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第6話 新しい住処 2025年12月11日 公開

異世界の牧場を相続しました~スタァストリームファーム~ — kakuyomu.jp · All chapters

第6話 新しい住処 2025年12月11日 公開

陽が沈む前に俺は家屋の中をしっかりと確認することにした。

それでわかったのは古いけれど住むには問題ない程度の古さだった。

しかし……築年数は何年なんだろうか?

あの村の人たちは爺さんのことを……知らないっぽいんだよな。

20年位前なら知ってる人とかいそうなのに。

昔からある封印の聖地って感じなことを言っていた。

……とりあえず設備の確認だ。家屋を最初に見た時と同じで調理用のかまどと台はある。

トイレは……アレ? トイレは水洗のやつがある。

助かるけど……この水、何処から来ているんだ?

パイプを目で追って行くと外に繋がっているのを発見。

家屋……小屋の脇にある小川から水を引いているっぽい、ポンプくさい装置があった。

ハンドルを捻ったら水が出たので装置は壊れていない。

じゃあ下水はどうなっているのだろうと思い、小屋の近くを探索すると似た様な装置……機械の様な、それでありながら水晶とかがついた謎の装置を発見。

やはりパイプで小屋以外の何処かに繋がっていた。

これは何だろうか? まあよくわからないし、壊したらまずい。

探索はそろそろ終わらせて、家屋の中をしっかりと調べよう。

「わかりやすく壁に掛けてあるなぁ……」

小屋内の扉を開けると、壁にこれ見よがしにツルハシやクワ、斧、鎌、何か剣っぽい物などがわかりやすく壁に掛けられていた。

これって使うことを前提にしているのかね。

少しばかり錆びているけど使えなくはなさそうだ。

この道具類には共通して四角形の宝石みたいな物がつけられている。

これは何かの意匠って奴かな?爺さん、こういう装飾好きだったもんな。

こう、一つの物を長く大事に使う人だった。

そう思いながら護身用に剣を壁から取る。

鉄のマチェット

鉄で作られた山刀

草を刈るのに向いている

いきなりステータス画面が出て来て俺が手に取った剣……マチェットの細かいステータスが表示された。

なんかゲームっぽいが今の所は気にしないようにして行こう。

確か戦闘用ではなく作業用の刃物だったはず。

ジャングルみたいな場所で使うと聞いたことがある。

「後は……」

とりあえず寝る場所の確保が重要だ。

ベッドは……うん。埃臭くはあるが、辛うじて使うことができそう。

ここに毛布を引いておけば一応、寝ることは可能だ。

水も簡単に確保出来るし、食料も一応にある。

大分陽が傾いてきたので、明かりの確保を考えて室内を見渡すと、部屋の天井に日本の家屋だったらある蛍光灯っぽい、丸い何かがぶら下がっていることに気づいた。

しかも紐つき。紐を引っ張ると明かりが点灯した。

電気をどこかから引いているのだろうか?

いや、光り方が俺の知る蛍光灯の明かりとは違う。

……蛍火みたいな光り方って言うのかな?

どちらにしてもだ。上下水道に食料、寝る場所の確保はできた。

ルークさんの話だと俺以外はこの場所に入れないわけだから大丈夫なはず。

他には何かあるかねー……と、確認すると家屋の外に、池らしきものがある。

ちょっと近づいて確認すると小奇麗にしているけれど葉っぱがかなり積っている……水が無いようだった。

ここ……池、だよな? なんかレイアウトが池というより何か別のものに見えるんだけど。

やっぱり謎の装置が置いてあって、水の出口らしき仕組みが確認できる。

ハンドルがあったので回すとじょぼじょぼと水が流れ始め、湯気が……お湯だ。

ドボドボと……池だと思っていたものは露天風呂であるのがわかった。

急いで葉っぱを外に出すと徐々にお湯が溜まって行ってくれている。

「おー……」

お湯の誘惑に足湯とばかりに足をつけるとしっかりと温かい。

お湯が溜まるのを待ってから服を脱いで少しばかり浸かってしまった。

ああ……デスマーチで疲れた体に染みるなぁ。

なんて思いながら軽く浸かって露天風呂から周囲を見渡す。

爺さんの牧場には露天風呂があるのか……。

ちょっともったいないのでハンドルを引いてお湯ができないようにしてから上がる。

「ふー……」

徐々にお湯が抜けて行く仕組みのようだ。

後でしっかりと洗って再度使えるようにしておきたい。

ともかく、この牧場で何かの手違いで野犬……魔物とやらが入って来る可能性を懸念して戸締りはしっかりとするとして……まだデスマーチの疲れが体の奥である様な気がするので早めに休む事にしよう。

とは言いつつ、微妙に興奮しているので爺さんが遺した手紙の確認や発見した怪しげな、楽しい異世界生活のススメに目を通しておいても良いだろう。

いきなり異世界ライフを楽しんでくれと言われて、ヤッフー! 冒険者ギルドへ行くぜ! 俺には資質が? 薬草採りだー! 凶悪な魔物だって怖く無いぜ!

アレ? 何か違うぞ? ギャアアアア――って死にたくはない。

判断材料になりそうな物にはしっかりと目を通さねば命に関わる。

で……爺さんの手紙は最後に読んだ所から変化は無い。

白紙の手紙が残っているだけだ。

これも条件を満たしたら文字が浮かび上がるんだろう。

しょうがないので楽しい異世界生活のススメに目を通す。