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海岸のダンジョン攻略隊

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海岸のダンジョン攻略隊

海岸のダンジョンに向かう日になった。

攻略隊の隊長は俺。

隊員はルー、ティア、ガルフ、ダガとリザードマン十人、リアとハイエルフ五人、山エルフ五人、鬼人族メイド二人、ラミア族が五人、巨人族が三人、それとレギンレイヴと始祖さん。

あと、ウルザ、アルフレート、ティゼル、ゴール、シール、ブロン。

イースリー、フェニックスの雛のアイギス、虎のソウゲツ、オルトロスのオルも誘ってみたのだけど……

イースリーはコタツに籠城して不参加。

アイギスは鷲と修行すると不参加。

ソウゲツは本人が意思表明をする前に姉猫たちが不参加をアピール。

危険な場所には行かせたくないらしい。

オルはグーロンデから離れたがらず、不参加となった。

確認するけど、グーロンデは……ダンジョンを壊す可能性があるから遠慮すると。

うん、無理にとは言わないよ。

そうそう、忘れてはいけない隊員がいた。

クロの子供たち三十頭。

ザブトンの子供たち……百匹ぐらいかな?

冬だから無理しなくていいと言ったのだけど、やる気をみせてくれている。

最初は連れて行くつもりはなかったのだけど、未踏破のダンジョンに挑むのだから、ダンジョン攻略の達人を用意すべきとアンとラムリアスの二人に説得された。

了承してからダンジョン攻略の達人って誰だろうと思ったら、クロの子供たちとザブトンの子供たちだった。

たしかにダンジョン攻略と言えば、クロの子供たちやザブトンの子供たちだ。

実績がある。

間違いではないだろう。

ただ、クロの子供たちやザブトンの子供たちを連れて行くなら、魔王とビーゼルに伝えておかないといけない。

魔王国領で騒ぎになっても、誰も得しないからな。

幸いにも、魔王とビーゼルは屋敷に来ていたから話は早く、了承をもらえた。

魔王としても今回の海岸のダンジョンで短距離転移門が大量に発見される必要があるので、拒絶できなかったのかもしれない。

申し訳ない……のかな?

まあ、無茶なことはしないと言っておこう。

安全第一。

攻略隊のメンバーはそれぞれ武装し、始祖さんの転移魔法で海岸のダンジョンの近くに移動する。

綺麗な砂浜だ。

まるで海水浴場のようだが……

ああ、綺麗にしたのか。

海岸の清掃作業中にダンジョンのある洞窟を発見したのだったな。

その洞窟は、ここから少し歩いた岩場にあるそうだ。

さっそくと気持ちが 逸 ( はや ) るが、待機。

俺たちがわざわざダンジョンの入り口前ではなく、近くの砂浜に転移したのはここで待ち合わせがあるから。

待ち合わせの相手は二組。

一組は海岸のダンジョンのある洞窟を発見した海の種族たち。

もう一組は、魔王が手配した冒険者たち。

短距離転移門の発見者役だ。

当初は俺が発見者役だったが、俺が拒否したので冒険者たちとなった。

どうして最初から冒険者たちを発見者に提案してくれないのだろうか?

疑問はともかく、二組とも姿がみえない。

まだのようだ。

待たないといけないようだが……

クロの子供たちやザブトンの子供たちが、海を見てテンションが上がっている。

海を見るのは初めてか?

