LNCrawler

第二十四話 絶景

転生したらチートアイテムが弱すぎて詰んでしまいました — novelba.com · All chapters

第二十四話 絶景

「あー疲れたー」

俺はあれからなんとか温泉から出て、夜風にあたりながら部屋に戻っていた。

ちなみに俺はあれからと言うもの、

長時間体を擦り続けられた。

しかもお腹や背中に止まらず、体全体に徹底的に擦り回されてしまった。

おかげで体のあちらこちらが傷ついている。

今もまだ体がズキズキしている。

まあ、そこからなんとか彼女と話をつけることができて、今度一緒に戦おうと約束を交わして出ることができた。

しかし今度また会わないといけないのか。

会うのは楽しみっていう気持ちはあるが、今日のあの一連のせいで会うのが少し怖いっていう気持ちもあるな。

顔を見ても赤くはなってなかったから、下心とかもないだろうし、酔っていたわけでもないだろう。

逆にもし酔わせてしまったら、どんなことをしだすか分からない。

お酒だけは絶対に飲ませないようにしないとな。

「ひゅーーーーー」

「痛ててててててー」

夜風に当たるのは気持ちいいが、その分さっき擦られたところがしみてすっごく痛いな。

そう考えていると、よくやく部屋に着いた。

「ぐーぐーがっぐー」

もうトンプリーは寝ているみたいだな。

結構いい時間みたいだしな。

俺も早く寝よう。

「ガチャ」

「はぁーーーやっと帰ってきた」

「ガチャ」

「何だ?!」

ああ。盾と弓が落ちているだけか。

入ったすぐのところにあると邪魔だな。

とりあえず寄せておいておくか。

「よいショット」

これで少しは通りやすくなったか。

つまずくと危ないしな。

「ふぁーーー」

そろそろ寝るとするか。

特にやることもないしな。

俺は布団に向かい横になった。

「まだヒリヒリするな。

多分1日寝たくらいじゃ治らないよな?」

「ぽろっ」

なんだ?

ああ、あのノートか。

この体じゃ外に出るのも辛いし、明日はここに書いてあることを覚えるとするか。

そういえば、温泉からあの方向に王都が見えたってことは…

俺はそう思い、埃まみれの窓に手を当て、

「ガチャっ」

っと窓を開けた。

俺の寝床であるベットに埃がかかるのは少し嫌だったが、窓の先には、温泉でしか見られなかった、美しいあの景色が広がっていた。

ここからでも、あの王都は見えるみたいだ。

「ひゅーーーーー」

やっぱり風は一段と強いようだ。

てか、この家、崖の絶壁にあるのか。

そこで寝てるって考えると、ちょっと怖い気もするが、まあ大丈夫だろう。

でも窓を開けっぱなしにするとずっと風に吹かれて体に痛みを感じ続けないといけないのか。

まあ、実際に擦られた時よりは全然マシか。

あの時は死ぬほど痛かったからな。

死ぬで思い出したけど、最近あんま死んでないな。

あの女神も俺に会えなくて悲しんでいるかもしれないな。

温泉で顔の上に乗られた時は、窒息死しそうだったし、たわしで擦られた時は血が出るほど痛かったが、死には直結しない痛みだから死ぬこともできないのか。

まさに、あれは生き地獄みたいだったな。

やっぱり自分から死にに行くのは違うし、今度ダンジョンとかに行ってうっかり倒されてしまった時は、たくさんのことを話してあげよう。

女神目線では俺に起こったことや行動は全て把握しているかもしれないが、俺がその時どんな気持ちだったかは知らないだろうからな。

そんないろいろなことを考えながら、俺外の景色をずっと眺めていた。

この景色、1人で眺めるのもいいが、やはりまた彼女と一緒に眺めたいな。

今度はこの村を救った後に、あんな重たい話じゃなくて楽しい話や、ロマンティックな話ができたらいいな。

やばい。そろそろ睡魔が襲ってきた。

明日は技を覚えるだけだし、特に起床時間は気にしなくてもいいか。

だんだんと、意識が、微妙に…

「がーぐーくー」

俺はこの世界に来て、初めて眠りについた。