LNCrawler

第三十話 追跡

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第三十話 追跡

「俺のポケットが切られて中身だけなくなっているんだ!」

「なんだって?!また盗まれたのか?

今すぐに追いかけにいくぞ!」

「いや、落ち着け。こういう時こそ、落ち着くべきなんだ」

「この状況だと、落ち着いている場合ではないだろ!早く探しに行かないと」

「いや、一旦落ち着いてみる。

ふーーーすーーー」

そう言って、まずは、ポケットの中身を確認したら、

「そんなことしたってノートが見つかるわけ…」

「あったぞ!」

「ノートがあったのか!

いったいどこに?」

「もう片方のポケットに入れてあった」

「うっかり過ぎじゃないか?

まあ、見つかったならよかったよ」

「でも、犯人は早く探さないとな!

また取られないように、しっかり捕まえておこう」

「ああ、わかったよ」

そうして俺らはノートを盗んだやつを探すことにした。

「でも、どうやって探すんだ?

ノートを持っていないから捕まえても見つからないぞ?

わざわざ自分から盗んだなんて自白する奴はいないし…」

「それは大丈夫だ。

犯人は、君のノートを盗んだと思っているから、きっと気づいた頃には怒っているはずだし、それにノートを奪う時にきっと逃げるようにして去っていったはず。

ならば、1人くらいは怪しいと思って見ていた村人もいたはずだ」

「それなら、聞いてみるか!」

「2人で手分けして聞き込もう。

その方が早いはずだ!」

「わかった」

俺はまず、さっき俺を胴上げしてくれた男に話しかけた。

「あの?誰か怪しい男を見ませんでしたか?

逃げるようにしてここから去っていって人とかって?」

「逃げるって、何か盗まれたのかい?」

「いえ、そうではないのですが、人を探していて…」

「んーー。すまんな。あまり覚えていなかったよ。

あそこにいる騎士なら何か知っているんじゃないか?」

そう言って彼は、先ほどの女騎士を指さしていた。

「では、あの人に聞いて見ますね。

教えてくれてありがとうございます」

「おうー。頑張れよ!英雄さん」

そうして俺は、騎士へ行き…

「あの、逃げるようにして、ここから立ち去った怪しい人っていませんでしたか?」

「怪しい人…あいつか!確かに怪しいと思っていたんだ。

何をしたか分からないが、もし、用があるなら、その男が行ったところまで案内しよう!」

「いいのか?なら頼むぞ!」

そう言われて、俺は再び女騎士の後ろをついていった。

「いたぞ!あいつだ!」

「?!あいつって、どっかで見たような…」

「思い出したぞ!あいつは、我が村の盗人、

ヴオルールだ!」

「ヴ、ヴオルール?!」

「なんだ?知っているのか?」

知っているも何も、あいつは俺のノートを盗んだ奴なんだ。

しかも、また盗もうとするなんて。

あれ?でも…

「あいつって、捕まったんじゃないのか?」

「そうなんだ。あいつは捕まえて牢屋にぶち込んだはずなのに、なぜ外に出ているのだ?

とにかく今は、あいつを捕まえるぞ」

「まずい。もうあんなにも遠くに…」

あの男の奥にいる老人は誰だ?

ん?よく見たら、村長じゃないか?

「村長!危ないぞ!その男はあの盗人なんだ。

村長早く…」

「止まらんか!」

「俺が止まるわけないだろ!」

「止まらんというのなら、わしが捕まえてやる」

「あ?捕まえてみろよ。捕まえれるもんならな!」

「駄目だ早く逃げるんだ。

早くしないとヴオルールがぶつかってきて大怪我を…」

「盗人がわしの村を暴れるんじゃない!」

ぶつかりそうになったていたその瞬間、村長はヴオルールの腕を掴み、勢いよく投げ飛ばした。

「村長強っっよ!」

予想外の光景だった。

周りの村人も皆驚いている。

「午後6時11分」

異世界でもそれやるのか。

「そういえば、お前ノートなんて持ってないじゃないか?

入っていたのはティッシュだけじゃねーかよ。

しかも、鼻を噛んだのか、全体が湿ってグチュグチュじゃないか!

なんてもの盗ませてくるんだよ?」

「確かに俺はノートを持っていたが、お前が盗んだのは、反対のポケットからなんだよ!」

「何?おまえ、ノートは右ポケットに入れていたはずじゃないのか?」

「確かに俺はこれからノートは右ポケットに入れるつもりだった」

「そうだろ?だって、俺が見た時は右に入っていたのに…」

「そうだよ!

だから俺は…」