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祝いの品

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祝いの品

ゴールたちの結婚相手との挨拶から始まったパレードには驚いた。

ただ、貯まる一方だったお金を一部でも使えたのはよかったと思う。

お金の代わりに、祝いの品が山のように届けられたけど。

……

これ全部、ゴールたちのもとに届けるというのは……あ、ゴールたちの分は別にあるのね。

そっか。

はい、リストを受け取ります。

ヨウコから渡されたリストには品目と品名、数量、 贈 ( おく ) り主の名前と役職が書かれている。

見慣れた名前と見慣れない名前が半々だな。

ん?

ビッグルーフ・シャシャート一同から届けられている。

気を使わなくてもと思うけど、身内だから逆に気を使うか。

ゴロウン商会からも届けられている。

量が桁違いだな。

もらいすぎじゃないかな?

こういった祝いの品の質や量は大事だそうだ。

なるほど。

品を見れば……美術品、工芸品、武器、防具、農作物、研究発表? 情報?

「この研究発表というのは?」

俺はヨウコに聞く。

「独自で研究している者が、成果を献上している。

評価に 値 ( あたい ) すれば、雇ってほしいということだな」

へー。

研究内容は、魔法や薬、料理、戦術……

これ、俺が評価するの?

無理無理。

ルーたちに任せよう。

「次の情報は?」

「そのまま情報になる。

正直、取り扱いに困る情報もいくつか届けられていてな」

文官娘衆に任せて、手に負えないのは魔王かビーゼルに渡してみなかったことにしよう。

うん、それがいい。

ただ、結婚関連のお祝いで、とある王家の 不倫 ( ふりん ) 情報とか反乱計画とか独立計画の情報とかはどうなのだろう?

深く考えないでおこう。

とりあえず、美術品はヨウコ屋敷に飾って……飾りきれないな。

甘味の店“クロトユキ”や“酒肉ニーズ”などにも飾ってもらうか。

工芸品は、できるだけ実用にして、武器防具は…… 祭器 ( さいき ) っぽいのは美術品と同じ扱いで、実用そうな武器防具は五村の警備隊に渡そう。

農作物は……五村の倉庫に。

緊急時の食料にしよう。

とりあえずは、この方針で。

わかっている。

俺に挨拶したいって人がいるんだろ?

頑張る。

あ、隣の部屋で待っているんだ。

そっか。

……

大樹の村からルィンシァを呼んできてくれるかな。

サポートをお願いしたい。

うん、俺一人であの数はちょっと無理。

冬の寒さが厳しくなってきたころ。

村は静かだった。

理由は二つ。

一つはウルザとアルフレートが学園に行くため、文官娘衆たちによってマナー講座が開かれている。

マナー講座は午前中だけでなく午後にも開かれており、ある程度の読み書きができる子供たちが全員参加しているため、子供たちの喧騒がない。

子供たちの参加率が高いのは、ウルザとアルフレートの学園行きに同行を希望しているからだ。

俺としては希望者全員を同行させればいいと思うのだが、年齢的に許可できるのはナート、ティゼル、ギリギリでリリウス、リグル、ラテ、トラインぐらいだそうだ。

加えて、ゴールたちが学園に行って困ったことがマナー関連。

貴族の子供が多く通う学園ではマナーは欠かせないらしい。

特に食事のマナー。

子供たちは 箸 ( はし ) を中心に使っているので箸のマナーは問題ないが、ナイフとフォークでの食事には少し問題があるらしい。

俺の目には、問題ないように見えるのだが文官娘衆たちによれば、まだまだ甘いそうだ。

たぶん、箸のマナーも甘いのだろうけど、箸のマナーがまだ定着していないから問題になっていないだけだろう。

ゴールたちによれば、学園での箸のマナーは俺の指導が基本となっているそうだ。

俺が指導したことって、箸で食器を引き寄せないとかの本当に最低限なのだが……

一度、どこかで箸のマナーをまとめたほうがいいのかもしれない。

ともかく、マナーを身につけないと同行は許さないと文官娘衆たちが言っているので、子供たちは頑張っている。

理由のもう一つは、ドライム、ハクレン、ラスティなどドラゴンたちがほぼ全員、不在だからだ。

村に残っているのは飛行がまだ安定しないグーロンデと、ドラゴンの姿になれないラナノーンの二人だけ。

ヒイチロウ、グラルも含め、他はドースの緊急招集により、出かけた。

目的は討伐。

なんでも空を飛ぶクジラなるものが存在し、どこからかやってくるそうだ。

一説には別次元から来たとか言われている。

その空を飛ぶクジラ。

出現したまま放置すると、どういった理由か世界に災害が訪れるそうだ。

小さいクジラでも台風を引き起こし、大きなクジラだと大地震や津波、 日照 ( ひで ) り、洪水など。

その迷惑そのものの空を飛ぶクジラの大群が出現した。

空を飛ぶクジラはそれほど強くないが、とにかく大きい。

小さいクジラで三十メートルクラス。

大きいクジラは三百メートルクラスになるそうだ。

そのうえ、かなり上空を飛ぶのでドラゴン以外では手を出せないそうだ。

幸いなことにドラゴンたちはこの空を飛ぶクジラの討伐に使命感を持っており、ここ数百年は大事にはなっていない。

今回も大丈夫とドライムが言っていた。

頼もしい。

ただ、ヒイチロウ、グラルは見学らしいが無茶はしないだろうか?

少し不安になる。

俺はコタツに入り、クロたちや猫たちとまったりする。

ははは。

ザブトンの子供たちを忘れたりはしてないぞ。

あ、もう一つ静かな理由があった。

天使族のマルビット、ルィンシァ、スアルロウ、ラズマリアの四人は、村の警備に出かけている。

クーデル、コローネの代わりに。

うん、二人の妊娠が発覚したから。

二人の妊娠を一番喜んだのはグランマリア。

今は二人に、妊娠中の心得や注意を語っている。

厳しく言ってやってくれ。

特にクーデルに。

クーデルは妊娠中でも急降下爆撃をしそうな怖さがあるから。

いや、大丈夫だとは思うけどな。

ちょっと短めですが。

活動報告にも書きましたが、書籍全巻に重版がかかりました!

これもみなさまの応援のおかげです!

ありがとうございます!

あわせて、コミカライズのほうもよろしくお願いします!

ネットは金曜日更新です!

詳しくは活動報告で。(作者名クリック後、画面の左側にあります)