桜の国チェリンと七聖剣【百十八】
桜の国チェリンと七聖剣【百十八】
「全く、困った人ね……」
会長はため息をこぼしながら、その長い髪をたくし上げた。
その瞬間――彼女はディールの視界に入らないよう、素早く指を三本立て、その後に親指と人差し指で丸を作った。
(今のは……ハンドサインか?)
素早く左右に目を向ければ、リリム先輩とフェリス先輩が同時にコクリと頷いていた。
どうやら、二年生三人組だけで通じるものらしい。
「あぁ、くそ……っ。こうなりゃもう 自棄 ( やけ ) だ……! 元皇帝直属の四騎士だかなんだか知らないけど、このリリム=ツオリーネ様が討ち取ってやるぜ!」
「そもそも六対一だし、アレンくんもいるし……。可能性はゼロじゃないんですけど……!」
リリム先輩とフェリス先輩は、吹っ切れたようにそう叫んだ。
「――アレンくん・リアさん・ローズさん、あなたたちは機を見て援護してちょうだい」
「はい」
「わかりました」
「承知した」
そうして戦闘方針が定まったところで、
「侵略せよ――< 原初の龍王 ( ファフニール ) >ッ!」
「染まれ――< 緋寒桜 ( ひかんざくら ) >ッ!」
「写せ――< 水精の女王 ( アクア・クイーン ) >ッ!」
「ぶっ飛ばせ――< 炸裂粘土 ( バースト・クレイ ) >ッ!」
「拘束せよ――< 鎖縛の念動力 ( バインド・サイキック ) >ッ!」
リアたちは一斉に、それぞれの魂装を展開したのだった。