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77話 ラミリスの報せ

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77話 ラミリスの報せ

いきなり飛び込んで来て、何を言い出すのだ。

な、なんだってーーー!!! とでも返せば良かったのだろうか?

俺を目指して、真っ直ぐに飛んでくるラミリス。

その後ろで、開けた扉を丁寧に閉めるベレッタ。

どこか苦労性な感じになっている。

ラミリスに振り回されているのが手に取るように感じられた。

そのラミリスの目に、高級な服装の人物が立ち塞がった。ディアブロである。

末席に座り、静かに会談の状況を観察していたようだが、侵入者が勝手なことをするのを許すつもりは無いようだ。

何というか、あっさりと捕獲されるラミリス。

ジタバタともがきながら、

「ちょ、ちょっと! 何をするだー!!!」

などと口走っている。

愉快な奴だ。魔王の威厳なんて、欠片も見当たらないのが微笑ましい。

「リムル様、不審な者を捕らえましたが、如何致しますか?

この町が滅ぶなどと、巫山戯た事を抜かしていますが、どの様に処分致しましょう?」

ディアブロが俺の元までやって来て、丁寧な口調で聞いてきた。

「げええぇ! アタシの全力の魔力で逃げ出せない!?

こ、コイツ! 只者じゃないわね?

なによ、何なのよ! アタシが何をしたって言うのさ!」

相変わらず、騒々しい奴である。

ぶっちゃけ、ラミリスの倍以上の魔力があるディアブロから逃げるのは難しいだろうと思うよ。

これで魔王、か。

何だか魔王って大した事ないなって思えるのは、コイツがいるお陰だろう。

「リムル殿、その妖精は知り合いですか?」

と、フューズが聞いてきた。

ああ、会談が中断してしまったな。コイツももう少し後に入ってくればいいものを。

空気を読めない所も相変わらずである。

「ああ、ラミリスって言う妖精で、俺の知り合いだよ。

一応、魔王らしいよ? そんなナリしてるけど……」

「アンタ! そんなナリってどういう意味よ!

これでも、十大魔王中最強と恐れられているんだからね!

" 迷宮妖精 ( ラビリンス ) "のラミリスとは、アタシの事よ!」

ドヤァ! とばかりに、ディアブロに捕らわれたままふんぞり返っている。

威厳も何もあったものでは無いのだが、本人は気付いてないようだ。

「え? 魔王……?」

「へえ、あれで?」

と言った具合に、会談に参加している者達の反応も大した驚きは見受けられなかった。

「え?

……えええ?

何で? ここはもっと驚く場面でしょう?

アタシ、魔王なんだけど? 何でそんなアッサリした反応なわけ?」

いやいや。

魔王って言っても、お前捕まってるし。

多分、皆呆れてるんだと思うけど?

と思っていたけど、

「いや、だってリムル殿も魔王だし、知り合いに魔王が居ても納得出来るというか……」

「というより、ヴェルドラ復活の方で驚き過ぎて、大抵の事では驚かないというか……」

そういう台詞に頷く人々。

なるほど。そう言えば、そうである。

逆に、

「はあ? ヴェルドラが復活?

アンタ達、騙されてるよ!

ヴェルドラはアタシがワンパンで沈めてやったからね!

口程にも無い奴だったわよ。まあ、アイツの時代は終わったってワケ。

恐怖するなら、今日からは、アタシの事を恐れるがいいのさ!」

そんな事を言いながら、高笑いする。

本当に、口だけ番長もいいところだ。

俺はディアブロからラミリスを受け取り、ヴェルドラの所へ連れて行った。

「ヴェルドラ、済まないけど、ちょっとこの子の相手してやってくれる?

一応魔王だから、お前の妖気で死んだりしないし」

「ん? 我は今大いなる謎を解くのに忙しいのだ」

「ああ、それ犯人はヤスだから。謎は解けただろ?

