第7話 まずは拠点の確認から 2025年12月12日 公開
第7話 まずは拠点の確認から 2025年12月12日 公開
レッスン2
自身の状況、ステータスを把握したら、次は拠点の確認をしましょう。
住みやすいようにある程度、施設設置してありますがいずれ自分好みにレイアウトをできるようにもなります。
では基本として拠点の上下水道に関してを説明します。
水道は井戸水を汲んで蛇口から出る様に装置を設置、配管しています。
下水は装置と繋がっており、水はろ過して川へと流れ、ゴミは肥料や燃料として還元されます。
不要と判断したゴミは装置へバンバン捨てましょう。
※装置が破損し、修理する等を本誌は解説しておりませんのであしからず。
他に温泉も引いているので疲れを癒す時に使いましょう。
どうやらあの装置はゴミを処理することができる代物らしい。
効率は悪いけど部屋の明かりとかの燃料にもなっているみたいだ。
一体どんな構造なんだろうか?
地味に気になるけど……それを知る場合は別の資料が必要ってことか。
温泉は想定された使い方だったようでよかった。
爺さんの残してくれた施設って思えば良さそう。
こういうのって徐々に拡張していくことを前提に作られてるかと思ったんだけどね。
レッスン3
拠点内にある道具を確認。
この道具は敷地内の仕事に使って行く物なので大事にしましょう。
道具をしっかりと使いこなすことで生活はより快適になっていきます。
……もしやと思っていたが、どうやら異世界での生活をする上で、クワとかを使って畑とかを作って作物を育てる、なんてことをさせようって魂胆らしい。
項目を目で追って行くと妙な記述を発見。
道具類に付いている宝石はタダのアクセサリーではなく、コアみたいな物であるらしい。
この道具類で伐採等をした場合、破壊した物は設備内の適した場所、倉庫に転送されます。
つまり斧で木を切り倒した場合、何処か別の場所に転送されるという特徴があるようだ。
敷地内の何処かに材木置き場があるってことだな。
そういや斧以外にもノコギリが壁に掛かっていたっけ。
どちらにしても道具さえしっかりと使えば重たい物を運ぶ手間が省けるようだ。
便利と見るかゲームっぽいと笑うか……。
しかし……俺は異世界に来た実感はあっても絶対に農業したいかというとなぁ……。
SEでヒーヒー言っていた方が楽だった、なんて状況は避けたい。
とりあえず流し読みをしながら楽しい世界のススメを見る。
……この土地にある全てが載っている訳ではなさそうだ。
現代日本に帰る扉みたいな物は書かれていない。
あったら行き来する術があって行き抜きに異世界生活だヤッホー! ってなるはずなんだけど。
どうも……この本に似た物が何処かにあるっぽい記述が所々に見受けられる。
※別紙参照。
みたいな奴だ。
ただ……専門用語でオファリングを満たそうという説明があるんだけど、なんだろうか?
オファリング……提供?
爺さん、それは何をすることなんだ?
知りたければ周囲を調べろってことかな……爺さん、宝探しとか好きだったもんな。
まあ……俺も好きだったけどさ。
こういうのを見ていると子供の頃を思い出していかんな。
「そういや……この世界ってリポップがあるんだっけ」
ルークさんから聞いた話だと、地方や土地毎に範囲が分かれているらしいんだけど、定められた敷地内における生き物は最低数があって、それを下回ると何処からともなく出現するんだとか。
出現時間の研究もされていて、即湧き、一時間湧き、三時間湧き、一日湧き、一ヵ月湧き、みたいな感じで、いくつかの法則が存在するそうだ。
他にも季節によって変動があるとか、その辺りはルークさんも専門外だと言っていた。
これは植物にも適応しているそうで、山をハゲ山にしても一定周期で木がリポップしてしまうんだとか。じゃあ資源が取り放題ですねと言ったら違うような反応だった。
魔物も同じで、危険な魔物が生息する地域の魔物を絶滅させて、人の住める土地にする……とかは難しいそうだ。
なので、この世界の生物は絶滅しないという事だ。
ただ、下限はあっても上限は無いとの話で、増える事に制限は無い。
中には個体数の増減しない生き物もいるらしい。
ちょっと想像出来ないが、少なくともルークさんはそう話していた。
さて、仮にだ……この聖地と呼ばれる土地が昔、爺さんが所有していたとする。
設備の名残から爺さんが農業などをしていた畑、俺が農業をする必要はあるんだろうか?
まあ、リポップするなら畑作りよりも、適当に周辺を探して食える物を探した方が良いかもしれない。
森の恵みに頼る戦法だ。あ、でも魔物とかも出るからあんまり推奨されないんだったっけ?
そもそも村の人たちが根こそぎ集めてそうだ。
聖地内の調査を本格的にしないといけない訳だしな。
……無造作に作物は植えられていた気はする。
爺さんが放置したのが永遠と生えていたとかかなー?
「ふわあああああ……」
何か読んでいる内に疲れがどっと出てきたので早めに寝る事にする。
デスマの反動がまだ体に残っているんだ。
ルークさんからもらったスープを温め直してからパンと一緒に食べ、腹を満たす。
嫌いじゃないけど毎回同じじゃ飽きそうなメニューだなぁ。
今は少しでも疲労を取って何をするか考えて行くとしよう。
歯磨きは忘れずに……洗面台も家屋の中にあった。
歯ブラシはルークさんからもらったよ。この世界にあるのは驚いたけどさ。
「……」
そうしてベッドに入って目を閉じたんだが……寝られない。
見知らぬ所で目覚めた挙句、色々と動き回ったから疲れている。
正直、眠い。目は重いし、身体はだるい。
なのに身体が……いや、今は女の身体だから、心か?
心が言っているんだ。
まだ仕事の時間だよ。寝るには早いよ。もっと残業しようよ。
がんばれ、ガンバレ、ガンヴァレェ……あぁぁぁぁ……。
うるさい社畜ゾンビ! 俺は社畜じゃない!
もうがんばらないって決めたの!
自分の精神が想像以上に洗脳されている事に困惑しか浮かんでこない。
「くっ……」
俺は寝るんだ!
こんな田舎なんだから、睡眠くらい自由に取って良いはずだ。
そう考えているのに、全然眠くならない。
むしろ目の裏側に血液が集まってくる様な感覚がして、寝付けない。
軽く興奮状態になっている。
あれか? 実は異世界最高ー! とか内心では思っているのか?
そうして、自問自答をしている内にぐっすりと眠ったのだった。
ここまでゆっくりと休んだのは何年ぶりだろうか。
社会的に抹殺されて不幸とも言えるかもしれないけど、今だけはこの解放感の中で眠っていたい。