---
相模原。
迷う。
---
ダニエル。
中へ。
---
左足ではない。
---
右足。
---
低い。
クロス。
---
マティアス。
ニア!
---
合わせる!
---
ガッ!!
---
相模原GK!
---
反応。
---
弾いた!
---
「っ!」
---
マティアス。
頭を。
抱える。
---
ダニエル。
悔しそうに。
手を叩く。
---
千葉ベンチ。
立ち上がる。
---
八幡。
「惜しい!」
---
後半。
開始早々。
---
千葉。
決定機。
---
相模原。
修正した。
---
戸部だけを。
追い回さない。
---
サイドも。
見る。
---
だが。
---
その結果。
---
今度は。
戸部が。
ボールを。
触り始める。
---
戸部が。
触れば。
---
相模原の。
中央が。
寄る。
---
そこから。
---
また。
サイド。
---
相模原監督。
表情を。
変えない。
---
だが。
分かっている。
---
前半。
戸部を。
消した。
---
すると。
サイドに。
やられた。
---
後半。
サイドを。
警戒。
---
すると。
戸部が。
出てくる。
---
しかも。
後ろには。
エミリオ。
---
どこかを。
消せば。
---
別の場所が。
開く。
---
斎藤。
「……面倒だな。」
---
前半と。
同じ言葉。
---
だが。
今度は。
意味が。
さらに。
重い。
---
相模原。
それでも。
攻める。
---
ホーム。
---
一点。
追っている。
---
岡崎。
右。
---
今度は。
中央へ。
入る。
---
高山。
受け渡す。
---
岡崎。
左足。
---
ミドルを。
狙える位置。
---
笹森。
寄せる。
---
岡崎。
足を。
振る。
---
フェイント!
---
笹森。
飛ばない。
---
岡崎。
もう一度。
---
今度こそ。
左足!
---
バンッ!!
---
シュート!
---
橋本。
身体を。
投げ出す。
---
ドンッ!!
---
ブロック!
---
ボール。
跳ねる。
---
柿山。
反応!
---
だが。
---
鬼塚。
先に。
身体を。
入れる。
---
柿山。
後ろから。
接触。
---
鬼塚。
倒れない。
---
ボール。
玉縄へ。
---
玉縄。
しっかり。
キャッチ。
---
柿山。
「チッ。」
---
鬼塚。
何も。
言わない。
---
玉縄。
すぐには。
蹴らない。
---
全体を見る。
---
そして。
右。
毛利へ。
---
また。
千葉の。
攻撃。
---
後半。
5分。
---
スコア。
まだ。
---
**0-1。**
---
だが。
---
相模原も。
前半とは。
違う。
---
動き始めた。
---
千葉も。
前半とは。
違う。
---
戸部を。
使い始めた。
---
両チーム。
ハーフタイムで。
一段。
変化。
---
相模原が。
千葉の狙いを。
修正する。
---
千葉が。
その修正を。
さらに。
利用する。
---
試合は。
前半以上に。
---
**戦術の読み合いへ。**
---
入っていた。