じゃあ、頼むな」

そう言い残し、自分の席に戻る。

ヴェルドラは大きく目を見開き、『え? 何で先に犯人を言うんだよ!』的なショックを受けている様子。

そしてラミリスはヴェルドラを見て、パタリと気絶して大人しくなったのであった。

問題児が二人大人しくなった所で、会談の纏めに入る事にした。

………

……

…

結論として、王の解放と同時にミュラー侯爵とヘルマン伯爵が責任追求を行う。

その反応により、ヨウムが決起する。

ドワーフ王国は、この度のテンペストの勝利を切欠として、堂々と国交を結ぶ宣言を行う。

魔導王朝サリオンとしても、正式にテンペストを国として認める声明を出す。

そして、テンペストが街道を整備する状況に応じ、国交を結ぶ打診を行うという流れ。

この2国に関しては、西方聖教会の影響下に無いからこそ出来る話である。

問題は、ブルムンド王国なのだ。

「教会と決別しても得るモノの方が大きいのは確かだ。

しかし、評議会も黙っていないだろうしな……」

そこが一番のネックになるようである。

だが、どちらにせよぶつかる事になるのだ。

「何とか、上層部を説得する。説得出来次第、国交を結ぶ打診を行う事になる。

受けてくれるんだろうな?」

念押しされた。

それは当然の話。

損得勘定で動くならば、武装国家ドワルゴンと魔導王朝サリオンという2大大国が正式に承認する国家となるテンペスト。

そのテンペストとの国交は喜ばしい出来事となる。

だが、評議会に参加している国家郡との全ての関係に比べたら、天秤はどう傾くか不明なのだろう。

俺には答えが出せる。

実の所、評議会と付き合いを続ける方が短期では得なのだ。

だが、10年も経たずに同等以上に利益を享受出来るようになり、20年もすれば完全に逆転する事になる。

智慧之王 ( ラファエル ) の完全予測による算出データによるものだ。

だが、これは言わない。

結果とは、自らが選択した行動の成果なのだから。

そして俺達にとっての問題は、西方聖教会である。

魔物の国を認めぬ西方聖教会ひいては、神聖法皇国ルベリオスとの衝突は避けられぬという予測が出ていたから。

そしてそれは、大きな問題であるのだ。

勝利し、そして、俺達の有用性と協調性を証明する必要もあるのだから。

全ての問題が簡単に片付く事は無い。

全ては、今後の自分達の行動に委ねられたのだ。

それぞれの国が、それぞれの思惑を元に打ち合わせを行い会談は終了した。

この突発的な会談は、歴史の転換点とも呼ばれる重要な意味合いを持つ事になる。

だが、当然今の俺達はその事には気付いていなかったのだ。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

会議も終わり片付けをしつつ。

何か忘れている気がするような……そう思っていたのだが、

「あ、アンタね! どういう事、これは一体どういう事なのさ!」

と、喧しいのがやって来た。

思い出した。コイツが来てたんだった。

そろそろ相手してやらないと泣き出しそうだ。

仕方ない。

ヴェルドラを見て気絶し、気絶から目覚めたら漫画に興味を示し、会議が終わったのにも気づかずにヴェルドラと意気投合していたようである。

皆が動き出したのに気付き、慌てて目的を思い出したのだろう。

えらく呑気だが、どうせ大した事ない報せを大げさに言っているだけだろう。

帰り支度をしていた各国の者達も、ラミリスの言葉で動きを止める。

ラミリスの存在を思いだし、再び席に戻る一同。

それを見て満足したのか、無い胸をそらして大げさに頷くラミリス。

そして、

「もう一度、言うわ! この国 ( テンペスト ) は、滅亡する!!!」

と言い放った。

「な、なんだってーーー!!!?」(棒読み)

相槌の代わりにそう問うと、

「フフン! まあ、アタシもそれは望まないワケ。

で、わざわざ知らせに来てあげたってわけなのよ。感謝しなさいよね!」

と、恩着せがましく言い始めた。

相手にすると長引きそうだし、話を進めよう。

「で、何で滅亡する事になるんだ?」

その言葉に真面目な顔になり、一度各国の要人を眺め回す。

少し思案してから、

「まあ、人間にも関係ない訳じゃないし、いいわ。一緒に聞きなさい。

魔王クレイマンの提案による、 魔王達の宴 ( ワルプルギス ) が発動されたのよ。

賛同者は、魔王フレイと魔王ミリムの2名。

魔王3名の連名による発議なので、この提案は受理された。

アタシの所にも知らせが届いたって話なのよ。

この宴での話題は、『魔王カリオンを殺害した者への報復』というもの。

そして……。

その犯人に、『新たに魔王を僭称するリムル』なる者の名が挙がってる。

アンタ……魔王を名乗っちゃったワケ?」

と、彼女らしからぬ真剣な様子で聞いてきた。

彼女の発言に動揺を見せる会議場の人々。結構重要な話題だったようである。

というか、魔王カリオンって誰だよ? そんなのと戦った記憶はなんだけど?

「魔王を名乗ったのは事実だけどさ、魔王カリオンを殺害って、そんなのは知らないんだけど……」

「ちょっと待ってくれ!!! カリオン様が殺害されたというのは、本当の事なのか!?」

俺の言葉を遮るように、グルーシスが割り込んで叫んだ。

ん? コイツって、もしかしたら魔王カリオンの配下だったのか?

