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アイギス

異世界のんびり農家 — ncode.syosetu.com · All chapters

アイギス

庭に作った鳥小屋で、フェニックスの雛であるアイギスは寝起きしている。

鳥小屋は四畳半の広さで、天井は二階分ぐらいの高さ。

大き過ぎる気もするが、本人の希望だから仕方がない。

出入り口はアイギス用と、人間用の二箇所。

アイギス用の扉は、内側にも外側にも開くように工夫した。

風で扉がバタバタしない為の工夫もしている。

結構、苦労した。

人間用は、俺が少し屈んで入るサイズ。

こっちは普通の扉。

ドアノブを回して開く。

……

アイギスは器用にドアノブを回して、人間用のドアを使っている。

開けた後、ちゃんと閉めているのは賢いが……釈然としない。

朝、起きたアイギスは、まずは庭の北側にある 鶏 ( にわとり ) を飼っているエリアに赴く。

そこで一番高い鶏小屋の上に立ち、一鳴き。

多分、一番は自分だと主張しているのだろう。

鶏たちは、アイギスを気にせずに普通に生活している。

アイギスが鶏のエサを狙った時、集団でボコボコにしていたけど……

まあ、この関係で落ち着いたのだろう。

アイギスはその後、屋敷に入って食堂に。

空いている椅子の背に止まり、朝食が出てくるのを待つ。

一応、アイギス用の止まり木を用意しているのだが、使われた形跡はない。

朝食を用意している鬼人族メイドも慣れたもので、アイギスに挨拶をして朝食を出す。

クチバシで突っついて食べるので、平皿は駄目。

専用の深皿で食べる。

今日のアイギスの朝食は、キャベツの葉とニンジンをカットしたもの。

成長期だからか、残したりはしない。

水も専用の深皿で。

朝食の後、アイギスは散歩に。

飛ぶより歩いた方が速いと気付いたのだろう。

上下移動の時以外は、歩いている。

散歩コースは固定。

まずは頑張って屋敷の三階に、そこから外に出て屋根の上に向かう。

一番高い場所を確保したら、そこで翼を広げて一鳴き。

その後、畑に向かう。

アイギス用の畑として、少し耕してやったので、それを見張る為だ。

結構、細かくチェックしている。

ザブトンの子供たちと仲良くなったのか、害虫の情報交換をしていたりする。

通り掛かったクロの子供たちにも友好的に挨拶。

なかなかの低姿勢。

その後、牧場エリアに。

散歩ついでに縄張りを主張。

だが、馬には無視され、牛には尻尾ではたかれ、山羊には近付けなかった。

群れてるのってズルくないですかと俺に言われても困る。

というか、縄張りを主張するならあっちじゃないのか?

俺の視線の先にいるドラゴンのハクレンとラスティをみたアイギスは、目を閉じて少し瞑想した後、見なかった事にしたらしい。

今度、山羊と一対一で勝負する?

怪我しないようにな。

牧場エリアの後は果実エリアに移動。

つまみ食いはしない。

ここで果実を勉強しているようだ。

食事で求める果実の指定は細かくなった。

蜂たちと揉めるかと思ったけど、揉める前にザブトンの子供が間を取り持った。

勉強になる。

俺も、揉める前に止められるようになりたい。

昼。

アイギスは屋敷に戻って昼食。

昼食はお肉。

足で肉を掴み、クチバシで 銜 ( くわ ) えて引き千切る。

……

引き千切れない。

数回チャレンジした後、鬼人族メイドに泣きついて小さくカットしてもらってた。

まだ雛だもんな。

でも、最初っから小さくカットして出すと怒ったりする。

そんなアイギスを、鬼人族メイドは温かく見守っている。

心が広い。

昼食後。

アイギスは日当たりの良い場所で昼寝。

最近はザブトンの背の上で寝ている。

そこが一番の安全地帯と判断したのはわかるが、ザブトンは大丈夫なのか?

気にしない?

それなら構わないけど、邪魔なら遠慮なく言ってくれよ。

鳥小屋に戻しておくから。

昼寝の後、また畑の見回り。

自分の食事の為とはいえ、この辺りは真面目。

来年、もう少し大きい畑を作ってやってもいいかなと思ったりする。

夕食までの間は、屋敷内で子猫たちと遊んでいる。

鳥と猫なのに、かなり仲がよくなった。

世渡りは上手なようだ。

途中、ウルザを見かけたので全力で逃げ出した。

だが遅い。

ウルザのタックルにより確保された。

アイギスは俺に助けを求めてくる。

えーっと、ウルザ。

フェニックスの雛は丈夫らしいけど、無茶はするなよ。

わかってるって、本当か?

投げたりするなよ。

アイギス、そういうことだから諦めろ。

ちなみに子猫たちは、ウルザの気配を感じた段階で逃げている。

アイギスはまだまだ経験不足のようだ。

まあ、孵ってからまだ十日ほどだからな。

夜。

アイギスは夕食を食べる。

魚も問題ないらしい。

丸飲みではなく、少しずつ 啄 ( つい ) ばんで食べる。

そんな食べ方なのに、綺麗に骨とワタが残っている。

俺より器用だ。

ちょっと嫉妬。

食後、アイギスは鳥小屋に戻り、睡眠。

鳥小屋内に止り木があるのだけど、寝るのは床に設置した藁束の上。

座って寝るのかと思ったら、仰向けだった。

……

まあ、寝方は自由だ。

おやすみ。

余談だが、鳥小屋内には、藁束の他に水用の桶、トイレもある。

決まった場所でしか糞をしないのはありがたい。

トイレ用のスライムを手配したら、突っついて反撃されていた。

以後、スライムには手を出していない。

学ぶようだ。