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291 エルフの里攻防戦①

蜘蛛ですが、なにか? — ncode.syosetu.com · All chapters

291 エルフの里攻防戦①

二話目投稿。もう一話投稿しているので見てない方は前話からどうぞ。

なんだかんだあったけど、後は結界壊して突入するだけ。

んでもって、その結界だけど、実物をこの目で見るとやばいわー。

一言で言うとすんごい。

すごいじゃなくてすんごい。

それくらいやばい結界だっていうこと。

強度は魔王が破れないって点ですでにおかしいのはわかる。

魔王のステータスはカンスト一歩手前の九万前後。

それで突破できないって言うことは、この世界のステータスじゃ、まず破壊は不可能ってことだわな。

限界突破しないと。

それで、そんなものがシステムの力で作れるかって言ったらムリ。

つまりこの結界はシステムが関与してない技術で作られたものだっていうこと。

そんでもってこの世界でシステムが関与してない技術で作られたものなんて、大体一種類しかないんだよねー。

MAエネルギーを使った超技術。

しかも、この結界はその強度を維持するために、MAエネルギーをドカ食いしてる。

よくもまあ、こんなアホみたいな結界を使う気になったもんだわ。

これ、使えば使うだけ星の寿命縮める欠陥装置じゃねーか。

黒よ、何でこれをずっと放置してたのか。

まあ、それも今日までのことよ。

こんな危険なもんはさっさと壊してしまうに限る。

というわけで、取り出したるは黄金バット!

やきうの時間です!

「え?」

魔王がなんか間抜けな声を出してるけど、これバット凄いんだよ?

なんせDの家にあったもんだもん。

一回使い切りシリーズ第二弾の便利グッズ!

これでフルスイングすればあら不思議!

どんな硬いものでも木っ端微塵!

結界だってなんのその。

ぶっちゃけね、この結界私だけの力で壊そうと思ったら結構大変なのよ。

私の基礎能力って結構偏ってるからさ。

下手するとMAエネルギー大量消費につながりかねないんだよねー。

だからあるものは何でも使う。

それがたとえDのものでも!

そろそろ帝国軍が大魔法ぶっぱなす時刻。

それに合わせて私はこいつをフルスイングするだけ。

それでは。

バッターボックススタンバイ!

白選手、打ったー!

ホームラン!

なんということでしょう!

帝国軍が放った大魔法とタイミングを合わせてバットをフルスイング。

バットが結界を粉々に粉砕し、バットもまた役目を終えて砕けていく。

うむ。

では行こうか。

「白ちゃん、何今のものすんごく禍々しいオーラのバットは?」

「魔王、世の中知らない方がいいことっていっぱいあるんだよ?」

魔王がバットについて聞いてくるけど、D謹製の便利グッズのことはあんま突っ込まないでほしい。

便利な反面、使ったらその後が怖い物ばっかだし。

だってあのDが作ったものだよ?

なんかものすごい呪いとかついてそうで怖いじゃん?

一応入念にチェックして、そういうものがないって確認してから使ってるけどさあ。

Dのことだから、私のチェックをすり抜ける隠ぺいがされててもおかしくないし。

それでも使うときは使う。

だって便利なんだもん!

て言っても残ってるのはあと一個だけなんだけどね。

時計は黒に対して使っちゃったし、バットも今ので使っちゃったし。

あとカードがあったはずなんだけど、いつの間にかあれなくなってたんだよなー。

どこやったっけ?

まあ、今はそんなことより行動あるのみ。

万里眼でエルフの里全体を俯瞰してみれば、結界がなくなったことでエルフたちは慌てふためき、帝国軍は夏目くんを先頭に意気揚々と進軍を開始していた。

転生者居住区に目を向ける。

今のところエルフが転生者たちに何かする様子は見られない。

一応過去に結界内に侵入させていた私の分体、胃液シスターズを密かに配置してあるから、何かあってもすぐに救出することはできる。

なんか転生者同士でもめ事起こしてるっぽい雰囲気だけど、あれは教皇が密偵として侵入させていた荻原くんかな?