「魔王ラミリスよ、教えて欲しい。カリオン様は本当に討たれたのか?」

「ちょ、ちょっと! いきなり割り込まないで欲しいんだけど!?

でも、まあいいわ。

リムルが殺ってないってのも本当のようだし、裏があるのは間違いないわね。

ここは、この名探偵ラミリスさんの出番、ってワケね。

こういう場合のセオリーでは、犯人は言いだしっぺが怪しい!

つまり……犯人は、魔王クレイマンで決まりね!」

グルーシスの質問を全く無視し、持論を展開させるラミリス。

しかも、悲しく悔しい事に、 智慧之王 ( ラファエル ) の導き出した予想と答えが一致していた。

コイツの場合は、さっき読んでた漫画のセリフを言ってみたかっただけだろうけど。

「おい、俺もその考えには賛成なんだが、グルーシスの質問にも答えてやれよ。

魔王カリオンは討たれたのか?」

会場は静まり返り、ラミリスの答えを待っている。

大国の者達にとっても、魔王の一体が討たれたというのは、大きな問題となるのである。

それは、魔王間の戦力バランスの崩壊を起こす可能性すらあるのだから。

だが、ラミリスはその辺りは無頓着であった。

何の気もなく、

「え? 知らないわよ。そういう内容で宴するから参加してねって言われただけだし?」

と、のほほんと答えたのだ。

所詮はお子様。知らせに来てくれただけでも良しとすべきである。

「で、どうして知らせに来てくれたんだ?」

「ん? いや、実はさ、アンタが殺られたらアタシのベレッタがどうなるか不安じゃん?

で、アタシはアンタに味方する事に決めたから、来てあげたってワケよね。

そういうワケで、ここに迷宮への入口を創るけど、いいわよね?」

「って、何で話が飛ぶんだよ! 迷宮への入口って何なんだ?

知らせは嬉しいけど、それとこれとは話が違うだろうが!

しかも、サラッとベレッタを自分のモノみたいに言うんじゃないよ?」

「ええーーー、いいじゃん。細かい事、気にしない気にしない!

