LNCrawler

家族冒険 その06

転生して進化したら最強になって無双します — novelba.com · All chapters

家族冒険 その06

連続更新です(10/12)

===============================

「──お願い、もう一回だけ……!」

「「「却下!」」」

家族が一丸となってショウの提案を否定したのには、もちろん相応の理由がある。

なぜかって──相手が尋常ではないほど、強かったからだ。

ショウが強くないと思っていた相手は、想像以上に俺たちを苦しめる。

ただ剣技で戦うだけでなく、巧みな立ち振る舞いで家族全員を相手取った。

時に何でも斬れるナイフを投擲し、魔法を使おうとすれば即座に中断させて来る。

おまけに剣を体から生成し、どれだけ奪ってもまた剣を振るってくる面倒な仕様。

ルリやマイ、そしてショウがある程度力を解放しているはずなのに、全然勝てない。

過去のショウがなぜ勝ったのか、皆目見当が付かない強敵だった。

なんで勝てたのかと言えば、ショウが戦闘中に成長したからだ。

さながら主人公のように、力を手に入れて倒すことに成功した。

──が、そのために俺たちが支払った精神的な疲労感は相当なモノだ。

「というわけで、次は精神的に癒しへ属する場所に行こうと思います」

「「賛成!」」

「えー……けど、みんなが行きたいなら別にいいよ。でも、あとでまた来ようぜ!」

「ああ、また今度な」

ただし、今度というのはいつとは明記していないがな……みたいなことを思いながら、再び巨大な扉に触れるのだった。

◆   □   ◆   □   ◆

「ここは……温泉か」

広がるのは一面の水。

しかし、そこからは湯気が漂い視界にはやや靄が掛かっている

「こちらは『癒療の間』、浸かった者の自然治癒力を最大限まで高める湯が溢れている部屋です。他にもいくつもの効能がございますので、ぜひとも精神の癒しにお使いを」

「……と言われてもな。このままの格好で入るわけにもいかないだろう?」

「ご安心ください。女性の方々は左側、男性の方々は右側をご覧ください」

セバヌスに言われて見てみれば、そこにはポツンと小屋が設置されていた。

そして、そこには暖簾が掛かっており……『男』と書かれている。

おそらく、というか当然反対側には『女』と書いてあるんだろう。

「小屋の先にそれぞれ囲いがございます。覗きは不可能、内部は限定的に着衣解除の制限が外れております。どうぞ、ごゆるりと」

「セバヌス君、家族風呂は無いのかしら?」

「小屋の中から向かえる場所は二つ、それぞれの性別に合わせた場所か混浴風呂でございます。皆さまには、お好きな方をお選びしていただければ……」

まあ、うん。

セバヌスの言いたいことも、ルリが伝えたいことも察しが付く。

「……なあ、湯気は頑張ってくれるよな?」

「……ご安心を、旦那様。特殊技術を用い、本人が望まぬ露出も見る者が望まぬ光景も発生することはございません」

「完璧だ……!」

セバヌスと小声でそれを確認して、俺たちが風呂に入った。

なお、どちらに入ったかは……ご想像にお任せするとしよう。