海に近づいてもかまわないが、入るなよ。

いや、泳げないと疑っているわけじゃないぞ。

お前たちが川やプールで泳いでいるのは知っているからな。

ただ、これからダンジョン探索するんだ。

余計な体力を使うのはよくない。

それに、海水に濡れたままにすると毛並みがな……

こんな場所じゃ真水の確保も大変だろうし。

ああ、匂いでわかると思うが、海水は飲んじゃ駄目だぞ。

あれは塩水だからな。

よし、いい返事だ。

行っていいぞ。

そしてすでに海に入って海水を飲んだウルザ。

こっちに来なさい。

アルフレート、ティゼルも。

この辺りはそれほど寒くならない気候だが、それでも冬の海だ。

入れないことはないが、泳ぐには適していない。

なのに一直線で海に走るとは。

これが若さか。

いや、感心している場合じゃなかった。

鬼人族メイドたちに頼んで火を用意してもらい、ウルザたちを温める。

お小言は……ルーとティアがすでに言っているか。

なら、俺は温かいスープでも作ろう。

待ち合わせの相手はまだ姿を見せないしな。

幸い、大きな鍋なら持ってきている。

祭りなどで大量に料理するときに使っている、大人が入れるぐらいの大鍋を。

……

海岸ってことで、カニを期待していました。

はい、わかっています。

これで作ると量が多くなりすぎるから、小さい鍋で作ろう。

小さい鍋と言っても、子供が入れるぐらいのサイズ。

攻略隊の食事を作るなら、これぐらいは必要だからな。

俺が料理の準備をしていると、ハイエルフたちが小屋を作ろうと言い出した。

料理に砂が入ってもなんだし、悪くないアイデアだ。

着替える場所やトイレも欲しいしな。

わかった。

俺は料理を鬼人族メイドに任せ、小屋の材料の調達に出る。

ガルフとダガ、それとリザードマンたちには周辺警戒をお願いし、俺の護衛はラミア族と巨人族に同行をお願いする。

この辺りの魔物や魔獣は海岸の清掃時に退治されており、危険は低い。

ラミア族と巨人族なら材木を運ぶ手伝いもしてもらえるし、悪い人選じゃないはずだ。

海を見て喜んでいるクロの子供たちやザブトンの子供たちをわざわざ呼ぶことも……

クロの子供が五頭と、ザブトンの子供が十匹、俺の横にいた。

仕事はきっちりやりますと、自信に満ちた顔だ。

まあ、街に行くわけでもないし、かまわないか。

レギンレイヴも同行するのね。

断らないよ。

始祖さんは……記憶が戻るかもしれないから、周辺を散歩する?

了解。

ゴールたちは……ウルザたちの見張りをルーに頼まれたのか。

すまない、頑張ってくれ。

俺は近くの森に入り、【万能農具】で木材を作っていく。

ハイエルフたちの求める量は揃っただろう。

いや、それ以上にあるな。

夢中になりすぎたかもしれない。

ダンジョン探索に行くということで、俺もテンションが上がっていたようだ。

頭を少し冷やそう。

そして、ラミア族、巨人族には余計な仕事をさせてすまない。

置いていくのはもったいないからな。

木材を持って砂浜に戻ると、そこは戦場だった。

まず、存在感を示しているのは巨大なカニ。

甲羅の横幅が五メートル以上はあるだろう巨大なカニ。

それが一匹だけじゃない。

五匹いた。

その五匹が浅瀬から、ザブトンの子供たちを背負ったクロの子供たちを相手にしている。

ハイエルフや山エルフたちは……海に入ってカニの背後を……違う。

海を見れば、人魚やサハギンなどの海の種族が浮かんでいた。

一人や二人じゃない。

三十人以上はいるか。

全員、泳いでいない。

気絶しているようだ。

ハイエルフや山エルフはそんな海の種族を、カニから遠ざけようと頑張っている。

ああ、クロの子供たちは、救助活動をしているハイエルフや山エルフにカニの意識が向かないように、挑発を続けているのか。

ルーとティアはどうした?

姿がみえない。

だが、やられたわけではないだろう。

空を飛べる二人が 溺 ( おぼ ) れているとも考えにくい。

最初からいなかったと考えるべきだな。

ゴールたちは……ウルザたちが飛び出さないように抑えている。

……

よくわからないが、状況からカニが襲撃してきた。

そして、浜辺に残っていたメンバーで迎撃。

海の種族になにがあったかは、わからないが……生きてはいるようだ。

誰かが雷の魔法でも使ったのか?

俺はそう分析しながら、俺は自分の見識の甘さを反省する。

あのサイズのカニは予想していなかった。

どうやって 茹 ( ゆ ) でよう。

遅くなりました。

村長が巨大なカニを見ても余裕な理由は次回にでも。