そんな事より、ベレッタが挨拶したがってたわよ。おーい、こっちおいで!」

人の話を聞かず、言いたい事だけを言い募るラミリス。

話は終わりといった態度である。

本当、とんでもなく 自由人 ( フリーダム ) な妖精であった。

………

……

…

ともかく、その場は解散となった。

ラミリスからは、これ以上の情報の入手は無理そうである。

各国の者にも、今後新たな情報が掴めたら知らせると約束し、納得して貰った。

そうして、会談に参加した者達は、帰り支度をしに去って行った。

というか、ドワーフ王は水晶球の魔力回路を切っただけなのだが。

フューズは宿で一泊してから、帰国するとの事。

エラルド公爵も、 娘 ( エレン ) と話もしたいと駄々をこね、何泊かしてから帰るとの事だった。

突発的に発生した会談だったが、えらく重要な者達が揃ったものである。

最後は、気ままな妖精の参加で締まらなかったが、大きな成果はあったと考えていいだろう。

こうして、突発的に発生した会談は終了したのであった。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

さて、場所を移し、幹部達が集まった。

ヨウムと、ミュウランにグルーシスの3名も参加している。

小さな会議室にて、全員が席についた。

フューズに聞いたところ、 魔王達の宴 ( ワルプルギス ) とは魔王が全員集まる事を意味するらしい。

これには、3名以上の魔王の承認が必要らしく、一度発動されたらかなりの強制力を持つモノなのだそうだ。

不参加は余程の覚悟が必要らしく、自由気ままな魔王達を拘束可能な、数少ない魔王間の条約なのだと言っていた。

もっとも、発動が確認された事は少なく、人間側の文献に残る資料も少ないらしい。

それでもその名が知られているのは、前回の 魔王達の宴 ( ワルプルギス ) の発動のタイミングで聖魔大戦が勃発したからだそうだ。

1,000年も昔の話らしいのだが、大きな被害と災厄が撒き散らされたのだとか。

世に混乱と破滅を齎す魔王の宴、そういう認識で知れ渡っているそうである。

「今回の標的がリムルの旦那だって話なら、覚悟しておいた方がいい。

最悪、8体の魔王を敵にする事になる。

あくまでも、あの魔王ラミリスの言葉を信じるならば、だが……」

フューズはそう言って、俺の心配をしてくれた。

まあ、なんとかするよ、そう言ってフューズを安心させたのだが。

魔王達に狙われるのも勘弁して貰いたい。

そこで、対策会議を開く事にしたのである。

「さて、会議ばかり続く感じだが、我慢して欲しい。

今回の議題は、『 魔王達の宴 ( ワルプルギス ) 』についてだ。

こちらのラミリス君の知らせで、俺が狙われているという事らしい。

どうすればいいか、意見はあるか?」

とにかく、いつものように意見を聞く事にした。

はい! っと、元気よく手を上げてシオンが俺を見ている。

指名すると、

「魔王達を全員切り捨てればどうでしょう?」

馬鹿に聞いた俺が間違っていた。

こめかみに血管が浮き上がりそうになる。前にもこんな事があった気がするけどな。

「シオン、どうやって切り捨てるんだ? お前な、現実的な意見を言えよ?」

俺の言葉にシオンはションボリ俯いた。

「しかし、魔王ミリム様まで発議に名を連ねているのが気になりますね。

やはり、何らかの策謀の匂いがします」

ソウエイが的確な事を言った。

そういう意見を待っていたんだよ。

「だな。ミリム様がリムル様を裏切るとは、考えにくい。

根拠の無い、単なる勘だけどな。俺は自分の勘を信じる」

と、ベニマル。

なるほど、根拠は無いが、か。

実は、俺もミリムに裏切られたとは感じていなかった。

智慧之王 ( ラファエル ) の解答も、データ不足だが何らかの状況変化が無い限り有り得ないと出ていた。

俺はミリムを信じる事にする。

「クフフフフ。何にせよ、魔王の皆様と戦いになるならば、撃ち破れば済む話。

そもそも、魔王はリムル様お一人で十分でしょう!」

我が意を得たりと、シオンが大きく頷き、

「その通り! お前は新参にしては見所がある。

正に、私が言わんとしたい事を言ってくれたものだ!」

と、大きく頷いていた。

何でそうなる。

見回せば、ヴェルドラを筆頭にその意見が大半をしめている様子。

慎重派は、ガビルとゲルドの二名のみ、か?

皆、やる気というより殺る気に満ち溢れているようだった。

いつの間に、こんなに武闘派になったんだろう。

「待て待て、慌てるな。

ともかく。ミリムが俺を裏切ってないという意見には賛成だ。

とすると、何かあったと考える。

さっきラミリスが言っていた、犯人はクレイマンという意見もいい読みだと思う。

何かがあった、と考えるべきだろうな」

話を上手く誘導し、物騒な会話を止めさせる事に成功した。

会議はまともな内容になっていく。

「でしょ? でしょでしょ!

やっぱり、名探偵ラミリスさんの読みは完璧だったワケね。

じゃあさ、クレイマンをぶっ飛ばせばいいんじゃない?」

「なるほど、聞くべき点がありますね。

よし、私が行って、軽く殺してくる事にしましょうか……」

「って、待て待て、ちょっと落ち着けシオン。

出かける準備をするな、ベニマルにソウエイも!」

たく。

全然まともな流れになってはいなかったようだ。

しかも、ラミリスまで調子にのっているようだ。

「大体さ、何なワケ? ここって、何でこんなに強力な魔人がゴロゴロいるのさ!?

こんなにいるんなら、ベレッタはアタシの物でいいじゃないのさ!」

などと言い出していた。

困ったヤツである。諦める気は無いようだ。

しかも、俺の仲間が強い事に気付き、自分まで調子に乗り出している。

驚く程の 順応性 ( わがまま ) だった。

「宜しいですか? カリオン様が討たれたなど信じられぬのです。

俺も、その 魔王達の宴 ( ワルプルギス ) に連れて行って貰えませんか?」

グルーシスがそんな事を言い出した。

ふむ。アリかも知れないな。

「参加可能なのは、魔王本人と、腹心の者が2〜3名って決まってるのよ。

関係ない者が行ったって殺されて終わりになるわよ?」

と、ラミリスが答えている。

俺も、ふと思いついた事をラミリスに聞いてみた。

「なあ、それ、俺が参加するって伝えられるか?」

全員の視線が俺の顔に集中した。

どうせ狙われるなら、こっちから出向くのもいいかも知れない。

新型結界の試し打ちをすれば、最悪逃げるだけなら大丈夫だという自信もある。

影で動かれるより、こっちから打って出る方が気が楽だしな。

何よりも。二度と、この町への被害を出させる気はないしね。

俺の仲間に手を出すと言うのなら、それ相応の覚悟はして貰いたい。

あーあ。どうやら、俺にも脳筋が移ってしまったようだ。

「クアハハハハ! やる気になったか! 良かろう、我もともに行こう!