なんかしくったっぽい。

んー、まあ、放置で問題なし。

エルフたちの目が帝国軍に向いている今のうちに、私らは私らの仕事をしますかね。

ということで、移動開始。

私が先頭になって魔王たちを誘導していく。

私一人なら転移であっちこっちに行くこともできるけど、魔王はそうはいかないからね。

それに、転移を使うとたぶん空間の揺らぎを検知されてこっちの動向がバレる。

もうすでにバレてるかもしれないけど、バレてないかもしれないし、一応隠密行動ということで。

エルフがいない場所を選んで突き進む。

魔王配下のパペットタラテクトがついてこれるギリギリのスピードで森の中を駆け抜ける。

その間にも万里眼で情報収集は欠かさない。

胃液シスターズの必死の捜索にもかかわらず、ポティマスの正確な居場所は判明していない。

よっぽど厳重に隠してるっぽい。

実にポティマスらしい慎重さだわ。

けど、見つからないのが逆に奴の居場所を特定する手掛かりになっている。

これだけ探して見つからないということは、探せない場所にいるってこと。

かといって、里の外って選択肢はあり得ない。

あのポティマスがあれだけの結界を使ってるんだから、その外に本体を置いておくなんて博打を打つはずがない。

必ず最も安全な結界の中に本体はいる。

そして、その結界の中でも見つからない場所。

そこまで考えれば場所の特定はできる。

地下だ。

地上をくまなく探しても見つからないんだから、そこしかない。

私らが見つけなければならないのは、その地下へと通じる通路。

けど、探す必要はない。

地上にはポティマスが抱えているはずの超技術で作られたロボが一体もなかった。

ならば、ポティマスの本体同様地下に隠してるはず。

今回の襲撃はその戦力なしでしのぎきれるものじゃない。

必ずどこかしらのタイミングでそいつらを投入してくる。

そうしたら、そいつらが出てきたところを襲えばいい。

そいつらが出てきたところこそ、ポティマスへと通じる道なはずだから。

と、言ってるそばから、私たちの前方一キロくらい先の地面がパカッと割れ、そこからロボがワラワラと出てくる。

わーお。

なんか某星の戦争的な映画に出てきそうな外観のロボだわ。

四本腕に、四本足。

その四本の腕には銃が括りつけられている。

ファンタジー世界には似合わない、SFチックなロボ。

ロボは地上に出ると同時に、こっちに向かって移動を開始。

どうやら敵さん、すでにこっちのことを捕捉してたらしい。

四本足を器用に使い、高速で森の中を駆けてくる。

速いな。

ステータスに換算すると、5000くらいか?

私と魔王ならばその程度のスピードは屁でもないけど、パペットタラテクトたちはちょっと苦戦するかもしれない。

パペットタラテクトたちもステータスは一万超えてるけど、あのロボの搭載されている武器がどれだけの威力を発揮するかわからないし、何より数が多い。

「接敵。私が対処する」

短く魔王たちに報告。

そのまま高速で移動し、ロボが視認できる距離に来る前に、魔術を発動させる。

闇の弾丸が複数飛来し、ロボ軍団に襲い掛かる。

ロボは抵抗もろくにできずにそれに撃ち抜かれ、破壊された。

……もろい。

これがポティマスの戦力?

イヤ、まさかねえ。

こんなガラクタだけなはずがない。

まあ、けど、地下への入り口は見つけられた。

破壊されたロボの残骸をそのまま無視して進み、ロボ軍団が出てきた入口に到達。

慌てたように入口の蓋が閉まろうとしたけど、それを力づくで止める。

ていうか、蓋をそのままぶっ壊した。

ロボ軍団が出てきた入り口は、急な下り坂になっていた。

この下に、ポティマスがいる。

魔王へと目配せすると、魔王は無言で頷いて下へと降りて行った。

ここから先は、魔王一人で進む。

それが魔王の願いだから。

私たちは手出ししない。

ただ、見守るためにこっそり極小サイズの分体だけ、ついて行かせた。

死ぬなよ、魔王。

さて、私は私でできることをしよう。