我が付いていくのだ。魔王共など、恐るるに足らぬわ!」

「そうよそうよ! 師匠 ( ヴェルちゃん ) が行くなら、アタシも安全ってものよね!

ベレッタもいるし、アタシの守りは完璧ね!」

「……いや? 我は別に、お前のお守りでついて行くのでは無いのだが?」

「うぇえ!? そんな、冷たいでしょ、 師匠 ( ヴェルちゃん ) !」

「というか、師匠って、何だよ……」

いつの間にか、漫画友達になったようである。

仲が良いのはいい事だが、一方的に懐いてるだけに見えるけどね。

ラミリスは、魔王専用回線にて、全魔王へ俺が宴に参加するという内容の通信を行っている。

何やら無駄に高度な魔術式にて、空間干渉による通話を開始し始めた。

ラミリスが通信している間に、ベレッタは立ち上がり、俺へと挨拶して来た。

「この度は、魔王への進化おめでとう御座います。

私も、 我が主 ( グランドマスター ) の進化のお裾分けを頂きました事、お礼を述べさせて頂きたく。

お陰様で、" 魔将人形 ( アークドール ) "より進化し、" 聖魔人形 ( カオスドール ) "へと至りました」

そう述べて、俺に向けて恭しく一礼する。

ユニークスキル『聖魔混合』を獲得したらしい。

ほぼ全ての物理攻撃と魔法を無効化し、聖と魔という相反する属性を持つ" 聖魔人形 ( カオスドール ) "。

俺が" 聖浄化結界 ( ホーリーフィールド ) "内での無力感を感じた時、" 魔将人形 ( アークドール ) "だと動く事も出来ないな、と感じていた事が進化の要因となったようだ。

新たな精霊核が体内に生じ、魔核と融合した結果生まれたのが、聖魔核らしい。

ものすごく研究素材にしたいが、今はそれどころではない。

「お、おう。元気そうで何よりだ。

今回の件が終わったら、色々話でもするか」

「はは! ありがたきお言葉です。楽しみが出来ました」

「うん。ラミリスの言う事も、ちゃんと聞いているようで何より。

まあ、無茶な命令以外はちゃんと聞いてやってくれ

今回の 魔王達の宴 ( ワルプルギス ) にて何かあったら、頼りにしているぞ」

「お任せ下さい。ご期待に応えてご覧にいれましょう!」

そう言葉を交わし、ベレッタを座らせた。

ラミリスの配下はベレッタ一人だった為、グルーシスも変装し参加する事になった。

ミュウランもクレイマンへの恨みを晴らしたいようだったが、ヨウムに止められたようだ。

まあ、戦力的には当てにならないしな。

ラミリスに従って、ベレッタとグルーシスが参加する事になる。

俺がベレッタと会話している様子を、悔しそうにシオンが見ている。

連れて行ってやらないと暴れそうだ。

という訳で、俺の配下としてシオンは確定だ。

後は、影の中に潜むランガと……

「我が行くと言ったであろう。我ならば、魔王どもにも引けを取らぬ!」

そうだった。実に頼もしい。

これで決定である。

ベニマルとソウエイがガックリしていたが、ここは諦めて貰う事にした。

この町の防衛という仕事もあるのだ。

ゲルドやガビルも参加し、この町の防衛体制を整えさせる。

万が一、聖教会による討伐部隊が来る事を考慮し、町の外にディアブロに配置してもらう。

単独で聖騎士を打ち破り、" 聖浄化結界 ( ホーリーフィールド ) "を破らねばならぬからだ。

ソウエイも町の外に配置して貰う方が良いかも知れないな。

ラミリスの返事を待つ間、俺達は細かい打ち合わせを行ったのである。

結論として、俺の参加は認められた。

魔王達にとっても、無駄に人間の町付近まで攻めるのも面倒だという話になったのかも知れない。

だが、好都合である。

これにより、俺も 魔王達の宴 ( ワルプルギス ) へと参加する事になったのだ。

因縁のある魔王は、レオン・クロムウェルとクレイマンの2名。

だが、今回のターゲットはクレイマンだ。

オークロードの騒乱は忘れていない。

ミュウランの件もある。

何より、ミリムの件が気がかりだ。

やろうってんなら覚悟しとけ。

お前は俺を敵にした。

俺は、敵認定したヤツを簡単に許すほど甘くはないのだ。

……ただし、美女や美少女を除くのは言うまでもない事である。

明日の投稿も難しいかも。

なるべく頑張ってみますが、更新出来なければスイマセン。